2024年03月01日
今年はTCエンタテインメントさんの吹替版「ローマの休日」上映!
今回の画像の権利は、©️TCエンタテインメントさんになります。
もちろん無断転載は禁止です。
新しい情報が入って来ました!
今年もTCエンタテインメントさんから、日本初公開70周年を記念して「ローマの休日」がリバイバルされると情報を教えていただきました!
公開は4月5日(金)から、新宿ピカデリーほか全国の映画館で!
そして今年の「ローマの休日」はなんと池田昌子さんの吹替版での上映!
1979年版のテレビ朝日の吹き替えを使うそうです。これはまたまた上映前後に付くという淀川長治さんの「日曜洋画劇場」でのものですね。
でもテレビ放映の吹替って、カット部分があって、そこは吹き替えられてないはずなのにどうするんだろう?と一瞬思いましたが、欠損部分は1994年吹き込みの、現在市販されているDVD/BD収録のバージョンを使うのだそうです。
一部の役の声優さんが途中で変わってしまう違和感はないのかなー?とも思いますが、市販されているものをそのまま流すよりも、これは面白い試み!だと思いました。
なんといってもこういう上映方法自体がレアで、おそらく今後はないだろうと思いますし。
池田昌子さんや城達也さんの声も、当然1979年版の方がお若いわけですし、それを劇場で聴けるというのは楽しみですね!
むしろ去年より今年の方がワクワクしてきました!
ただし、今回のパンフレットは、昨年のものと同じだそうで、今年バージョンは作られないそうです。残念!
でもエンボス加工だけの真っ白なパンフレットだったので、映画館でも目立たなかったそうで、今回はポスターと同じ色の帯が巻かれるそうです。
帯のないのは2023年版、帯のあるのが2024年版として、今回も買おうと思います。やっぱり映画パンフレットは記念品・お土産ですからね。
そういえば、まだここで昨年のパンフレットの紹介をしていませんでしたね。また2024年版と共に紹介したいと思います。
掲載したポスターの絵柄は、今年の吹替版のものです。
昨年のポスターと比べると、昨年は白文字で “制作70周年”と書いてありましたが、今年は黒文字で “日本公開70周年”と書かれており、その横にも日本語吹替版であることが書かれていますね。あと、当然ですが公開日が違います。今回のポスターはこの1種類だけだそうです。
公式サイトはこちら。
今年はこの「ローマの休日」に続いて、“午前十時の映画祭14”での「ティファニーで朝食を」と4月は連続でオードリーが劇場にかかりますね。
昨年の「ローマの休日」は、2週間で上映が終わったところもありますので、予定を組んで、お早めにご鑑賞ください。
声の出演 1979年版(テレビ朝日版)
アン王女 …………………… 池田昌子
ジョー ……………………… 城 達也
アーヴィング ……………… 木村 幌
マリオ ……………………… 広川太一郎
大使 ………………………… 槐 柳二
プロヴノ将軍 ……………… 大久保正信
ヴィアバーグ伯爵夫人 …… 幸田弘子
タクシー運転手 …………… 及川ヒロオ
式部官 ……………………… 寄山 弘
博士 ………………………… 緑川 稔
解説者 ……………………… 篠原大作
ジョバンニ ………………… 上田敏也
私服 ………………………… 寺島幹夫
ルイサ ……………………… 沼波輝枝
花屋 ………………………… 村松康雄
ラジオ ……………………… 作間 功
靴屋 ………………………… 峰あつ子
メロン売り ………………… 石井敏郎
フランチェスカ …………… 三浦潤子
女生徒(1) ………………… 永井悦子
女生徒(2) ………………… 相見陽子
<日本語版制作スタッフ>
演出:小林守夫
翻訳:木原たけし
制作:東北新社
-------------------------------------
声の出演 補完部分(1994年ソフト版)
アン王女 …………………… 池田昌子
ジョー ……………………… 城 達也
アーヴィング ……………… 大塚明夫
大使 ………………………… 北村弘一
式部官 ……………………… 大木民夫
ジョバンニ ………………… (北村弘一)
キャッシュ ………………… 辻 親八
ウィリー …………………… 有本欽隆
エディ ……………………… 金尾哲夫
マック ……………………… 山寺宏一
イアン ……………………… 島香 裕
リカルディ ………………… 礒辺万沙子
ヘネシー編集長 …………… 中 庸助
ウェイター ………………… 丸山詠二
パオロ ……………………… (辻 親八)
サラ ………………………… 荘司美代子
カリーニ …………………… (丸山詠二)
子供1 ……………………… 竹口安芸子
子供2 ……………………… 岡村明美
子供3 ……………………… 引田有美
子供4 ……………………… (礒辺万沙子)
子供5 ……………………… (荘司美代子)
※(カッコ)付きの声優さんは、同じ役を79年版・ソフト版の2人の声優さんで当てることになる方だそうです。TCエンタテインメント株式会社の方から直接伺いました。
<日本語版制作スタッフ>
演出:佐藤敏夫
翻訳:木原たけし
制作:東北新社
もちろん無断転載は禁止です。
新しい情報が入って来ました!
今年もTCエンタテインメントさんから、日本初公開70周年を記念して「ローマの休日」がリバイバルされると情報を教えていただきました!
公開は4月5日(金)から、新宿ピカデリーほか全国の映画館で!
そして今年の「ローマの休日」はなんと池田昌子さんの吹替版での上映!
1979年版のテレビ朝日の吹き替えを使うそうです。これはまたまた上映前後に付くという淀川長治さんの「日曜洋画劇場」でのものですね。
でもテレビ放映の吹替って、カット部分があって、そこは吹き替えられてないはずなのにどうするんだろう?と一瞬思いましたが、欠損部分は1994年吹き込みの、現在市販されているDVD/BD収録のバージョンを使うのだそうです。
一部の役の声優さんが途中で変わってしまう違和感はないのかなー?とも思いますが、市販されているものをそのまま流すよりも、これは面白い試み!だと思いました。
なんといってもこういう上映方法自体がレアで、おそらく今後はないだろうと思いますし。
池田昌子さんや城達也さんの声も、当然1979年版の方がお若いわけですし、それを劇場で聴けるというのは楽しみですね!
むしろ去年より今年の方がワクワクしてきました!
ただし、今回のパンフレットは、昨年のものと同じだそうで、今年バージョンは作られないそうです。残念!
でもエンボス加工だけの真っ白なパンフレットだったので、映画館でも目立たなかったそうで、今回はポスターと同じ色の帯が巻かれるそうです。
帯のないのは2023年版、帯のあるのが2024年版として、今回も買おうと思います。やっぱり映画パンフレットは記念品・お土産ですからね。
そういえば、まだここで昨年のパンフレットの紹介をしていませんでしたね。また2024年版と共に紹介したいと思います。
掲載したポスターの絵柄は、今年の吹替版のものです。
昨年のポスターと比べると、昨年は白文字で “制作70周年”と書いてありましたが、今年は黒文字で “日本公開70周年”と書かれており、その横にも日本語吹替版であることが書かれていますね。あと、当然ですが公開日が違います。今回のポスターはこの1種類だけだそうです。
公式サイトはこちら。
今年はこの「ローマの休日」に続いて、“午前十時の映画祭14”での「ティファニーで朝食を」と4月は連続でオードリーが劇場にかかりますね。
昨年の「ローマの休日」は、2週間で上映が終わったところもありますので、予定を組んで、お早めにご鑑賞ください。
声の出演 1979年版(テレビ朝日版)
アン王女 …………………… 池田昌子
ジョー ……………………… 城 達也
アーヴィング ……………… 木村 幌
マリオ ……………………… 広川太一郎
大使 ………………………… 槐 柳二
プロヴノ将軍 ……………… 大久保正信
ヴィアバーグ伯爵夫人 …… 幸田弘子
タクシー運転手 …………… 及川ヒロオ
式部官 ……………………… 寄山 弘
博士 ………………………… 緑川 稔
解説者 ……………………… 篠原大作
ジョバンニ ………………… 上田敏也
私服 ………………………… 寺島幹夫
ルイサ ……………………… 沼波輝枝
花屋 ………………………… 村松康雄
ラジオ ……………………… 作間 功
靴屋 ………………………… 峰あつ子
メロン売り ………………… 石井敏郎
フランチェスカ …………… 三浦潤子
女生徒(1) ………………… 永井悦子
女生徒(2) ………………… 相見陽子
<日本語版制作スタッフ>
演出:小林守夫
翻訳:木原たけし
制作:東北新社
-------------------------------------
声の出演 補完部分(1994年ソフト版)
アン王女 …………………… 池田昌子
ジョー ……………………… 城 達也
アーヴィング ……………… 大塚明夫
大使 ………………………… 北村弘一
式部官 ……………………… 大木民夫
ジョバンニ ………………… (北村弘一)
キャッシュ ………………… 辻 親八
ウィリー …………………… 有本欽隆
エディ ……………………… 金尾哲夫
マック ……………………… 山寺宏一
イアン ……………………… 島香 裕
リカルディ ………………… 礒辺万沙子
ヘネシー編集長 …………… 中 庸助
ウェイター ………………… 丸山詠二
パオロ ……………………… (辻 親八)
サラ ………………………… 荘司美代子
カリーニ …………………… (丸山詠二)
子供1 ……………………… 竹口安芸子
子供2 ……………………… 岡村明美
子供3 ……………………… 引田有美
子供4 ……………………… (礒辺万沙子)
子供5 ……………………… (荘司美代子)
※(カッコ)付きの声優さんは、同じ役を79年版・ソフト版の2人の声優さんで当てることになる方だそうです。TCエンタテインメント株式会社の方から直接伺いました。
<日本語版制作スタッフ>
演出:佐藤敏夫
翻訳:木原たけし
制作:東北新社
2024年02月09日
「ローマの休日」公開前夜 月刊「パラマウント」1954年3月号
今回は日本初公開70周年を迎える「ローマの休日」「麗しのサブリナ」を記念して、パラマウント友の会発行の月刊「パラマウント」1954年3月号の紹介。
表紙はジャネット・リー。僕はこの人の作品を有名な「サイコ」も含めて1本も見たことないです。
初期の3号や5号の頃は15日発行だったのですが、1954年からは1日発行に切り替わっています。
3月号の頃にはアメリカではもうアカデミー賞のノミネートが発表されています。
そこでは「ローマの休日」が10部門もノミネートされて、さらに前評判を煽ることになっていますね。
この号でもアカデミー賞のことが載っているのですが、この年の有力候補は「シェーン」と「地上より永遠に」。それに「ローマの休日」「第十七捕虜収容所」「ジュリアス・シーザー」「聖衣」「リリー」「モガンボ」が追っているという状況。
まあ「ジュリアス・シーザー」と「聖衣」は大作でおおっ!と言わせただけで、出来の方は “?”って感じだったようなので、やっぱり「シェーン」と「地上より永遠に」が本命だと見られていたようです。
それらの中で、「シェーン」「ローマの休日」「第十七捕虜収容所」はパラマウント社の作品なので、うまくいけば主要な部門は全部パラマウントになるかも!と期待されていたようです。
ところが実際に発表されると、「地上より永遠に」が8部門を独占して、主要な賞でパラマウントが取れたのはオードリーの主演女優賞と、「第十七捕虜収容所」のウィリアム・ホールデンの主演男優賞のみでしたね。
本命とみられていた「シェーン」は撮影賞のみ、助演男優賞は「地上より永遠に」のフランク・シナトラ以外は全員パラマウント映画からだったので、“これでシナトラにさらわれたらよくよく運がないとみてよろしい” なんて書かれてましたが、見事シナトラに取られてしまっています。
それでも主演女優賞では “予断を許さないが、ヘップバーンとの声が高い” と書かれていて、やっぱりアメリカでもオードリーだと言われてたんやなーと、当時の様子が知れて興味深いです。
さて、先にアカデミー賞のことを書きましたが、まず最初に出てくるのは、グラビアページの「麗しのサブリナ」撮影中のビリー・ワイルダー監督とウィリアム・ホールデン。ここでは「サブリナ・フェア」と書かれています。完成後は「サブリナ」だけになってしまう原題ですが、まだ公開前の段階では戯曲と同じ「サブリナ・フェア」だったのですね。
そしてこの当時はウィリアム・ホールデンの全盛期でしたよね。日本の映画雑誌の人気投票でも1位あたりにいた時期ですし、この年のアカデミー主演男優賞も受賞します。
そんなダブル受賞となった人気絶頂のホールデンとオードリーの共演の「麗しのサブリナ」ですから、パラマウントはおいしかったでしょうねー。
鉄は熱いうちに打て!とばかりに当時は珍しかった日米同時公開に向けてパラマウント日本支社の人は奔走し、結局アメリカよりも先に日本で公開しました。
さて、まだ「ローマの休日」は公開してませんが、その前評判は凄く、ここでもグラビアページの次には牧和子さんという方の絵と、田中映一って人の文章が最初に載せられています。
イラストを描いた牧さんは、編集後記で“パラマウント宣伝部に来る度にオードリー・ヘップバーンの名前と写真を見ない日はない位、オードリー旋風が吹き巻くっている。私なんか夢に迄彼女の顔が浮かんでくる。早く実物を見ないと” と書いています。
もうすでに世の中はオードリーの大旋風が始まっていたんですね。
次のページはビリー・ワイルダー監督の作品目録となっているのですが、そこには (“サブリナ・フェア”のスナップより)ってオードリーとハンフリー・ボガートの写真が載っています。
でも、キャプションでは「サブリナ・フェア」でしたが、この目録の最新作のところでは「サブリナ祭」って書いてある!
“フェア”を“祭り”の意と訳したんですね。いや、本当は “麗しの”の意味の “フェア”だったんですけどね。
そのまま次にはさっきのアカデミー賞のことが書いてあるんですが、その次は「パラマウント・スタジオ・ニュース」ってページで、「ローマの休日」の公開が4月27日に日比谷映劇で公開されることが書かれています。
普通なら東京の銀座地区の日比谷映劇での公開が日本で最初の公開になって、次に大阪などの大都市、そして地方都市へと順繰りにロードショーするのでしょうが、この作品に関しては21日に佐世保富士劇場、23日に名古屋ミリオン座と四日市の三重劇場、25日には新潟の大竹座、26日には広島宝塚劇場と東京よりも早く公開した劇場が5つもあって、日比谷映劇の公開日の27日には甲府と浜松でも公開されるなど、かなりイレギュラーな公開順となっています。
次のオードリーは、“明日のスター 昨日のスター”というコーナーで、2000万人のファンを持つというアメリカの映画批評家(今でいうインフルエンサーですね)によって “牝鹿の如き妖精 オードリー・ヘップバーン”ということで紹介されています。
そこでは「銀幕に未だ曽つてみなかった新しい魅力」「ヘップバーンを見た人はどんな素人でも彼女こそが生まれ乍らのスター、世にも稀な銀幕の奇跡だと気がつくに違いない。」「オードリー・ヘップバーンの如き女優は過去十年間その類をみない。」「全米の男性を魅了し、若い女性達は彼女の髪型を真似、眼の使い方を真似、子供達は童話の世界のヒロインを愛するようにヘップバーンを愛するであろう。」とベタ褒めです。
ここでは淀川長治氏がオードリーに比較できるような往年のサイレント映画の女優ということで、ルイズ・ブルックスという女優を挙げています。
ただ、近代的なオードリー、若々しいオードリーに比較できる無声映画のスタアは見当たらない、と述べています。それでもパラマウント映画登場の鮮やかさで今日のオードリーのそれと似ている、と書いています。
さらには公開直前の次号用に “「ローマの休日」に期待するもの”というテーマで文章の募集が呼びかけられていますし、裏表紙の裏(表3)ではオードリーのモノクロ写真が4枚組100円(送料込み)で頒布されています。
100円つっても、当時の物価を考えると今の2500円くらいなんですけどね。
他のパラマウントの新人女優さんが4人1組で写真頒布されているのに比べると、いかにオードリーが特別扱いかがわかりますよね。
とにかく、まだ「ローマの休日」公開には1か月以上あるにもかかわらず、当時の世の中がオードリーで盛り上がっているのが実感できます。
僕などはもう物心ついてオードリーを好きになったときには、すでに日本では大スターであることが当然でしたから、この新星を迎える日本のワクワク感が伝わってくるのが新鮮です。
表紙はジャネット・リー。僕はこの人の作品を有名な「サイコ」も含めて1本も見たことないです。
初期の3号や5号の頃は15日発行だったのですが、1954年からは1日発行に切り替わっています。
3月号の頃にはアメリカではもうアカデミー賞のノミネートが発表されています。
そこでは「ローマの休日」が10部門もノミネートされて、さらに前評判を煽ることになっていますね。
この号でもアカデミー賞のことが載っているのですが、この年の有力候補は「シェーン」と「地上より永遠に」。それに「ローマの休日」「第十七捕虜収容所」「ジュリアス・シーザー」「聖衣」「リリー」「モガンボ」が追っているという状況。
まあ「ジュリアス・シーザー」と「聖衣」は大作でおおっ!と言わせただけで、出来の方は “?”って感じだったようなので、やっぱり「シェーン」と「地上より永遠に」が本命だと見られていたようです。
それらの中で、「シェーン」「ローマの休日」「第十七捕虜収容所」はパラマウント社の作品なので、うまくいけば主要な部門は全部パラマウントになるかも!と期待されていたようです。
ところが実際に発表されると、「地上より永遠に」が8部門を独占して、主要な賞でパラマウントが取れたのはオードリーの主演女優賞と、「第十七捕虜収容所」のウィリアム・ホールデンの主演男優賞のみでしたね。
本命とみられていた「シェーン」は撮影賞のみ、助演男優賞は「地上より永遠に」のフランク・シナトラ以外は全員パラマウント映画からだったので、“これでシナトラにさらわれたらよくよく運がないとみてよろしい” なんて書かれてましたが、見事シナトラに取られてしまっています。
それでも主演女優賞では “予断を許さないが、ヘップバーンとの声が高い” と書かれていて、やっぱりアメリカでもオードリーだと言われてたんやなーと、当時の様子が知れて興味深いです。
さて、先にアカデミー賞のことを書きましたが、まず最初に出てくるのは、グラビアページの「麗しのサブリナ」撮影中のビリー・ワイルダー監督とウィリアム・ホールデン。ここでは「サブリナ・フェア」と書かれています。完成後は「サブリナ」だけになってしまう原題ですが、まだ公開前の段階では戯曲と同じ「サブリナ・フェア」だったのですね。
そしてこの当時はウィリアム・ホールデンの全盛期でしたよね。日本の映画雑誌の人気投票でも1位あたりにいた時期ですし、この年のアカデミー主演男優賞も受賞します。
そんなダブル受賞となった人気絶頂のホールデンとオードリーの共演の「麗しのサブリナ」ですから、パラマウントはおいしかったでしょうねー。
鉄は熱いうちに打て!とばかりに当時は珍しかった日米同時公開に向けてパラマウント日本支社の人は奔走し、結局アメリカよりも先に日本で公開しました。
さて、まだ「ローマの休日」は公開してませんが、その前評判は凄く、ここでもグラビアページの次には牧和子さんという方の絵と、田中映一って人の文章が最初に載せられています。
イラストを描いた牧さんは、編集後記で“パラマウント宣伝部に来る度にオードリー・ヘップバーンの名前と写真を見ない日はない位、オードリー旋風が吹き巻くっている。私なんか夢に迄彼女の顔が浮かんでくる。早く実物を見ないと” と書いています。
もうすでに世の中はオードリーの大旋風が始まっていたんですね。
次のページはビリー・ワイルダー監督の作品目録となっているのですが、そこには (“サブリナ・フェア”のスナップより)ってオードリーとハンフリー・ボガートの写真が載っています。
でも、キャプションでは「サブリナ・フェア」でしたが、この目録の最新作のところでは「サブリナ祭」って書いてある!
“フェア”を“祭り”の意と訳したんですね。いや、本当は “麗しの”の意味の “フェア”だったんですけどね。
そのまま次にはさっきのアカデミー賞のことが書いてあるんですが、その次は「パラマウント・スタジオ・ニュース」ってページで、「ローマの休日」の公開が4月27日に日比谷映劇で公開されることが書かれています。
普通なら東京の銀座地区の日比谷映劇での公開が日本で最初の公開になって、次に大阪などの大都市、そして地方都市へと順繰りにロードショーするのでしょうが、この作品に関しては21日に佐世保富士劇場、23日に名古屋ミリオン座と四日市の三重劇場、25日には新潟の大竹座、26日には広島宝塚劇場と東京よりも早く公開した劇場が5つもあって、日比谷映劇の公開日の27日には甲府と浜松でも公開されるなど、かなりイレギュラーな公開順となっています。
次のオードリーは、“明日のスター 昨日のスター”というコーナーで、2000万人のファンを持つというアメリカの映画批評家(今でいうインフルエンサーですね)によって “牝鹿の如き妖精 オードリー・ヘップバーン”ということで紹介されています。
そこでは「銀幕に未だ曽つてみなかった新しい魅力」「ヘップバーンを見た人はどんな素人でも彼女こそが生まれ乍らのスター、世にも稀な銀幕の奇跡だと気がつくに違いない。」「オードリー・ヘップバーンの如き女優は過去十年間その類をみない。」「全米の男性を魅了し、若い女性達は彼女の髪型を真似、眼の使い方を真似、子供達は童話の世界のヒロインを愛するようにヘップバーンを愛するであろう。」とベタ褒めです。
ここでは淀川長治氏がオードリーに比較できるような往年のサイレント映画の女優ということで、ルイズ・ブルックスという女優を挙げています。
ただ、近代的なオードリー、若々しいオードリーに比較できる無声映画のスタアは見当たらない、と述べています。それでもパラマウント映画登場の鮮やかさで今日のオードリーのそれと似ている、と書いています。
さらには公開直前の次号用に “「ローマの休日」に期待するもの”というテーマで文章の募集が呼びかけられていますし、裏表紙の裏(表3)ではオードリーのモノクロ写真が4枚組100円(送料込み)で頒布されています。
100円つっても、当時の物価を考えると今の2500円くらいなんですけどね。
他のパラマウントの新人女優さんが4人1組で写真頒布されているのに比べると、いかにオードリーが特別扱いかがわかりますよね。
とにかく、まだ「ローマの休日」公開には1か月以上あるにもかかわらず、当時の世の中がオードリーで盛り上がっているのが実感できます。
僕などはもう物心ついてオードリーを好きになったときには、すでに日本では大スターであることが当然でしたから、この新星を迎える日本のワクワク感が伝わってくるのが新鮮です。
2023年11月02日
日本で最初のオードリーの表紙!「パラマウント」1953年12月号
今回は日本で最初にオードリーを表紙にしたと思われる「パラマウント」1953年12月号の紹介。
他の主な雑誌でオードリーを最初に表紙にしたのは、「キネマ旬報」が1954年2月下旬号、「映画の友」が1954年5月号、「スクリーン」にいたっては1954年7月号という遅さ。
なので、1953年中にオードリーを表紙にしたということで、やはりこの「パラマウント」が日本で最初にオードリーを表紙にしたものだと思います。
「ローマの休日」日本初公開に、4か月以上も先行しています。
まだ1作も公開されてなくて、海のものとも山のものともつかないうちでの表紙。
日本の批評家の皆さんも、まだご覧になってない段階でのものだと思われます。
「編集ノート」というページでも、今号が「パラマウント」で初めて表紙を写真にしたものだったこと、「表紙No.1にオードリー・ヘップバーン あまりに早すぎたようでもありますが如何でしようか」と書かれています。
この「パラマウント」はパラマウント公認の友の会の会報ですから、オードリーの画像も他に先駆けて使えるわけですよね。
パラマウントとしても「ローマの休日」の宣伝が早くからできるから、オードリーを使ってもらうに越したことはない。
「パラマウント」の1953年9月号(No.3)や11月号(No.5)でもう既に「ローマの休日」の映画の完成度やオードリーの素晴らしさはアメリカからの情報としては出てきていますから、「パラマウント」の会員の期待をさらに煽る形になってますね。
中身にはあまり今号ではオードリーのことも「ローマの休日」のことも書かれてないのですが、先ほどの「編集ノート」のページと、あとは「もしパラマウントで『忠臣蔵』を作るなら」ということでオードリーが大石主税に男装の麗人ということであてられています。
今号はそれだけなので、やはり “日本でのオードリー・ヘプバーンの最初の表紙”というところに価値があるものだと思います。
他の主な雑誌でオードリーを最初に表紙にしたのは、「キネマ旬報」が1954年2月下旬号、「映画の友」が1954年5月号、「スクリーン」にいたっては1954年7月号という遅さ。
なので、1953年中にオードリーを表紙にしたということで、やはりこの「パラマウント」が日本で最初にオードリーを表紙にしたものだと思います。
「ローマの休日」日本初公開に、4か月以上も先行しています。
まだ1作も公開されてなくて、海のものとも山のものともつかないうちでの表紙。
日本の批評家の皆さんも、まだご覧になってない段階でのものだと思われます。
「編集ノート」というページでも、今号が「パラマウント」で初めて表紙を写真にしたものだったこと、「表紙No.1にオードリー・ヘップバーン あまりに早すぎたようでもありますが如何でしようか」と書かれています。
この「パラマウント」はパラマウント公認の友の会の会報ですから、オードリーの画像も他に先駆けて使えるわけですよね。
パラマウントとしても「ローマの休日」の宣伝が早くからできるから、オードリーを使ってもらうに越したことはない。
「パラマウント」の1953年9月号(No.3)や11月号(No.5)でもう既に「ローマの休日」の映画の完成度やオードリーの素晴らしさはアメリカからの情報としては出てきていますから、「パラマウント」の会員の期待をさらに煽る形になってますね。
中身にはあまり今号ではオードリーのことも「ローマの休日」のことも書かれてないのですが、先ほどの「編集ノート」のページと、あとは「もしパラマウントで『忠臣蔵』を作るなら」ということでオードリーが大石主税に男装の麗人ということであてられています。
今号はそれだけなので、やはり “日本でのオードリー・ヘプバーンの最初の表紙”というところに価値があるものだと思います。
2023年10月28日
新星堂フリー・ペーパー「MUSIC TOWN」2003年12月号
今回は2003年、「ローマの休日」DVD発売時に新星堂さんに置かれていたフリー・ペーパーの「MUSIC TOWN」2003年12月号、vol.199の紹介。
もうね、2003年の「ローマの休日」というと全部このビジュアルなんでね、同じのばっかりで申し訳ない!と思うのですけど、許してくださいです。
2003年リバイバルからもうちょうど20年経つんですけれども、2003年のリバイバルは凄かったですよね。
当時は座席指定ではなかったので、東京も大阪も、劇場の開場前から行列ができるんです。僕が行った大阪でもぐるっと劇場を囲んでるんですよね。
80年代後半〜90年代前半にかけて、オードリーの大ブームが起きていましたけど、その時の配給元の日本ヘラルドの権利が2000年ごろに次々と切れて、2003年ともなるとオードリー作品がまたさっぱりリバイバルで来ないという70年代後半〜80年代前半のような状態に逆戻り。
そんな中、やっと来てくれたのがこのパラマウント配給の「ローマの休日」でした。
そして上映がまだ地方で続いているにもかかわらず、告知が打たれたのがこの「ローマの休日」DVDの発売。
僕なんかはまだ上映が続いてるし、公開予定はあるものの、まだリバイバルされてない地方もあるのに、なんでこんなに早くDVD出すんやろ、と思いましたけど、まあ今考えると「ローマの休日」の著作権が製作50年の2003年末で切れてパブリック・ドメインになってしまいそうなので、格安DVDで出る前にたくさん売っておきたかったんだと想像するんですけれどもね。実際2004年からは続々格安DVDで出て来たし。
でもまあ本家パラマウントが出すDVD、2枚組で出してきて特典も豪華。来年出るかもしれない格安DVDとの違いを印象付けていますよね。
当時、「マイヤーリング」をDVDで出して欲しかった僕は(当時はさすがに劇場公開されるとは思っていなかった)、パラマウントさんに直接電話して担当の方とお話しさせていただきました。
すると「ローマの休日」のDVDジャケットは日本独自で変更させてもらったこと、でも勝手にジャケットを変更するのは出来ず、必ずパラマウント本社の許可がいること、しかも変更しようとするとそのジャケットに変更することでどれだけ売上が上がるかなどを出さないといけないと教えていただきました。
昔は日本独自でポスターやプレスを作って、それが本国よりも上出来、なんてことがざらにありましたから(60年代後半から70年代前半の日本のデザインは凄かった!)、2003年ごろには著作権がうるさくなっていたのでしょうね。
でも2003年ごろだと、まだ僕がパラマウントさんや20世紀フォックスさん、ユニバーサルさん、ジェネオンさんなど映画会社と直接電話できたというのもすごいこと。
まだまだ電話が主流で、NTTの電話番号案内でそれらの会社の電話番号を教えてもらえたんですからね。
おっと、また絶賛脱線中ですけど、こちらの新星堂さんのフリー・ペーパー、サイズはA4で40pのマットコート紙。うち24pがフルカラーというタダで配るには豪華版。
それだけ当時の新星堂さんにはパワーがあったということなのでしょう。
今も発行されてるのでしょうか?なんとなく、もう無いような気がします。2003年はまだ新星堂さん本体がやっていましたが、その後何度も経営母体が変わってしまってますからね。
ここでも、後ろの方のページでは新星堂だけで235店舗、それ以外に楽譜が22店舗、スポーツ店関連で22店舗、書籍で9店舗、ゲームで1店舗、チェーン店が10店舗とすごい規模なのがわかります。
現在の新星堂のHPでは44店舗くらいになっています。今年に入ってからも6店舗閉店しているようです。
やはり音楽の聴き方や映像の見方が変わってきているから、実店舗というのは苦しいのでしょうね。
神戸には昔新神戸オリエンタルホテル(現:ANAクラウンプラザホテル)のOPA内にあって「マイ・フェア・レディ」のコレクターズ・ボックスのチラシなどをもらったりしていましたが、阪神大震災後閉店。
その後ハーバーランドのオーガスタプラザ(現:プロメナ神戸)に出来て、たまにクラシックなどを買っていました。「オードリー・ヘプバーンの庭園紀行」のサントラCDを買ったのもハーバーランドの新星堂でした。
そこではクラシックCDの海外盤を注文していたのですが、突然ハーバーランド店が閉店になるということを知り、その発注がどうなるのかと店員さんに訊いたのですが、発注は」取り消しになってしまうだろうとのことでした。でもそれよりも店員さんも閉店は寝耳に水みたいで、かわいそうだと思ったものでした。
この2003年の12月号ではもう神戸はカナート西神戸店というところしかないので、既にハーバーランドからは撤退済み。
神戸市西区には行かないので、この「MUSIC TOWN」も大阪で手に入れたと思います。
行動範囲から考えると、京橋店だったと思うのですが、この店舗は今も現存しています。
さてこの「MUSIC TOWN」、表紙は「ローマの休日」2003年版メインビジュアルのオードリー。
劇場でのリバイバルでも大ヒットで、いまだ根強い人気を見せつけた「ローマの休日」。DVDも絶対売れる!ってんで、タワーレコードなど同業他社もお客の取り込みに力を入れており、新星堂もいかに買ってもらうかで工夫しています。
まず販売価格を3980円から3582円に10%引き、さらに新星堂で買った人には2003年版メインビジュアルのクリアファイルをプレゼント!ってなってます。
この時に、新星堂の予約券も作られていました。片面4色刷りでコート紙。本当にチカラ入ってます。
そういえば新星堂ではなくジョーシンだったかな?そこには今後のオードリーのDVDで発売して欲しいのはどれですか?ってアンケートがあって、「ニューヨークの恋人たち」とか「おしゃれ泥棒2」とかも載っていたのを覚えています。
中身でも巻頭2ページを割いて「ローマの休日」の宣伝。左ページの文章では大船ルミネ店と西日本地区統括の方が文章を書いています。右ページは各DVDの説明やオードリーとグレゴリー・ペックとウィリアム・ワイラー監督の簡単なプロフィールなどとなっています。
他に今や伝説化されようとしている中森明菜さんが「歌姫3」のアルバムの発売に合わせて普通にインタビューを受けているのがおおっ!と思いました。
もうね、2003年の「ローマの休日」というと全部このビジュアルなんでね、同じのばっかりで申し訳ない!と思うのですけど、許してくださいです。
2003年リバイバルからもうちょうど20年経つんですけれども、2003年のリバイバルは凄かったですよね。
当時は座席指定ではなかったので、東京も大阪も、劇場の開場前から行列ができるんです。僕が行った大阪でもぐるっと劇場を囲んでるんですよね。
80年代後半〜90年代前半にかけて、オードリーの大ブームが起きていましたけど、その時の配給元の日本ヘラルドの権利が2000年ごろに次々と切れて、2003年ともなるとオードリー作品がまたさっぱりリバイバルで来ないという70年代後半〜80年代前半のような状態に逆戻り。
そんな中、やっと来てくれたのがこのパラマウント配給の「ローマの休日」でした。
そして上映がまだ地方で続いているにもかかわらず、告知が打たれたのがこの「ローマの休日」DVDの発売。
僕なんかはまだ上映が続いてるし、公開予定はあるものの、まだリバイバルされてない地方もあるのに、なんでこんなに早くDVD出すんやろ、と思いましたけど、まあ今考えると「ローマの休日」の著作権が製作50年の2003年末で切れてパブリック・ドメインになってしまいそうなので、格安DVDで出る前にたくさん売っておきたかったんだと想像するんですけれどもね。実際2004年からは続々格安DVDで出て来たし。
でもまあ本家パラマウントが出すDVD、2枚組で出してきて特典も豪華。来年出るかもしれない格安DVDとの違いを印象付けていますよね。
当時、「マイヤーリング」をDVDで出して欲しかった僕は(当時はさすがに劇場公開されるとは思っていなかった)、パラマウントさんに直接電話して担当の方とお話しさせていただきました。
すると「ローマの休日」のDVDジャケットは日本独自で変更させてもらったこと、でも勝手にジャケットを変更するのは出来ず、必ずパラマウント本社の許可がいること、しかも変更しようとするとそのジャケットに変更することでどれだけ売上が上がるかなどを出さないといけないと教えていただきました。
昔は日本独自でポスターやプレスを作って、それが本国よりも上出来、なんてことがざらにありましたから(60年代後半から70年代前半の日本のデザインは凄かった!)、2003年ごろには著作権がうるさくなっていたのでしょうね。
でも2003年ごろだと、まだ僕がパラマウントさんや20世紀フォックスさん、ユニバーサルさん、ジェネオンさんなど映画会社と直接電話できたというのもすごいこと。
まだまだ電話が主流で、NTTの電話番号案内でそれらの会社の電話番号を教えてもらえたんですからね。
おっと、また絶賛脱線中ですけど、こちらの新星堂さんのフリー・ペーパー、サイズはA4で40pのマットコート紙。うち24pがフルカラーというタダで配るには豪華版。
それだけ当時の新星堂さんにはパワーがあったということなのでしょう。
今も発行されてるのでしょうか?なんとなく、もう無いような気がします。2003年はまだ新星堂さん本体がやっていましたが、その後何度も経営母体が変わってしまってますからね。
ここでも、後ろの方のページでは新星堂だけで235店舗、それ以外に楽譜が22店舗、スポーツ店関連で22店舗、書籍で9店舗、ゲームで1店舗、チェーン店が10店舗とすごい規模なのがわかります。
現在の新星堂のHPでは44店舗くらいになっています。今年に入ってからも6店舗閉店しているようです。
やはり音楽の聴き方や映像の見方が変わってきているから、実店舗というのは苦しいのでしょうね。
神戸には昔新神戸オリエンタルホテル(現:ANAクラウンプラザホテル)のOPA内にあって「マイ・フェア・レディ」のコレクターズ・ボックスのチラシなどをもらったりしていましたが、阪神大震災後閉店。
その後ハーバーランドのオーガスタプラザ(現:プロメナ神戸)に出来て、たまにクラシックなどを買っていました。「オードリー・ヘプバーンの庭園紀行」のサントラCDを買ったのもハーバーランドの新星堂でした。
そこではクラシックCDの海外盤を注文していたのですが、突然ハーバーランド店が閉店になるということを知り、その発注がどうなるのかと店員さんに訊いたのですが、発注は」取り消しになってしまうだろうとのことでした。でもそれよりも店員さんも閉店は寝耳に水みたいで、かわいそうだと思ったものでした。
この2003年の12月号ではもう神戸はカナート西神戸店というところしかないので、既にハーバーランドからは撤退済み。
神戸市西区には行かないので、この「MUSIC TOWN」も大阪で手に入れたと思います。
行動範囲から考えると、京橋店だったと思うのですが、この店舗は今も現存しています。
さてこの「MUSIC TOWN」、表紙は「ローマの休日」2003年版メインビジュアルのオードリー。
劇場でのリバイバルでも大ヒットで、いまだ根強い人気を見せつけた「ローマの休日」。DVDも絶対売れる!ってんで、タワーレコードなど同業他社もお客の取り込みに力を入れており、新星堂もいかに買ってもらうかで工夫しています。
まず販売価格を3980円から3582円に10%引き、さらに新星堂で買った人には2003年版メインビジュアルのクリアファイルをプレゼント!ってなってます。
この時に、新星堂の予約券も作られていました。片面4色刷りでコート紙。本当にチカラ入ってます。
そういえば新星堂ではなくジョーシンだったかな?そこには今後のオードリーのDVDで発売して欲しいのはどれですか?ってアンケートがあって、「ニューヨークの恋人たち」とか「おしゃれ泥棒2」とかも載っていたのを覚えています。
中身でも巻頭2ページを割いて「ローマの休日」の宣伝。左ページの文章では大船ルミネ店と西日本地区統括の方が文章を書いています。右ページは各DVDの説明やオードリーとグレゴリー・ペックとウィリアム・ワイラー監督の簡単なプロフィールなどとなっています。
他に今や伝説化されようとしている中森明菜さんが「歌姫3」のアルバムの発売に合わせて普通にインタビューを受けているのがおおっ!と思いました。
タグ :ローマの休日
2023年10月09日
1986年 “オードリー・フェスティバル”時 B2ポスター
今回は、年度は今年とは“何周年”とかの関係はありませんけど、上映されていた日付がちょうど今頃だった、1986年の“オードリー・フェスティバル”時のB2ポスターの紹介。
この時は「ローマの休日」「麗しのサブリナ」「パリの恋人」が上映されていますね。
でもこの時のメインは、画像でもわかるように「パリの恋人」!
というのも、「ローマの休日」と「麗しのサブリナ」は既に1985年の年末に上映されているので。
その時の詳しいお話は、“ゴールデンシアター” チラシの記事で。
80年代後半〜90年代初期のオードリーの大ブーム時には“オードリー・シアター”と呼ばれていたらしいというほど、オードリーの映画をよく掛けてくれていた銀座文化劇場では、85年11月30日「麗しのサブリナ」から始まって、86年1月16日で「ローマの休日」の上映が終わったのに、8か月でまた「ローマの休日」から上映していることになります。
この85年の「噂の二人」「麗しのサブリナ」「ローマの休日」で手応えがあったのか、86年からは日本ヘラルド配給による怒涛のオードリー作品リバイバルが始まります。
そのリバイバルされたオードリー作品全ての好調っぷりを見て、慌てて本家の配給会社も追随してまだ残っている作品をリバイバルするという過熱っぷり。
それまで、70年代後半から80年代前半のオードリー作品の粗末な扱われ方を知っていた僕なんかは本当にビックリしました。
“オードリー作品ではもうお客を呼べない”なんて言われていましたが、そうではなくて、「ローマの休日」と「マイ・フェア・レディ」ばっかりバカのひとつ覚えみたいに数年ごとにリバイバルしてちゃ、そりゃお客さんも飽きて動員数も減ります。
オードリーのファンが望んでいたのは、「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」だけではなく、全部の作品だったことがこの時に証明されたんですよね。
85年には「噂の二人」「麗しのサブリナ」「ローマの休日」
86年に「ティファニーで朝食を」「パリの恋人」「マイ・フェア・レディ」
87年に「シャレード」「暗くなるまで待って」(ワーナー配給)「戦争と平和」(UIP配給)
88年に「パリで一緒に」「緑の館」
89年に「昼下りの情事」「戦争と平和」(日本ヘラルド配給)
90年には「オールウェイズ」初公開
91年に「おしゃれ泥棒」「いつも2人で」「暗くなるまで待って」(日本ヘラルド配給)
と、14作品で16回のリバイバル、新作1本、が来てますし、さらには「おしゃれ泥棒2」と「ニューヨークの恋人たち」もこの時期にVHSビデオで発売(日本初紹介)されています。
日本ヘラルドも、最初は各製作会社別に買い付けて、MGM/UA、パラマウント、などと他の往年の映画とともにテーマを決めて他作品とオードリー作品を混ぜて公開していたようなのですが、あまりにも突出してオードリー作品の興行成績がよかったんでしょうね、段々オードリー作品のみの買い付け&オードリー作品だけをまとめた上映になっていきます。
さて、ここでの「パリの恋人」のリバイバルは、1966年以来実に20年ぶりの上映になります。
「パリの恋人」が上映される!ってんで、舞い上がった僕は高校時代の先輩後輩に連絡をして、10人くらいで梅田に観に行きました。
大阪は87年になってからの上映でした。(大阪版のチラシの記事はこちら)
というのも、86年当時はまだ今のようなデジタルではなく、フィルムでの上映。
全国一斉に上映する新作ではなく、リバイバルの場合、フィルムをそんな何十本も取り寄せないんですよね。
なので、全国分でも数本しか準備されていなかったと思います。
このポスターで見ると、銀座文化と自由が丘武蔵野館で同じ作品が被っている期間がありますので、2本はある事になりますね。
さらに予備などであと数本はあるでしょうけど、全国別の場所でそんなたくさん上映できるほどのフィルムは無かったと思われるんですよね。
何かあった時用に予備は必ず準備しておかなければならないでしょうし、あるだけ全部使うわけにはいかないんですよね。
なので、昔のロードショー方式のように、全国を順々に回していったと思われます。
(こちらの画像はゲッティイメージズ さんの無料でブログに埋め込み可の画像をお借りしました)
さて、「パリの恋人」がリバイバルで見られる!ってだけでも嬉しかった僕ですが、劇場に行って驚愕! ロビーには既に予告としてこの「暗くなるまで待って」のポスターが貼ってありました!
「暗くなるまで待って」のリバイバルを知らなかった僕は、えーーっ!!こんな連続してオードリー作品がリバイバルされるん!?って思ったのを覚えています。
当時はまだ社会人じゃないし、貧乏な僕には、嬉しいけれどお金が心配になりました。
それと、また一緒に行くメンバーを集めないといけないなーと思ってました。
その時に劇場に貼ってあったこの “オードリー・フェスティバル”のポスター!
当時はこの「パリの恋人」のオペラ座の画像はレアでしたし、なんとキラキラ輝いていたことか!
僕は喉から手が出るほど欲しかったのを覚えています。
今はこうして(大阪のじゃないけど)手元にある“オードリー・フェスティバル”のポスターですが、これを見ると当時の思い出が甦ります。
初公開時の物でも66年リバイバルの物でもないし、「パリの恋人」だけのポスターでもないので、価値はそれほど高くないかとは思いますが、僕にとっては思い出のいっぱい詰まったポスターになります。
さらに横には「暗くなるまで待って」のポスターも貼ってあったんですから、70年代後半から80年代前半にかけてオードリー作品のリバイバルに飢えていた僕にはいかに壮観で、ポスターだけでもう圧倒されていたのかがわかっていただけるかと思います。
この時、短期間でこんなにオードリー作品が続々とリバイバルされるなんて、何かただならぬことが起こっている気配を感じたのでした。
実はこの時に全国的にオードリーのブームは起き始めていて、1987年5月号の雑誌“スクリーン”の人気投票では6年ぶりにベスト10圏内(第7位)にオードリーは返り咲くんですよね。
この時は「ローマの休日」「麗しのサブリナ」「パリの恋人」が上映されていますね。
でもこの時のメインは、画像でもわかるように「パリの恋人」!
というのも、「ローマの休日」と「麗しのサブリナ」は既に1985年の年末に上映されているので。
その時の詳しいお話は、“ゴールデンシアター” チラシの記事で。
80年代後半〜90年代初期のオードリーの大ブーム時には“オードリー・シアター”と呼ばれていたらしいというほど、オードリーの映画をよく掛けてくれていた銀座文化劇場では、85年11月30日「麗しのサブリナ」から始まって、86年1月16日で「ローマの休日」の上映が終わったのに、8か月でまた「ローマの休日」から上映していることになります。
この85年の「噂の二人」「麗しのサブリナ」「ローマの休日」で手応えがあったのか、86年からは日本ヘラルド配給による怒涛のオードリー作品リバイバルが始まります。
そのリバイバルされたオードリー作品全ての好調っぷりを見て、慌てて本家の配給会社も追随してまだ残っている作品をリバイバルするという過熱っぷり。
それまで、70年代後半から80年代前半のオードリー作品の粗末な扱われ方を知っていた僕なんかは本当にビックリしました。
“オードリー作品ではもうお客を呼べない”なんて言われていましたが、そうではなくて、「ローマの休日」と「マイ・フェア・レディ」ばっかりバカのひとつ覚えみたいに数年ごとにリバイバルしてちゃ、そりゃお客さんも飽きて動員数も減ります。
オードリーのファンが望んでいたのは、「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」だけではなく、全部の作品だったことがこの時に証明されたんですよね。
85年には「噂の二人」「麗しのサブリナ」「ローマの休日」
86年に「ティファニーで朝食を」「パリの恋人」「マイ・フェア・レディ」
87年に「シャレード」「暗くなるまで待って」(ワーナー配給)「戦争と平和」(UIP配給)
88年に「パリで一緒に」「緑の館」
89年に「昼下りの情事」「戦争と平和」(日本ヘラルド配給)
90年には「オールウェイズ」初公開
91年に「おしゃれ泥棒」「いつも2人で」「暗くなるまで待って」(日本ヘラルド配給)
と、14作品で16回のリバイバル、新作1本、が来てますし、さらには「おしゃれ泥棒2」と「ニューヨークの恋人たち」もこの時期にVHSビデオで発売(日本初紹介)されています。
日本ヘラルドも、最初は各製作会社別に買い付けて、MGM/UA、パラマウント、などと他の往年の映画とともにテーマを決めて他作品とオードリー作品を混ぜて公開していたようなのですが、あまりにも突出してオードリー作品の興行成績がよかったんでしょうね、段々オードリー作品のみの買い付け&オードリー作品だけをまとめた上映になっていきます。
さて、ここでの「パリの恋人」のリバイバルは、1966年以来実に20年ぶりの上映になります。
「パリの恋人」が上映される!ってんで、舞い上がった僕は高校時代の先輩後輩に連絡をして、10人くらいで梅田に観に行きました。
大阪は87年になってからの上映でした。(大阪版のチラシの記事はこちら)
というのも、86年当時はまだ今のようなデジタルではなく、フィルムでの上映。
全国一斉に上映する新作ではなく、リバイバルの場合、フィルムをそんな何十本も取り寄せないんですよね。
なので、全国分でも数本しか準備されていなかったと思います。
このポスターで見ると、銀座文化と自由が丘武蔵野館で同じ作品が被っている期間がありますので、2本はある事になりますね。
さらに予備などであと数本はあるでしょうけど、全国別の場所でそんなたくさん上映できるほどのフィルムは無かったと思われるんですよね。
何かあった時用に予備は必ず準備しておかなければならないでしょうし、あるだけ全部使うわけにはいかないんですよね。
なので、昔のロードショー方式のように、全国を順々に回していったと思われます。
(こちらの画像はゲッティイメージズ さんの無料でブログに埋め込み可の画像をお借りしました)
さて、「パリの恋人」がリバイバルで見られる!ってだけでも嬉しかった僕ですが、劇場に行って驚愕! ロビーには既に予告としてこの「暗くなるまで待って」のポスターが貼ってありました!
「暗くなるまで待って」のリバイバルを知らなかった僕は、えーーっ!!こんな連続してオードリー作品がリバイバルされるん!?って思ったのを覚えています。
当時はまだ社会人じゃないし、貧乏な僕には、嬉しいけれどお金が心配になりました。
それと、また一緒に行くメンバーを集めないといけないなーと思ってました。
その時に劇場に貼ってあったこの “オードリー・フェスティバル”のポスター!
当時はこの「パリの恋人」のオペラ座の画像はレアでしたし、なんとキラキラ輝いていたことか!
僕は喉から手が出るほど欲しかったのを覚えています。
今はこうして(大阪のじゃないけど)手元にある“オードリー・フェスティバル”のポスターですが、これを見ると当時の思い出が甦ります。
初公開時の物でも66年リバイバルの物でもないし、「パリの恋人」だけのポスターでもないので、価値はそれほど高くないかとは思いますが、僕にとっては思い出のいっぱい詰まったポスターになります。
さらに横には「暗くなるまで待って」のポスターも貼ってあったんですから、70年代後半から80年代前半にかけてオードリー作品のリバイバルに飢えていた僕にはいかに壮観で、ポスターだけでもう圧倒されていたのかがわかっていただけるかと思います。
この時、短期間でこんなにオードリー作品が続々とリバイバルされるなんて、何かただならぬことが起こっている気配を感じたのでした。
実はこの時に全国的にオードリーのブームは起き始めていて、1987年5月号の雑誌“スクリーン”の人気投票では6年ぶりにベスト10圏内(第7位)にオードリーは返り咲くんですよね。
2023年08月18日
「ローマの休日」4Kレストア版パンフレットが発売されます
さて、リバイバルまであと1週間となりましたが、TCエンタテインメントさんからの情報です。
今回のリバイバルで、嬉しいことに映画パンフレットが発売されます。
オードリーの映画パンフレットは2014年1月4日「マイヤーリング」公開時以来の約10年ぶりとなりますね。
今回いただいた画像は本物ではなく、バリバリデジタルで作ったイメージ画像だとわかっちゃいますよね。
「70年にわたって愛されつづける不朽の名作の魅力を専門家らが詳細に解説。
また、2022年に新録吹替版でオードリーを演じた声優・早見沙織のスペシャル・インタビューも収録。」
だそうです。まあ専門家の人選がどんなもんかってのはわかりませんけど、加藤タキさんや池田昌子さんなら嬉しいですが、吉村英夫氏や立川志らく氏や有村昆氏などだったらガッカリですね。
でも昔のようなしっかりした映画評論家さんというものがほぼ絶滅しているので、あまり期待できなさそうです。
内容もおかしなことばかり書いてたらどうしよう…と思っちゃいます。
もうおかしなことを書いていても、それを判断できる人もご存命ではないでしょうし…。
今回、このパンフレットの情報も、本日の12時に情報解禁、と縛りがあったのですが、リバイバル作品でそんな縛り要るのかなーと疑問。
リバイバルって、使用できる画像や情報が非常に乏しいんですよね。
むしろリバイバルするよって認知度を上げるために、早め早めに情報を出したほうがいいのでは?と思っちゃいます。
実は10日解禁で、著名人による推薦コメントってのもいただいてたんですけど、加藤タキさんと池田昌子さんはともかく、それ以外の人が一体オードリーや「ローマの休日」とどんな関係が?と思ってここでも紹介しなかったんですが、ほかのネットでも紹介したのは「SCREEN Online」だけのようでした。
今回のパンフレット発売しますよーって情報もそうなんですけど、ニュースとして紹介するにはあまりにも弱い内容なんですよね。
もうちょっとパンチのある情報が欲しいです。
パンフレットは表紙に画像は一切無しですね。これも使用できる画像の数に限りがあるのかな?と思っちゃいます。
値段は今回知らせていただけませんでしたが、最近のパンフレットって1000円くらいするんですね!
500円くらいの時代までしか知らなかったので、そりゃ若い人たちは買わないよねーって思います。
「マイヤーリング」のパンフレットは、貴重な写真のオンパレードで、「マイヤーリング」写真集の役目を果たしていましたが、今回の「ローマの休日」パンフレットはどうでしょうね。
追記:おっ!実はもっと詳しい情報を送ってくださってました。以下追加です。
B5判 カラー /モノクロ 52P 1,500 円(ちょっと高い? )
編集 :近代映画社 SCREEN編集部
発行 :『ローマの休日 4K』配給委員会
内容:『ローマの休日 製作70 周年 4K レストア版』パンフレット コンテンツ
●ブレイク前夜のオードリー 清藤秀人
●アン王女という女性像 山崎まどか
●ロマンス映画としての『ローマの休日』LiLiCo
●グレゴリー・ペックのダンディズム 井上健一
●アン王女とオードリー・ヘプバーンの親和性 真琴つばさ
●声優:早見沙織スペシャル・インタビュー
●『ローマの休日』ファッション考 児玉美月
●脚本家、ダルトン・トランボとは 藤えりか
●『ローマの休日』が私たちに教えてくれた映画の楽しさ 永千絵
●吹替で見る『ローマの休日』とり・みき
●コメント:加藤タキ・マイコ・白澤貴子・伊藤さとり・池田昌子
●ロケ地MAP
ほか
だそうです。
今回のリバイバルで、嬉しいことに映画パンフレットが発売されます。
オードリーの映画パンフレットは2014年1月4日「マイヤーリング」公開時以来の約10年ぶりとなりますね。
今回いただいた画像は本物ではなく、バリバリデジタルで作ったイメージ画像だとわかっちゃいますよね。
「70年にわたって愛されつづける不朽の名作の魅力を専門家らが詳細に解説。
また、2022年に新録吹替版でオードリーを演じた声優・早見沙織のスペシャル・インタビューも収録。」
だそうです。まあ専門家の人選がどんなもんかってのはわかりませんけど、加藤タキさんや池田昌子さんなら嬉しいですが、吉村英夫氏や立川志らく氏や有村昆氏などだったらガッカリですね。
でも昔のようなしっかりした映画評論家さんというものがほぼ絶滅しているので、あまり期待できなさそうです。
内容もおかしなことばかり書いてたらどうしよう…と思っちゃいます。
もうおかしなことを書いていても、それを判断できる人もご存命ではないでしょうし…。
今回、このパンフレットの情報も、本日の12時に情報解禁、と縛りがあったのですが、リバイバル作品でそんな縛り要るのかなーと疑問。
リバイバルって、使用できる画像や情報が非常に乏しいんですよね。
むしろリバイバルするよって認知度を上げるために、早め早めに情報を出したほうがいいのでは?と思っちゃいます。
実は10日解禁で、著名人による推薦コメントってのもいただいてたんですけど、加藤タキさんと池田昌子さんはともかく、それ以外の人が一体オードリーや「ローマの休日」とどんな関係が?と思ってここでも紹介しなかったんですが、ほかのネットでも紹介したのは「SCREEN Online」だけのようでした。
今回のパンフレット発売しますよーって情報もそうなんですけど、ニュースとして紹介するにはあまりにも弱い内容なんですよね。
もうちょっとパンチのある情報が欲しいです。
パンフレットは表紙に画像は一切無しですね。これも使用できる画像の数に限りがあるのかな?と思っちゃいます。
値段は今回知らせていただけませんでしたが、最近のパンフレットって1000円くらいするんですね!
500円くらいの時代までしか知らなかったので、そりゃ若い人たちは買わないよねーって思います。
「マイヤーリング」のパンフレットは、貴重な写真のオンパレードで、「マイヤーリング」写真集の役目を果たしていましたが、今回の「ローマの休日」パンフレットはどうでしょうね。
追記:おっ!実はもっと詳しい情報を送ってくださってました。以下追加です。
B5判 カラー /モノクロ 52P 1,500 円(ちょっと高い? )
編集 :近代映画社 SCREEN編集部
発行 :『ローマの休日 4K』配給委員会
内容:『ローマの休日 製作70 周年 4K レストア版』パンフレット コンテンツ
●ブレイク前夜のオードリー 清藤秀人
●アン王女という女性像 山崎まどか
●ロマンス映画としての『ローマの休日』LiLiCo
●グレゴリー・ペックのダンディズム 井上健一
●アン王女とオードリー・ヘプバーンの親和性 真琴つばさ
●声優:早見沙織スペシャル・インタビュー
●『ローマの休日』ファッション考 児玉美月
●脚本家、ダルトン・トランボとは 藤えりか
●『ローマの休日』が私たちに教えてくれた映画の楽しさ 永千絵
●吹替で見る『ローマの休日』とり・みき
●コメント:加藤タキ・マイコ・白澤貴子・伊藤さとり・池田昌子
●ロケ地MAP
ほか
だそうです。
2023年08月14日
「ローマの休日」リバイバル直前「サンデー毎日」1954年7月4日号“ヘップバーン旋風”
さて、「ローマの休日」4K版リバイバルもあとちょっとに迫ってきました。
皆さんはもう観に行かれる予定はたてられましたか?8月25日からですよー。
今回はそんな「ローマの休日」リバイバル応援で1954年発売の週刊 “サンデー毎日”の紹介。
これ、本当は来年紹介しようと思ってたんです。来年は日本公開70周年ですからね。
でもまあ今年正式リバイバルが来ちゃいましたんで、先にやっちゃいます。
で、この “サンデー毎日”1954年7月4日号ですけど、いったい本当はいつ発行されたんでしょうね。
本って、普通の本の奥付も週刊誌や月刊誌の発行日も、本当の発売日じゃなくてだいぶ先のことが書いてあるんで、非常に困ります。
いつからこんな風習が始まったんでしょうね。
さて、この内容は1987年の写真集「AUDREY HIGHNESS &SABRINA」をお持ちの方ならご存知かと思います。付録で縮刷版が載ってましたもんね。
でも87年に買った時は、その縮刷されてものすごく小さな文字も平気で読めたんですけど、いまはかなり苦しい。
スマホで撮影して大きくして読むしかないでしょうね。
さてこの “サンデー毎日”、表紙は薄っぺらいマットコートのような紙。
中身もほとんどがわら半紙的な上質紙で、8ページだけ薄いモノクログラビアが真ん中のページにあります。
本文は上質紙なんでだいぶ黄色く変色してて、スキャナして一所懸命黄色味を取ろうとしたんですけど、うまくいかなくて、一旦グレー化しました。
そしたらコピーしたみたいになって。まあ元からそんなに鮮明ではないのですが。
今回は画像があまり綺麗じゃなくてすみません。
まず表紙をめくると、右は表紙裏の広告、そして左が目次のページ。そこには既に“ヘップバーン旋風 五つの秘密”という題字が。もう巻頭特集が始まっているんですね。
これは公開当時の日比谷映画劇場でしょうか?懐かしい手書きの看板、そしてキャビネや四つ切りなどの写真が展示されているのもわかります。
昭和レトロな映画館そのものの風景ですね。
めくると「この荒稼ぎレコード破り」と大きく書かれていて、最初の見出しの文章では「ローマの休日」が「君の名は」や「七人の侍」を蹴とばして大当たりになった、アメリカでは平凡な成績であった、日本では今「ヘップバーン旋風」が吹きまくっている。ということが書かれています。
そうそう、オードリーの伝記でも書かれていましたが、実は「ローマの休日」はアメリカではそんなに大ヒットしてないんですよね。
もちろんヒットではあるのですが、予想をだいぶ下回ってたそうです。
「ローマの休日」が大ヒットだったのはヨーロッパ、アジア、その中でも特に日本だったんですよね。
日本での大ヒットぶりは「ローマの休日」の制作費の1/3が日本で回収出来たというくらいだったそうですからね。
内容は、まず映画の大ヒットぶりが書かれています。3週の予定だったものが5週と3日になって、洋画の興行記録を作ってしまったこと、大阪でも大ヒットだったこと。ダフ屋が氾濫して300円の指定席が1000円で売られていたこと。
まず今と物価が全然違いますからね。1954年は大卒初任給が8700円くらい。元々の封切館(日比谷映劇)の指定席300円でも今の7000円程度で、映画1本見るには超高額。
今の新宿ピカデリーのプラチナシートやグランドシネマサンシャイン池袋のグランドクラスで約5000円ですからね。
当時は封切館というのがいかに格があったかということですよね。
それがダフ屋で1000円って、今の25000円くらいですよ!ぼったくりもいいとこですね。今の転売ヤーさんと同じですね。
洋画興行の常識として、都市人口の10%が動員可能限界なのに、「ローマの休日」は各地の1番館だけで10%〜23%も来たそうです。
それまで洋画の最高だった「風と共に去りぬ」で東京の封切りで84日で28万6953人だったのに、「ローマの休日」は38日間で32万3885人も動員したそう!
多い日には5月2日で13633人も入ったそうです!再度「AUDREY HIGHNESS &SABRINA」の付録の当時の日比谷映劇の広告を見ると、「ローマの休日」は平日も休日も1日6回上映なので、1回に2272人も入ったことになります!
いくら当時は日比谷映劇が1500人規模の大劇場だったからといって、1回に700人くらい立ち見が出たということになりますね!座席の半分規模じゃないですか!1階2階とも通路や後ろまで人でギッシリだったことでしょうね。
また映画館ではオードリーが髪を着る場面では決まって若い女性の嘆声が聞こえるそうです。
アメリカでは製作費が200万ドルだったのに、純益が100万ドルがやっとの不成績だったと書かれています。オードリーの伝記本などでも300万ドルとよく出て来ますので、当時はアメリカでも配給収入(興行収入から映画館の取り分を引いた額)で成績が出ていましたから、まあそんな感じですよね。興行収入に直すと600万ドル稼げたということになります。
次になぜ日本でこんな記録的ヒットになったのかの分析がされていて、日本人の皇室というものに対する憧れの根強さ、ロマンスと別れものへの人気、そして肉体派女優へのアンチテーゼとしての清純派オードリーが挙げられています。
さらに書かれているのは、“ヘップバーンが美人型のスターではないため、一般女性が親近感をもった”“ヘップバーンの髪型が目新しくジャーナリズムが騒いだため”とも分析されてます。
オードリーが美人型ではない。今の女性ならオードリーが最高の美人という女性も多いんですけど、当時の美人の基準が違いますからね。
当時は作家橋本治氏の言葉を借りると、「エリザベス・テイラーこそ美の基準とする」とされてましたもんね。そりゃオードリー外れますよね。
今の若い子だと、エリザベス・テイラーを見せても美人だと思わない人も多そうですね。“濃い!”で片付けられそう…。
オードリーはいわば自分では意図せずに美の基準を変えた人ですよね。
さて記事に戻って、海外の「タイム」誌、「ライフ」誌のオードリーの最大級の賛辞と取り上げ方を皮切りに、まだオードリーの映画は1本も公開されていないのに新聞や雑誌に取り上げられまくり、53年年末から54年5月末までに東京の主要紙が「ローマの休日」やオードリーの記事を掲載したのはざっと170回。映画雑誌が表紙や特集でオードリーを載せると、売れ行きはてきめんだったそう。
あー、なんかこれ僕も見たことある風景。80年代後半からのブームがそんな感じでしたよね。いろんな雑誌でオードリーの特集が組まれて、オードリーを載せるとめっちゃ売上が上がったとか。93年にオードリーが亡くなってしばらくまでそんな感じで続いてました。
次は「百貨店では禁止令」って見出しで出ています。東京のあるデパートで、「ヘップバーン刈りなどという奇矯な髪型は当社の方針にそぐわないから慎むよう」とお達しがあったとか。
デパートって、当時は流行を生むという勢いのあった所なので、「ローマの休日」が公開されるやあっという間に900人の女性従業員のうち1割が“ヘップバーン刈”になったそう。
それを男性経営陣がおふれを出したため、女性の側から女性の命であるオシャレに干渉するとは!ということで “これはヘップバーン刈を禁止する意味なりや否や”と掛け合ったそう。
それに対する某幹部の意見では「あの髪型がいけないという意味ではないのです。ただ、ああいう髪型はとかく手入れが不十分になり不快な感じをお客様に与えがちなので」とのこと。
お手入れが不十分ってどゆこと?って思いますけど、当時はブローという技術がないので、何でもかんでもパーマ&ピンカール、あるいはカーラー。
その上、50年代は髪の毛を洗うのは1週間に1度みたいな状況ですから(詳しくは「93.『昼下りの情事』と洗髪事情に関して」で)、不十分かどうかは知りませんが、まあ確かに自分で毎日やる手入れが大変なのは間違いないと思います。
映画界でもオードリーの髪型を真似る女優が続出ということで、久我美子さんがオードリーそのままの髪型のほか、淡島千景さん、美空ひばりさん、有馬稲子さんらが“ヘップバーン・スタイル”をご愛用とのことです。
街の生態ってとこでは、“ヘップバーン刈”は公開1ヶ月前の4月初旬には少数ながら見受けられ、封切と同時に堰を切ったように広がったそうです。
しかも昭和らしく、普通は東京から地方への流行は6ヶ月ほどかかるらしいのに、今回は東京と時を同じくして東北や九州でも広がったとのこと。
ここでは何も書かれていませんが、実は「ローマの休日」は全国的に公開が早かったんですよね。東京は4月27日ですけど、佐世保・名古屋・四日市・新潟・広島では東京より早く、甲府・浜松では東京と同時公開、みたいな感じ。
全都道府県の「ローマの休日」公開日を調べていますので、詳しくは「『ローマの休日』記録室」で。
当時は東京のチェーン・マスターの劇場で公開の後、大阪、名古屋の1番館と東京の東宝チェーンや松竹チェーンなどへ。そしてその後当時の政令指定都市の1番館へ、さらに地方の1番館や大都市の2番・3番館へ、さらには地方の2番館へ、みたいな流れでしたから、東京から半年ほど遅れるのは当たり前。
だから「ローマの休日」は異例の速さで地方で公開されたんですよね。
まあそれだから日本で同時にオードリーの髪型が流行ったんですよね。
福島では東京から美容師を招いてヘップバーン刈の講習会が開かれたり、沼津ではヘップバーン刈の美人コンテストが開かれたことも書かれています。
美容師の意見では映画が公開されたのが初夏で、快適なショートカットにしたいと考える季節だった、銀座界隈では10代よりも、20代・30代の女性に好まれている、と答えています。
さらには文化服装学院、ドレスメーカー女子学院、慶応女子高校にアンケートを取っています。
「ローマの休日」をご覧になりましたか?ヘップバーンのヘヤー・スタイルをどうお思いになりますか?ヘップバーンのヘヤー・スタイルはあなたに似合うとお思いですか?あのヘヤー・スタイルを他の人がしてるのをどうお思いですか?
などから、「ローマの休日」とは関係ないことまで質問されています。 なので、その辺は飛ばして…。
最後に身だしなみに気を遣う男性からの意見として、“ヘップバーン嬢の方は髪や襟足の手入れが大変だそうですから、無精なお嬢さんやお金のないお嬢さんには向きません。ただ、こういう流行を追うお嬢さんにケチをつけるジャーナリストがいて、大抵それらは身だしなみに関心を持たない評論家や新聞記者という連中です。新鮮な感覚の女優を見て、及ばずながら髪型だけでも真似したいと思うのは若い女性の心意気というものです。”と述べています。
全体で、ここでは現在言われているような“ヘプバーン・カット”ではなく、“ヘップバーン刈”だの“ヘップバーン・スタイル”などと色々な呼び方で呼ばれているのが当時の空気感を醸し出していますね。
「ローマの休日」初公開当時のもの凄い稼ぎっぷりや、貴重なデータが色々と読める特集でした。
皆さんはもう観に行かれる予定はたてられましたか?8月25日からですよー。
今回はそんな「ローマの休日」リバイバル応援で1954年発売の週刊 “サンデー毎日”の紹介。
これ、本当は来年紹介しようと思ってたんです。来年は日本公開70周年ですからね。
でもまあ今年正式リバイバルが来ちゃいましたんで、先にやっちゃいます。
で、この “サンデー毎日”1954年7月4日号ですけど、いったい本当はいつ発行されたんでしょうね。
本って、普通の本の奥付も週刊誌や月刊誌の発行日も、本当の発売日じゃなくてだいぶ先のことが書いてあるんで、非常に困ります。
いつからこんな風習が始まったんでしょうね。
さて、この内容は1987年の写真集「AUDREY HIGHNESS &SABRINA」をお持ちの方ならご存知かと思います。付録で縮刷版が載ってましたもんね。
でも87年に買った時は、その縮刷されてものすごく小さな文字も平気で読めたんですけど、いまはかなり苦しい。
スマホで撮影して大きくして読むしかないでしょうね。
さてこの “サンデー毎日”、表紙は薄っぺらいマットコートのような紙。
中身もほとんどがわら半紙的な上質紙で、8ページだけ薄いモノクログラビアが真ん中のページにあります。
本文は上質紙なんでだいぶ黄色く変色してて、スキャナして一所懸命黄色味を取ろうとしたんですけど、うまくいかなくて、一旦グレー化しました。
そしたらコピーしたみたいになって。まあ元からそんなに鮮明ではないのですが。
今回は画像があまり綺麗じゃなくてすみません。
まず表紙をめくると、右は表紙裏の広告、そして左が目次のページ。そこには既に“ヘップバーン旋風 五つの秘密”という題字が。もう巻頭特集が始まっているんですね。
これは公開当時の日比谷映画劇場でしょうか?懐かしい手書きの看板、そしてキャビネや四つ切りなどの写真が展示されているのもわかります。
昭和レトロな映画館そのものの風景ですね。
めくると「この荒稼ぎレコード破り」と大きく書かれていて、最初の見出しの文章では「ローマの休日」が「君の名は」や「七人の侍」を蹴とばして大当たりになった、アメリカでは平凡な成績であった、日本では今「ヘップバーン旋風」が吹きまくっている。ということが書かれています。
そうそう、オードリーの伝記でも書かれていましたが、実は「ローマの休日」はアメリカではそんなに大ヒットしてないんですよね。
もちろんヒットではあるのですが、予想をだいぶ下回ってたそうです。
「ローマの休日」が大ヒットだったのはヨーロッパ、アジア、その中でも特に日本だったんですよね。
日本での大ヒットぶりは「ローマの休日」の制作費の1/3が日本で回収出来たというくらいだったそうですからね。
内容は、まず映画の大ヒットぶりが書かれています。3週の予定だったものが5週と3日になって、洋画の興行記録を作ってしまったこと、大阪でも大ヒットだったこと。ダフ屋が氾濫して300円の指定席が1000円で売られていたこと。
まず今と物価が全然違いますからね。1954年は大卒初任給が8700円くらい。元々の封切館(日比谷映劇)の指定席300円でも今の7000円程度で、映画1本見るには超高額。
今の新宿ピカデリーのプラチナシートやグランドシネマサンシャイン池袋のグランドクラスで約5000円ですからね。
当時は封切館というのがいかに格があったかということですよね。
それがダフ屋で1000円って、今の25000円くらいですよ!ぼったくりもいいとこですね。今の転売ヤーさんと同じですね。
洋画興行の常識として、都市人口の10%が動員可能限界なのに、「ローマの休日」は各地の1番館だけで10%〜23%も来たそうです。
それまで洋画の最高だった「風と共に去りぬ」で東京の封切りで84日で28万6953人だったのに、「ローマの休日」は38日間で32万3885人も動員したそう!
多い日には5月2日で13633人も入ったそうです!再度「AUDREY HIGHNESS &SABRINA」の付録の当時の日比谷映劇の広告を見ると、「ローマの休日」は平日も休日も1日6回上映なので、1回に2272人も入ったことになります!
いくら当時は日比谷映劇が1500人規模の大劇場だったからといって、1回に700人くらい立ち見が出たということになりますね!座席の半分規模じゃないですか!1階2階とも通路や後ろまで人でギッシリだったことでしょうね。
また映画館ではオードリーが髪を着る場面では決まって若い女性の嘆声が聞こえるそうです。
アメリカでは製作費が200万ドルだったのに、純益が100万ドルがやっとの不成績だったと書かれています。オードリーの伝記本などでも300万ドルとよく出て来ますので、当時はアメリカでも配給収入(興行収入から映画館の取り分を引いた額)で成績が出ていましたから、まあそんな感じですよね。興行収入に直すと600万ドル稼げたということになります。
次になぜ日本でこんな記録的ヒットになったのかの分析がされていて、日本人の皇室というものに対する憧れの根強さ、ロマンスと別れものへの人気、そして肉体派女優へのアンチテーゼとしての清純派オードリーが挙げられています。
さらに書かれているのは、“ヘップバーンが美人型のスターではないため、一般女性が親近感をもった”“ヘップバーンの髪型が目新しくジャーナリズムが騒いだため”とも分析されてます。
オードリーが美人型ではない。今の女性ならオードリーが最高の美人という女性も多いんですけど、当時の美人の基準が違いますからね。
当時は作家橋本治氏の言葉を借りると、「エリザベス・テイラーこそ美の基準とする」とされてましたもんね。そりゃオードリー外れますよね。
今の若い子だと、エリザベス・テイラーを見せても美人だと思わない人も多そうですね。“濃い!”で片付けられそう…。
オードリーはいわば自分では意図せずに美の基準を変えた人ですよね。
さて記事に戻って、海外の「タイム」誌、「ライフ」誌のオードリーの最大級の賛辞と取り上げ方を皮切りに、まだオードリーの映画は1本も公開されていないのに新聞や雑誌に取り上げられまくり、53年年末から54年5月末までに東京の主要紙が「ローマの休日」やオードリーの記事を掲載したのはざっと170回。映画雑誌が表紙や特集でオードリーを載せると、売れ行きはてきめんだったそう。
あー、なんかこれ僕も見たことある風景。80年代後半からのブームがそんな感じでしたよね。いろんな雑誌でオードリーの特集が組まれて、オードリーを載せるとめっちゃ売上が上がったとか。93年にオードリーが亡くなってしばらくまでそんな感じで続いてました。
次は「百貨店では禁止令」って見出しで出ています。東京のあるデパートで、「ヘップバーン刈りなどという奇矯な髪型は当社の方針にそぐわないから慎むよう」とお達しがあったとか。
デパートって、当時は流行を生むという勢いのあった所なので、「ローマの休日」が公開されるやあっという間に900人の女性従業員のうち1割が“ヘップバーン刈”になったそう。
それを男性経営陣がおふれを出したため、女性の側から女性の命であるオシャレに干渉するとは!ということで “これはヘップバーン刈を禁止する意味なりや否や”と掛け合ったそう。
それに対する某幹部の意見では「あの髪型がいけないという意味ではないのです。ただ、ああいう髪型はとかく手入れが不十分になり不快な感じをお客様に与えがちなので」とのこと。
お手入れが不十分ってどゆこと?って思いますけど、当時はブローという技術がないので、何でもかんでもパーマ&ピンカール、あるいはカーラー。
その上、50年代は髪の毛を洗うのは1週間に1度みたいな状況ですから(詳しくは「93.『昼下りの情事』と洗髪事情に関して」で)、不十分かどうかは知りませんが、まあ確かに自分で毎日やる手入れが大変なのは間違いないと思います。
映画界でもオードリーの髪型を真似る女優が続出ということで、久我美子さんがオードリーそのままの髪型のほか、淡島千景さん、美空ひばりさん、有馬稲子さんらが“ヘップバーン・スタイル”をご愛用とのことです。
街の生態ってとこでは、“ヘップバーン刈”は公開1ヶ月前の4月初旬には少数ながら見受けられ、封切と同時に堰を切ったように広がったそうです。
しかも昭和らしく、普通は東京から地方への流行は6ヶ月ほどかかるらしいのに、今回は東京と時を同じくして東北や九州でも広がったとのこと。
ここでは何も書かれていませんが、実は「ローマの休日」は全国的に公開が早かったんですよね。東京は4月27日ですけど、佐世保・名古屋・四日市・新潟・広島では東京より早く、甲府・浜松では東京と同時公開、みたいな感じ。
全都道府県の「ローマの休日」公開日を調べていますので、詳しくは「『ローマの休日』記録室」で。
当時は東京のチェーン・マスターの劇場で公開の後、大阪、名古屋の1番館と東京の東宝チェーンや松竹チェーンなどへ。そしてその後当時の政令指定都市の1番館へ、さらに地方の1番館や大都市の2番・3番館へ、さらには地方の2番館へ、みたいな流れでしたから、東京から半年ほど遅れるのは当たり前。
だから「ローマの休日」は異例の速さで地方で公開されたんですよね。
まあそれだから日本で同時にオードリーの髪型が流行ったんですよね。
福島では東京から美容師を招いてヘップバーン刈の講習会が開かれたり、沼津ではヘップバーン刈の美人コンテストが開かれたことも書かれています。
美容師の意見では映画が公開されたのが初夏で、快適なショートカットにしたいと考える季節だった、銀座界隈では10代よりも、20代・30代の女性に好まれている、と答えています。
さらには文化服装学院、ドレスメーカー女子学院、慶応女子高校にアンケートを取っています。
「ローマの休日」をご覧になりましたか?ヘップバーンのヘヤー・スタイルをどうお思いになりますか?ヘップバーンのヘヤー・スタイルはあなたに似合うとお思いですか?あのヘヤー・スタイルを他の人がしてるのをどうお思いですか?
などから、「ローマの休日」とは関係ないことまで質問されています。 なので、その辺は飛ばして…。
最後に身だしなみに気を遣う男性からの意見として、“ヘップバーン嬢の方は髪や襟足の手入れが大変だそうですから、無精なお嬢さんやお金のないお嬢さんには向きません。ただ、こういう流行を追うお嬢さんにケチをつけるジャーナリストがいて、大抵それらは身だしなみに関心を持たない評論家や新聞記者という連中です。新鮮な感覚の女優を見て、及ばずながら髪型だけでも真似したいと思うのは若い女性の心意気というものです。”と述べています。
全体で、ここでは現在言われているような“ヘプバーン・カット”ではなく、“ヘップバーン刈”だの“ヘップバーン・スタイル”などと色々な呼び方で呼ばれているのが当時の空気感を醸し出していますね。
「ローマの休日」初公開当時のもの凄い稼ぎっぷりや、貴重なデータが色々と読める特集でした。
2023年07月29日
「ローマの休日」4Kレストア版ムビチケ&チラシ
「ローマの休日」4Kレストア版、劇場リバイバルまであと1ヶ月を切りました。
劇場にてムビチケの販売があると公式サイトに出ていたので、街に出たついでに上映劇場で買ってきました。もちろんムビチケがあるならチラシもあるだろうとふんでます。
ムビチケは現代の前売券ですからね、押さえておきたかったんです。オードリーのものとしては、「マイヤーリング」「オードリー・ヘプバーン(映画)」に次いで3枚目になります。感覚的には昔のテレフォン・カードみたいです。
そういえば、2013年に「スクリーン・ビューティーズ」っていうのがあって、その第1弾はオードリーの3作品「麗しのサブリナ」「パリの恋人」「ティファニーで朝食を」のリバイバルってのもありましたが、それももしかしてムビチケは出てたんですかね?その時は前売券を買いましたけど、ムビチケはチェックしてなかったなー…。
さて、チラシもムビチケも特に何か書くってことは無いんですが、そう言えば、今回の配給元のTCエンタテインメントさんに資料をメールで頂いた時、最初の資料には “アカデミー脚本賞受賞”なんて書いてあって、大急ぎで脚本賞は獲っていませんよ!原案賞と脚本賞は別物ですよ!「ローマの休日」は脚本賞の候補にもなっていましたけど、獲れていません!と書いて送りました。
今回のチラシでも“脚本賞”などという恐ろしいことは書いておらず、きちんと原案賞になっていたのでホッと一安心。
でもこの脚本賞、実はパラマウントDVDやブルーレイの公式サイトに行くと、書いてあるんです!
権利元が大間違いしてどうするねん!と思います。
でもこれって結構間違えていることも多くて、Wikipediaでも以前はアカデミー脚本賞とかって書いてました。今でもそう信じている人も多いのでしょうね。
あと、「ローマの休日」のロケ地でひとつ気になっている箇所があります。
どうしてもわからないのですが、ジョーとアン王女がスクーターに乗っているシーンの最初の方、ジョーが左右を指差してアン王女を横向きにしておいて、アーヴィングが前の車からカメラで写すシーンのところで出てくるジョーとアン王女の後ろに写る階段の場所!あれ、どこなんでしょうね。
あの前後のシーンを見ると、どうもジョーとアン王女はちょっと小高い場所にきている気がするんですよね。ジョーの右手側(観客からすると画面左側)に欄干のようなものが映って、ローマの景色が見えているので、ちょっと崖っぽい場所にきていると思うのですが、「ローマ 丘」とか「ローマ 丘 階段」とかって調べても出てこないんですよね。
もしどなたかあの場所がわかる方がいらしたら、教えていただきたいです。
他のベスパで2人乗りのシーンは、遠景、あるいはバックから撮られていることが多く、よく見るとペックとオードリーではなく、スタントマンだとわかるんですが、あの階段のシーンは本当にオードリーとペックが走っていますからね。気になるんです。
まあ本当に走っているとは言っても、昔の撮影の常で、何かの車の荷台に載せられて、走っている感を出しているんだろうなというのはわかるんですけどね。
だって同時にベスパとアーヴィングの車が映るシーンでは、明らかに2人の乗っているベスパの方が高さが高いんですよ!そんなのありえないでしょ?
ローマをよくご存知だと “ああ、あそこね”とすぐにわかるのかもしれませんが、ローマなんて行ったこともない僕にはさっぱりわかりません。
将来、ローマに行くことがあれば、行ってみたいですもんね。
でもまあ、一般の人は「ローマの休日」巡りで満足するでしょうが、僕はちょっとそれだけじゃな…と思います。
他にもオードリーがドッティと住んでいたローマの高級住宅地にあるというマンションや、別居してその斜め向かいに住んだという家(現在はルカの家?)、オードリーが撮影のあるときにローマで泊まっていたホテル・ハスラー、それとオードリーがパスタを食べに通ったスペイン階段の横のレストラン(オードリーの写真もあり)にも行かなくちゃ!ですよね。
多分、これはこちらに来て頂いているオードリーのコアなファンならみなさん同じ気持ちだと思います。
あ、あと10月6日には「ローマの休日」の4K Ultra HD版が出るようです。Blu-rayも付いてくるみたいですね。
特典付きもあるけど…僕はいらないかな。どうせ使わないしね。
劇場にてムビチケの販売があると公式サイトに出ていたので、街に出たついでに上映劇場で買ってきました。もちろんムビチケがあるならチラシもあるだろうとふんでます。
ムビチケは現代の前売券ですからね、押さえておきたかったんです。オードリーのものとしては、「マイヤーリング」「オードリー・ヘプバーン(映画)」に次いで3枚目になります。感覚的には昔のテレフォン・カードみたいです。
そういえば、2013年に「スクリーン・ビューティーズ」っていうのがあって、その第1弾はオードリーの3作品「麗しのサブリナ」「パリの恋人」「ティファニーで朝食を」のリバイバルってのもありましたが、それももしかしてムビチケは出てたんですかね?その時は前売券を買いましたけど、ムビチケはチェックしてなかったなー…。
さて、チラシもムビチケも特に何か書くってことは無いんですが、そう言えば、今回の配給元のTCエンタテインメントさんに資料をメールで頂いた時、最初の資料には “アカデミー脚本賞受賞”なんて書いてあって、大急ぎで脚本賞は獲っていませんよ!原案賞と脚本賞は別物ですよ!「ローマの休日」は脚本賞の候補にもなっていましたけど、獲れていません!と書いて送りました。
今回のチラシでも“脚本賞”などという恐ろしいことは書いておらず、きちんと原案賞になっていたのでホッと一安心。
でもこの脚本賞、実はパラマウントDVDやブルーレイの公式サイトに行くと、書いてあるんです!
権利元が大間違いしてどうするねん!と思います。
でもこれって結構間違えていることも多くて、Wikipediaでも以前はアカデミー脚本賞とかって書いてました。今でもそう信じている人も多いのでしょうね。
あと、「ローマの休日」のロケ地でひとつ気になっている箇所があります。
どうしてもわからないのですが、ジョーとアン王女がスクーターに乗っているシーンの最初の方、ジョーが左右を指差してアン王女を横向きにしておいて、アーヴィングが前の車からカメラで写すシーンのところで出てくるジョーとアン王女の後ろに写る階段の場所!あれ、どこなんでしょうね。
あの前後のシーンを見ると、どうもジョーとアン王女はちょっと小高い場所にきている気がするんですよね。ジョーの右手側(観客からすると画面左側)に欄干のようなものが映って、ローマの景色が見えているので、ちょっと崖っぽい場所にきていると思うのですが、「ローマ 丘」とか「ローマ 丘 階段」とかって調べても出てこないんですよね。
もしどなたかあの場所がわかる方がいらしたら、教えていただきたいです。
他のベスパで2人乗りのシーンは、遠景、あるいはバックから撮られていることが多く、よく見るとペックとオードリーではなく、スタントマンだとわかるんですが、あの階段のシーンは本当にオードリーとペックが走っていますからね。気になるんです。
まあ本当に走っているとは言っても、昔の撮影の常で、何かの車の荷台に載せられて、走っている感を出しているんだろうなというのはわかるんですけどね。
だって同時にベスパとアーヴィングの車が映るシーンでは、明らかに2人の乗っているベスパの方が高さが高いんですよ!そんなのありえないでしょ?
ローマをよくご存知だと “ああ、あそこね”とすぐにわかるのかもしれませんが、ローマなんて行ったこともない僕にはさっぱりわかりません。
将来、ローマに行くことがあれば、行ってみたいですもんね。
でもまあ、一般の人は「ローマの休日」巡りで満足するでしょうが、僕はちょっとそれだけじゃな…と思います。
他にもオードリーがドッティと住んでいたローマの高級住宅地にあるというマンションや、別居してその斜め向かいに住んだという家(現在はルカの家?)、オードリーが撮影のあるときにローマで泊まっていたホテル・ハスラー、それとオードリーがパスタを食べに通ったスペイン階段の横のレストラン(オードリーの写真もあり)にも行かなくちゃ!ですよね。
多分、これはこちらに来て頂いているオードリーのコアなファンならみなさん同じ気持ちだと思います。
あ、あと10月6日には「ローマの休日」の4K Ultra HD版が出るようです。Blu-rayも付いてくるみたいですね。
特典付きもあるけど…僕はいらないかな。どうせ使わないしね。
タグ :ローマの休日ローマの休日 チラシ
2023年07月24日
「パラマウント友の会」1953年会報No.3「ローマの休日から」
今回は僕が現在持っている中で、一番古い「パラマウント」の号を紹介。
前回紹介したのがNo.5で1953年11月号でしたから、これは1953年9月号に当たるもの。
この号にはどこにも発行年月が書かれた奥付がないのですが、中身に9月29日締め切りや10月5日までなどというのがあるので、やはり1953年9月15日発行だと思われます。
ここでは「ローマの休日から」というページと、「Paramount News」というページでオードリーが登場。
アメリカでもついこないだ公開されたばかり(1953年8月27日)なので、日本でオードリーを取り上げたものとしては、最も早いものの1つになると思われます。
「ローマの休日から」のページでは見出しは4つ。
「新星 オードリー・ヘプバーン!」「ワイラーの喜劇」「ギギの名演買われて」「アメリカの誇り」となっています。
「新星 オードリー・ヘプバーン!」では1953年-54年シーズンにパラマウントが売ろうとしている新人が3人いる。ローズマリー・クルーニーとアンナ・マリア・アルバゲティ、そしてオードリー・ヘプバーンであるが、その中でも一番パラマウントが力を入れているのがオードリー・ヘプバーンであると書かれています。
ローズマリー・クルーニーとアンナ・マリア・アルバゲッティは俳優としてはパッとしませんでしたけど、オードリーは残りましたねー。
まさか出てきて70年経っても、生きていなくても、いまだに語り継がれるとはこの当時は流石に思ってなかったことでしょう。
「ワイラーの喜劇」ではワイラーとしては珍しい喜劇で、ヘプバーンの演技がすばらしいと云われている、1本も作品が出ないうちから騒がれているのもそのためで、1954年はヘプバーンの年とまで云っている、と書かれています。
オードリーの演技を評価しない日本の映画評論家もいる中で(今回解説が付く淀川長治氏と、オードリーに関するトンデモ本を何冊も出した吉村英夫氏なんかもその類)、最初期にこうした評価があったことは当時のものだから知れることですね。
「ギギの名演買われて」の「ギギ」とはもちろん「ジジ」のこと。ここではブロードウェイでの名演技が買われたこと、それ以前は舞台でダンサーやコーラス・ガールをしていたので、唄にも踊りにも素養があったこと、今回はワイラー監督によって演技の天分を引き出してもらった、まさに鬼に金棒だと書かれています。
「アメリカの誇り」では容貌は清純派で、特に我が国のファンにはお気に召すだろうと書かれています。そしてその汚れない美しさのかげに理性と情熱がうかがわれ、その点を高く買われている、声が非常に美しく、演技が認められたのもセリフのうまさからであったという、と書かれています。
さらに、オードリー・ヘプバーンがあらわれたことは、パラマウントだけのプラスではなく、アメリカ映画界全体のプラスであると云われるほどであるとも書かれており、パラマウント友の会の皆さんにも1954年の楽しみが一つ増えた、となっています。
見出しはどうあれ、結局全編オードリーのベタ褒めになっていますね。また実際に映画が来ても「なーんだ」とはならずに、さらに名声が上がったんですから、本当に凄いことですよね。
「Paramount News」のページでは、ハンフリー・ボガートがオードリーの相手役で「麗しのサブリナ」に主演すること、ボガートにとってパラマウント映画は初となることが書かれています。
これ、ボガートは最後に決まった主演俳優ですから、オードリーとウィリアム・ホールデンはもう先に決まっています。
あと、「ローマの休日」がヴェネツィア国際映画祭(ここではヴェニス映画祭と表記)に出品されたことが載っています。
そして「ローマの休日」は金獅子賞の候補になりました!
さて、今年8月25日からリバイバルされる「ローマの休日」ですが、公式サイトの体裁が整ってきました。公式サイトはこちら。
劇場情報も発表されていますが、それを見ると今回の公開は丸の内ピカデリー、MOVIXなど、松竹系の劇場の公開になっています。
他にはイオンシネマの系列ですね。
うんうん、とうとう松竹系の劇場で「ローマの休日」が公開されるんだね!と感慨もひとしお。
今までは東宝系、テアトル系と、松竹とは全く縁のなかった(午前十時の映画祭を除く)「ローマの休日」ですからね。
やっと公開70周年にして正式なリバイバルが松竹系の劇場で上映されるのかと思うと、やったね!と思います。
前回紹介したのがNo.5で1953年11月号でしたから、これは1953年9月号に当たるもの。
この号にはどこにも発行年月が書かれた奥付がないのですが、中身に9月29日締め切りや10月5日までなどというのがあるので、やはり1953年9月15日発行だと思われます。
ここでは「ローマの休日から」というページと、「Paramount News」というページでオードリーが登場。
アメリカでもついこないだ公開されたばかり(1953年8月27日)なので、日本でオードリーを取り上げたものとしては、最も早いものの1つになると思われます。
「ローマの休日から」のページでは見出しは4つ。
「新星 オードリー・ヘプバーン!」「ワイラーの喜劇」「ギギの名演買われて」「アメリカの誇り」となっています。
「新星 オードリー・ヘプバーン!」では1953年-54年シーズンにパラマウントが売ろうとしている新人が3人いる。ローズマリー・クルーニーとアンナ・マリア・アルバゲティ、そしてオードリー・ヘプバーンであるが、その中でも一番パラマウントが力を入れているのがオードリー・ヘプバーンであると書かれています。
ローズマリー・クルーニーとアンナ・マリア・アルバゲッティは俳優としてはパッとしませんでしたけど、オードリーは残りましたねー。
まさか出てきて70年経っても、生きていなくても、いまだに語り継がれるとはこの当時は流石に思ってなかったことでしょう。
「ワイラーの喜劇」ではワイラーとしては珍しい喜劇で、ヘプバーンの演技がすばらしいと云われている、1本も作品が出ないうちから騒がれているのもそのためで、1954年はヘプバーンの年とまで云っている、と書かれています。
オードリーの演技を評価しない日本の映画評論家もいる中で(今回解説が付く淀川長治氏と、オードリーに関するトンデモ本を何冊も出した吉村英夫氏なんかもその類)、最初期にこうした評価があったことは当時のものだから知れることですね。
「ギギの名演買われて」の「ギギ」とはもちろん「ジジ」のこと。ここではブロードウェイでの名演技が買われたこと、それ以前は舞台でダンサーやコーラス・ガールをしていたので、唄にも踊りにも素養があったこと、今回はワイラー監督によって演技の天分を引き出してもらった、まさに鬼に金棒だと書かれています。
「アメリカの誇り」では容貌は清純派で、特に我が国のファンにはお気に召すだろうと書かれています。そしてその汚れない美しさのかげに理性と情熱がうかがわれ、その点を高く買われている、声が非常に美しく、演技が認められたのもセリフのうまさからであったという、と書かれています。
さらに、オードリー・ヘプバーンがあらわれたことは、パラマウントだけのプラスではなく、アメリカ映画界全体のプラスであると云われるほどであるとも書かれており、パラマウント友の会の皆さんにも1954年の楽しみが一つ増えた、となっています。
見出しはどうあれ、結局全編オードリーのベタ褒めになっていますね。また実際に映画が来ても「なーんだ」とはならずに、さらに名声が上がったんですから、本当に凄いことですよね。
「Paramount News」のページでは、ハンフリー・ボガートがオードリーの相手役で「麗しのサブリナ」に主演すること、ボガートにとってパラマウント映画は初となることが書かれています。
これ、ボガートは最後に決まった主演俳優ですから、オードリーとウィリアム・ホールデンはもう先に決まっています。
あと、「ローマの休日」がヴェネツィア国際映画祭(ここではヴェニス映画祭と表記)に出品されたことが載っています。
そして「ローマの休日」は金獅子賞の候補になりました!
さて、今年8月25日からリバイバルされる「ローマの休日」ですが、公式サイトの体裁が整ってきました。公式サイトはこちら。
劇場情報も発表されていますが、それを見ると今回の公開は丸の内ピカデリー、MOVIXなど、松竹系の劇場の公開になっています。
他にはイオンシネマの系列ですね。
うんうん、とうとう松竹系の劇場で「ローマの休日」が公開されるんだね!と感慨もひとしお。
今までは東宝系、テアトル系と、松竹とは全く縁のなかった(午前十時の映画祭を除く)「ローマの休日」ですからね。
やっと公開70周年にして正式なリバイバルが松竹系の劇場で上映されるのかと思うと、やったね!と思います。
2023年07月19日
「ローマの休日」デジタル・ニューマスター版 ロイヤルBOX
さて、今日の紹介は2003年12月17日に発売された、「ローマの休日」製作50周年記念デジタル・ニューマスター版スペシャル・コレクターズ・エディション ロイヤルBOX(な、長い!)の紹介。
この「ローマの休日」DVD発売の12月17日には、パラマウントからは「戦争と平和」「パリで一緒に」、20世紀フォックスからは「おしゃれ泥棒」「いつも2人で」、ジェネオンからは「昼下りの情事」が同日発売されたということは以前の記事で書きました。
そんなに同時に発売されてもファンは困ってしまいますよね。当時はDVD全盛時代で、初めて販売する作品のDVDは1枚4000円くらいでまだまだ高かった時代。
しかもLDなんかでは1度発売して在庫がなくなると再プレスをほとんどしなかったので、DVDはどうなるのか僕もまだよくわからなかったんですよね。
だから無くなったら嫌なので、高いうちから買っていました。
で、そんなに同時には買えないので、何ヶ月かに分けて買ってたんですが、もちろん僕の中での優先順位は「いつも2人で」がトップ、次いで「おしゃれ泥棒」「パリで一緒に」でしょうか。再プレスするかどうか怪しいなら、プレス数の少なそうな作品から買うのは鉄則ですからね。
というわけで、「ローマの休日」は欲しかったけど、決して優先順位は高くなかったんですよね。値段も定価で9800円と高かったし。
そして通常の2枚組でいいや、とぼんやり思ってたんですけど、なんかこのロイヤルBOX版がどこだったかで安いぞ!って教えてもらいまして、そうなると俄然欲しくなっちゃいまして、限定2万セットだけだし!って買っちゃったんですよね。あー、おバカ笑。
案の定と言うか何というか、やはりDVD以外は買った時以外、全然その後開けもしなかったです。
今回この記事のために20年ぶりに引っ張り出してみました。
箱はだいたい記憶通りのもの。うんうん、こんな感じやった。
で、このロイヤルBOXの内容は、
●ジュエリーBOX
●オリジナルポストカード・ブック
●オリジナル携帯ストラップ
●オリジナルフォトフレーム
●デジタル・ニューマスター版2枚組DVD
となっております。
で、中のジュエリーボックスを取り出そうとしたら…なんか表面がベタベタしてる!
これ、表面の素材はポリウレタンちゃう?
ポリウレタンって一時期めっちゃ流行った素材ですよね。1999年にモーニング娘。の「LOVEマシーン 」でモフモフのコートが男女ともに流行りましたけど、当時はその素材に合皮のようなポリウレタンがよく使われてました。
そしてその後何年かはポリウレタン素材の洋服とかがよく出てました。
ポリウレタン、当時着ていた方はご存知でしょうが、劣化しやすく、劣化が始まるとポロポロと剥がれて来るんですよね。
なのでクリーニング屋さんもポリウレタン素材のものは困ってましたし、もしクリーニングで剥がれても知りませんよ?ってな感じでした。
僕もいくつか持ってましたが、本当に劣化するとヤバイ!って感じでした。だんだん表面がベタベタしてきて、床とかにボロボロこぼれるんですよね。最終段階ではちょっと触っただけでボロボロ。
その後あまりに劣化が酷かったので、素材で使われることもあまりなかったのですが、またここ数年ポリウレタン素材の洋服が復活しています。
まあ僕は劣化の凄まじさを知っているので、もう素材のタグを見てポリウレタンが入ってたら絶対買いませんけどね。
今回このジュエリーボックスなるものを取り出してみて、このベタベタ感を思い出して、これってポリウレタンじゃないの??と思ったわけですよ。
しかも20年全く開けてなかったのに周辺が黄ばんでる!うーん、もう使えん。
ボックスの蓋の上側には押し加工で “Roman Holiday”と印字されています。
開けてみて、蓋の裏にはいつものティアラ・オードリー。そして1番上の段には携帯ストラップが入っとる。
ちょっとこれは後回しにして、次の段へ。
ポストカードブックが乗ってて、その下にはフォトフレーム。そのフォトフレームも本来銀色なのに、黄ばんどる…。段とかフォトフレームの裏で使われている赤いビロードは何ともなってないのにね。
さらにその下の引き出しには2枚組DVDが入ってました。普段はDVDは棚に入っているのですが、今回20年ぶりに引き出しに入れて写真を撮りました。
まあ唯一今でもいいなと思えるのはポストカードブックのみ。
と言ってもこれもポストカードとしては使えなくて、結局コレクションしちゃうんですけどね。
さて、後回しにしてた携帯ストラップですが、携帯ストラップてのが2003年ぽいですね。まだまだガラケー全盛時代。ガラケーに写真機能が付き始めた頃でしょうかね。今となってはスマホにストラップってのも着けませんしね。
写真が入ってるロケットペンダントタイプになってるので、今回引っ張り出して開けようとしましたが、口が固い固い。
そんでもって開けようとしてたら飾りが脆くも取れました。使う前から壊してしまった!あちゃー!って使わないけど…。
やっと開けたらいつものティアラ・オードリーでした。ふーんって感じ。
まあ、買う前から使わへんよなーとわかってて買ったんですけど、本当に何にも使いませんでした。
こういうオードリーの写真も無くて雰囲気だけみたいな(珍しくない写真はあったけど)ものはやっぱり買ったらダメですね。
なんか発売から20年も経ってるのに、いまだにアマゾンでは新品が定価以下で売ってました。
オススメ度:なし。不用な品が多い。(多分今新品や新古品を買っても、ジュエリーボックスは劣化・変色してる。)
この「ローマの休日」DVD発売の12月17日には、パラマウントからは「戦争と平和」「パリで一緒に」、20世紀フォックスからは「おしゃれ泥棒」「いつも2人で」、ジェネオンからは「昼下りの情事」が同日発売されたということは以前の記事で書きました。
そんなに同時に発売されてもファンは困ってしまいますよね。当時はDVD全盛時代で、初めて販売する作品のDVDは1枚4000円くらいでまだまだ高かった時代。
しかもLDなんかでは1度発売して在庫がなくなると再プレスをほとんどしなかったので、DVDはどうなるのか僕もまだよくわからなかったんですよね。
だから無くなったら嫌なので、高いうちから買っていました。
で、そんなに同時には買えないので、何ヶ月かに分けて買ってたんですが、もちろん僕の中での優先順位は「いつも2人で」がトップ、次いで「おしゃれ泥棒」「パリで一緒に」でしょうか。再プレスするかどうか怪しいなら、プレス数の少なそうな作品から買うのは鉄則ですからね。
というわけで、「ローマの休日」は欲しかったけど、決して優先順位は高くなかったんですよね。値段も定価で9800円と高かったし。
そして通常の2枚組でいいや、とぼんやり思ってたんですけど、なんかこのロイヤルBOX版がどこだったかで安いぞ!って教えてもらいまして、そうなると俄然欲しくなっちゃいまして、限定2万セットだけだし!って買っちゃったんですよね。あー、おバカ笑。
案の定と言うか何というか、やはりDVD以外は買った時以外、全然その後開けもしなかったです。
今回この記事のために20年ぶりに引っ張り出してみました。
箱はだいたい記憶通りのもの。うんうん、こんな感じやった。
で、このロイヤルBOXの内容は、
●ジュエリーBOX
●オリジナルポストカード・ブック
●オリジナル携帯ストラップ
●オリジナルフォトフレーム
●デジタル・ニューマスター版2枚組DVD
となっております。
で、中のジュエリーボックスを取り出そうとしたら…なんか表面がベタベタしてる!
これ、表面の素材はポリウレタンちゃう?
ポリウレタンって一時期めっちゃ流行った素材ですよね。1999年にモーニング娘。の「LOVEマシーン 」でモフモフのコートが男女ともに流行りましたけど、当時はその素材に合皮のようなポリウレタンがよく使われてました。
そしてその後何年かはポリウレタン素材の洋服とかがよく出てました。
ポリウレタン、当時着ていた方はご存知でしょうが、劣化しやすく、劣化が始まるとポロポロと剥がれて来るんですよね。
なのでクリーニング屋さんもポリウレタン素材のものは困ってましたし、もしクリーニングで剥がれても知りませんよ?ってな感じでした。
僕もいくつか持ってましたが、本当に劣化するとヤバイ!って感じでした。だんだん表面がベタベタしてきて、床とかにボロボロこぼれるんですよね。最終段階ではちょっと触っただけでボロボロ。
その後あまりに劣化が酷かったので、素材で使われることもあまりなかったのですが、またここ数年ポリウレタン素材の洋服が復活しています。
まあ僕は劣化の凄まじさを知っているので、もう素材のタグを見てポリウレタンが入ってたら絶対買いませんけどね。
今回このジュエリーボックスなるものを取り出してみて、このベタベタ感を思い出して、これってポリウレタンじゃないの??と思ったわけですよ。
しかも20年全く開けてなかったのに周辺が黄ばんでる!うーん、もう使えん。
ボックスの蓋の上側には押し加工で “Roman Holiday”と印字されています。
開けてみて、蓋の裏にはいつものティアラ・オードリー。そして1番上の段には携帯ストラップが入っとる。
ちょっとこれは後回しにして、次の段へ。
ポストカードブックが乗ってて、その下にはフォトフレーム。そのフォトフレームも本来銀色なのに、黄ばんどる…。段とかフォトフレームの裏で使われている赤いビロードは何ともなってないのにね。
さらにその下の引き出しには2枚組DVDが入ってました。普段はDVDは棚に入っているのですが、今回20年ぶりに引き出しに入れて写真を撮りました。
まあ唯一今でもいいなと思えるのはポストカードブックのみ。
と言ってもこれもポストカードとしては使えなくて、結局コレクションしちゃうんですけどね。
さて、後回しにしてた携帯ストラップですが、携帯ストラップてのが2003年ぽいですね。まだまだガラケー全盛時代。ガラケーに写真機能が付き始めた頃でしょうかね。今となってはスマホにストラップってのも着けませんしね。
写真が入ってるロケットペンダントタイプになってるので、今回引っ張り出して開けようとしましたが、口が固い固い。
そんでもって開けようとしてたら飾りが脆くも取れました。使う前から壊してしまった!あちゃー!って使わないけど…。
やっと開けたらいつものティアラ・オードリーでした。ふーんって感じ。
まあ、買う前から使わへんよなーとわかってて買ったんですけど、本当に何にも使いませんでした。
こういうオードリーの写真も無くて雰囲気だけみたいな(珍しくない写真はあったけど)ものはやっぱり買ったらダメですね。
なんか発売から20年も経ってるのに、いまだにアマゾンでは新品が定価以下で売ってました。
オススメ度:なし。不用な品が多い。(多分今新品や新古品を買っても、ジュエリーボックスは劣化・変色してる。)
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