2022年08月03日

「オードリー・ヘプバーン映画祭2022」チラシ

 はい、引き続き「オードリー・ヘプバーン映画祭2022」関連で。

 最後はこの映画祭全般のチラシですね。2022年6月10日(金)〜12日(日)まで二子玉川での開催。

 正直、“またか!”と思いましたよね。映画祭自体がじゃ無くて、また東京だけ、二子玉川だけなんかい!という。

 しかも期間も短いので、関西にいたら行けませんもんね。

 まあ東京だけ、というのは東京以外では収益を上げられないから、と予測してるのかもしれませんし、スター・チャンネルさんの考えなのでこちらはどうともできないんですけど、ちょっとヒドイな、とは思います。全国横断、とはいかなくても、関西くらいは出来そうやのに…とは思いますね、

 事前にスター・チャンネルさんに問い合わせはしなかったんですけれども、友達に二子玉川まで行ってもらったんですが、前回はあった無料の映画パンフレットみたいなのは今回は無かったようで、2019年に行われたものよりかはお金の掛け方がちょっと縮小されたような気がします。
 やっぱりこれもコロナの影響でしょうか?

 さて、パンフレットがないとすると、このチラシが唯一の今年のオードリー映画祭での記念品となるのでしょうか?

 2019年の映画祭では「若妻物語」とか「ラベンダー・ヒル・モブ」とかレアなものも含めて10作品上映してましたけど、今回は「ローマの休日」「パリの恋人」「シャレード」「マイ・フェア・レディ」「おしゃれ泥棒」とメジャーどころを揃えて5本だけになってます。これも規模の縮小でしょうか?

 チラシ裏面の上半分を使って今回の上映作品を紹介してますけど、上映スケジュールを見ると、10日が「ローマの休日」「シャレード」「パリの恋人」、11日が「パリの恋人」「おしゃれ泥棒」「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」、12日が「マイ・フェア・レディ」「ローマの休日」「シャレード」「おしゃれ泥棒」。

 「ローマの休日」のみ毎日で3回、ほかの作品は2回の上映になっています。

 その次はイベントの情報。トークショーが毎日あったみたいで、清藤秀人さんがナビゲーター、10日には加藤タキさんも出演されてらしたようです。

 11日と12日にはオードリーの映画音楽のアンサンブルの演奏もあったようです。
 僕も1996年にJAL主催のオードリーのイベントが大阪のロイヤル・ホテル(オードリーが83年来日時に宿泊したホテル)で有った際は、音大の先生にオードリー作品の編曲を依頼して、弦楽四重奏でオードリー作品を演奏したのを思い出します。

 自分たちで演奏した時には「許されざる者」はプロローグ(実際はメインタイトル)とエンドタイトルをくっつけてもらったり、「パリで一緒に」の“That Face”も演奏しましたねー。

 「華麗なる相続人」からは“過去の回想”を演奏したかったけど、僕らの演奏には声が入らないので、同じメインタイトルの旋律を使う“別荘への到着”を演奏しました。

 「シャレード」からは“オレンジ・タムレ”(でもこの曲は“オレンジ・タムレ”のシーンでは使われていない)も演奏しましたよー。

 “オレンジ・タムレ”は演奏してくれた仲間にも大好評で、弾いてる方も聴いてる方も楽しいという、稀有な曲です。

 その音大の先生も、その弦楽四重奏に編曲する際にピアノ版を作って、大阪のヒルトン・ホテルでオードリー作品のピアノ演奏をされたんですよ!僕も見にいきました。仕事が終わってからだったので、全部は見れなかった(特に「おしゃれ泥棒」を見逃した!)のが今でも心残りです。

 大きく脱線しましたけど、次は写真パネル展のことが載っています。今回は映画祭で上映される5作品をメインに飾ってあったようです。

 それと次は二子玉川エクセルホテル東急30階でのグルメ案内。6月中はオードリーが大好きだった「スパゲッティ・アル・ポモドーロ」がメニューに加えられていたことと、12日にはアフタヌーン・ティー・サロンとして清藤秀人さんのトークとともにお昼をいただけたことがわかりますね。

 最下段には5月6日から公開されている映画「オードリー・ヘプバーン」のことが載っています。まあ映画もスター・チャンネルの提供だったから当然ですね。

 さて、チラシ全体を見ておおっ!と思うのは、「おしゃれ泥棒」の画像が全てレアもの、だということでしょうか。
 他のは、うーんよく見るよね、っていうものですが、「おしゃれ泥棒」だけはなぜか非常にレアものばっかり!これは嬉しいですね!
 このチラシは「おしゃれ泥棒」で価値が上がっていますね。どれも写真集未収録のものばかり!

 それと、「ローマの休日」の写真には表の写真にも裏の写真にも著作権マークがないんですよね。「ローマの休日」って画像の許可もいらないのかなーと思いました。
 いや、「パリの恋人」にはパラマウントの著作権が書いてありますし、パラマウントもわかってるんでしょうけどね。
  
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2022年07月29日

スター・チャンネル 加入宣伝チラシ& 4作品別バージョン吹替放送予定!

 さて、「オードリー・ヘプバーン映画祭2022」に関連することをどんどんやってしまいましょう。

 今回はこのスター・チャンネルの加入宣伝チラシ。

 ここでオードリーが絡むのは、「ローマの休日」の日本語吹替版の6バージョンを一挙配信!ってところ。

 ウィキペディアを見ると、一応最後まで録音された日本語吹替版はこれまでで9種類あるみたいですね。
 そのうち、一番最近放送された日本テレビの新録版と、パブリックドメインDVDの吹替と、テレビでは放送されていないNew Era Movieっていうプロジェクトの吹替版はリストから除外されています。

 まあ僕みたいにやっぱりオードリーは池田昌子さんでないと!って思ってる人には再放送もやっぱり最も多い初期のフジテレビ版とテレ朝版(どちらも3階放映)さえ聞ければそれでいいのですけどね。

 池田昌子さんの声もやっぱり年齢とともに変わっていってるのですが、オードリーの上品さと時代を超える美しさを表現できるのはやっぱり池田昌子さん!だと思ってしまいます。

 庶民のような声とか、アニメのような声はどうしてもオードリーとは違うと思ってしまうんですよね。あと、例えば「ローマの休日」は出来たとして、それ以外の作品でも合うのか、などと考えると、池田昌子さん=オードリーで行った昔の吹替製作のキャスティングの人って凄いなー!と思います。

 池田昌子さんなら「ローマの休日」でも「オールウェイズ」でもいけますもんね。
 なんとしても池田昌子さん未収録の「ニューヨークの恋人たち」や「緑の館」や初期作品、テレビ放送でカットされた部分がある「パリで一緒に」「いつも2人で」などの追加収録、「暗くなるまで待って」みたいに別の音楽をつけてしまったため、今や放送できない作品などの再収録などをしてほしいですね。

 「ニューヨークの恋人たち」「おしゃれ泥棒2」なんかは今の池田昌子さんでも断らずに録音してくださりそうなんですけどね。

 でももし、「クレヨンしんちゃん」や今年の10月から始まる「うる星やつら」みたいに今の声優さんが池田昌子さんにめっちゃ寄せてくれたら、違和感なく納得するかもしれませんねー。

 さて、さらにスター・チャンネルさんは「パリの恋人」「シャレード」「マイ・フェア・レディ」でも9月に吹替の別バージョンを放送してくれるという情報を見つけました!

「パリの恋人」は木曜洋画劇場版とJAL機内上映版、これはどちらも池田昌子さんじゃないので、あまり興味はないのですが…。

「シャレード」の日テレの金曜ロードショー版、「マイ・フェア・レディ」のテレ朝の日曜洋画劇場版、ANAの機内上映版は全部池田昌子さんの別バージョン吹替!

えーっ!ちょっとちょっと!これはどうする?
9月にスター・チャンネルに入っちゃいそう…。

公式サイトはこちら
  


2022年05月13日

ドライブイン・シアター、スターダスト・千里「ローマの休日」上映冊子

 今回は大阪の万博記念公園の辺りにあったというドライブイン・シアター、スターダスト・千里のSrarDust Timesっていう上映案内の冊子。全8ページです。

 ドライブイン・シアターって、バブル期に全盛を迎えた映画の上映形態の一つですよね。
 大きな駐車場にでっかいスクリーンを張って、車の中に乗ったまま見るってやつ。音は車載のFMラジオを通して聞く、というものでした。

 僕は全盛期でも行ったことなかったなー。なんか車の中からだと見難そうな感じがしたし、いくらスクリーンが大きくても、なんか画面が小さそうな感じがしたんですよねー。
 ましてや後部座席なんかだと、絶対車の屋根で一部見えない!と思っていました。

 で、1度も見に行かないままバブルは弾けてどんどん閉鎖されて行って話題にも上らなくなり、日本からドライブイン・シアターってのはなくなってしまいましたね。
 なんかその後最近になって2つだけまた常設されたようですけどね。

 この万博記念公園はもちろん1970年に開かれた大阪万博の跡地ですよね。その敷地内なのか敷地外なのかはわかりませんが、万博の外周道路の西側にあったそうです。今の “万博おゆば”ってのがある場所だそうで。

 2020年には同じ場所ではないそうなんですが、万博公園でドライブイン・シアターが臨時で設けられたそうです。

 1970年の大阪万博って、行った記憶はあるのですが、幼かったのでどの館に入ったかとかは全然覚えてなくて、スイス館の光の木っていうのだけがやたら印象に残っています。でも詳しくは知らなかったので、その光の木自体がスイス館なのかなーと思ったりして、建物小さいけどあの中に入ってみたいなーとか思っていたのが記憶にあります。

 スイスってオードリーともめっちゃ縁の深い国ですよね。なので後年の2005年の名古屋の愛・地球博では念願のスイス館にも行ってきましたよー。

 でも1970年当時は本当に日本全体での一大イベントだったんですよねー。うちの母方の親戚一同も東京や九州や東北からみんなで集まって行って、有馬温泉で宿泊して宴会みたいになってたのが写真で残ってました。

 あと何と言っても万博と言うと僕は絶叫系の遊園地がめっちゃ好きだったので、高校生や大学生に大きくなると、部活の先輩・同輩・後輩たちを誘って20人くらいで万博の跡地内にあったエキスポランドはしょっちゅう行ってました。
 当時はUSJはまだなかったので、エキスポランドと神戸ポートピアランドと宝塚ファミリーランドを春と秋になると順繰りに行ってましたね、いまは残念ながらどこも残っていません。

 社会人になってからも姫路セントラルパークも加えて、会社の友人や飲み友達とよく行きましたねー。宙吊りコースターとかめっちゃ好きだったので。

 さてめっちゃ脱線しましたが、こちらのバブルの常設時代の冊子ですけど、なぜ持っているのかの経緯はわかりません。エキスポランドに行った時に置いてあったりしたんでしょうかね?

 これは上映されている映画と日にちと曜日を調べると1987年の冊子。今から35年前ですね。
 おー、85年からのオードリーの最ブームは既に始まってますね。



 プログラム表を見ると、5/2(土)〜5/15(金)の2週間が「ローマの休日」の上映だったようです。
 今回の午前十時の映画祭と同じく、オードリーをゴールデン・ウィークにあてていますね。

 配給は日本ヘラルドになってます。さかんにヘラルドが過去の名作映画をリバイバルしていた頃ですね。

 このスターダスト・千里、スクリーンが2つあって、ちょっと駐車台数が多いStarDust1の上映作品は4/18〜5/1が「霊幻道士2」、「ローマの休日」と同じ5/2〜5/15が当時大人気トム・クルーズとポール・ニューマン共演の「ハスラー2」、5/18〜5/29が「殺したい女」。

 StarDust2は「ローマの休日」を挟んで4/18〜5/1が「お熱いのがお好き」、5/18〜5/29が「カサブランカ」になっています。
 やはり1番儲かると思われている作品がゴールデン・ウィークにあてられていますね。

 「霊幻道士2」とか「殺したい女」とか、僕は全然知らない作品。当時は新作だから上映できたんでしょうが、今はこれらの作品って上映するのは難しいんじゃないでしょうか。

 「ローマの休日」の紹介文では “StarDustでは何度アンケートをとってもオードリーが大人気。ようやくお迎えいたしました。”と書かれています。
 当時は日本ヘラルドさんによって次々とオードリー作品がリバイバルされましたから、オードリーの人気も相まってこの後もきっと色々と上映されてたんでしょうね。

 この冊子を見ると、宣伝写真の車に乗っているモデルに外国人さんを使っているところといい、ポップコーンと飲み物を運んでいる女の子の衣装といい、めっちゃ80年代後半だなーと思います。

 学生無料招待もあって、大学によって無料の日が決められているんですけど、「ローマの休日」の期間は5月11日と12日が関西大学と梅花女子大の学生さんの無料デーみたいです。

 あと、土日祝日は1日2回上映で、あとは1回のみの上映。まあ暗くなってからしか上映できませんもんね。
 料金はこの年の4月18日からおひとりさま料金が無くなったそうで、1台あたり乗車定員以内で3000円だそうです。
 このSrarDust Timesを持ってきた人は平日が20%引き、土日祝が10%引きだそうです。

 行ったことないので知りませんけど、車の周りには食べ物や飲み物を売る屋台も立っていたのでしょうかね?
  


Posted by みつお at 21:00Comments(0)ローマの休日その他グッズ

2021年12月05日

「ローマの休日」4Kデジタル・リマスター版ブルーレイ



 はい、今日は「ローマの休日」のデジタル・リマスター版 ブルーレイ・コレクターズ・エディションを紹介します。

 これ、去年の12月2日に出てたんですね!1年経っての紹介になってしまいました。
 でも今回はこのブルーレイの出来が悪い、とかではなく、僕が買ってから1年放置していたということですね汗。

 でもこれ、見てみてビックリ!
 またまた本編最初のクレジットの部分が変わっています!

(←今回の4Kデジタル・リマスター版の脚本・原案のクレジット画面)

 2003年のデジタル・ニューマスター版の時は原案がイアン・マクレラン・ハンターからダルトン・トランボに変更されていましたが、今回は脚本の部分でもダルトン・トランボが追加されて脚本はトランボとハンターとジョン・ダイトンの3人になっています!

 さらに、その脚本と原案のクレジットが載る部分のバックのフィルムに出てくるトラックのタイミングが2003年のニューマスター版はオリジナルとは少し違う部分が使われている、と以前書いてましたが、なんと!今回はオリジナルと同じタイミングでトラックが登場します!おおおおっ!!

 なんでしょうね?これは前回のニューマスターでタイミングが違うと散々言われたんでしょうか?それともトラックのタイミングが違うのが自社で気になって正確な部分のフィルムを倉庫から持ってきたのでしょうか?

 まあどっちにしてもだんだんモニターも大画面になってきていますから、タイミングが違うのはかなりハッキリとバレますよね。
 今回はオリジナルになるべく忠実に、とリマスターされたんでしょうね。

(←2003年デジタル・ニューマスター版)

 それと、今回の映像特典はDVDの時とはガラッと入れ替えられています。同じなのはアメリカの予告編とフォトギャラリーだけ。
 2003年版のDVDの特典で付いていた日本版の予告編や池田昌子さんのローマの名所めぐりや吹替の思い出などの日本版オリジナルの特典は一切無く、アメリカ版にあったはずの「ローマの休日」の思い出や修復とか、イーディス・ヘッドのことなどが省かれてしまってます。

 なので特典が全く違うので、DVDも手放せなくなってしまっています。

 今回の特典は最初の“レナード・マルティンが語る「ローマン・ホリデー」”とかはそんなでもなかったですけど、“オードリー・ヘプバーン:パラマウント時代”とかショーンとロバート・ウォルダーズの語る”オードリーの思い出”とかは見応えありました。

 でもパラマウント映画は6本と紹介されていて、「華麗なる相続人」が入ってなかったのは、製作がパラマウントではないからでしょうか。
 「パリで一緒に」の紹介は短いのですけど、きちんと“オードリーもこの映画を楽しんでくれていたようです。”と言われていて、嬉しくなりました。

(←オリジナル版)

 “オードリーの思い出”の方ではロバート・ウォルダーズがインタビューに答えているのが不思議な感覚でした。
 ウォルダーズは2018年に亡くなっていますから、それまでに撮っていた物を編集したのでしょうね。
 他の特典映像でインタビューを受けている人と同じバックの模様でしたから、その人達と同時期に撮られたんでしょうね。

 それと、“ゲートの内側:衣装”という映像もあったので、「ローマの休日」の衣装も紹介されるかも!?と期待しましたが、全くありませんでしたね。
 「ローマの休日」の特典なんだから、「ローマの休日」の衣装を見せて欲しかったです。「私のスタイル」展の図録を見ると、パラマウントが「ローマの休日」でのオードリーの衣装を保管しているはずなのですが…。

 それとやはり時代なのでしょうか。“ダルトン・トランボ:A級リストからブラックリストへ”という映像も収録されています。
 まあ僕はこういう政治的な思想のことにはオードリーと同じく距離をおいていますので、何も述べません。



 日本版だけの特典として、アウターケースとトレバー・ウィルズマーという人が書いた文章のある全12p(うち文章は7p)のブックレットが付いてます。

 トレバー・ウィルズマーという人が何者なのかは全く書いてないので知りませんし、パラマウント公式見解でもないと思いますが、その文章が「ローマの休日」の今まで知らなかった裏話が載っていて面白かったです。

 まず予算はイタリアにあるパラマウントの封鎖資金100万ドルで作らなければならないこと。
 えー!ウィリアム・ワイラーになる前に監督する予定だったフランク・キャプラには150万ドルって言ってて、それでも少なかったそうなのに、100万ドルですか!それは絞り過ぎですね。ウィリアム・ワイラーみたいな一流監督なのに!
(まあ最終的にはいくらかかったのかは知りませんが)

 なのでここではカラー撮影を断念せざるをえず、さらにスターが2人は使えない、という縛りができたことが書かれています。それでどうしてもアン王女は無名の女優を使うということになったみたいですね。

 他の候補として、各国の推薦で最初はシュザンヌ・クルーティエとコレット・リベールという2人が有力で、そこへロンドンからオードリーが推されてきたことが書かれています。
 どっちも全く知らない女優さんです。

 テストは前半は男優と1シーン、女優と1シーンだったと書かれていて、ワイラーはカメラを回しっぱなしにしたまま話しかけるように言った、となってるんですが、この辺が信用度が低くなる所でしょうか。

 日本では初公開時から、ベッドで寝ているシーンを撮って、カット!が掛かってからのオードリーの笑顔を見て決めたと伝わっており、実際初公開時からずっとその時の写真もいろんな本や雑誌で載せられてきたのですが、本国アメリカではその辺の資料が残ってないんでしょうかね。

 この辺はオードリー人気に断絶のあったアメリカの事情が窺い知れますね。
 きっと当時のベッドでのスクリーンテストのフィルムは残ってないのでしょうね。

 最終選考はオードリーvsシュザンヌ・クルーティエだったそうです。

 脚本はベン・ヘクト、ロバート・ワイラー、レスター・コーニッグという人たちが撮影前に完成することができず、クレジットされているジョン・ダイトンが撮影の合間にローマで書いたそうです。使用可能なロケ地のあまりの多さに、脚本は絶えず書き直しを迫られたため、ジョン・ダイトンは貴重な存在だったそうです。

 それと最終脚本はイアン・マクレラン・ハンターが手掛けたと書かれており、そのためパラマウントも今回の4Kリマスターでは3人の名前を載せたんでしょうね。

 あと、撮影のフランツ・プラナーが撮影半ばに病気でアンリ・アルカンに交代になったこと、群衆整理が不可能なのでワイラーが普段ほどテイクを撮れなかったこと、アメリカを離れ全員が撮影を楽しんでいたこと、大使館の舞踏会のため、43人もの貴族の女性がエキストラとして出演したこと、その貴族の女性たちは報酬の2400ドルを慈善事業に寄付したこと、アメリカでは期待したほどヒットしなかったけれども海外では驚くべき大ヒットだったことが書かれています。

 こうして開ける前は、しばらく待っていればケースなしで安くなるやろに、何にも写真が無いスリープケースにお金払うのイヤやなーとか思っていたのですが、まあこうしてブックレットを読めたのが僕的にはとても良かったです。

 本編の画質は、こうした昔の映画の高画質化にはつきものですが、どうしても粒子感が強くなっていますね。
 なのでスペイン広場のシーンでは雲一つなく晴れているのに、曇り感が強いです。
 元々モノクロなので、色が変!ってことはないんですけどねー。

オススメ度:★★(やがてケース無しのが1000円代で買えるようになるでしょうから、ケースとブックレットに価値を見出せるコレクター向き)



  


2021年06月25日

ハコネーゼの別バージョンCM

 創味食品さんから、「ローマの休日」を使ったハコネーゼの別バージョンCMがオンエアされています。

 公式サイトはこちら

 「真実の口でチン」編だそうです。
 正直、僕はこちらの方は不覚にも笑ってしまいました。

 前回の「さんまの休日」編は割とそのままシーンを使っていたのですが、今回は“真実の口は電子レンジだった!”というひねりがあるので、なるほどねー!と思わされてしまいました。

 さて、「ローマの休日」ファンの“冒涜だ!”というのもありましたが、全体では好感度1位など、大好評なハコネーゼCM。なんかすでに200万食を売り上げたそうで、創味食品さんのTwitterでは新しい味のリクエストを受け付けているようです。

 でも200万食ってありがたいですよね。契約までは知りませんが、もし1食1円が世界の恵まれない子供達に行くとしても、200万円は行くわけですもんね。2円だったら400万!きっとオードリーも喜んでますよね。

 ハコネーゼ、本当に美味しいんですよ。ちょっと味は濃いめで、量も多いので、食べ応えがあります。
 ポルチーニと海老の味を食べましたが、キノコは大好きだし、海老のはめっちゃエビの味と香りがするんです!おいし〜!って思いました。にんにくトマトも食べたいんですけど(もう買ってある)、塩分多めなのがちょっと…。

 でもオードリーを使って、味も美味しかったので良かった!
 80年代後半のオードリー再ブーム時、87年におそらく最初に既存の映画のオードリーを使ったハウス食品の“It's”という清涼飲料水が、飲んでみたら全然美味しくなかったのでがっかりした(なのでその後買わなかった)のですが、そういうことが無くて良かったです。
 当時のCMはこちら(2/3の所からオードリー編スタート)。

 新しい味、今度もオードリーの映画を使ってくれたらいいなー。次はどれを使ってくれたらいいでしょうね。「麗しのサブリナ」?「ティファニーで朝食を」?「マイ・フェア・レディ」?
 個人的には「パリで一緒に」や「いつも2人で」を使ってくれたら爆買いですが、まあ無いでしょうね笑。  


2021年04月03日

「ローマの休日」を使った創味食品 ハコネーゼCM

 「ローマの休日」を使ったCMが新しくできました。
 僕もテレビを見ていたら出てきたので、“おっ!”と思いました。

 詳しくはこちらこちら(創味食品さんのサイト)。

 真実の口のシーンを使ったパスタソース「ハコネーゼ」のCM。
 グレゴリー・ペックがCGで明石家さんまさんの顔とすげ替えられています。

 僕はこういうの全然大丈夫。“あ、「ローマの休日」使ってくれてる!うれしー!”としか思わないんですよね。
 わー!と思って見ちゃう。うまくくっつけてるなーとか。パロディだしね。

 でもここで心配なのは2006年に「ローマの休日」を使った三井住友銀行のCMの時のこと…。
 あの時も同じ「ローマの休日」で、同じ真実の口のシーンを使ってました。

 あの時は映像はそのままで声を池田昌子さんの声で吹き替えて、出たばかりの生体認証のCMをやったんですが、その時オードリー・ファンではない、「ローマの休日」ファン (この2つは別物だと思っています)がネットで騒いだんですよね。

 僕は“えーーっ!どこが気に入らんの?面白いやん。”って思いましたが「ローマの休日」ファンはそうじゃ無かったようで…。

 やれ、 “「ローマの休日」に対して冒とくだ!”とか、“2003年で著作権が切れたからって無断でこんな使い方して!”とか。
 うーん「ローマの休日」ファンって寛容じゃないんだねーと僕は当時思っていました。

 三井住友銀行みたいな大手が、パラマウントに許可を取らずにするわけないやん!そういうのすら確認せずにネットに書き込む人って本当に無責任!だと思いました。実際三井住友銀行には当時直接問い合わせしてしっかりパラマウントとオードリー・ヘプバーン財団にお金を払って許可を取ってるって教えてもらいましたしね。

 えっと、ここでいう「ローマの休日」ファンって、「ローマの休日」だけのオードリー映画のファンってことですね。他の作品のオードリーにはあんまり興味ない人びと。「麗しのサブリナ」以降はもうダメとか、60年代の全盛期のオードリーですら“老けてる”とかって言う人たちですね。他の作品は見てすらいない人も多くいたみたいで。

 なので他作品も色々見て、それでオードリー映画では「ローマの休日」が1番好き!って人はもちろん違いますよ。あくまでも「ローマの休日」にしか興味がない・見てない人が「ローマの休日」ファン。
 晩年のオードリーまで含めて好きな人は「ローマの休日」を1番でももちろんオードリー・ファン。

 この僕のいう「ローマの休日」ファンに対して “えっ!?”て思ったのはその先。「ローマの休日」ではあれほどヤイヤイ言ってたのに、三井住友銀行が「パリで一緒に」編を流し始めたら、なーんにも言わないの。ネットで批判とか1つも見つけられなかったんですよね。 

 だから、あー「ローマの休日」だけはちょっとパロディになったら怒って騒ぐけど、「パリで一緒に」じゃあだんまりなんだねーと思った次第。
 今回ももし「パリで一緒に」とか他の作品使ってたら、何も言われないんですよね、きっと。

 なので、今回もまた「ローマの休日」ファンが騒ぎ出して、明石家さんまさんや創味食品さんが何か言われるかなー、短命で終わっちゃうのかなーと思ってしまいます。僕は全然オッケーなんですけどね。まあ、ただ面白いかと言われると、さんまさんなのにうーんって感じですけど。

 ただ、オードリーをCMで使ってくれたっていうのは嬉しいですね。もちろんここでオードリー・ヘプバーンを使ったら、おそらく世界の恵まれない子供達にも何かしら回ると思いますし。
 なので僕はむしろ何か買ってあげなきゃ!と思いますけど、「ローマの休日」ファンは“絶対買わない!”とかって不買運動でも始めそうですよね。

 僕からしたら、「ローマの休日」本編をネットで流してる人の方がえーって思っちゃいます。そっちは実は叩いてる人が全然いなかったり…。
 パラマウントに許可も取らずに「ローマの休日」のデジタル・ニューマスター版をネットに流してる人の方がもっとダメでしょー!それこそが「ローマの休日」に対する冒とくですよね。

 「ローマの休日」って、オリジナル版は著作権切れましたけど、メイン・タイトルに“ダルトン・トランボ”の名義が入っているデジタル・ニューマスター版は切れてませんからね、多分。

 それにネットを見ると、オードリーの画像使ったスマホケースとかTシャツとか缶バッチとか売ってますけど、それこそどこにも著作権マークがなくって、誰の許可も取っていない無断使用で金儲けしている輩。
 そんなのの方がよっぽど冒涜ですよね!世界の恵まれない子供達に1円も行かない。僕が怒りを覚えるのはそっちの方。

 許可を取ってる創味食品さんを叩くなら、そっちを叩くのが本当の「ローマの休日」ファンじゃない?って思います。
 (オリジナルとデジタル・ニューマスター版の違いについてはこちら)  


2020年12月24日

「ローマの休日」キープ株式会社版DVD

 今月号の「SCREEN」で、2年ぶりにオードリー・ヘプバーンカレンダーが付録に付きましたね。
 でも…2年前の驚きのような凄い写真が1つもなくて、ごく普通のカレンダーに仕上がっていたので、僕は買いませんでした。うーん残念!
 2年前のは“「SCREEN」でないと作れないカレンダーだった”のに、今年のは“どこでも作れるカレンダー”だったという大きな違いですかね。

 長らくお待たせしました。今日は「ローマの休日」のブルーレイ発売記念にキープ株式会社版のDVDを紹介します。

 なぜ正規版のパラマウント版のDVDを買っていたのにこのキープ版のDVDを買ったかと言うと、やっぱり理由がありまして。

 と言うのもですね、パラマウントからDVDになったものは全て2003年にデジタル・ニューマスター版になった以降のものなんですよね。

 デジタル・ニューマスター版って何が違うって、もちろん画質や音質が改善されたのは当然として(あんまり音質は良くなってないけど)、製作40周年の1993年に原案がイアン・マクレラン・ハンターからダルトン・トランボにアカデミー賞でも変更されたので、50周年の2003年のデジタル・ニューマスター版ではメイン・タイトルの部分にも変更が入って、ダルトン・トランボ名義にクレジットが作り変えられたんですよね。

 そういう事情を知ってるもので、2000年頃に急激にDVDが普及し始めて、2004年からは著作権が50年から70年に変更されるということで、雨後の筍のようにあちこちの会社が1953年までの往年の名画というものを廉価版(主に500円)で発売するようになったので、オリジナルの「ローマの休日」を手元に置いておきたいということで買ったのがこのキープ版の「ローマの休日」ということですね。

 なのでこのキープ版のタイトルバックはイアン・マクレラン・ハンターでクレジットされています。

 いやー、思い出すなー。これ、前に住んでいた最寄り駅のところにあった本屋さんに置いてたんですよね。もうその本屋さんも今は無くなって100均ショップになってます。

 そんでこういう廉価版のDVDって、会社によってめっちゃジャケットのデザインが違うくて、ダサいところは耐えられないくらいダサかったです。

 ジャケットに使えるのは本編の映像のみなので(写真は写真でまた別の著作権があるので)、それを単に何枚か並べるだけとかの会社はヒドかったですけど、やっぱり切り抜きとかそういうのを駆使して作ってるところは出来が良かったですね。

 その中でもキープのはまあ良かった方です。ファーストトレーディングとかトリコロールとかが出してるジャケットはもっと良かったですけどね。

 でも廉価版DVDってみんながみんなこのオリジナル版で収録されているかというとよくわからないんですよね。

 例えば、宝島社が出してた「別冊宝島 オードリー・シネマスタイル」ってのは「シャレード」と「ローマの休日」のDVD付きで1000円だったんですけど、「シャレード」はボロボロの画質で見るに堪えないようなシロモノでしたけど、「ローマの休日」はなんと!デジタル・ニューマスター版のダルトン・トランボ付きだったんですよね!

 えーっ!確かに「ローマの休日」のオリジナル版は2003年で著作権が切れたけど、デジタルニューマスター版は2003年から著作権が発生してるんじゃないの?こんなの売っていいの?って思いました。

 なのでキープ版DVDを買って目的を達した僕はそれ以上廉価版のDVDを買わなかったので知らないのですが、もしかしたら廉価版の中にもデジタル・ニューマスター版があったかもしれません。

 というわけで、このキープ版DVDはオリジナルの「ローマの休日」を見る、という価値に尽きます。画質もやっぱり正規版より悪いしね。


(→キープのオリジナル版)


 しかしデジタル・ニューマスター版を作るとき、このクレジットの部分のバックの映像、よく残ってましたね!さすがオリジナルを持つパラマウントですね!

 でも実は両方を見比べると、微妙にバックのタイミングが違うんです。オリジナルのキープ版だとハンターのクレジットが出てるときにトラックが右から出てきて真ん中より少し左まで走っていくんですけど、デジタル・ニューマスター版だと右からトラックが出てくるくらいで文字がフェードアウトして切り替わるんですよね。すこーし使う部分が違うかったみたいです。

 さて、この2004年からは著作権が70年に延長になるということで、2003年問題としてパラマウントがこういう廉価版DVDの会社を相手取って裁判しましたよね。

 まあパラマウントの虎の子である「ローマの休日」をバンバン出されたらたまりませんよね。でも2003年12月31日の24:00分は2004年1月1日の0:00分だから1953年の作品も70年にしろ!ってのはさすがに無理があるかなーと思いますよね。「ローマの休日」も1953年12月31日アメリカ公開作品でもないですしね。

 もちろん裁判はパラマウントが負けたんですけど、500円DVDってのもそれからめっちゃ廃れましたよね。
 まあ著作権が延びてしまったので、1953年以降の作品は出すことができず同じ作品で各社パイの奪い合いなんで思ったより儲からなかったんでしょうね。

(→デジタル・ニューマスター版)


 ところがですねー、そういう2003年もはるか昔になりまして、気づけば2024年からは70年の著作権も切れ始めるんですよね。
 となるとオードリー作品では「麗しのサブリナ」がまず2024年に著作権が切れて、2026年には「戦争と平和」、2027年には「パリの恋人」「昼下りの情事」「マイヤーリング」…と続々と切れ始めるんですよね。

 うきゃー!そうしたら各社で稼ぎまくってるオードリー作品でどんどん廉価版ブルーレイとか出てくるんかな?いや、もうそういう発想が古くて、配信とか?

 でもそういうオードリー作品がすでに70年近く昔だってことも驚きですよね。しかも70年前にオードリーは既に20代ですしね。

 僕が中学生・高校生の頃のさらに70年前って映画の黎明期の作品じゃないですか。もちろんサイレント映画だし、あまりにも縁遠いものでしたよね。50年前でもまだサイレント。

 それを考えると流石に若い子がオードリー・ヘプバーンの映画をあまり見ないのも納得なんですが、それでも名前が知られてて、ほぼ全ての作品がビデオやDVDになってて、中にはオードリー映画を劇場や家で見てくれる若い人もいることを考えると、本当に凄いことですよね!
 改めてオードリーって偉大だ!って思います。

 本人は全然そうは思ってなかったし予想もしてなかったと思いますが、いまだに世界でいろんなオードリー作品がリバイバルされていることを考えると、ほんと空前絶後で唯一無二の誰も敵わない映画界トップの大スターだったんだなーと思います。
  


2020年10月10日

「ローマの休日」ブルーレイが発売されます

 パラマウント・ピクチャーズから「ローマの休日」ブルーレイ発売の案内が出ています。こちら
 発売日は12月2日。多分「ローマの休日」とは縁もゆかりもない日にちです。
 まあブルーレイ発売だけだと多分紹介しなかったんですが、なんか初回限定生産でアウターケースがあるとかなんとか…。

 あー、DVDの最初の発売の時もなんか化粧ボックスとかつけて売ってたの思い出すなー。まんまと乗せられて買ってしまいましたけどね。ボックスなんて全然使いませんがな。今は押入れの奥深く…。

 今回のアウターケースも別にオードリーが載ってるわけでもなんでも無い白いものみたいですし、どうせ数年したら1500円だので売られるとわかってるんですけどねー…

 うっ、やっぱり楽天のをポチッとしてしまいました…。
 まあブックレットも初回のみだと信じます。パラマウントの公式サイトでは初回特典のとこ、何にも書いてないんですよねー。
 ディスクも1枚なので、特典映像も今後ずっと付いてくるでしょうし。

 今後もアウターケース以外は同じ物が売られるのかなー。
 もし違いがアウターケースのみだったら、白い箱に2500円ほど払うことになってしまいますが…。

 日本語吹替も、今までと同じ池田昌子さんのバージョンが1つ付くだけで、別バージョンの池田昌子さんの吹替が収録とかも無いみたいです。がっかりー。

 超オススメとかでは無いんで、皆さん自己判断でお買い求めくださいねー。

 ちなみにアマゾン限定品と楽天ブックス限定品というのもあって、アマゾンはオリジナルポストカードが5枚ついており、楽天ブックスはトートバッグ付き。どちらも1200円ほど高くで売られています。これまたなんだかなー…。






  


2020年05月12日

「ローマの休日」1977年リバイバル新聞広告 神戸版

 通院・手術の予定が転院となりました。ここのところの新規感染者数の少なさで、僕もついつい気が緩みそうになってしまうんですが、やっぱり医療現場はまだまだ大変だというのを実感します。


 今回は1977年に「ローマの休日」がリバイバルした時の新聞(たぶん神戸新聞)の広告を紹介。

 「ローマの休日」が1977年にリバイバルした頃は、まだ東京と地方で公開日が違いました。
 今でこそデジタルで全国同時上映が可能ですが、昔はフィルムを回して上映していました。

 となると、全国で何本フィルムがあったのかは知りませんが、その数だけしか全国の映画館で同時上映できないことになります。
 期待作の初公開作品だとそれなりに本数はあるでしょうが、リバイバルともなるとそんなに本数はなかったと思われます。

 なので、昔はまず東京や大阪で上映されてから、各地方に流れていく、という形式だったんですよね。
 しかも映画のフィルムって1作品で1本じゃなくって、何十巻という本数で1作品分なんですよね。

 なので映写技師さんが1つの巻が終わると、その次の巻がスムースに繋がるように上映していたんですよね。
 今の方は知らないでしょうが、その巻が終わる寸前になると、四隅のどこだったかに三角の印みたいなのが点滅して次の巻に切り替わるんですよね。

 そして次の巻になると、微妙に色が違ったりしてました。
 例えば今の「シャレード」の正規版のDVDなどでも、ある部分はオードリーの顔色が普通なのに、別の部分では妙に紫色になってたりするのは、そういう元のフィルムの巻の状態がそれぞれ違うのに、安価にあげるために一緒くたにデジタルで色補正のリマスターかけてるからだと思います。

 さて、そんな事情もあって、神戸では上映日が東京とは違ってました。
 東宝さんの資料では東京が1977年7月2日(土)〜7月22日(金)まで3週間日比谷スカラ座で上映していました。

 ちなみに3週間という数字はこの当時はあまりヒットしなかった、ということを意味しています。
 この当時(70〜80年代)は大体4週間が上映の目安。それ以上だとヒットで、それ以下だとまあダメだった、と。

 この年には11月12日から4週間「マイ・フェア・レディ」が同じスカラ座で公開されているので、1977年に関しては「マイ・フェア・レディ」の方が成績が上だった、ということになりますね。

 「ローマの休日」は1963年と70年リバイバルはともかく、73年、77年と短期間でリバイバルを繰り返していたので、作品のパワーがどんどん落ちていってたと思います。

 そしてこれを最後に、“「ローマの休日」はもう当たらない”と思われて、1985年の日本ヘラルドさんが上映してくれるまでリバイバルが途切れます。
 元々の制作会社のパラマウントが上映してくれるのは、2003年のデジタル・ニューマスター版までなんと26年も間が開いてますね。

 元に戻ると、この神戸のスカイシネマでは1977年8月20日から上映されたようです。7月22日にスカラ座で上映が終わってからは、どこかの地方で上映されてたんでしょうか。

 この神戸の上映館の “スカイシネマ”は東宝系列のOSチェーンの小さな劇場で、200人〜300人くらいの規模だったと思います。1000人以上入れた新聞会館大劇場と同じ新聞会館の7階にあったと記憶しています。
 後に常設の映画館を辞めてしまって、パイプ椅子で仮設の映画上映とかをしていました。今後仮設になってからの上映も紹介することがあるかと思います。

 この残していた新聞切り抜き、右側が切れていますが、そこは同時上映の「ふたりだけの森」という作品が載っていたようですが、主演のリンダ・ブレアに全く興味がないので切り落としているようです。
 1日の上映は「ローマの休日」が3回、「ふたりだけの森」が2回(日曜のみ3回)になってます。

 コピーでは
 “*愛の劇場に訪れる永遠のロマン!
  オレンジ色の太陽にきらめく
  ローマです オードリーです……
  *もうこれっきり…です!ラストチャンスを貴女と!”
となっています。

 オレンジ色というのは僕の「ローマの休日」に持っているイメージカラーと一緒なので嬉しいですね。

 これは紙に貼って残しておいたんですが、そこに当時の自分の文章が一緒に貼って残されていました。

 「いよいよまっていたオードリー、出世作『ローマの休日』がきました!が、この広告…もうこれっきり…です!とかいてあるが、この劇場でリバイバルするものはいつも『これでおわりです』とかいてある…。こんな名作はいつまでも上映するはずです!やはり客よせのデマ…。とにかくあした見にいくつもりです(1977.8.19)」

 と一部省略しましたが、書いてありました。
 確かにフィルムの権利が切れる時に「これが最後です!」なんて煽り文句が書いてあったりしますが、これもそういうたぐいなんでしょう。

 まあ「ローマの休日」はその後も自主上映などで何度も来ていますので、これっきりというのは大げさでもあり、でも85年まで正式なリバイバルが来なかったことからすると、確かにしばらくこれっきりだったし…とどちらでも当てはまりますね。

 当時まだ少年だった僕からすると、85年までの8年という年月はとても長かった記憶があります。
 今なら8年前なんて昨日のようですけどね。

 「ロビンとマリアン」から始まった映画館での体験は、日本ヘラルドが上映してくれるまでは、初公開が「華麗なる相続人」だけ、正式リバイバルは「ローマの休日」と「マイ・フェア・レディ」だけ、名画座でかろうじて観れたのが「戦争と平和」「暗くなるまで待って」だけ、あとは自主上映待ちという状態でしたから、ほんのちょっと前(74年まで)に続々とリバイバルしていた時期が本当に羨ましかったです。

 なお、この「ローマの休日」の前売り券も持っていたはずでしょうが、高校生の時に一斉に一度手放したので、その時に手元からなくなったと思われます。

 それにしても、「ローマの休日」のロゴがカッコイイですね!これぞ「ローマの休日」!って感じです。

 「ローマの休日」のロゴは、54年タイプ、63年リバイバルタイプ、70・73・77年リバイバルタイプ、2003年リバイバルタイプとありますが、やっぱり「ローマの休日」はこれでなくっちゃ!と思います。
  


Posted by みつお at 21:00Comments(0)ローマの休日

2020年02月01日

「ローマの休日」巡り 日本旅行 “忘れえぬヨーロッパの休日”パンフレット

 今回は1994年11月〜1995年3月出発だった、日本旅行 “忘れえぬヨーロッパの休日”の改訂版パンフレットの紹介。ちなみに大阪出発です。

 サイズはA4の三つ折り。紙はコート紙の110kgで厚みもあり、かなりしっかりしています。

 別のタイプも持っていたんですが、以前からずっと探しているのに見当たらないんで、今回はこちらだけで。また見つかったらおいおい紹介しますね。
 ちなみに別タイプの方はオードリーがグレゴリー・ペックの胸に飛び込んでいるところの画像でした(サンタンジェロのダンスの時か真実の口の時)。いったいどこに隠れてるんでしょねー。

 さてこちらの表紙はラストシーンで最後に振り返る時のアン王女のシーン。
 “1995年日本旅行は創立90周年”って右下に金色に見せかけた薄い茶色で書いてあります。あー、そういえば「ローマの休日」で着ていた街着のフレアースカートの本当の色もこんな色でしたね。

 右上隅には日本旅行のロゴ、そのちょっと左には “きっと、出会える…。”というキャッチコピー、左下には “ロマンス香るA.ヘプバーンの世界へ 忘れえぬヨーロッパの休日”って書いてあります。

 もちろんこの当時は「ローマの休日」の権利も切れてパブリック・ドメインになったりしていませんし、普通の会社なら当然権利元のパラマウントから権利を買っていますよね。それに加えてこのパンフレットには権利元として他にオードリー・ヘプバーン・エステートと東北新社がクレジットされています。

 日本旅行自体JR西日本の系列なので、このパンフレットもJR三ノ宮の駅に置いてありました。


 この時期のオードリー・ヘプバーン旅行としては1993年にJALPAKの “I'll SPECIALオードリーに愛をこめて”という企画がありましたよね。
 あちらが50万〜60万、高級クラスだと100万円かかるセレブ狙いなのに比べて、こちらは12万8000円〜15万8000円とリーズナブル(出発日で最大27万8000円、オプショナルツアー除く)。

 ただ、JALPAKはオードリーの生前から立てられていた企画で、オードリーのガンの発見〜死去が早くて結果的には追悼旅行になってしまいましたが、こちらは旅行期間から考えても明らかにオードリーが亡くなってから企画が立てられていますね。

 それと、JALPAKがさすが津屋さんが立てられた企画だけあって、「ローマの休日」巡りだけではなく、ローマではオードリーが「尼僧物語」時に宿泊していたホテル・ハスラーでの夕食、トロシュナでお墓参り、「昼下りの情事」のリヨン駅、「シャレード」のバトゥ・ムーシュなどなどオードリーゆかりの地が盛り沢山でしたけど、こちらはほぼ「ローマの休日」巡りだけのようなツアーで物足りない感じです。きっとそんなにオードリーを知らない方が、オードリーの死去に便乗して急いで企画を立てたんだろうなーと。

 それとこのパンフを見た時にも思いましたし、今でも思いますけど、やっぱりせっかくローマに行くなら「ローマの休日」巡りだけじゃなく、オードリーが
実際にアンドレア・ドッティと暮らした家に行きたい!って思ってしまうんですよね。

 まあ当時は僕もドッティと暮らした家しかわからず、もしツアーに行ってたとしてもその向かいにあるというドッティと別居後に暮らしていた家(現在ルカ在住)があったとは知らなかったので、重要な別居後の家を見落としていた可能性が高いですけどね。


 こちらの日本旅行のツアーは、どの都市も中1日ずつしか無いんですよね。どうせ行くならちょっと物足りないかな。
 一番長い10日間のツアーでもロンドン・ローマ・パリ・ジュネーブなんですけど、「ローマの休日」巡りを除くと、オードリー関連ではあとはロンドンの「マイ・フェア・レディ」ゆかりのコベントガーデン巡りのみ。しかもそこロケしてないし。

 パリとかはこのパンフレットでも作品名は載っているんですが、ノートルダム寺院で中に入るものの、エッフェル塔やコンコルド広場は見るだけ、オペラ座・凱旋門・シャンゼリゼはバスの中から通るだけ、とオードリーに関連するところはほとんどなく、オプショナルツアーもベルサイユ宮殿、ルーブル美術館とオードリーはまるで関係ない初心者コースになっています。企画した人は「ローマの休日」しか知らなさそうですね。

 ジュネーブまで行くにもかかわらずオードリーのお墓参りもなしで、オプショナル・ツアーもモンブラン観光とかミート・フォンデュ・ディナーとかばかり。

 まあこのツアーは「ローマの休日」+ヨーロッパの初心者ツアーというところで、コアなオードリーファンの僕としてはうーん…って感じです。

 でもこのツアーにも頑張ってるところがあります。最初の舞踏会が開かれていたブランカッチョ宮殿でフルコースのディナーが食べられたり、ラストシーンのコロンナ宮殿に一般公開されてない日に特別公開。きっとじっくり見れるでしょうね。あと、オプショナルツアーではバチカンと祈りの壁というのもあります。

 ただね、この出発日からして94年にJRの駅や旅行会社に置かれていたと思うし、神戸や阪神間からもきっと申し込みが多数あったと思うんです。

 でもご存知のようにちょうど25年前の95年1月17日には阪神・淡路大震災がありましたので、帰ってきた直後に地震に巻き込まれた人、行きたくても行けなくなった人、行ってる最中に地震があったことを知って家族の安否が気になって旅行どころではなくなった人など、このツアーにはいろんな思いを抱く人が多いんだろうなーと複雑な心境になってしまいます…。