2016年12月22日

「戦争と平和」日本公開60周年記念!1957年1月号「映画の友」

 今日は「戦争と平和」が日本で公開されてちょうど60周年に当たります!

 おお〜〜〜っ!おめでとうっ!パチパチパチ。

 日本公開は1956年12月22日の東京の松竹セントラル劇場が最初です。

 wikiなどで日本公開が12月5日なんて書いてありますが根拠のない誤りです。

 12/22が最初の公開だというのは、松竹セントラル劇場の冊子型チラシに直接書いてあることからもわかりますし、オードリーのシネアルバムにも12/22だと明記されています。

 地方にいたってはもっと遅く、1957年になってからの公開が多いです。
 名古屋・京都・札幌などの大都市でも1957年2月の公開。

 さて、そんな公開60周年の「戦争と平和」ですが、何を紹介しようと思いましたが、ほどんと紹介し終わっているので、73年リバイバルチラシとかLDとかも考えましたが、やはり公開60周年という意味で、本当に60年経っている物にしました!

 というわけで今回紹介するのは洋画雑誌「映画の友」1957年1月号(発売は1956年11月)です。
 これにはいよいよ封切りされる「戦争と平和」の作品紹介、及び裏表紙に広告が載っています。

 この時期の映画は1957年のお正月映画になるので、各社期待の作品を用意しています。
 パラマウント「戦争と平和」の最大のライバルはワーナー「ジャイアンツ」。

 「ジャイアンツ」は、この作品撮影終了直後にジェームス・ディーンが交通事故で亡くなったので、遺作となったもの。
 なので、この作品が日本初公開となるこの時はもう既に故人となっていました。

 今でこそ過去の大スターになってしまい、若い人からすると “誰、それ?” な感じかもしれませんが、当時のジェームス・ディーンが若者に与えた影響は相当大きかったらしく、その勢いは70年代でも衰えていませんでしたね。

 その「ジャイアンツ」と「戦争と平和」ですが、「映画の友」4月号には “動員数では「ジャイアンツ」、配給収入では「戦争と平和」” だと書かれていました。

 日本では1956年度の配給収入で3位、アメリカでは1956年度の興行収入で4位に入っており、どちらも大ヒット!

 少なくとも1967年時までは、「戦争と平和」は64年リバイバルと合わせて、日本で公開された全洋画の上位20傑に入っていました。

 アメリカではベストテンに入ったオードリー映画は他に「尼僧物語」「シャレード」「マイ・フェア・レディ」と全4本しかありません。

 本文では最初のモノクログラビアページでオードリーのポートレート(←)。
 この時期は「昼下りの情事」が撮影中なので、オードリーの新しい宣伝写真が載っています。

 でもこのオードリーはちょっとやつれてますね。
 オードリーが疲れると、すぐに顔に出る目の下の筋がくっきり出ています。

 なのでその後の写真集では収録されず、今となっては珍しい画像になってますね。

 最後の方のページではクイズで「ローマの休日」も(↓)。

 昔は字幕が縦書きで、読みにくい書体で、しかも3行もあったんですね!
 画面の1/3くらいを字幕で取られてます。

 そして「ジャイアンツ」でジェームス・ディーンに重点を置いた紹介の後で「戦争と平和」の紹介が始まります。
 まずはオードリーだけのカラーページ。

 当時の「映画の友」はカラーページがめっちゃ貴重!
 表紙周りと広告を除くと、3ページ分しかフルカラーはありません。そのうちの1ページを「戦争と平和」が使っています。残りは「八月十五夜の茶屋」と「オクラホマ!」。

 これ、のっぺりした画像なので “着色?” と見間違えそうですが、れっきとした本当のカラー。
 当時はまだまだ印刷技術が低かったんですね。

 そのあとはモノクログラビアを使って5ページ分、筈見恒夫さんの鑑賞手引きが続きます。

 というか、今読む所などほとんどない「スクリーン」では考えられない文章の充実度ですね。
 全体に昔は読む部分が凄く多くて、当時の映画ファンはこれを買って何日も読むのを楽しめたんでしょうねー。

 昔は今では考えられないくらい、堂々と映画評論家と呼べる人がたくさんいました。

 今はネットとかでも映画評論家になったつもりで、自分の好みだけで映画を酷評する人が多くてげんなりします。
 
 さてこの筈見さんの文章で述べている事は、

・原作「戦争と平和」はなんでも入っている小説であり、映画化は困難というか不可能
・現在の映画技術でこの原作の骨格と雰囲気をこれだけ伝えられれば成功
・ヴィダーの演出は戦闘よりもモスクワ撤退よりも敗退シーンに真価が見られる
・映画の風格や貫禄は申し分無いが、もたつく部分が無いとは言えない
・「戦争と平和」の持つエピックな部分を捉える事には成功している
・ヘンリー・フォンダは後半に本領を発揮
・オードリーは「ローマの休日」「麗しのサブリナ」からは大きな飛躍
・オードリーの演技は女心が充分描けていない。愛される女という部分では成功
・メル・ファーラーはもうけ役。アンドレイはファーラーの柄で生かされている

というところでしょうか。
 でもけっして 褒めていないわけではありません。むしろ「戦争と平和」の欠点をわかった上で、これは成功だと書いているようです。

 そしてまだ公開していないのに、早くも後ろのページでは映画評を掲載。
 こちらは登川直樹さんという方。

 [内容] という部分ではそのスケールが「風と共に去りぬ」に比肩しうる物である事、スケールに恥じぬ重厚な作品となったことが書かれています。

 [見どころ] という部分はそのまま掲載します

 “トルストイの「戦争と平和」の映画化というそのことだけで期待を集めるに充分な映画だが、ともすれば散漫に流れやすい大規模の構成をこれだけの集約場面にダイジェストしたのは手柄であろう。
 何よりもキング・ヴィダーの演出が気品と風格をそなえ、個々の場面に全体の雄大なテーマにつながる情感を盛ったのが成功。
 ヘンリイ・フォンダのピエールはミス・キャストと予想していたが案に相違して全体のテーマにもっとも密接な作者の代弁者ともいうべき運命児の人間味を出して力演。
 オードリイ・ヘップバーンのナターシャも、メル・ファラーのアンドレイも好い。
 しかしこの映画の最大の見ものは何といっても後半に入ってのナポレオン進攻を邀撃(ようげき:迎え撃つこと)する大スペクタクル戦争場面。そしてまた、捕虜となったピエールを中心とする厳寒の死の行進など。
 ダイジェストのつねとして筋の運びが大急ぎだが、転換期の人間がいつの世も体験せねばならなかった時勢の胎動の苦悩が個々人の生き方に反映して描き出された所、器量豊かな力作といえよう。”

 [余談]映画の制作費は600万ドル、戦争場面のエキストラは6000人

 今でこそ目立たない感じがしますが、公開当時はオードリーの成功作としてそれなりに高く評価されていました。
 実際通しで見るのはしんどいですが、3時間半という上映時間としてはうまくまとめていると僕も思います。

 ソ連版の「戦争と平和」と比べる人もいますが、国家の威信をかけ最大7時間越えにもなる4部作の映画と、3時間半の作品を比べるのはどうかと。
 それと、ソ連のナターシャの登場シーンなどのカメラアングルはアメリカ版なぞっているとも。
 アメリカ版初公開時にはソ連もこの作品を褒めていたという記事があります。

 アメリカ版製作当時、ソ連で撮影は不可能。もちろん俳優陣も興行を考えてアメリカのスターから選ばれるため、ロシアっぽい東欧の人を使う事も出来ないという前提があります。

 スラブっぽくないというオードリーのナターシャですが、上記の前提をふまえての上で大成功だと思います。
 当時のスターでオードリーを超えるナターシャの適役はいないでしょう。

 だからこそ当時アメリカで4社が同時に「戦争と平和」の製作を発表し、その全てでオードリーをナターシャに!と獲得競争が始まったんですよね。

 ところでこないだNHKを付けていたら見覚えのあるシーンが…!

 なんと!「戦争と平和」の英国のドラマ版を放送していたのですね。
 僕が見たのはちょうどバルコニーでナターシャがアンドレイのことを喋る有名なシーンでした。

 オードリーの「戦争と平和」のそのシーンがいかにもセット、というところで撮影しているのに比べて、今はもっとリアルなんですね。
 ただし、俳優さんたちが現代メイクなのがちょっと…。

 おそらくお金もそれほどかけられないドラマより、昔の映画の方がちゃちいのは悲しい現実ですね。
 昔はこれくらいのセットでも充分だったのでしょう。ドアを閉めたら壁が揺れるとか当たり前でしたし。

 今はCGもありますし、昔よりずっと豪華に出来上がるのでしょう。

 ただ、気になるのはアンドレイの俳優さん!
 ナターシャはともかく、アンドレイの歴代の俳優さんたちのこれじゃない感はなんでしょうね。
  


Posted by みつお at 21:00Comments(0)戦争と平和日本の雑誌

2013年05月30日

「戦争と平和」64年リバイバルパンフ 裏青白版

 今日は、「戦争と平和」の64年リバイバル時のパンフレットを紹介。
 裏表紙は質の悪いパンフの代名詞、青白縦割り。

 これ、存在は知ってましたが、なかなか手に入らなかったもの。
 今まで同じ表紙で2回紹介してましたけど、それらとは中身がちょい違います。
 中身は印刷はブルー1色刷りで、総ページは表紙周りを入れて16p。

 64年リバイバルでの本命と思われる2種類の版黒1色の版も、“ナターシャという女性”というページは赤ちゃん帽のようなボンネットを被るオードリーでしたけど、この裏青白バージョンは、オープニングのオードリーが初登場するシーンのスチール。

 他のページも、同じ16pの黒一色版とは使用スチールが異なっており、オープニングシーンのオードリーみたいに、本命版の2色刷りのあるタイプでも使用してない画像があります。と言ってもあとはオードリーがいない戦争のシーンですけど…。

 裏青白物はだいたいどれも67~68年頃の製作なので、これもそうなのかな?と思います。

 印刷の質の悪いので評判の裏青白ですけど、墨1色版よりは画像はマシです。もともとは本命版のタイプを元版に印刷して質も劣化、ゴミも乗り放題の墨1色版ほどひどくなく、今回差し替えられた画像に関しては、鮮明で綺麗です。
 でも、やっぱり本命版を元版に使ったページは画像がボロボロになってますけど。(^^;;;

 さて、今でこそあんまりオードリー作品でも取り上げられない「戦争と平和」ですけど、製作当時は本当に力の入った超大作であったことが、昔の雑誌を読むとわかります。

 というか、僕がファンになった70年代後半では、まだまだオードリーの代表作の1つでした。少なくとも「麗しのサブリナ」や「パリの恋人」よりも一般認知度は高かったような…。

 この「戦争と平和」は後にソ連版が作られて、そのお金のかけ具合でも負けちゃうんですが、製作当時は「風と共に去りぬ」に負けないくらいの規模で映画化したんですよね。

 今まで、この原作の規模のデカさと、主人公のナターシャを演じられる女優がいない、ということで製作されなかった「戦争と平和」ですけど、少女と女性の境目を演じられるオードリー・ヘプバーンという新しいタイプの女優の出現によって初めて製作が可能になったんですよね。

 なので、オードリーが登場すると、ほぼ同時に4つの会社が「戦争と平和」製作に名乗りを上げ、その全部がオードリーをナターシャに!ということで動いたことが、各種文献からわかります。
 でもそう考えると、この作品もオードリーだからこそ演じられた作品の1つになりますね。

 結局ディノ・デ・ラウレンティスのパラマウントがオードリーを獲得しましたが、他3つはMGM、「風と共に去りぬ」のデイヴィッド・O・セルズニック、そして「80日間世界一周」のマイケル・トッド。
 マイケル・トッドは監督をフレッド・ジンネマンに決定していたこともジンネマン監督の自伝で述べられていました。

 重厚で良質な作品を作る巨匠ジンネマン監督の「戦争と平和」も見てみたかった気もしますが、主要3人の中のアンドレイにメル・ファーラーを決定したラウレンティスの作戦勝ち。当時新婚の奥さんであるオードリーはそちらに出るに決まってますもんね。

 今でこそ存在感の薄い「戦争と平和」ですけど、公開当時は決して評価が低かったわけではなく、むしろ長大な原作をよくぞここまでまとめ上げた!さすが大監督キング・ヴィダー!という声が多く、海外の賞もたくさんノミネート&受賞してますし、日本の「映画の友」という雑誌でも当時の難しい批評家のベストテンでも第8位、読者投票でも第7位です。

 ちょっと「スクリーン」と「キネマ旬報」での順位を記録したものがすぐ取り出せるところにないんですが、「スクリーン」でも「映画の友」と同じくらい、「キネマ旬報」でも20位台くらいには入ってたんじゃないでしょうか。
 それに伴い、「ローマの休日」「麗しのサブリナ」の後、1発屋的に急降下していたオードリー人気も復活しています。

 「映画の友」の人気投票の応募権利のある3月号って、おそらく1月末発売なんですけど、昔はロードショー形式だったので、まずは東京が56年12月に公開、地方は57年2月に入ってからだったので(詳しい日はSY京映横浜ピカデリー雄鶏社版の記事で)、投票時点で見れたのは東京のセントラル・シアターだけ、ということで投票してくれたのは東京近郊の人だけだったでしょうから、この順位は凄いですよね。

 公開時、日本でも本国アメリカでも大ヒット!アメリカの興行収入でベスト10に入ったオードリー作品は「戦争と平和」「尼僧物語」「シャレード」「マイ・フェア・レディ」だけなので、これは凄いことですよね。

 そして日本でのヒット度合いも凄くて、「おしゃれ泥棒」公開後の時点での配給収入(興行収入から映画館の取り分を引いた、配給会社の利益)3億8656万7千円。「マイ・フェア・レディ」「ローマの休日」に次ぐオードリー作品での第3位の記録を叩き出しています。

 さらにこれは同時点での全洋画公開作品での20位内に入ってるそうで、戦後公開の作品がここまでで2500本以上あるだろうという中での20位内は本当に凄い記録だったんですね!

 なので、1964年に「ローマの休日」の次にリバイバルに選ばれた作品になったんですよね。
 その高い興行価値を見込まれて、その後も1973年・1987年・1989年とリバイバルされ、オードリー作品でのリバイバル回数も「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」に次いで、「シャレード」と並ぶ全5回。
 こういう経緯を知っていると、リバイバル回数が多いのもよくわかるんですよね。日本公開の回数ではソ連版を圧倒しています。

 内容がロマンティック・コメディではない上に長いので、通して見るのには精神力が必要なんですが、何でもCGでやってしまう今と違って、人もセットも全部本物だし、当時の人になった気分で見るとまた新鮮な驚きがあるかもですね!(^-^

レア度:★★★★(この表紙の「戦争と平和」パンフレットでは一番入手の難しいもの)
  


Posted by みつお at 09:00Comments(2)戦争と平和

2010年06月10日

「戦争と平和」1989年リバイバルポスター

 さて、とうとう“午前十時の映画祭”のオードリー作品が地元兵庫にやってきます!TOHOシネマズ西宮OSにて、2010/06/26(土)~2010/07/02(金) 「ローマの休日」、2010/07/03(土)~2010/07/09(金) 「昼下りの情事」です。さあ、行かなくちゃ!!

 それと、ボブ・ウィロビー氏の新しい写真集が出るようですが…42176円!?
 また同じ画像がボロボロ入ってそうで、こんな高い写真集買えません!!(T T

 これは「戦争と平和」が1989年に、日本ヘラルド(現:角川映画)によってリバイバル公開されたときの半裁(B2)ポスターです。

 「戦争と平和」89年リバイバルは、87年に本家UIP(ユニバーサル、パラマウント、MGM作品を配給していた)によってリバイバルされてヒットの後、間が無かったのでいまいちヒットしなかったのか、陰に隠れてるリバイバルでした。

 オードリーの死後、1993年に日本ヘラルドとJALが組んでオードリー作品を12本連続上映した際も、なぜか「緑の館」と「戦争と平和」だけは権利がヘラルドにありながらはずされてましたし。

 パンフレットも87年のUIP版はかなりの数が出回ってますが、89年のヘラルド版はあまり出回りません。
 このポスターも同様で、87年のUIP版がよく見かけるのに対して、この89年版はほとんど出ません。 

 なので、公開年度は新しいながら、とっても貴重なポスターとなっています。

 絵柄はチラシと一緒ですね。あまりいいとは思えませんが、日本ヘラルドが1作品でちゃんとB2ポスターを作った、珍しいものです。
 他にはものすごい力を入れてリバイバルして、B1ポスターまで作った「昼下りの情事」を別格としても、「パリの恋人」「シャレード」「マイ・フェア・レディ」しか作ってないようですし。

お気に入り度:★(珍しいけど、絵柄が…)

 さて、このブログで“ポスターの収納はどうされてますか?”という質問が来たことがあります。ので、ここでお答えしますと、僕は“ポスター・ギャラリー”というB2用のクリアファイルを使っています。

 最初は神戸の東急ハンズで見つけて、“おおっ!”と思って買ったのですが、良かったですよ~。

 ポスターは丸めて筒に保存すると巻きジワがやがて出来ますし、見たいときにいちいち取り出さないといけません。フレームに入れて飾ると色褪せますし、普通に軽く三つ折にして保存するにはスペースが無い。
 ということでこのクリアファイルは収納できて、見たいときにはすぐ取り出せるというスグレモノです。

 ただ、上下にあまり余裕がないのがたまにキズ。立看の下半分はのりしろがあるので、はみ出ます。ので立看収納には向いてません。

 結構売れているようなので、よそのメーカーがもうちょっと上下に余裕の有るB2クリアファイルを作ってくれたらいいのに…と思いますが、とりあえず代替品はありません。

 ポケットは10枚なので、全部で20枚のポスターが入ります。


  


Posted by みつお at 10:00Comments(6)戦争と平和

2009年12月30日

「戦争と平和」1957年初公開時 相鉄映画劇場版プログラム

 毎日記事アップ第4弾!今日は相鉄映画劇場版の「戦争と平和」パンフレットです。サイズはB5の横幅が2/3のもの。全8ページです。

 これはですね、「懐かしの映画館」のゴマちゃんさんからなんと無料で!いただいたものなんです。それまで、こんなのがあるとは全く知らなかったんですよ。しかもこれ、紙の状態がピンと張ってて、折れも無いし、かなり美品なんですよ~!(^-^

 ゴマちゃんさんはチラシを集めているので、これもチラシ?と思ったそうなのですが、どうも違うということで僕がいただきました。本当にやさしい、いい方ですよねー。(T-T

 いただいて僕も調べてみると、6ページ目に“次週上映”ということで「八月十五夜の茶屋」の紹介があるので、確かに「戦争と平和」に関しては現在上映中のもの。チラシではありませんでした。

 チラシじゃないなら、売っていたかどうかはわからないので、無料で配るプログラム、とでも言う性格のものなんでしょうかね?それとも館ニュース?
 でも横浜国際劇場の例もあるし、売っていたパンフレットなのかも…。

 映画館1館が独自で映画パンフレットを作るとなると、やっぱりどうしても限界はありますよね。
 東宝や松竹という配給会社から強力なバックアップのある銀座の一流封切館は別として、地方の劇場がパンフを作ると、いっぱい広告を取って、製作代をまかなって…みたいになりますよね。

 このプログラムもそんな感じ。いーっぱい広告があります。「戦争と平和」に関しては、表紙もいれて5ページ分のみ。6ページ目は先ほど書いたように「八月十五夜の茶屋」、7・8(裏表紙)は広告のみですし。

 その「戦争と平和」に関してもほとんどストーリーの紹介のみ。解説と言える物はなく、あとはトルストイの紹介と宣伝文みたいなのが2箇所載っているだけ。

 その宣伝文らしきものの1つが面白いですよ。

 “あなたの生涯にかくも偉大なかくも豪華な作品に再びめぐりあうことは不可能です。
 三時間半に及ぶ興奮と陶酔と感激の長尺に描かれた……
 ひしひしと万人の胸に迫る人生の真実!
 あらゆる偉大な作品の上に聳え立つ至高の名作!!”

 いやあ~、大仰ですね~。(^^;;;

 でもこの50年代って、こういう大げさな宣伝文が当たり前に使われていた時代だったので、文だけ“歴史に残る世紀の傑作!”みたいなのが山のようにあったんですよね。それからしたら「戦争と平和」に対してだったら、まあ当然かも。

 現在でこそ、オードリー作品ではあまり取り上げられない「戦争と平和」ですけど、昔は全然!批評家の評価も高かったし、興行的にも大ヒット!
 1967年の「おしゃれ泥棒」公開後までのデータでは、オードリー作品では「マイ・フェア・レディ」「ローマの休日」に次ぐ第3位のヒット!
 しかも当時の戦後日本で最も稼いだ20作品(3億6千万円以上の配給収入)にも堂々と入っているんですよー!ちなみにその当時の「戦争と平和」の配給収入は3億8657万円。昔は一目置かれる作品だったことは間違いないです。

 さて、この相鉄映画劇場ですが、相模鉄道の横浜駅西口のところにあったようです。現在は場所も経営母体も変わって相鉄ムービルとしてやっているそうです。

 でもネットで調べると相鉄映画劇場は東宝系の劇場だったとのこと。松竹系の配給作品である「戦争と平和」が上映されたというのは、やっぱりそれだけ「戦争と平和」の上映に魅力があった、ということなんでしょうね。
 銀座の封切館である松竹セントラル劇場が「戦争と平和」を上映した時も、上映できたことの喜びがパンフに書かれていたくらいですからね~。

レア度:★★★★★(地方劇場独自の物は入手が難しいです)

 さあ、明日は今年の締めくくりのオードリー・ヘプバーン大賞の発表です!
  


Posted by みつお at 10:00Comments(0)戦争と平和

2009年10月01日

「戦争と平和」1964年リバイバルパンフレット 一般用

 これは1964年リバイバル時の一般用パンフレットです。

 2008年1月14日に紹介した、おそらく本命版だと思われるパンフと全く同じ表紙です。が、あちらは2色刷りのページがあるのですが、こちらはオール墨一色。

 ページ数も、あちらは20p、こちらは16pと減らされています。なので、本命版での表紙裏と裏表紙裏の画像、および“名匠キング・ヴィダーの足跡”という解説が丸々カット。ページの入れ替えが行われてます。で、明らかにお金かかってません。(^^;

 もともと内容は1957年初公開時の日活シアター版とほぼ同じで残念賞なので、これはページ数が少ない分、輪をかけて残念なパンフ。

 さらにこの表紙のパンフには内容違いがあるようなので、表紙同じでも、色々あるんだな~って感じですね。

 ところで、この1964年リバイバルの「戦争と平和」って、なんでか忘れられてることが多いですよね。
 先日紹介した「麗しのサブリナ」の65年リバイバルプレスでも“「ローマの休日」に次いで”とか、「昼下りの情事」65年リバイバルプレスでも“これまでリバイバルした作品には「ローマの休日」と「麗しのサブリナ」がある。”とかって、なぜかはずされてます。

 銀座の劇場でなく、渋谷・池袋・新宿などの東急チェーン系での公開だったってのがダメなんでしょうかねー。なんだかよくわかりません。

 とりあえず、「戦争と平和」の1回目のリバイバルは、1964年10月でした。
 その後も1973年、1987年、1989年とリバイバルされており、初公開の56年と合わせて、計5回も日本で劇場公開!
 意外にもオードリー作品の中では「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」に次いでリバイバルが多いんですよ~。

レア度:★★★
  


Posted by みつお at 16:00Comments(9)戦争と平和

2008年07月11日

「戦争と平和」オリジナル・サントラ 新盤 ニーノ・ロータ

 これは今年2008年6月に発売されたばかりの、ニーノ・ロータ作曲「戦争と平和」オリジナル・サウンド・トラック新盤です。

 で、これの意義は、1989年に出た旧盤が廃盤になって久しいので、コレクター価格で何万円もしたのがぐっと手に入れやすくなった、ということと、ジャケットの表とケースの裏で珍しいオードリーが見れる!ということに尽きるでしょう!

 これねー、めっちゃ期待してたんですよ。旧盤の音があまりに悪いので、絶対音質は良くなってるに違いない!って…見事裏切られました。(-_-;

 たぶん旧盤とマスターは同じ。そりゃ以前のが1989年というレコードとCDの交代時期で、今回のはもうCDの成熟期ですから、そういう音質の向上は多少あるでしょうが、受ける印象は一緒。

 いきなり最初から音が割れてるし、こもった音もそのまんま。しかも曲が進むにつれてますます音質がヒドくなっていくのもおんなじ。

 最後の12曲目なんてほんとヒドイですよ!次第次第に音が霧の中に埋もれていく~っ!…って感じ。最後、きっとこれティンパニが“ドドドドドド”ってドラムロールをしているんでしょうけど、どう聞いても“ボァ~~~~ン”ってハウリングを起こしているようにしか聴こえません。

 まあ、1955年か56年の録音だから仕方ないのかもしれませんけどね。マスター、これしか残ってないのかもしれないし。
 僕もクラシックのCDって買いますけど、さすがに50年代の録音はどんなに名演と言われても絶対買わない!だって絶対音質悪過ぎだから。最低でも60年代のです。

 でも翌年の「パリの恋人」は随分マシな音なんですけどね。それに2005年に出た58年か59年録音の「緑の館」サントラなんて、“これが50年代!?”ってほどのクリアな音だったんですけど。この違いはなんなんでしょうね。

 ライナーノートは全12ページなんですけど、「戦争と平和」に関してはど真ん中のオードリーの写ってない見開きカラー画像のページも入れて7ページ。あとはこのメーカーの他のCDの案内。
 中面のページの画像はまあ踊ってるシーンのがちょっとテイク違いで珍しいかな?という程度。

 ケース裏の画像は撮ったんですけど、ボケてました。(^^;;
 なので紹介できなかったんですけど、オードリーとヘンリー・フォンダが脚本を読みながら椅子に座って待機しているスナップです。

 そうそう、他のCDの案内でアンソニー・パーキンスのCDがあったので、“もしや!”と思い、収録曲をネットで調べましたが、“緑の館の歌”は入ってませんでした。残念!(≧≦

オススメ度:★★(旧盤と変わらず。曲も音質も聴きづらいデス)


  


Posted by みつお at 16:00Comments(0)戦争と平和

2008年06月10日

メル追悼「戦争と平和」1957年初公開一般用青版パンフレット

 こないだの2008年6月2日にオードリーの元夫であるメル・ファラーが亡くなったそうです。享年90才。

 「緑の館」の製作のエピソードを知る生き証人だっただけに、「緑の館」DVD化の際には特典でメルのインタビューが欲しい!と思っていたので残念です。

 なにより、女優オードリー・ヘプバーンの時代を最もよく知る人物だったことですしね。

 もっとも息子ショーンの伝記では、離婚後オードリーは限られた機会でしかメルと会おうとしなかった、と書かれてますので、やはりオードリーの考えてた“結婚”というものを破壊し、オードリーの心を深く傷つけた人物であることもまた間違いのないことでしょう(会えば笑顔で接してましたが)。

 今日はそんなメルとオードリーの新婚当時の共演作、「戦争と平和」1957年初公開時の一般用青版パンフレットの紹介。

 これね、正直なんら取柄のないパンフです。全12p(紙3枚折ったもの)で、簡単な解説とストーリーと監督・主要キャストの紹介しか載ってません。これだけの文章などというものは全くなし!その上オードリーの画像は今でもよく見るありふれたものばかり!
 今まで紹介が遅くなったのはこれが原因。なんせ書くことがなんにもないもんで。(^^;;;

 僕の持っているものは浅草大勝館の館名入りのものと、館名なしのものですが、これには新宿東宝の館名入りのものがあるそうです!
 というのも、この「戦争と平和」は初公開時は松竹系の公開。名前からして東宝系であろう新宿東宝が公開したっていうのが不思議!

 まあこういう東宝系の公開なのに松竹の劇場、松竹系の公開なのに東宝の劇場、ってことは大阪の「ティファニーで朝食を」や「許されざる者」など、調べるにつれて結構あったようなので、今では驚きませんが、初めて知った時はビックリしましたよ~。

 さて、僕の持っている館名の浅草大勝館は、東京浅草の大劇場!初代は明治41年に建設されたという由緒ある劇場。
 この「戦争と平和」の頃は客席が1345席もあったという浅草でもかなり大きな映画館!でもここも松竹の映画館にもかかわらず、「ローマの休日」と「麗しのサブリナ」も公開しています。昭和46年くらいに当時ブームのボーリング場に建て替えられて閉館になったそうです。今は大衆演劇の劇場としてその名前が生きています。

 それと、このパンフの裏表紙に“株式会社山口自転車工場”という会社の広告があるんですが、そこでの自転車の値段が2万円前後!当時の大卒の初任給が1万円くらいですから、いかに自転車が高級品かもわかりますよね。ここでも6ヶ月の分割払いを勧めています。

 さて、このパンフのメル・ファラーの紹介を読んでいると、この当時がメルのピークだったのかな…と。後年、ホラー映画の出演はあるものの、これという作品もほとんどないですから…。
 メルに合掌…。

レア度:★★★

 ちなみに、オードリーとメルが舞台で共演した「オンディーヌ」の現代語訳の文庫が今年出たようです。僕も近いうちに買おうと思っていますが、興味のある方は。↓


  


Posted by みつお at 16:00Comments(6)戦争と平和

2008年04月02日

「戦争と平和」1989年リバイバル スピードポスター

 これは1989年、「戦争と平和」が日本ヘラルドによって5回目の公開になった時のポスターです。

 「戦争と平和」の1989年リバイバルにはB2のポスターも存在しますので、このスピード・ポスターは日本全国の劇場で、いろんな映画の組み合わせで上映された時に使われた物じゃないかなーと思ってます。

 オードリー映画に限らず、当時の日本ヘラルド配給のクラシック映画には、このスピードポスターが存在しているので、今回上映作品・次回上映作品、次回上映作品・次々回上映作品みたいな感じで並べて飾られていたんじゃないかなーと。

 この「戦争と平和」はオードリーとメル・ファラーが写っている白黒画像。意外と珍しい画像なんですが、なんとなくわびしさを感じさせます。(^^;;;


  


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2008年03月15日

「戦争と平和」1957年初公開時 大阪版パンフレット

 これは初公開時の大阪版パンフレットです。発行元は不明。「戦争と平和」の初公開は東京では1956年年末ですが、それ以外では翌1957年になってからだったようです。

 「昼下りの情事」の初公開時の大阪版パンフレットと同じで、中身の広告を見ると、大阪でもミナミと呼ばれる地域の広告ばかりなので、その地域の劇場で公開されたときのものなんでしょうねー。

 出現率はきわめて低く、同じ大阪ものとしては「昼下りの情事」よりも入手はさらに困難。僕も今まで2回しか見たことがありません。

 ページ数は少なく、全12p(紙3枚を重ねてホッチキスで留めたもの)。

 中の記事では“映画「戦争と平和」におどろく”という袋 一平さんという方の文章が大きな文字で紹介されています。
 そこでは“この映画をみて、第一に感動したのは、主な登場人物が原作のイメージに広く、深く溶けこんでいることである。”と手放しの褒めよう。

 いまでこそ「戦争と平和」はオードリーのフィルモグラフィーでもマイナーな位置に置かれていますが、当時はあの「戦争と平和」を映画化した!ということでみんなが圧倒されていたんでしょうねー。
 ヒットとは関係なく、批評家の厳しい目で判断される「スクリーン」の執筆家の選んだ作品ベスト10でも、公開当時第10位に選ばれています。

 ヒットと言う面では1956年度公開作品の第3位!その後も64年、73年、87年、89年とリバイバルされています。多いですねー。オードリー作品では「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」に次ぐ第3位のリバイバル数を誇ってるんですよ~。

 このパンフ、裏表紙は松下電器産業の広告なんですが、そこでは高峰秀子さんの宣伝するナショナルクリーナーが。
 “買いやすいお値段の…”というコピーなんですが、値段はなんと15500円!

 当時は映画パンフレットが10円、20円。映画はセレブ御用達の銀座の封切館の指定席で350円、自由席で200円くらい。一般館はもっと安くて100円~150円の時代。大卒の初任給で1万円前後だったそうで、そうするとこの掃除機はめっちゃ高嶺の花!全然買いやすくなんてないですって!

レア度:★★★★★


  


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2008年03月03日

「戦争と平和」1987年リバイバル チラシ

 「華麗なる相続人」のDVDが4月25日に廉価版で発売されるようです!

 1987年UIP配給の「戦争と平和」リバイバルはオードリーブームに乗って大ヒットしたようで、それは出回っている「戦争と平和」の1987年版パンフからもわかるんですが、じゃあチラシはどんなんだったかと言うと、こんなの。

 あちゃー、「風と共に去りぬ」との合併チラシ。“同時上映ではございません”って、それならチラシを分けて欲しかった!
 どう見ても、これは同時上映のチラシじゃないですかっ!
 しかし「戦争と平和」と「風と共に去りぬ」が同時上映だったら…見終わるのにいったい何時間かかるんでしょうかね(笑)?

 いや、「風と共に去りぬ」もヴィヴィアン・リーだから、めっちゃ好きなんですけど、なにもいっしょくたにしないでも…。
 有名だし、ほっといてもお客は来るから、って考えたんでしょうかねー。

 これが一気に安っぽさを醸し出していて、チラシコレクターさんから見向きもされない原因になってます。
 1989年リバイバルの日本ヘラルドさんは一応1枚もののチラシを作ったんですけどねー。

 絵柄はポスターと同じもの。パンフの表紙もこれでしたよね。絵柄自体はいいんですが…。


  


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