2013年01月20日

「尼僧物語」1959年初公開時 プレスシート

 今日はオードリーの命日になります。没後20年ですね。オードリーがいなくなって、もうそんなに経ったのか…と思います。

 今日は、没後20年にふさわしいように、1959年公開の「尼僧物語」のプレスシートの紹介。
 と言っても、作品がふさわしいだけであって、僕の文章はいつもどおりなんで…スミマセン。

 この絵柄は、写真集「オードリー玉手箱」に載っていたものとは違い、右下に“ワーナーブラザーズ映画配給”の文字が付いていますので、この作品のプレスは2種類あるんでしょうね。

 サイズはB3です。
 この当時、他社はいくつかに折りたたんだプレスが多かったのですが、ワーナーはこの当時からB3のポスタータイプ。
 64年公開の「マイ・フェア・レディ」も68年公開の「暗くなるまで待って」も、プレスはB3タイプ。

 70年代にはB3ポスタータイプが主流になるんですけれども、この当時からポスタータイプというのは、時代を先取りしていたんでしょうか…。

 さて、このプレスに関しては、ずっと前から準備してまして、2011年3月の記事に、書こうとしてたことが書いてます。
 結局、当時は東北大震災の頃で、僕の文章では作品が良くても、たいしたことも書けそうもないので、断念したんですけども。
 今回も没後20年ですけれども、やはり高尚なことは書けません。(^^;;;

 このプレスの裏側には、これまでの可憐な役柄を投げ捨てて…ってことが書かれてるんですが、確かにそうですよね。
 「ローマの休日」や「パリの恋人」のようなコメディ調でもないですしね。
 「戦争と平和」や「緑の館」といった、ドラマ物はありましたけど、それらも一応オードリーの可憐さが生かされていて、ラブロマンスの作品。

 ところがこの「尼僧物語」では初めてオードリーがコメディもロマンスも無しで人間の内面の葛藤を演じたんですよね。
 「マイヤーリング」「尼僧物語」「緑の館」「許されざる者」という第2期は、オードリーが“私に何が出来るかしら?”ということで演技への挑戦だった時期なんですけど、それらの作品群の中での最高傑作になっています。

 当時、可憐な娘役から演技派への脱皮!?ということで批評家にも高い評価を受けて、翌60年の、スクリーンの批評家が選ぶベストテンではなんと女優1位になっています。
 読者が選ぶベストテンではNo.1常連のオードリーですけど、このあと、オードリーがもう一度辛口の批評家から1位をもらうのは、2年後の「ティファニーで朝食を」だけ。

 「尼僧物語」は娘役だったのに、実は演技も素晴らしい!ということでもらえて、「ティファニーで朝食を」は、あの清純派のオードリーが小悪魔的な娼婦!なのに素晴らしい女性像の創造!ってことでもらえたんでしょうね。

 この作品、アメリカではワーナーブラザースの興行収入の歴史を塗り替える超ヒットだったんですけど、日本では「噂の二人」「緑の館」に次いで低い配給収入だったみたいですね。ま、と言ってもそれら2本のようにコケたのではなく、日本では大ヒットの多いオードリー映画としては水準くらいのヒットだった、ってことなんですけどね。

 もともと生活習慣が違い、カトリックにはあんまり馴染みのない日本では、地味な作品に見えちゃって、欧米のようにヒットはしないですよね。

 なので、この「尼僧物語」、オードリーの代表作であり、監督は名匠フレッド・ジンネマンの1本であるにもかかわらず、日本でのリバイバルはなされていません。

 80年代半ば、オードリーの作品を多数リバイバルした日本ヘラルド映画が角川ヘラルドになる前に、電話で“なぜ当時「尼僧物語」と「許されざる者」のリバイバルは無かったんですか?”と尋ねたことがあるんですが、担当だったという女性の方が電話口に出てらして、“「尼僧物語」はしたと思うんですけど…しませんでした?”とおっしゃったのはちょっとびっくりしました。
 それで、もう少しつっこんでみると、“もしかしたら、権利は取ったけど、公開はしなかったのかも…。”ともおっしゃってました。

 これ、当時東京と大阪で公開されずに終わった「緑の館」と間違えている可能性もあるよなーって思いましたが、もし本当なら公開されなかったのは残念ですよね。家庭でいつでも見れるようになった今、リバイバル自体なくなってますもんね。

 このとき、80年代のリバイバル順は日本ヘラルドが権利を取れた順で、「おしゃれ泥棒」と「いつも2人で」のリバイバル公開が91年まで遅れたのは、20世紀フォックスがなかなか許可を出さなかったから、と伺いました。

 ちなみに、この「尼僧物語」で作られたワーナーのボックスオフィスの記録は、64年公開の同じくオードリーの「マイ・フェア・レディ」でさらに抜かれるんですけれどもね。

 さて、没後20周年の今年、色々オードリーに関することがあればいいですね。(^-^

お気に入り度:★★★★
  


Posted by みつお at 09:00Comments(12)尼僧物語

2010年01月20日

「尼僧物語」1959年初公開時 一般用パンフレット

 今日・2010年1月20日はオードリーが亡くなってから17年目の命日です。
 それに、こないだの1月17日は阪神大震災から15年目でした。

 なので、今日は鎮魂の意味を込めて、「尼僧物語」のパンフレットの紹介です。これが「尼僧物語」では最後のパンフになります。
 オードリー自身も、「いろんな意味で思い出が多い映画」「誇りに思っている」と、かつて述べた作品です。

 表紙もなんですが内容もですね、ずっと以前に紹介した日本映画出版社のものとほとんど同じ。なのでこの一般用パンフレットも、どこにも書いてないんですが日本映画出版社のものかもしれません。

 日本映画出版社のものと違うのは、あちらでは「忍苦と献身の女性像」というページになっていたものが、こちらではオードリーのポートレートになっているのみでしょうか。(→右の画像)

 全体的に本文ページは印刷が薄いです。日本映画出版社のがめっちゃ濃くてきちゃなかったのと対照的。

 「尼僧物語」といえば、日本初公開当時、色彩が美しかったことで有名です。批評家の方もそう書いてましたし、神戸にあったビック映劇という映画館の館主さんも、「尼僧物語」の色彩があまりに美しいのでずっとフィルムを取っておいたと、想い出を語ってくださったことがあります。

 なのに、フレッド・ジンネマン監督の自伝では、この映画を修道院にいる時はモノクロ、コンゴに渡ってからはカラーにしようと考えていたそうです。会社の方針でオールカラーにされたそうですけど…カラーでよかった(笑)。

 今発売されているDVDが果たしてその当時のみんなが感激したテクニカラーを再現できているかはちょっと疑問。
 また、今後出るであろうブルーレイでリマスターされたとしても、現代風のくすんだ色付けがなされてしまい、テクニカラーオリジナルの輝くような色彩を取り戻すのは難しいでしょうねー。

 過去にこのブログで “リバイバルのない作品で、一番映画館で観たい映画は?” というアンケートを行った時に、1番だったのがこの「尼僧物語」!
 完全未公開の1957年作品、「マイヤーリング」を抑えて、全100票中20票を取りました。僕も映画館で「尼僧物語」を観てみたいです…。

 オードリー作品としては、公開当時「噂の二人」「緑の館」に次いで配給収入が低かったようで、そのため「尼僧物語」のパンフは入手が全体的に難しいです。それでも興行的に強いオードリーなので、収益は失敗作ではなく水準作。

 作品的にはもちろん高く評価されて、雑誌“スクリーン”では作品が読者人気投票では第4位、オードリーは評論家・読者双方で第1位になっています。特に読者投票では、6年連続1位の最初のきっかけになった作品です。
 “映画の友”でも作品は同じく第4位、オードリーはもちろんダントツの1位だったようです(7年連続の2回目)。

 なお、裏表紙の裏が僕のはパイオニアの広告ですが、これが違う広告のものがあります。

レア度:★★★


  


Posted by みつお at 10:00Comments(4)尼僧物語

2009年03月05日

「尼僧物語」原作 キャスリン・ヒュウム:著 和田矩衛:訳

 今年の“スクリーン”の人気投票では、オードリーは第2位!でした。画像が今までの写真集で使っていたものだったんで、僕は買ってないんですが、欲しい方は本屋さんへGo!

 それと、「緑の館」のDVDが、イギリスではとうとう4月に発売されます!日本でももうすぐかな?
 アメリカではまだみたいですけど、ヨーロッパと日本先行では「華麗なる相続人」の例もありますし、期待して…いいのかな?(^^;

 ずいぶん長くご無沙汰してしまいまして、申し訳ありません。m(_ _;)m

 今日は「尼僧物語」の原作本の紹介です。出版は清和書院というところ。奥付を見ると、昭和34年1月10日第一刷発行になってます。明らかに映画の「尼僧物語」公開に合わせてますよね。定価は300円だそうです。表紙には油紙が巻いてあります。

 最近のオードリー関連本では「キャサリン・ヒューム」と表記されることが多い原作者ですけど、この本では「キャスリン・ヒュウム」になっています。翻訳者は和田矩衛という方。

 今回、このブログに載せるために始めから読み返してみましたが、以前感じたことと同じ、翻訳の点で、最初作品世界に入り込むことが難しかったです。

 というのも、普通はカトリックの尼僧に対しては、“シスター”と呼ぶのが普通だと思うのですが、この原作本では“姉”と訳されているので、なんかいちいちそこでひっかかるんですよね。
 たとえば“シスター・ルーク”は“ルーク姉”。これに馴染むのに、ちょっと時間がかかりました。(^^;
 訳者のあとがきで、“わが国の修道院では何々姉と言わずにシスタア何々と呼ぶが、読者の便宜のため一々訳語を付けてみました。”とあります。いや、あの、それ読者の便宜になってないから。(^^;

 内容的には、さすが原作ですね!映画では時間や予算の都合で描けなかったことが色々と出てきます。
 たとえば、精神病のサナトリウムでは、シスター・ルークが敬愛していた先輩シスターが殺害されるというエピソードがあります。

 また、映画でもリハーサルまで行われ、スチール撮影も済んでいた、コンゴでの増水で人が飲み込まれ、なすすべもないというエピソードも、ここでしっかりわかります。
 これって別に、ドラマティックだから、と言う理由だけで書かれているわけじゃないんですよね。実は、その増水の話を聞いた時に勝手に行ってしまい、シスター・オーレリーに譲らなかった、謙譲の心が欠けている、という指摘を受けて苦悩するシスター・ルークのお話というわけ。

 また、オードリーの戦争の記憶がよみがえるので、省いたといわれる戦争中のシーンですが、かなり本では詳しく描かれています。イギリスの飛行士をシスター・ルークがドイツ兵に嘘をついてかくまったり、スパイのためにゲシュタポの将校になっているイギリス人の話などが描かれます。

 原作では、修道院を出た直後のシスター・ルーク=ガブリエルの話が少しあるんですが、そこで気づかされるのは、尼僧のベールは、視野をかなり制限しているということ!広角レンズのように見える広がった世界に、ガブリエルが戸惑っているシーンがあります。

 それと、これはこの本でわかるオマケなんですけど、映画には出てこない人物で、ガブリエルの叔母がガブリエルのことを“ギャビィ”と呼ぶんですよね。あー、ガブリエルの愛称はやっぱりギャビーなんや、って思いましたね。
 「パリで一緒に」の脚本家ベンスンが劇中劇のヒロインを決めた時に、現実のガブリエルが“ギャビー!?”って驚きますけど、そんな驚くこととちゃうやん!とかってね。

 「尼僧物語」って、最近ではよく晩年のオードリーの活動と近いってことで取り上げられますけど、実は僕はそんな風にはあんまり思ってなくて、いちばん最初にそういう比較の文章を読んだ時、かなりビックリしたんですよね。
 「尼僧物語」は、やろうと思うのに、教えに行動の制限を受けることに苦悩する尼僧の話だし、オードリーは別に時間以外は制限なんて受けてないけど、現実の子供たちの状態を見て苦悩してるわけだし、いまいち一致する部分って少ないんじゃないのかな~?と。

 むしろオードリーとかぶるとすれば、修道院を出た、よって映画では描かれていない“その後のガブリエル”なんじゃないかなーと。
 ハイアムの伝記で、シスター・ルークのモデルになったマリー・ルイーズ・アベの話が出てきますけど、キャスリン・ヒュウムに“あなたは聖者だわ!”と言われた時にあとじさってるんですよね。
 だって、尼僧をやめないと出来なかったことをしてる自分に対して、“聖者”といわれたら、誰だってひきますよね。

 オードリーの行動も尼僧とは似て非なるもので、オードリーがやっていることは自分が有名で目立つのを利用して、その注目を世界の(生きることすら難しい)子供たちに向けさせること。そして自らその地へ赴いていって、じかに触れ、感じとり、世界に発信すること。
 これはこの原作を読むとよくわかるんですけど、個よりも全体を重んじる尼僧では決して出来ないことなんですよね。

 以前も「尼僧物語」の2枚組みサントラの時に書きましたけど、決して原作も映画も「尼僧“否定”物語」ではないので、そこのとこを履き違えないでくださいね。そこを間違えると「尼僧物語」はずいぶん小さなお話になる気がします。

オススメ度;★★★★


  
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Posted by みつお at 13:00Comments(2)尼僧物語原作本

2008年03月09日

「尼僧物語」 オーストリア版プログラム

 傑作の呼び声高く、オードリーがイギリス時代に端役で登場した「ラベンダー・ヒル・モブ」のDVD、もはやどこのネット販売でも入手不可能状態。
 いつでも買えるし、な~んて思っていましたが、大間違い!
 もともと1500円やのに、いまやプレミアが付き始めてるやんけ~!みたいな。

 傑作であることは有名なので、幻の傑作を観る!という人と、オードリーのファンだから買う!(←僕はこっち)っていう人が買い求めた結果、こういうことになったんでしょうねー。

 さ、買おか~と思ったら、どこで見ても在庫が無いので焦りました!やっと紀伊国屋の梅田本店で店頭在庫があることがわかって送ってもらいましたけど…。
 う~ん、ユニバーサルさん、需要予測を誤ったみたいですね~(笑)。
 というか、僕もこんなに売れるとは思いませんでした。あぶないあぶない。(^^;A

 これはドイツ語で書かれた、「尼僧物語」のオーストリア版プログラムです。

 プログラムというのは表紙の右上に書いてあるんですが、B5のちょっと小さい版の二つ折りってだけのものなので、日本みたいに売っているものじゃなく、無料で手に入るものなんでしょうねー。

 まあプログラムというからには日本のチラシみたいに公開前に配る物じゃなく、上映中に配るものなんでしょうけど。


 中はスタッフ・キャストとあらすじが書いてあるだけみたいだし。表紙以外は珍しい画像も特に見当たりません。

 表紙に書いてあるドイツ語が題名みたいです。

 …いや、ホントこれだけのものなんですけどね。(^^;;;

 特に語ることもないので、まあ今日はここまでと言うことで…。



  
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Posted by みつお at 16:00Comments(2)尼僧物語

2008年01月17日

「尼僧物語」フランツ・ワックスマン サントラ・レコード再発盤

 これは1975年にアメリカで再発売された「尼僧物語」のオリジナル・サウンド・トラックのLPレコード。
 1959年に初公開した時のジャケットデザインとはすっかり変わっての登場です。

 なぜ1975年なんかにこのレコードが出たのかはわかりません。もしかしてその当時「尼僧物語」のリバイバルでもあったんでしょうか?(^^;;

 さて、ジャケットデザインは違うものの、おそらく収録曲は初公開時のものと同じだと思います。全12曲。
 後に出た初公開時と同じジャケットデザインのCDでは22曲も入っていましたが、レコードで収録できる曲数ではないので、おそらくこの再発盤のものが初回盤のと内容はおなじなんでしょうね。

 曲数が少ない分、すっきりとまとまっていて、聞くにはいいかもしれませんね。おそらく作曲者:フランツ・ワックスマンの最初のバージョンは収録されずに、映画で採用されたバージョンが収録されているでしょうから、通しでは聴き易いんじゃないかと思います。

 ジャケットはおそらく着色カラーなんでしょうが、とても感じがいいですよね。(^^


  


Posted by みつお at 15:00Comments(2)尼僧物語サントラレコード

2007年12月24日

「尼僧物語」1959年初公開時 日本映画出版社版パンフレット


(↑左から新宿劇場館名入り、池袋劇場館名入り、館名なし)

 今日はicon12クリスマスicon12にふさわしい(?)「尼僧物語」の日本映画出版社版パンフレットを紹介します。

 これはここに紹介した新宿劇場、池袋劇場の他にも、東京楽天地さんの封切館だった本所映画館の館名入りも存在します。
 なので、本命版の日比谷映画劇場の次くらいに格のあるパンフなのかな?と(東宝直営の大阪の北野劇場か梅田劇場のがあるとすればそちらが上になると思いますが)。

 じゃあ中身もそれに伴って…と思うとそうではなくって、外映版のほうが出来はいいです。写真の質も、どっかからパクってきたのか?というような明らかに別の印刷物からさらに印刷したっていう汚~い画像があったりして…。

 このパンフのだけの物は「忍苦と献身の女性像」という記事(→右の画像)。このページには珍しい画像も何点かあるので、ここが一番の取り柄でしょうか。

 僕がオードリーのパンフを再び集めるようになったとき、ネットでこのパンフの本所映画館館名入りのを見つけて、即行注文しましたが、タッチの差でお店で売り切れたあとでした。
 すんごい悔しかったですねー。その後、このパンフの入手までは長い時間がかかりました。

 それと、「ローマの休日」や「麗しのサブリナ」では完全オリジナルパンフを作っていた本所映画館ですが、このパンフでは他の物と中身一緒です(持っている方に中身を見せていただきました)。既に独自パンフの時代は終わったということですね。
 こののち、本所映画館は「ティファニーで朝食を」も上映していますが、それには館名入りすら見つかっていません。
 館名を入れる、というのも大劇場を除いて、50年代で終了するみたいですね。

 なお、裏表紙は左の画像のように2種類あります。でんえんの方には日本映画出版社ときちんと印刷されてますが、グリンコーナー・ワヰンコーナーの方は出版社名が印刷されていません。

 入手はなかなか難しいです。

レア度:★★★★




  


Posted by みつお at 15:00Comments(2)尼僧物語

2007年11月19日

「尼僧物語」1959年初公開時 タイアップ版パンフレット

 これはちょっと不思議なパンフレットです。プレスブックでは?という意見もあるのですが、広告満載の内容がそれを裏切って、プレスではない証明になってしまっています。
 おそらく何かの機会のタイアップ上映での特殊なパンフレットだと思われます。

 表紙には“文部省選定”の文字と、“優秀映画鑑賞会推薦”の文字が…。

 中は黒と山吹色の2色刷りで、紙は妙に分厚く、他のパンフと比べるとかなり特殊な存在。

 いろんな映画評論家や作家などの賛辞が載っていますが、みなさん一様に新しいオードリーの誕生にびっくり&大絶賛!
 うーん、確かにこの時期までのオードリー作品を考えると、大きな変化だったんでしょうね。

 手に入れるのが難しいのと、特殊であること以外はどうってことのない出来なんですが、持ってるってことがとても嬉しいパンフレット。(^-^

レア度:★★★★


  


Posted by みつお at 15:00Comments(0)尼僧物語

2007年09月30日

「尼僧物語」59初公開時 本命!日比谷映画劇場版パンフレット

 なんだか非常に栄養状態のよさそうな尼僧さんですが、これが1959年初公開時の本命版、日比谷映画劇場版パンフレットです。

 ちょっとオードリーらしくない画像ですよね。いくらなんでも眉毛濃すぎるし(最高に極太眉なサブリナに対抗できるくらい)。でも今はあんまり見かけない画像を使ってくれているのでOKです!

 代表作の1つでありながら、リバイバルの無い「尼僧物語」、初公開時の全パンフの中では、やはりこれが最上です。

 ページ数が20pと一番多いし、印刷も綺麗。中には小森和子さんの愛情あふれる文章がなんと5ページ分も割いて載っているし、清水千代太さんの文章も4ページ。非常に読むのも充実しています。

 お二方とも、オードリーがいたからこそ出来た傑作!と褒めてくださっています。
 今でこそオードリーのフィルモグラフィーで当たり前の「尼僧物語」ですが、当時はこれまですべて幼い少女役だったのが、一気に演技派として大人の役に成長したことに、みんな驚いていた様子がわかります。アカデミー賞にノミネートされたのも納得ですね。
 雑誌“スクリーン”でも翌年の2月号に批評家の選ぶベスト1女優に選ばれてます。

 小森のおばちゃまの文章では「緑の館」の撮影時にインタビューした様子が書いてあるのが貴重!
 後年、小森のおばちゃまのオードリーのインタビューでは「暗くなるまで待って」の時の物が多く取り上げられるようになり、「緑の館」の時のはあんまり書いてくださらないので、これは嬉しい!

 そこではオードリーが「この「緑の館」のひとつ前に撮った「尼僧物語」は最もやりがいのあったものです。」と語っています。「心身共に打ち込んでいた」と。

 それと、「ピーター・フィンチ氏に会ったら、「尼僧物語」で一緒にお仕事が出来たことを今も誇りに思っていると伝えてください。」とオードリーが述べたことが書いてありました。
 実際小森のおばちゃまはピーター・フィンチに伝えたそうです。

 難を言えば、50年代始めの東宝系配給の「ローマの休日」「麗しのサブリナ」「パリの恋人」ではあったカラーページが、この50年代末からの「尼僧物語」「緑の館」「ティファニーで朝食を」などではなくなっていること。
 せっかくカラー映画なのに、残念ですね!

レア度:★★★


  


Posted by みつお at 15:00Comments(2)尼僧物語

2007年08月04日

「尼僧物語」フランツ・ワックスマン オリジナル・サントラ2

 これは「尼僧物語」の2枚組オリジナル・サウンド・トラックCDです。作曲者はもちろんフランツ・ワックスマン。

 後ろに“FOR PROMOTIONAL USE ONLY -NOT FOR SALE”と書いてますので、プロモーション盤らしく、一般には市販されてないようです。

 なんと収録曲は全61曲!うち、最後の3曲はリハーサル時のボーナス・トラック。
 船がコンゴに向かうときの音楽のリハーサルでは、イマイチ音が深くなくて、まだ演奏者がどう演奏したらいいのか掴みきれていないテイクを聴けておもしろーい!

 でも、これ市販盤での22曲でも相当数の“フィルムではカットされた”って曲が多いんですから、61曲もあったらそりゃあもう多いです、映画で不使用になった曲!
 対比として、オリジナル・バージョンと変更後の曲、2つセットなのがやたらありますもん。

 こんなにいっぱい力作を作ったのに、差し替えられたり不採用の曲ばっかりだなんて、ワックスマンが怒るのも当然っちゃあ当然。

 でも、フレッド・ジンネマン監督が使いたくないのもわかる気がする…。ラストシーン用の、ハッピー・エンディング・バージョンとかあるし。ワックスマンはなんかこの映画の意図を完全に履き違えてると言うか…。

 確かに一般ピーポーの僕たちには、シスター・ルークが尼僧をやめてガブリエルに戻るのは、修道院の戒律を考えた時にハッピーエンドに見えるんだろうなーって思います。
 でもシスター・ルークの立場に立って考えた時には、必ずしもハッピーなんじゃないっていうのがわかるんですよね。

 もしこれをハッピー!と捉えてしまったら、この映画の価値が随分小さくなるような気がします。修道院を踏み台にして自分だけ成長したっていう単なる尼僧“批判”物語?みたいな。

 シスター・ルークのモデルになったマリー・ルイーズ・アベも、“もし「尼僧物語」をもう一度観たら、修道院に戻ってしまう!”って言ったと伝えられているように、決して修道院がイヤだったんじゃなく、不服従の戒律と自分のしたいことが全く相容れなかっただけ。

 だから“もう尼僧がイヤになったんです!”って還俗できてやったー!じゃなくって、もの凄い内面の苦悩があって騙し通せなくなったという、むしろ逃避としての部分も多い還俗じゃないかなーと。
 神と自分は騙せないから還俗の意思は固いけど、ラストシーンのガブリエルは全然嬉しそうでもない…。

 「噂の二人」だと、全体ではあんなに暗いのに、ラストは毅然と顔を上げて前へ向かって歩くカレンです。最後は微笑みすらします。
 でも「尼僧物語」は後ろ向きで歩いていくんですよね。顔は歩き出したらもう見えません。最後は右へ行くか左へ行くのか迷ったりもしている。

 そんなラストのオードリーににっこりさせなかったフレッド・ジンネマン監督の意図を考えた時に、これがはたして“ハッピー・エンディング”って曲付けでいいのか?って考えたら絶対違うと思うんですよね。

 実際、“なんでラストシーンに音楽がないんだ!”ってワーナー映画の総帥ジャック・ワーナーに言われた時も、“もし明るい音楽だったら、ワーナーは尼僧が修道院を出て行くのを祝っていると思われます。暗い音楽だったら観客は気が滅入るでしょう。”って言ったジンネマン監督の言葉を思い出せば、ハッピー・エンドというわけではない(バッド・エンドでもない)っていうのはわかると思うんですよね。

 だからいくら音楽的には優れていたとしても、映画「尼僧物語」には合わないっていう曲がいっぱいいっぱいあることになってしまいました。

 他にもシスター・ルークが列車でコンゴを離れる時の音楽(このCDでは2枚目の7曲目、市販盤での17曲目)も、ワックスマンのオリジナルはとんでもない悪夢のような音楽になってます。
 これを聴いたジンネマン監督がガブリエルのテーマに替えさせたというのも納得です。

 だから、ワックスマンのオリジナルよりも、変更後の曲の方が断然いいです!

 ワックスマンの思う「尼僧物語」の全容がわかるのはいいんですが、重く暗い曲が増えて、ますます通して聴きづらくなったサントラ。

 そうですねー、「戦争と平和」が今以上良くもならず、悪くもならずで、上映時間がさらに倍になったと思っていただいたら…。ね?通しで観るには勇気がいるでしょ?

 これを聴き終わった後には、気分転換に「パリで一緒に」「おしゃれ泥棒」といった軽めのサントラをオススメします。間違っても次に「緑の館」とか選ばないでくださいねー(笑)。

オススメ度:★★(しんどい分、市販盤より★1つ減らしました。)


  


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2007年06月10日

「尼僧物語」フランツ・ワックスマン オリジナル・サントラ1

 今日は、公開は「緑の館」よりも遅くなったけど、実際の撮影は1958年1月~6月でこっちのほうが早かった「尼僧物語」(オードリー28~29才)です。

 これは「尼僧物語」のオリジナル・サウンド・トラックCDです。作曲はフランツ・ワックスマン。1991年に発売されました。

 現在は廃盤のようで、各国アマゾンを見ても、プレミアが付いています。アメリカのアマゾンが一番安価で中古を入手可能。

 これ、ジャケットは初公開時に発売されたレコードジャケットと同じなんですが、内容は22曲も入っているし、レコードとは違うんじゃないでしょうか。再発売されたジャケット違いのレコードとは曲数違うし。

 さて、この「尼僧物語」の音楽は公開当時高く評価されて、アカデミー賞やグラミー賞のノミネートをはじめ、ゴールデン・ローレル賞の第3位にもなっています。

 でも監督のフレッド・ジンネマンはこのワックスマンの音楽を気に入ってなかったことが自伝に書かれており、相当数の曲を不使用にしたそうです。
 ここで収録されている22曲の中にも、“フィルムでカットされた”ということが書かれている曲がいくつもあります。

 実はワックスマンはカトリックが嫌いだったそうで、そのつもりがなくても、ついつい音には正直にそういう響きが出てしまって、ジンネマン監督の不興を買ったのかもしれません。

 というのも、別にフレッド・ジンネマン監督は修道院はつらくて嫌なところ、として見せたいがためにこの映画を作ったわけじゃないらしいので、いくら名曲だろうと当然映画には不向き。

 確かにメインタイトルはキャッチーでいいけど、他の曲は暗い曲が多いです。重厚な響きだけに、通して聴くのはちょっとしんどいかな。

 さて、この「尼僧物語」には2枚組のサントラCDも存在しています。それはまたいつか。

曲のオススメ度:★★★


  


Posted by みつお at 15:00Comments(4)尼僧物語