2008年01月05日

近代映画社「オードリーを愛した名監督たち」…玉石混交!?

 これは昨年“スクリーン”の近代映画社から出たばっかりの「オードリーを愛した名監督たち」という本です。

 オードリーの作品は巨匠と言われる監督がメガホンを取っていることが多く、それがあれだけの質の高い作品群を生み出している要因の1つにもなっていると思います。

 多くのオードリーファンにも、オードリーを通じてこれらの大監督の他の作品にも目を向けたり、功績を知ってもらおうという意図なんですかね。それをこうして1冊の本にしたもの。

 意地の悪い見方をすれば、それは建前で、オードリーの本として同じようなのばっかりじゃ出しにくいから目先を変えてみた、っていうのかもしれませんが…。(^^;;;

 で、監督の経歴も興味深いし、画像は撮影中のオードリーの今まで収録されてなかった画像も多く、それはファンとしては嬉しいです。
 本当は“批評・評論など”のカテゴリに入れるべきかもしれませんが、画像もそれなりに多いので“写真集”カテゴリにしてみました。

 でも玉石混交だと思ったというのは「石」だと思う部分があったと思ったということで、これは監督の解説もしている伊上 冽さんによる作品解説!
 全作品観た人が買うとは限らないのに、なんと全作品のストーリーを結末まで書いてしまっているっ!

 「シャレード」「暗くなるまで待って」「華麗なる相続人」などの、結末まで書いたらマズイんじゃないの?と思われる作品まで書かれており、これらをまだ観てない人への配慮がなさすぎ!!
 これらは結末を伏せるのが当たり前でしょ!?

 僕は伊上 冽さんという人を知らないのですが、最近近代映画社の発行する本によく文章を書いているようですが、映画に関する文章を生業とする人間としてはあまりにも思慮が足りないようです。

 “いや、この本を買う人ならオードリー作品を全部観てるでしょ?”っていう言い訳をされるかもしれませんが、観てる人にはストーリーは要りません!

 しかも「いつも2人で」なんかは最後に載っている公開当時の鑑賞手引きでちゃんと書いてあるのに、2回目と3回目の旅の順番を間違えてる!(正しい順番はコチラ

 他にも「おしゃれ泥棒」のストーリーでは例によってヴィーナスを“買いとられ”たことになってるし、「パリで一緒に」ではオードリーが“絶えず神経をいら立たせていた”だのという各種伝記で誤って書かれていることそのままだし。

 恐ろしいことに、清藤秀人さんの「オードリー・ヘプバーン 98の真実」に続いて、またまたこの伊上 冽さんもメイチックの伝記に基づいて“オードリーが言った”っていう嘘を引用していること。

 「ティファニーで朝食を」のホリーの演技に関して、死の数ヶ月前に語ったという“自信が持てない”云々はメイチックの作り話。
 もっと信頼の置けるパリスの伝記では、むしろオードリーはホリーの演技を気に入っていたらしく、テレビで放送したのを見ながらロバート・ウォルダーズに“なかなかいいじゃない?”と笑って言ったことになっています。

 はー…SCREEN編集部もタレ流しみたいに出版するんじゃなくって、校正をする際にちゃんとチェックしないとダメでしょ?って思いますけどねー。

 なのでこの本を読む際は、嘘が混じっている、と割り切って読むべきですね。
 最近オードリー関連でつくづく思うのは、本になっている=本当のこと、ではないと疑ってかからなければならないという悲しい現実。
 僕なんかはいいですが、若いファンの方がここに書かれていることを信じてしまいそうでコワイですねー。

 …ってことで、残念ながら大きな欠陥のある本になってしまってます。

 後半は公開当時にSCREEN本誌に掲載したそのままの文章で載せたという素晴らしい鑑賞手引きがあり、そこの価値は非常に高いです!(コチラが「玉」の部分)
 当時のこれらの文章が載っている号を探すのって至難のワザですし、やっとSCREENも自社の素晴らしい過去の財産に目を向けるようになりましたか?っていう感じ。

 日本未公開作品や初期作品は省いた感じで、ピーター・ボクダノビッチ監督の「ニューヨークの恋人たち」などがないのはまあ仕方ないとして、日本公開作品では「緑の館」だけ収録されていません。
 まあメル・ファラーをこの作品で見る限り“名監督”とは呼べないし当然なんですが…。

 まるでオードリーの出演作品を“「ローマの休日」「麗しのサブリナ」…「華麗なる相続人」「オールウェイズ」”と「緑の館」以外は全部書いたのに、“他1作品”と書くようなものですよね。、これだけ削られてるってのが現在発売のDVDと同じ状況で可哀想な気もします。(^^;

オススメ度:★★★(伊上 冽さんの作品解説と余計な引用がなければもっといいのにね~…)


  


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2007年12月05日

写真集オードリー・ヘプバーン 世界を魅了した20作ヒロイン集

 これは2003年12月だか、2004年1月だかに近代映画社から発行された「スクリーン特別編集 オードリー・ヘプバーン 世界を魅了した20作ヒロイン集」という写真集です。

 オードリーの生誕75周年記念ということで発行されたものなんですが、2003年には「ローマの休日」の製作50周年でのリバイバルがあり、2004年には「timeless audrey」展がありましたから、まさにタイムリーな発売だったかもしれません。

 帯で謳ってるように、舞台に出ていた頃の1950年のオードリーが見れるのですが、このときのオードリーって、ちょっと太いねーって感想。髪型も変だし、ハリウッド流のメイクもしてないせいか、僕は後の洗練されたオードリーのほうがいいかなーと。(^^;

 中身は、まず最初に軽くオードリーのバイオグラフィーがあったあと、日本で劇場公開された20作品が紹介されていきます。

 こういう場合起こりがちな、作品ごとにページ数に差をつけられる…っていうのがやっぱりなされてます。僕はこういうのキライなんですけどねー。

 全体では印刷はFMスクリーニング方式で刷ったようで、きめの細かい印刷。元がダメな写真と、グラデーションはイマイチですが、全体に画質のクオリティは高いです。
 「SCREEN」編集特有の、オール白黒で珍しい写真が多いわけでもないという構成で、印象には薄い、初心者向けの写真集。

オススメ度:★★




  
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2007年09月07日

清藤秀人さん最大の汚点!…オードリー・ヘプバーン 98の真実

 *札幌三越で「オードリー・ヘップバーン ボブ・ウィロビー展」開催中!10日まで
 *大丸京都店で「華麗なるハリウッド映画衣装展」開催中!17日まで

VFSH0747 さて、今日は「スクリーン」の近代映画社が出した、清藤秀人さんの「オードリー・ヘプバーン 98の真実」についてなんですが…。

 残念ながら、この本はオードリーの文章では第1人者である清藤秀人さんの最大の汚点になってしまったような気がします。紹介もどうしようかと思って遅れました。

 もしこれが1995~1997年に発売されたのなら問題はなかったのですが、2007年6月発売って時期ではこれはちょっと…。

 画像は「スクリーン」にしては頑張った方だと思って、好印象を抱きました。オードリーの画像は105点くらい掲載されてるんですが、その中で17点ほど珍しい画像が混じってます。
 大きさは原由美子さんの「オードリー・ファッション物語」とほぼ同じ大きさ。

 でも、でもでも文章を読んで愕然!なんと清藤さんがこの文章で多く使ったのは、なんと!あの悪名高いダイアナ・メイチックの伝記

 そう!オードリーとは一度も会ったこともないし、電話で話したこともないのに、“オードリーと会った”とか“電話でインタビューしました”と言って作り事を並べた上に、“公認の伝記”などと読者を騙してお金儲けを企んだ、あのダイアナ・メイチックの伝記!

 当然中身を読んだオードリーの家族やロバート・ウォルダーズは大激怒!息子ショーンが訴訟を起こしたことは1998年に日本でも発売されたバリー・パリスの伝記にも書いています。

 ところが、清藤さんはパリスの伝記を読んでらっしゃらなかったのか、メイチックの伝記を鵜呑みにして書いてしまってる!
 当然“98の真実”という題名にふさわしくない、真実じゃない事柄がボロボロ入っている本になってしまいました!

 特にショーンが激怒したという拒食症の問題ですが、パリスの伝記(98年翻訳)とショーンの伝記(04年翻訳)でそのことは否定されています。ところがここではまだ拒食症を真実だとしているのです!

 もしこの本をショーンが読んだらどうなるか…。近代映画社の姿勢まで疑われるんじゃないかなー。

 中身がマズイのは、まず4番。質問の答えはノーでも、そのあとのオードリーの告白はメイチックのもの。
 続いて7番。同じくオードリーが語っていると言う部分がこれまたメイチックの作り話。
 8番は問いも答えもメイチックのだけで語られていることなので真実かどうか不明。
 9番もこれまたデーヴィッド・ニーヴンが言ったというアドバイスが、メイチック以外の伝記では全く出てこないので、信憑性はかなり低くウソ臭~いです。
 15番、77番、80番、81番、87番も、オードリーが言ったという部分はすべてメイチックの伝記のものなので、おそらく全部ウソ。

 46番はオードリーはそんなこと言ってないので、ここでの答え自体が真実ではないことに…。オードリーは、決してどれも悪くは言わない人。「パリで一緒に」に関してショーンに述べたことは、“他のほどいい出来ではない。”ということと、“でも撮影中はとても楽しかった。”ということだけ。

 75番のストーカーの話も、これまたメイチックの作り話。泥棒が入ったのは本当でも、ストーカー云々は話を面白くしようとしたメイチックのガセ。

 82番のずっと46キロというのもおそらくメイチックのウソ。実際1951年頃は太いし、「尼僧物語」「緑の館」「許されざる者」の頃もオードリーにしては太ってます。逆にメル・ファラーとの結婚した頃のオードリー、「パリの恋人」「いつも2人で」の頃は細かったですし、現実にはオードリーなりに太ったり痩せたりしているようです。
 なによりショーンの伝記でオードリーが言った本当のことは“私は着やせするの。”だったし。

 94番の父と再会はしたが、その後疎遠になったというのもメイチックの創作(メイチックの本では連絡もとってないとまで!)。実際はずっと連絡しあって、何度か会っていたことが、アレグザンダー・ウォーカーの伝記ほかで判明しています。

 そして最大の問題が95番!86番でも述べていた拒食症の問題が、ここでは完全に断定されていて、これはオードリーを語る人間としては最大のミス!

 あと、メイチックから離れても、73番の「エクソシスト」出演に前向き…ってのはどうでしょう。過去に映画の中で人が死ぬシーンを観て気絶した、というオードリーがホラー映画に前向き、というのはちょっと考えられないのですけども…。
 “ローマで全編撮影なら出演します。”っていうのはローマで撮影は出来ないとわかってて言った、体のいい断り文句だったんじゃないかなーと思ってます。実際その手で出演拒否した作品、ってのもあったようだし。

 なにせメイチックの本に基づいてる部分があまりに多いので、“この内容はヤバイですよー!”ってメイチックとパリスの伝記本のこと、訴訟のこと、アメリカでの評価のことなどを近代映画社にTEL。
 そこで返ってきた答えが、“清藤さんの文章だから大丈夫!と内容をよく確認しませんでした。”というもの。清藤さん本人にも連絡したそうで、あまりのミスに今頃真っ青!かもしれません。

 本となって出版されてる以上、吉村英夫氏の著作なんかでもそうですけど、これが真実だと思ってしまうオードリーのファンが出来てしまうのかと思うと、がっかりです。

 悪意はなく、勝手な創作もないものの、オードリーのことを書く人間、及び出版する会社が“真実”という題名を冠してオードリーの本を出すのに、2007年にもなってメイチックの伝記のデタラメのことを知りませんでした、では済まない問題。

 清藤さんの文章はいつもながらの愛情溢れる文章で、吉村英夫氏なんかとは全然違う、読んでてとても心地よいもの。でも「真実」と銘打って堂々と出版してしまったのはあまりに大きな汚点!

 近代映画社さんによると刷った部数は少なかったそうで、なくなって再版するなら内容は変えるとのこと(本当かどうか知りませんが)。ネット販売では在庫は既に極端に少なくなっています。(本屋にはまだまだ在庫あります)

 でも最新号の「スクリーン」でもまだ平気でこの本を宣伝しているというのもどうでしょう。どうせほとんどのファンは真実ではないなんてわからないから、売り切ってしまえ!という会社の思惑が透けて見えます。
 
 今回はこの小さな写真集に対して、とても辛口な意見じゃないかと思います。
 ですが、信頼している清藤秀人さんとオードリーに前向きな近代映画社だからこそ、真実でない物を真実として出した失望も大きく、今後は頑張っていただきたいので今回はあえて採点を厳しくさせていただきます。

オススメ度:★(写真に対してのみ星を進呈。文章の内容と会社の姿勢には今回は星無しで。)


  
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2007年07月29日

角川書店 世界名作シネマ全集2 愛しのオードリー

 これは2006年1月(だったかな?奥付はそうだけど…)角川書店から出た「世界名作シネマ全集2 愛しのオードリー」です。

 これ、正直写真集という分類でいいのかわかりません。なんせ「ローマの休日」と「ティファニーで朝食を」のDVD2枚が付いてますから…。

 写真集つきのDVDなのか、DVD付きの写真集なのか、ですが、一応角川書店発行なので、DVD付きの写真集、という扱いで。
 昔よくいろんな出版社から出てたレコード付き写真集のDVD版なんでしょう。

 付いているDVDはパラマウントから発売されている正規版と同じもの。ただし、「ローマの休日」の2枚組みの特典はありませんが。

 写真集部分はかなりいいです!「ローマの休日」と「ティファニーで朝食を」にそれぞれ12p・10pを割いて、詳しく紹介。

 その後にはオードリーの出演作品が有名作品は見開き2ページ、それ以外は1/2ページを割いて紹介。

 「麗しのサブリナ」「昼下りの情事」「シャレード」「マイ・フェア・レディ」「おしゃれ泥棒」が見開き2ページで、その後に1/2ページが続くので、“あれ、これであとはこの扱いなんかなー”と思っていたら、「暗くなるまで待って」が見開き2ページで復活!これは嬉しかった!
 選んだ人、わかってるなー!って感じ。(^-^
 しかも次のページには1ページで「ロビンとマリアン」!ますます印象良し!

 裏焼き画像はあるものの、この分量なのに結構珍しい画像も多く収録されてるし、カラーは多いしで、買った満足度はかなり高い!

 さらにはあまりに高価で集めることが難しいオードリーのチラシのページなんかもあって、ほーっ!って感じ。

 ゴマちゃんさんのHPと合わせて見ると、かなりのオードリーチラシがカバーできます。

 他にもいろんな方のオードリー賛歌の文章があって、写真集だけでもとても嬉しい出来なのでした!

オススメ度:★★★★(実際は星3つ半)


  


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2007年07月25日

My Fair Audrey オードリー素敵な写真集

 これは“SCREEN”の近代映画社が2005年4月に発行した「My Fair Audrey オードリー・ヘプバーン素敵な写真集」という物です。

 でも「My Fair Audrey」って名づけたスクリーン発行の写真集って、1992年にもありますよね。なんでおんなじ名前にするんですかね?
 てっきり僕は最初再版が出るのかと思いましたよ。(^^;

 片側1ページに画像、その横のページにその映画のセリフ、というもので、“素敵な写真集”とおっしゃるわりには収録点数も少なく、ありきたり画像ばかり。
 後半は映画と離れて、スナップ的な画像になるのですが、これも過去の“スクリーン”で見たものばかり。

 あのねー、スクリーンさん。確かに初心者も写真集買うでしょうが、毎年1冊ずつ出して、購買層ががらっと変わると思います?
 僕はおそらく僕みたいに買う人ってけっこう一緒だと思うんですよ。だから似たり寄ったりの同じ画像ばっかり載せないで、もっと一ひねりが欲しいんですけどね~。

 そういう画像の選び方に創意工夫が感じられない平凡写真集。

オススメ度:なし(オール白黒もポイント低し)


 ちなみに、7月いっぱい使っても、オードリーの写真集全部を紹介することは不可能なので、入らなかったものは今までどおり、合間合間で紹介して行きますので。

  


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2007年07月24日

スクリーン特別編集 オードリー・ヘプバーン写真集

 これは“スクリーン”の近代映画社が1993年9月にやっと発売した「スクリーン特別編集 ハリウッドの妖精 オードリー・ヘプバーン写真集」です。

 これねー、オードリーの死後に編纂された写真集なんですけど、はじめ“初夏発売”って予告されてたから、5月くらいかな?と思ってたら“夏に発売”に延びて、その後結局9月発売になりました。

 で、これだけ待たされて、他の追従を許さない、さぞや素晴らしい写真集が出来上がったに違いない!と思って買ったら、結構中身は普通の出来で、ショックを受けました。

 確かに200ページ以上のボリューム、ハードカバーということなんですが、中身の画像は過去にありとあらゆるオードリーの画像を掲載してきたスクリーンさんがこの程度ですか?これのためにこんなに待たされたんですか?って愚痴も言いたくなるくらいの普通の出来。表紙のデザインも高級感無しで、全然ぱっとしません。

 たまに「尼僧物語」でのすっぴんのカメラテストのオードリーや、映画では省かれた「ティファニーで朝食を」の酔っ払いシーンなどが見れて嬉しいのですが、期待させたわりには“雨後のタケノコ”寸前。

 僕はもっと貴重な過去の記事やグラビアの紹介などというスクリーンならではの切り口で攻めてくれるのかと思ってましたが、作り方はいたって普通の写真集。

 最後の方に過去スクリーンで表紙になったオードリーの号すべてと、人気投票が載ってるのですが、この人気投票、オードリーに関するものなんだから、オードリーが10位以下になったときの順位も見せてほしいのに、完全無視。
 オードリーの載ってない単にその年の女優ベスト10を載せてどないすんねん!って思いました。

 これはやっとこないだの2007年4月号の“SCREEN”ですべてのオードリーの順位が載ってたので解決しましたが…。
 ちなみに過去のスクリーンの表紙で僕が一番好きなのは1966年5月号の「おしゃれ泥棒」オードリーと、1971年9月号の「ヴァリーエ」オードリーです。

 なんかスクリーン誌の編集はどっかズレてることが多いんですよねー。ファン心理をいまいち掴みきれてないというか…。

 この本での一番の価値はオードリー自身のインタビュー!これにつきます。

オススメ度:★★★(実際は星2つ半ってところ。)


  


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2007年07月23日

写真集 オードリー・ファッション物語 原由美子著

 著者の原由美子さんは「anan」創刊に携わった方で、「ELLE JAPON」のファッションディレクターでもあります。

 この写真集は2003年に発行され、僕もその時に買ったんですが、2004年に例の「timeless audrey」展がやってきまして、その時にこの原由美子さんの講演がある!ということで、申し込んでその講演日に合わせて東京に行き、「timeless audrey」展と原さんの講演を聞いてきました。

 講演ではジュース(あるいはコーヒー・紅茶など)とケーキが出るという豪華版の中で、原さんが講演してくださいました。

 原さんはまるで「パリの恋人」のようなシックなイメージで登場。さすがですねー!すでに「timeless audrey」展は見終わった後だそうで、それについて講演してくださいました。

 で、講演が終わった後、原さんの文章で気になっていた、「いつも2人で」の衣装が、“時代をハッキリ表すプレタポルテで普遍性は少ない”って部分が気になったので、“そうなのですか?”って尋ねました。

 だってですね、「いつも2人で」のパンタロン、今見るとローライズパンツなんですよ!今はまたモデルのマリエとかがハイカットのパンツをはいているようで、そろそろローライズも終わりかな?とは思うんですが、2004年当時はローライズ全盛!十分普遍性は持ちえてると思ったんです。

 原さんは、僕の要領を得ない質問にもなんとか答えてくださって、それはおそらく私が60年代に青春を生きて、その時代の物をどっぷり身に着けていたから、それで抵抗があるんだと思う、みたいなことをおっしゃってくださいました。

 たしかに!70年代が青春だと、パンタロンと長髪は二度と見たくないほど恥ずかしいだろうし、80年代前半だと聖子ちゃんカットとぶりっ子、バブル時代に青春だと、あのワンレン・ボディコン・太い眉に肩パットは封印したいに違いない!

 それがだから原さんの「いつも2人で」なのかなーって思います。僕は十分普遍性は持ちえてると思ってるんですけどね。60年代のファッションって、今おしゃれだし。

 なお、初版を持っているにもかかわらず、サインをしてくださるというので、その場で売っていた同じものの第2刷も買ってしまって、サインを頂きました。(右の画像)

 その時に、講演に出てこなかった名前“バレンティノの衣装はどうですか?”ってお尋ねしたら、“あれはダメよ!”と一刀両断だったので、“やっぱり!”って言ってしまいました。
 いや、バレンティノの衣装もいいのですが、オードリーが着ずに、衣装だけの展示だといかにもケバイ感じで、オードリーには不向きに見えるからでしょう。

 内容は、「緑の館」や「いつも2人で」に珍しい画像もあり、原さんの文章と共に、気に入っています。

オススメ度:★★★


  


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2007年07月22日

写真集「スクリーンデラックス オードリー・ヘプバーン」

 これは“SCREEN”の近代映画社が2001年12月(奥付は2002年1月)に発行した、「スクリーンデラックス プリンセス・オブ・ハリウッド オードリー・ヘプバーン」です。

 なぜだか“SCREEN”はこれ以降、毎年1冊の割でオードリーの写真集を出していくことになります。
 これはその最初の1冊。

 なんかそれまでの追悼写真集がモノクロの似たような画像ばっかりでちょっと食傷気味だったところに、まあまあカラーも多い写真集が出ました!という感じで、一服の清涼剤的写真集でした。

 とはいえ珍しい画像ばっかりかというと、全然そんなことはなくって、“スクリーンさん、またこれですか?”って言いたくなるのも多々あり。

 本来カラーの画像が白黒になってるのもあるし、裏焼きもちらほら(特に、1968年2月号のスクリーン表紙で使った画像をここで裏焼きにするのはいかがかと)。カラーの発色も決して良くはありません。「パリで一緒に」のうぐいす色のスーツがクリーム色になってたりとか。
 カラーバランスは全体に崩れ気味。

 でもまあ、「華麗なる相続人」のカラー写真が久々だったり、「パリで一緒に」のブルーのナイトガウンの画像の収録が1963年発行の「オードリー・ヘプバーン特別号」以来だったり、「おしゃれ泥棒」の緑のスーツも見れるし、印象は悪くないです。

 なかでも見ものは、「緑の館」の麻縄オードリー!

 「緑の館」は原作にもあるように、“くもの糸で編んだ衣装を身に着けて”というリーマなんですが、この写真集ではなんと麻縄で編んだような衣装を着けたリーマが見れます(映画では不採用)。

 これは痛そう!絶対チクチクしますって!
 衣装のドロシー・ジーキンズさん、決定までに紆余曲折があったのね~ってわかるのが嬉しい。

 とにかく、決して最高点ではないものの、印象はいい写真集。

オススメ度:★★★


  


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2007年07月20日

永遠のオードリー・ヘップバーン SPUR特別編集

 SPURと言えば、最近でもオードリーのカレンダーを付録でつけてくれたりして、今でもわりとオードリーとは縁が深い集英社のファッション雑誌(だから表記がヘップバーン)。

 そのSPURがオードリーの死後、1993年4月に出した写真集がこれ。

 SPURは実はこれ以前に本誌のほうで1992年の5月号~93年まで、“オードリーのおしゃれを盗む!”ということでオードリーの特集を何ヶ月もずっとやってたんですよね。
 
その最初の頃はカラーページをふんだんに使用して、珍しい画像も多く、記事も豊富でとても良い出来でした。

 僕も毎号恥ずかしかったけど買っていたんですが、やがて白黒ページに追いやられると共にありきたりの画像ばかりになり…となってしまってがっかり。最後はもう買ってなかったですね。

 それでもその最初の頃の出来の良さは覚えていて、そのSPURがオードリーの写真集を出す!ってんで、ワクワク!
 おそらくその今までの記事を大きく膨らませて、あの白黒ページに追いやられた部分も美しく再生して…と思ってたら、出たのが白黒ばっかりのこれだったので、かなりがっかりしました。

 それまで本誌の特集で見れた数々の珍しい(&美しい)画像も再録されることもなく、ほとんどがありきたりの画像で、文章も本誌と違うし、落胆の度合いが大きかったこと!

 SPURさんが頑張ったのはわかるけど、画像だけで言うと平凡なのも多くて“雨後のたけのこ”組。
 ただし、内容はファッション雑誌の名を冠してるだけのことはあって、写真にもそれぞれキャプションをつけて、飽きさせない。
 いろんなファッションの切り口でオードリーを捉えてて、読んでいてとても面白い内容。

 目指すところはいいのに、画像の選び方で失敗している、惜しい写真集。

オススメ度:★★★(ただし、初心者には非常にいいかも)

  


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2007年07月15日

FLIX COLLECTION Audrey Hepburn

 これは雑誌のFLIXが1992年1月(の奥付)にオードリー・ヘプバーン愛蔵版写真集ということで出した「FLIX COLLECTION4  Audrey Hepburn」です。

 オードリーのブームが盛り上がってる頃で、91年にやっと20世紀FOXの許可が下りて、「いつも2人で」と「おしゃれ泥棒」の権利を取った日本ヘラルドがリバイバルしたため、オードリーの死後便乗リバイバルされた「初恋」以外、オードリー全盛期の作品でリバイバルしたものはすべて済んでます。

 FLIXは91年5月末に発刊された月刊誌で、これまで本誌でのオードリーの特集を2回、特集号の発行が2回、そしてこの写真集の発行をおこなっています。

 さて、この写真集から1ページ1枚か見開き1枚の画像、キャプションなし、白黒画像、というのが当たり前化してきたように思います。

 ただ、印刷は網点の細かい高精細印刷にしたのか、細かい砂目のFMスクリーンにしたのかは手元にルーペがないのでわかりませんが、かなり印刷の精度が高いです。

 オードリーの顔のアップでは皮膚の質感もわかる感じ!…と言いたいのですが、これがこの印刷の特徴で、グラデーションがあんまり得意じゃない。

 だから、“オードリーの顔って小じわっぽいね。”って思わないで下さいね。(^^;
 誰でもこういう風になっちゃいますんで。

 とまあ、印刷は非常に優れてるんですが、画像は平凡で初心者向き。
 あっという間に見終わってしまうこういうタイプ、僕はあんまり好きじゃないんですよねー。

オススメ度:★(完全に初心者向き、と言うことで。★1つは印刷の良さに。)


  
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