2009年03月28日

映画100年記念 ヘップバーンの金貨!(のパンフレット)

 また、何かオードリー関連本が出るようです。「Charmed by Audrey: Life on the Set of Sabrina」という本。形からすると写真集のような…。「麗しのサブリナ」だけからの物なんですかね?
 「麗しのサブリナ」は撮影の合間に撮ったと思われるオードリーのプライベートショット風な画像が多々残されているので、それをまとめたものかもしれません。
 表紙からして珍しい画像なので、期待が持てます!

 これは、“フランスのリュミエール兄弟が映画の上映に成功してから100年”ってことで、そのフランス共和国から1994年に金貨が発行されることになり、それを住友商事が総輸入元になって発売したときのパンフレット。

 これは頂き物なのですが、もちろんパンフだけで、金貨はいただいてません。(当たり前!)
 A4を三つ折にしたもので、表紙はオードリー。

 なぜフランスでオードリー?とは思いますが、政府発行の金貨に選ばれるなんて、フランスでもオードリーは大人気なのがよーくわかります。

 2000年代に入っても、フランスではオードリーの作品が次々とリバイバルされているようで、2003年に「ローマの休日」しかリバイバルしていない日本からしたら、羨ましいかぎり!まるで80年代後半~90年代前半にかけての日本のようですね~。

 で、この表紙のオードリー、めっちゃ珍しい画像でいいですよねー!
 「マイ・フェア・レディ」の時期にセシル・ビートンが撮ったものだ、というのは見ればすぐにわかりますよね。ということは1963年撮影の34才のオードリー。相変わらず美しいな~。icon06

 中身を見れば、オードリーのほかにイブ・モンタンとチャールズ・チャップリンの金貨もあります。

 フランス発行なのがよくわかりますよね。チャップリンはともかく、イブ・モンタンは名優ですけど、日本でそんなに受けるとは思えないし。

 ほかの2人は100フラン金貨(品位0.920)だけなのですが、オードリーだけは500フラン純金貨(品位0.999)もあります。

 ちなみにお値段は100フランが82400円、500フランが164800円だそうです。100フラン3種のセット売り、オードリー500フラン、あとの2人は100フランの3種セット売りもあったみたい。

 で、肝心の絵柄はですね、←こんな感じ。

 似てねぇ~~~!!!

 いや、発売当時これを知ってたとしても、買いませんって!

 おそらく元になった画像は「噂の二人」の有名な画像。でもここまで似てないとは…。

 もともと僕は、オードリーの写真はともかく、イラストとかには海外のポスターを含めて全く興味ないし、これを持っててもどうせ使えない。このブログでネタにするくらいしか使用用途は…。
 僕はこのパンフの珍しくも素敵なオードリーの画像だけでいいや!
 っても、ビンボーな僕にはどうせ手が出ないんですがね。(^-^;

 なんか最近どこぞがまたまたオードリーで金貨を発行したようですが(そちらは「麗しのサブリナ」のオードリー)、どっちにしてもイラストじゃあ欲しくないなぁ~。

 こういうのを買う人って、お金持ちの中でも、オードリーがちょっと好きな人なんでしょうけど、オードリーの大ファンでも全く興味を示さない僕みたいのもいますしね。高価だし、なかなか売るのって難しそうです。


  

Posted by みつお at 16:00Comments(4)その他グッズ

2009年03月23日

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2

 さて、前回に引き続き、Christine Kidneyの写真集、「ICONS OF OUR TIME:Audrey Hepburn」のお話。

 今まで、オードリーの写真は山のように見てきてますし、写真集もいっぱい持ってます。
 でも、この写真集ほど、オードリー自身が気にしてた顔の造作が目に付くのは今までなかった!という、ある意味画期的な写真集(笑)。

 ←これは、見てすぐにわかるように、「ローマの休日」以前のオードリー。1951年にボンネットの宣伝でのオードリーだそうです。

 ファンデーションがうまく乗ってないのか、肌がえらく荒れているようなのも目に付くんですけど、この画像で一番目に付くのは歯並びの悪さ。しかもカメラマンが悪いのか、かなり黒く写ってます。

 めくった次のページは「ローマの休日」宣伝画像の、同じような大きさ・角度のもので、真っ白い歯で笑うオードリーなので、この画像の歯並びが目立ちます。こりゃオードリー気にするよね、って。

 あと、オードリーが亡くなってからだいぶ経ってしまったので、画像の管理が悪いのか、最近の雑誌や写真集でやたらと目立つようになってきた“裏焼き”(→ついこないだの「スクリーン」にカラーで載ってたこれも)。

 僕には裏焼きは違和感があるので、見たらだいたい判断できるんですけど、どこで違和感を感じていたのか…これもこの写真集で決定的な見分け方を教えていただきました(笑)。

 誰が言い出したのか、オードリーの顔は左右対称などというデマが巷にはびこってますけど、あのオードリーでもさすがにそんなことはないです。特に鼻が違います。

 オードリーって、自分でもそれを知っていたので、特に「パリの恋人」以降のポートレートでは、ほぼ正面か左側からかしか写真に撮らせてませんよね。

 ←これは正面から見たオードリーの鼻。見ていただくとわかるように、オードリーの鼻筋はいったん向かって右(オードリーからは左)に逆「く」の字のようにぐぐっと曲がってから小鼻にきてますよね。

 そして小鼻の先から鼻の下に向かって、なんと2つに割れかけてるんです!「シャレード」でケーリー・グラントの顎を見て、“ここはどうやって剃るの?”なんて言ってましたけど、オードリーの鼻も、ですよね。

 その2つに割れかけてる向かって右が、ちょいと左より下に下がってます。そして向かって右(オードリーには左)の鼻の穴に両方ともくるんって巻き込まれてオードリーの鼻は終了。

 なので、オードリーが右側から撮らせてる画像(←)では、オードリーは横を向いているのに、鼻はこっちを向こうとしてるように見えますよね。2つ割れの鼻の下も右が下がってるからバランス悪いし。

 逆の左側から撮った画像(→)は、きちんと鼻も横を向いてくれるので、キレイ!(いや、オードリーだから実はどっちでも綺麗なんですけど)
 2つ割れの鼻の下も気にならないように見えます。

 こういうことに、たくさんたくさん画像を撮られてきたオードリーは自分で気づいたんでしょうね。それで自分が主張を出来る「パリの恋人」くらいになると、左側からしか撮らせないようにした、と。

 でも別にこれってスターのわがままとかとは全く違いますよね。みなさんも自分が綺麗に写真に撮れてると嬉しくないですか?
 最近の若い人たちの間では、綺麗に撮れると“うまく盛れてる!”って言うんだそうです。

 ましてやオードリーはスター!ファンの手元にいくポートレートで、より綺麗な自分を見てもらうように努力するってのは当然の義務ですよね。
 オードリーは努力の人なのデス(僕の逆)。

 そんなこんなで、思わぬ裏焼きの完璧な見分け方まで伝授してもらった(?)写真集なのでした。
 みなさんもオードリーの写真を見て、“これって裏焼き!?”って思ったら鼻を見てください。

 ってわけで、鼻でオードリーの裏焼きを見分けるなんて、僕が世界で最初の提唱者だろうと自負しています。エッヘン!(笑)

オススメ度:★★★


  


Posted by みつお at 16:00Comments(8)海外の写真集

2009年03月20日

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」1

 今日紹介の写真集とは別に、なんか、ドイツから、また新しいオードリーの写真集が発売されるようです!
 今のところ、表紙のセンスがなさすぎ!ですが、アマゾンでは予約が始まっています!ドイツでは4月、イギリスやアメリカでは8月なので、日本が5月って早めですよね。
 編集はNick Yappって人。知りません。とにかく今度は「麗しのサブリナ」を「オンディーヌ」、「ティファニーで朝食を」の写真を1955年とかって書く人でなければいいなあ…。

 これは「ICONS OF OUR TIME:Audrey Hepburn」という写真集です。編集者はChristine Kidneyという人。

 これねー、2008年9月には出ていたみたいなんですけど、そのときは写真集だなんて思わなかったんですよねー。だってChristine Kidneyって著者名がはいってたし…絶対伝記だと思ったんです。それでスルー。

 でも、日本のアマゾンでは表紙の画像すらなかったんですけど、海外のサイトを調べると、版型が正方形だし、あんまり伝記っぽくない。あれ?と思ってたら、mengさんのメールで“写真集デスヨ。”と決定的情報が!
 しばらく各国アマゾンでは入手が難しかったんですが、その後また手に入れられるようになったので買いました!

 この表紙、バックはつや消しのブラックなんですが、オードリーの部分は光沢ある印刷になっており、ちょっとオードリーが浮いているような不思議な感じになってます。サイズは31cm×31cm。…保存困るな~。

 今回は、この写真集に関して、2回に分けて記事にします。ちょっとね、いろいろと気になったことがあるんですよね、これに関して。

 中身はですねー、カラーはあんまりありません。唐突に「尼僧物語」の画像でカラーになったり、晩年のはカラーだったりしますけど。“本当はこの画像、カラーやねんけどな~。”って残念に思うことも多々あり。

 そして肝心の画像の選び方ですが、これが今までの写真集では未収録のものが多いです!意外!
 今までポストカードやカレンダーで知ってるけど、写真集にはなかった!ってのもありますし、半分以上は新収録じゃないでしょうか。

 印刷は決して最上ではないものの、結構きれい。ただ、中身もバックを黒で作っているので、全体に重く暗いイメージに仕上がってます。写真を美しく見せ、高級感を出す常套手段ですけど、ちょっとオードリーのイメージとは違う感じ。

 さて、気になった写真を見ていきましょうか。オードリーって、晩年までずっとスリムだったんですけど、、もし中年太りしていたらどうなってたか…ってのが想像出来る画像がありました(笑)。それがこれ→
 「麗しのサブリナ」の、ウィリアム・ホールデンと談笑する若いオードリーなんですけどね。

 ←これは「シャレード」で英国アカデミー賞(BAFTA)の主演女優賞をもらった、1965年の授賞式のときのオードリー。

 「おしゃれ泥棒」のメイクになる寸前のオードリーなんでしょうけど、この時の衣装が、「ティファニーで朝食を」で着ていたショッキング・ピンクのジヴァンシーじゃないですかっ!

 これって「噂の二人」の試写会でも着てましたし、どうやらオードリーは撮影後買い取ってたみたいですねー。かなりのお気に入りだったのかと。

 この衣装、2007年にオークションで2300万円で落札されてましたよね。その前に「ティファニーで朝食を」のブラックドレスが9800万円で落札されてたけど、同じものが3着あるうちの1つで、オードリーが実際に着ていたものとは違う、ってことでした。
 それを考えると、こんなに愛用していたピンク衣装の2300万円の方が遥かに価値がありますよね!

 さて、この写真集にはもっと語りたいことがあるので、めっちゃ長くなりそう。なので、次回に回しますです。

  


Posted by みつお at 16:00Comments(9)海外の写真集

2009年03月15日

「許されざる者」60年初公開時 タイアップパンフレット(?)

 今日の紹介は、一般的には“「許されざる者」冊子型プレスシート”と呼ばれている、(おそらく)公開前のタイアップ上映時の日本ユナイテッド・アーチスツ映画会社制作によるパンフレットです。

 僕も手に入れるまでは巷の情報で冊子型プレスだと信じていましたが、手に入れると中身は個人向け広告が満載で、プレスシートではないことが判明!

 こういうのをプレス扱いする人がいるようですが、映画関係のグッズを売るお店に訊くと、“プレスシート”という本来の目的上、広告が入ったものは本当はプレスではないそうです。

 ま、そうですよね。僕はまだ持ってませんけど、「許されざる者」には畳むとB5サイズという本物のプレスシートがちゃんと別に存在していますしね。もちろんそちらには広告はいっさい無し!みたいです。そちらも欲しいな~。

 中身の文章は、各パンフレットで載っている内容と同じで、新鮮味はないのですが、ど真ん中には見開きでカラーページもあるし、まあいいんじゃないでしょうか。紙はしっかりしてるし。
 といっても、カラーでのオードリーは「映画の友 オードリイ・ヘップバーン全集」で見れたものだけで、僕にとっての新味はないんですけど。(^^;

 でも、「許されざる者」って、公開当時から画像って少ないですねー。ここで見れる珍しいものも、“重傷を負ったオードリー”という記事の中にある、小さなスナップ2枚だけ。う〜ん、残念!
 きっと「許されざる者」で珍しい画像を見たいと思ったら、製作当時の雑誌を当たるしかないんだろなーと思います。

 さて、このパンフの珍しいところは、くりぬきを使った作りになっていること!

 まずはこの表紙の赤地のオードリーとバート・ランカスターの顔の画像があるところは、実はくりぬかれて、下の赤い紙に印刷した部分が見えてるんですよ!
 表紙をめくると、そこにはこの二人の画像の下に解説が書いてあります。

 さらにその赤い紙は折りたたんであって、それをめくるとまたまたくりぬきにバート・ランカスターとオーディ・マーフィの画像が見える仕組み。その部分は裏から見ると、キャスト・スタッフが見えるようになってます。

 …でも、確かに手に取ると最初は“おおっ!”と思いますけど、実はあんまり効果的な使われ方でもないかも(笑)。普通にめくっても見えるものだけだしね。

 裏表紙には公開を控えているユナイト映画の宣伝があります。そこではまだ仮題の作品があって、「アパートの鍵貸します」が“混線独身アパート”、「荒野の七人」が“七人の野盗”、「荒馬と女」が“場違いの情事”となってます。
 どれも、その仮題のままじゃなくてよかったですね!って題名ですよね。特に「場違いの情事」って…。(^ ^;A

 折り込みページがあるので、全14ページですけど、広告が多いので、「許されざる者」に関しては実質10ページに満たないほど。
 手に入れるまでは物凄く欲しかったものでしたけど、期待してたほどでもなく、出来はイマイチ。
 でもこの変則的な作り方が好感を抱かせて、印象は薄いけど悪くないですよ。

レア度:★★★
  


Posted by みつお at 16:00Comments(6)許されざる者

2009年03月13日

探しています!「昼下りの情事」の吹替

 みなさん!みなさんか、みなさんの知り合いの方で、「昼下りの情事」のテレビ放映時の吹き替え版をお持ちの方はいらっしゃいませんか??
 オードリー=池田昌子さん、ゲーリー・クーパー=黒沢良さんらしいです。

 なんせ1975年くらいにテレビ放送されたのを最後に、その後は放送されてないので、なかなかその時代にビデオを持ってらっしゃった方は少ないと思われるのですが…。

 めっちゃ探しています!どうか“持ってるよ!”とか、“持ってる人を知ってます!”って方は、どうかメール欄で情報をお願いいたします。
 ちなみに、ビデオでなくてもかまいません。オープンリール、カセットテープなどでもOK!です。  

Posted by みつお at 22:29Comments(2)オードリー関連情報

2009年03月10日

帰ってきた「パリで一緒に」オードリーパネル!

 「戦争と平和」のナターシャの兄・ニコライ役と「マイ・フェア・レディ」のフレディ役でオードリーファンにもお馴染み、ジェレミー・ブレットに関するりえさんのブログ、「ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る」を新たにリンクしました!その後は歴代No.1のはまり役、シャーロック・ホームズ役でも有名ですよね。
 オードリーの共演者ではおそらく一番の美形俳優さんでしょう!ぜひみなさんも、一度訪れてみてください!りえさんのジェレミー・ブレットへの愛がいっぱい詰まってますよ!

 はい、めっちゃ個人的な喜びで申し訳ないのですが…。

 「パリで一緒に」のオードリーパネルが帰ってきました!!(嬉・嬉・嬉)icon14icon14icon14

 は?なんのこと?って方は、2007年9月15日の記事を読んでください。

 いやいやいや、高校のときに手放してしまったこのオードリーのパネルがとうとう帰ってきました!!うれし~よ~~~!!(T-T

 以前の記事でも書いていたように、やっとこのポスターを手に入れてですね、それを以前パネルを買った方にお願いしてこうしてパネル加工してもらったというわけ。

 しかも以前の記事の、僕が中学生の時のパネルの写真を見てください。パネルのサイズに合わせてだと思うんですが、このポスターの向かって右と下が大きくカットされてるのに比べて、今回のパネルはほぼ無駄なく全部がパネルになってます!

 すばらしい!!

 以前持っていた物よりも、上手に綺麗に加工していただいているわけですね。パワーアップして帰ってきた「パリで一緒に」!

 で、「パリで一緒に」の話なんですけど、オードリー作品の中では評価のいまいち高くないこの作品を楽しめるかどうかが、オードリーファン度と映画ファン度のどっちが強いかを判断する踏み絵みたいなもんじゃないかなーと勝手に思ってます。

 もしこの映画を見て、「THAT FACE」のシーンや、ブルーのナイトガウンのオードリーの超弩級のかわいさや活き活きしたところを“いいっ!”って思ってとっても楽しめたら、オードリーファン度が上回ってるってことかなーって。
 でも、このリチャード・クワインの監督と脚本の稚拙さが目に付いて、“なんじゃこりゃ!”って思ったら、映画ファン度の方が勝ってるってことで。

 何度も書いてますけど、この映画撮影中のオードリーは、各種伝記本で書いてあるのとはまるで違い、“とても楽しかった!”とショーンに告げていたらしいこと。
 オードリーだけを見ると、そういう気分が横溢してるのがわかるので、ファンは嬉しくなるんですよね。

 きっとこの映画撮影中の1962年のオードリーって、念願のショーンは生まれてかわいい盛りだし(このとき1~2才)、きっとそのことでメル・ファラーとの仲もうまくいってただろうし、オードリーは理想としてたものをすべて手に入れて、本当に幸福だったんじゃないでしょうか。そのときの心理状態が顔に出やすいオードリーですし。

 だからこの時期のオードリーって、最高に美しく輝いてるんですよね。ま、オードリーにずっと恋焦がれる共演のウィリアム・ホールデンが、自分が与えてあげられなかった幸せで内側からキラめくオードリーを見て、ますますアル中になるのは仕方ないっちゅうわけで。

 もちろん、優しいオードリーがそんなホールデンを見て、心を痛めないわけはなかったでしょうけど…。でももうその時のオードリーの“幸せオーラ”はいかんともし難く、心底ホールデンを気遣うオードリーのそばにいるだけで、余計にホールデンは苦しむしかない!と。
 この心理、片思いした人なら、きっとわかりますよね(笑)。

 とにかく、このパネルが帰ってきたことで、中学~高校時代に持っていたもので、未だ取り戻せてないのは、「尼僧物語」のポスターと「噂の二人」の立看だけになりました。でもそれって取り戻せるのかな~?はー…。
  


2009年03月05日

「尼僧物語」原作 キャスリン・ヒュウム:著 和田矩衛:訳

 今年の“スクリーン”の人気投票では、オードリーは第2位!でした。画像が今までの写真集で使っていたものだったんで、僕は買ってないんですが、欲しい方は本屋さんへGo!

 それと、「緑の館」のDVDが、イギリスではとうとう4月に発売されます!日本でももうすぐかな?
 アメリカではまだみたいですけど、ヨーロッパと日本先行では「華麗なる相続人」の例もありますし、期待して…いいのかな?(^^;

 ずいぶん長くご無沙汰してしまいまして、申し訳ありません。m(_ _;)m

 今日は「尼僧物語」の原作本の紹介です。出版は清和書院というところ。奥付を見ると、昭和34年1月10日第一刷発行になってます。明らかに映画の「尼僧物語」公開に合わせてますよね。定価は300円だそうです。表紙には油紙が巻いてあります。

 最近のオードリー関連本では「キャサリン・ヒューム」と表記されることが多い原作者ですけど、この本では「キャスリン・ヒュウム」になっています。翻訳者は和田矩衛という方。

 今回、このブログに載せるために始めから読み返してみましたが、以前感じたことと同じ、翻訳の点で、最初作品世界に入り込むことが難しかったです。

 というのも、普通はカトリックの尼僧に対しては、“シスター”と呼ぶのが普通だと思うのですが、この原作本では“姉”と訳されているので、なんかいちいちそこでひっかかるんですよね。
 たとえば“シスター・ルーク”は“ルーク姉”。これに馴染むのに、ちょっと時間がかかりました。(^^;
 訳者のあとがきで、“わが国の修道院では何々姉と言わずにシスタア何々と呼ぶが、読者の便宜のため一々訳語を付けてみました。”とあります。いや、あの、それ読者の便宜になってないから。(^^;

 内容的には、さすが原作ですね!映画では時間や予算の都合で描けなかったことが色々と出てきます。
 たとえば、精神病のサナトリウムでは、シスター・ルークが敬愛していた先輩シスターが殺害されるというエピソードがあります。

 また、映画でもリハーサルまで行われ、スチール撮影も済んでいた、コンゴでの増水で人が飲み込まれ、なすすべもないというエピソードも、ここでしっかりわかります。
 これって別に、ドラマティックだから、と言う理由だけで書かれているわけじゃないんですよね。実は、その増水の話を聞いた時に勝手に行ってしまい、シスター・オーレリーに譲らなかった、謙譲の心が欠けている、という指摘を受けて苦悩するシスター・ルークのお話というわけ。

 また、オードリーの戦争の記憶がよみがえるので、省いたといわれる戦争中のシーンですが、かなり本では詳しく描かれています。イギリスの飛行士をシスター・ルークがドイツ兵に嘘をついてかくまったり、スパイのためにゲシュタポの将校になっているイギリス人の話などが描かれます。

 原作では、修道院を出た直後のシスター・ルーク=ガブリエルの話が少しあるんですが、そこで気づかされるのは、尼僧のベールは、視野をかなり制限しているということ!広角レンズのように見える広がった世界に、ガブリエルが戸惑っているシーンがあります。

 それと、これはこの本でわかるオマケなんですけど、映画には出てこない人物で、ガブリエルの叔母がガブリエルのことを“ギャビィ”と呼ぶんですよね。あー、ガブリエルの愛称はやっぱりギャビーなんや、って思いましたね。
 「パリで一緒に」の脚本家ベンスンが劇中劇のヒロインを決めた時に、現実のガブリエルが“ギャビー!?”って驚きますけど、そんな驚くこととちゃうやん!とかってね。

 「尼僧物語」って、最近ではよく晩年のオードリーの活動と近いってことで取り上げられますけど、実は僕はそんな風にはあんまり思ってなくて、いちばん最初にそういう比較の文章を読んだ時、かなりビックリしたんですよね。
 「尼僧物語」は、やろうと思うのに、教えに行動の制限を受けることに苦悩する尼僧の話だし、オードリーは別に時間以外は制限なんて受けてないけど、現実の子供たちの状態を見て苦悩してるわけだし、いまいち一致する部分って少ないんじゃないのかな~?と。

 むしろオードリーとかぶるとすれば、修道院を出た、よって映画では描かれていない“その後のガブリエル”なんじゃないかなーと。
 ハイアムの伝記で、シスター・ルークのモデルになったマリー・ルイーズ・アベの話が出てきますけど、キャスリン・ヒュウムに“あなたは聖者だわ!”と言われた時にあとじさってるんですよね。
 だって、尼僧をやめないと出来なかったことをしてる自分に対して、“聖者”といわれたら、誰だってひきますよね。

 オードリーの行動も尼僧とは似て非なるもので、オードリーがやっていることは自分が有名で目立つのを利用して、その注目を世界の(生きることすら難しい)子供たちに向けさせること。そして自らその地へ赴いていって、じかに触れ、感じとり、世界に発信すること。
 これはこの原作を読むとよくわかるんですけど、個よりも全体を重んじる尼僧では決して出来ないことなんですよね。

 以前も「尼僧物語」の2枚組みサントラの時に書きましたけど、決して原作も映画も「尼僧“否定”物語」ではないので、そこのとこを履き違えないでくださいね。そこを間違えると「尼僧物語」はずいぶん小さなお話になる気がします。

オススメ度;★★★★


  
タグ :尼僧物語


Posted by みつお at 13:00Comments(4)尼僧物語原作本