2007年09月07日

清藤秀人さん最大の汚点!…オードリー・ヘプバーン 98の真実

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VFSH0747 さて、今日は「スクリーン」の近代映画社が出した、清藤秀人さんの「オードリー・ヘプバーン 98の真実」についてなんですが…。

 残念ながら、この本はオードリーの文章では第1人者である清藤秀人さんの最大の汚点になってしまったような気がします。紹介もどうしようかと思って遅れました。

 もしこれが1995~1997年に発売されたのなら問題はなかったのですが、2007年6月発売って時期ではこれはちょっと…。

 画像は「スクリーン」にしては頑張った方だと思って、好印象を抱きました。オードリーの画像は105点くらい掲載されてるんですが、その中で17点ほど珍しい画像が混じってます。
 大きさは原由美子さんの「オードリー・ファッション物語」とほぼ同じ大きさ。

 でも、でもでも文章を読んで愕然!なんと清藤さんがこの文章で多く使ったのは、なんと!あの悪名高いダイアナ・メイチックの伝記

 そう!オードリーとは一度も会ったこともないし、電話で話したこともないのに、“オードリーと会った”とか“電話でインタビューしました”と言って作り事を並べた上に、“公認の伝記”などと読者を騙してお金儲けを企んだ、あのダイアナ・メイチックの伝記!

 当然中身を読んだオードリーの家族やロバート・ウォルダーズは大激怒!息子ショーンが訴訟を起こしたことは1998年に日本でも発売されたバリー・パリスの伝記にも書いています。

 ところが、清藤さんはパリスの伝記を読んでらっしゃらなかったのか、メイチックの伝記を鵜呑みにして書いてしまってる!
 当然“98の真実”という題名にふさわしくない、真実じゃない事柄がボロボロ入っている本になってしまいました!

 特にショーンが激怒したという拒食症の問題ですが、パリスの伝記(98年翻訳)とショーンの伝記(04年翻訳)でそのことは否定されています。ところがここではまだ拒食症を真実だとしているのです!

 もしこの本をショーンが読んだらどうなるか…。近代映画社の姿勢まで疑われるんじゃないかなー。

 中身がマズイのは、まず4番。質問の答えはノーでも、そのあとのオードリーの告白はメイチックのもの。
 続いて7番。同じくオードリーが語っていると言う部分がこれまたメイチックの作り話。
 8番は問いも答えもメイチックのだけで語られていることなので真実かどうか不明。
 9番もこれまたデーヴィッド・ニーヴンが言ったというアドバイスが、メイチック以外の伝記では全く出てこないので、信憑性はかなり低くウソ臭~いです。
 15番、77番、80番、81番、87番も、オードリーが言ったという部分はすべてメイチックの伝記のものなので、おそらく全部ウソ。

 46番はオードリーはそんなこと言ってないので、ここでの答え自体が真実ではないことに…。オードリーは、決してどれも悪くは言わない人。「パリで一緒に」に関してショーンに述べたことは、“他のほどいい出来ではない。”ということと、“でも撮影中はとても楽しかった。”ということだけ。

 75番のストーカーの話も、これまたメイチックの作り話。泥棒が入ったのは本当でも、ストーカー云々は話を面白くしようとしたメイチックのガセ。

 82番のずっと46キロというのもおそらくメイチックのウソ。実際1951年頃は太いし、「尼僧物語」「緑の館」「許されざる者」の頃もオードリーにしては太ってます。逆にメル・ファラーとの結婚した頃のオードリー、「パリの恋人」「いつも2人で」の頃は細かったですし、現実にはオードリーなりに太ったり痩せたりしているようです。
 なによりショーンの伝記でオードリーが言った本当のことは“私は着やせするの。”だったし。

 94番の父と再会はしたが、その後疎遠になったというのもメイチックの創作(メイチックの本では連絡もとってないとまで!)。実際はずっと連絡しあって、何度か会っていたことが、アレグザンダー・ウォーカーの伝記ほかで判明しています。

 そして最大の問題が95番!86番でも述べていた拒食症の問題が、ここでは完全に断定されていて、これはオードリーを語る人間としては最大のミス!

 あと、メイチックから離れても、73番の「エクソシスト」出演に前向き…ってのはどうでしょう。過去に映画の中で人が死ぬシーンを観て気絶した、というオードリーがホラー映画に前向き、というのはちょっと考えられないのですけども…。
 “ローマで全編撮影なら出演します。”っていうのはローマで撮影は出来ないとわかってて言った、体のいい断り文句だったんじゃないかなーと思ってます。実際その手で出演拒否した作品、ってのもあったようだし。

 なにせメイチックの本に基づいてる部分があまりに多いので、“この内容はヤバイですよー!”ってメイチックとパリスの伝記本のこと、訴訟のこと、アメリカでの評価のことなどを近代映画社にTEL。
 そこで返ってきた答えが、“清藤さんの文章だから大丈夫!と内容をよく確認しませんでした。”というもの。清藤さん本人にも連絡したそうで、あまりのミスに今頃真っ青!かもしれません。

 本となって出版されてる以上、吉村英夫氏の著作なんかでもそうですけど、これが真実だと思ってしまうオードリーのファンが出来てしまうのかと思うと、がっかりです。

 悪意はなく、勝手な創作もないものの、オードリーのことを書く人間、及び出版する会社が“真実”という題名を冠してオードリーの本を出すのに、2007年にもなってメイチックの伝記のデタラメのことを知りませんでした、では済まない問題。

 清藤さんの文章はいつもながらの愛情溢れる文章で、吉村英夫氏なんかとは全然違う、読んでてとても心地よいもの。でも「真実」と銘打って堂々と出版してしまったのはあまりに大きな汚点!

 近代映画社さんによると刷った部数は少なかったそうで、なくなって再版するなら内容は変えるとのこと(本当かどうか知りませんが)。ネット販売では在庫は既に極端に少なくなっています。(本屋にはまだまだ在庫あります)

 でも最新号の「スクリーン」でもまだ平気でこの本を宣伝しているというのもどうでしょう。どうせほとんどのファンは真実ではないなんてわからないから、売り切ってしまえ!という会社の思惑が透けて見えます。
 
 今回はこの小さな写真集に対して、とても辛口な意見じゃないかと思います。
 ですが、信頼している清藤秀人さんとオードリーに前向きな近代映画社だからこそ、真実でない物を真実として出した失望も大きく、今後は頑張っていただきたいので今回はあえて採点を厳しくさせていただきます。

オススメ度:★(写真に対してのみ星を進呈。文章の内容と会社の姿勢には今回は星無しで。)




タグ :★写真集

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