2011年01月19日

「シャレード」1963年初公開時プレスシート

 2月から“午前十時の映画祭”でいよいよ全国リバイバルが始まる「シャレード」の1963年初公開時のプレスシートが今日の紹介。

 オードリーの代表作の1本でありながら、最近の50年代のオードリーばかり取り上げる風潮のせいで軽んじられていますけど、これは名作ぞろいのオードリーの主演作品の中でも、かなり上位に位置する作品。娯楽作品として超一級の出来に仕上がっています。

 さて、このプレスですけど、デザインはなんとなくいまいち。オードリー作品であることは見ればわかりますが、いったいどういう作品なのかはこのビジュアルでは全然わかりません。

 1950年代は、手書きの題名と大仰なコピーが躍ったポスターやプレスで、今見るととってもレトロ。おそらく今の人がイメージする昭和そのもの!
 でも1960年代後半には、今でも通用する素晴らしいシャープでオシャレな出来に既に進化してるんですよ。後に日本人のデザイン力の凄さを全世界に知らしめることになります。

 で、この1960年代前半というのは、その過渡期。レトロ…でもないし、デザインが優れてるわけでもない、という中途半端な感じ。それがこの「シャレード」にも如実に表れてますね。

 当時、「スクリーン」や「映画の友」という映画雑誌で何年連続第1位!という記録を更新し続けて人気絶頂だったオードリー。今の人が勘違いしているようなオードリーの人気は50年代がピークだったのではなく、この作品のまさに60年代前半にオードリーの人気のピークは来ます。
 
 なのでおそらく、敵なし男女総合で人気No.1のオードリー作品には映画会社の絶大なる期待と多大なる宣伝費がかけられたであろうことは容易に想像がつきますよね。また事実そうだったようです。

 それでこの程度のデザインなんですから、他の話題作もこの程度だという、当時全体の状況がわかります。

 「シャレード」の持つウリの部分…オードリー作品であり、オシャレで粋で、パリが舞台、サスペンスなんだけど、ロマンティックで明るいコメディ、という要素が全然移し取れていませんよね。

 これらの要素の全てが見事にデザインに昇華されるには、1968年1973年のリバイバルまで待たなければいけません。

 裏面に書いてあることは、オードリーを挟んで右が撮影余話と解説、左がストーリーとなってます。

 ところで、この「シャレード」には全く同じデザインのチラシがあり、このプレスがオークションに出ると、チラシだと思い込んで入札してくる人がいて、高騰することがあります。

 ゴマちゃんさんのサイトでチラシ版を見ることができますが、そちらはプレスでの撮影余話の部分が広告になってます。僕はチラシを持ってないので大きさの比較が出来ないのですが、プレスと一緒なのでしょうかね?

 ちなみに、僕のこのプレスには「シャレード」のロゴがいっぱい入った地方版の宣伝用清刷りが付いてました。

 この63年初公開時ロゴは2001年にCICビクターから最初の正規版DVDが出た時に使用されていましたよね。その後CICビクターが無くなって、2004年にユニバーサルからステレオ&池田昌子さん吹替入りの新版の正規版が発売された時は68年・73年リバイバルの物に変更されていました。

 ここに書いてある宣伝ポイントが、ちょっと面白いので紹介。
 “まずヘップバーンを大きく売ってください。ご承知のようにこの映画は東京で記録的な大当たりをしました。”
と始まって、途中にパリやケーリー・グラントや音楽のこともウリになります、とあるものの、最終的には
 “とにかく、ヘップバーンの人気はこの映画の場合は特に圧倒的です。彼女にポイントをおいて売ってください。”
と締めくくられてます(笑)。
 本当に当時オードリーの人気が想像を絶するほどだったのがよくわかりますよね。

 ユニバーサル映画初登場のオードリーでしたけど、作品の出来も完璧で、当時の宣伝部の人たちは“よっしゃー!これなら大ヒット間違いなし!!”だと思ったでしょうねー。日本では最も期待のかかる64年の正月映画に選ばれ、63年12月に初公開されました。

 オードリーにポイントをおいた宣伝のおかげか(?)、「シャレード」は大ヒット!日本での配給収入で63年度の7位、64年度の5位と2年にまたがる数字を叩き出しています。
 もちろん全世界でも大ヒット!アメリカでも1964年度の第4位!スタンリー・ドーネン監督の生涯最大のヒットになりました。
 (オードリーでも最大のヒットと書いてある文献がありますが、それはデマ。オードリー最大のヒットは「マイ・フェア・レディ」。)



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この記事へのコメント
ニュープリントの「シャレード」
どんな感じなのでしょうねぇ、わくわくします。
本当に最近軽視されがちなこの作品、紹介されるときのスチールもありきたりなものが多くて、
がっかりすることもよくあります。
カラーも含めてきっと豊富な画像があるはずなのに残念ですね。
見所多く、魅力も豊富なゴージャス映画なのにね。
で、改めて思ったのですが、
確かに「シャレード」の肝って断然、今更ですがオードリィなんですよね!
宣伝のポイントを彼女に絞るっていうのもフムフムと納得。
とりわけ全盛期のオードリィで、パリ・ジヴァンシィ・マンシーニの
3点セット揃った最もオードリィ度の高い作品ですから。
キャストのトップはグラントでも、華はオードリィですよ。
(というか殆どの作品がまぁそうなんですけどね)

ところでアメリカでのヒット番付ですが、
「シャレード」って64年度の4位ではありませんでしたか?
確かトップ3にもうちょっとだったように記憶しています。
9位は「マイ・フェア・レディ」だったような・・・
ただし「マイ・フェア・レディ」は翌年にもランクインしてましたね。
で不思議なのは、64年度は2作品もトップテンランクインしているのに、
オードリィはマネーメイキングスターにはランクインしなかったこと。
「暗くなるまで待って」の67年なんか、大ヒットしたのに
20位すれすれ(18位くらいでしたっけ?)ですもんね。
このへんが長らく1位を独走していた日本でのランキングと異なる所ですね。
Posted by まる at 2011年01月19日 22:53
まるさん、全米の興行収入直しておきましたよー。(^-^
そうですよねー。僕も調べた時、あれ?っとは思ったんですよ。
「シャレード」こんなに低かった?って。
僕の調べたのはリバイバル込みのものでした。

それと、スチール写真は確かにどうしたんだろうって感じですよね。
なんで最近は同じのばっかりなんでしょうかね。
最近「シャレード」の画像で“おおっ!”って思うのに出会いません。

それと、まるさんの書き込みで改めて気づかされましたけど、
確かに「シャレード」ってゴージャスですよね!(^-^
レジーナの天然っぷりで惑わされてましたけど、
うんうん、確かにこんなゴージャス作品ってそうそう無いです!
オードリー3点セット揃ったのはこの作品だけなんですよね~。

オードリーの華やかぶりは、ホンとにこの時期、
最高潮ですよね!(^0^

それと、マネーメイキングスターは僕も基準がわかりません。
ジュリー・アンドリュース作品がコケてるときでも
彼女は入ってたりとか。
Posted by みつお at 2011年01月21日 22:58
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