2014年10月28日

スクリーン復刻特別編集 オードリー・ヘプバーン

★「いつも2人で
 静岡の藤枝シネ・プレーゴにて10/25日より1週間のみ31日まで上映中。10:05〜12:05

★「シャレード」(新・午前十時の映画祭)
 全国Group Cの劇場にて 2014/12/27(土)~2015/01/09(金)
 まさに年末年始ですね!「シャレード」は日本初公開時と1回目のリバイバル共、期待のお正月映画でしたので、この時期に映画館にかかるというのは内容共々ピッタリですね。

★「いつも2人で」(イオンシネマ “シネパス”)
 グループ2 守谷(茨城)、大井・大宮・熊谷・浦和美園・羽生・越谷レイクタウン・春日部(以上埼玉)、板橋・むさし村山・日の出・多摩センター(以上東京) 2015/1/19(月)~23(金)
 こちらは関東圏での上映です。

 さて発売前予告記事を載せていましたが、中身も読み終わりましたので、今度は読んだ感想も合わせて記事にしたいと思います。

 これは “スクリーン復刻特別編集 オードリー・ヘプバーン「ローマの休日」〜「戦争と平和」” という本です。
 題名の通り、過去に雑誌「スクリーン」(現:SCREEN)に載ったオードリーに関する記事を復刻したもの。

 雑誌「スクリーン」は1947年の創刊から現在も続く、洋画のスター雑誌としては最も歴史の長い雑誌です。
 玄人狙いの「キネマ旬報」(こちらは戦前から)などとは違って、あくまでもスターなどのファン向け。

 同じ系統では1968年初頭まで「映画の友」が、1972〜2008年までは「ロードショー」というライバル誌がありましたが、どちらも今は廃刊。(「映画の友」は後に「スクリーン」の近代映画社が出すアダルト向け「EIGA NO TOMO」とは別物)
 出版不況&邦高洋低&少子化の今は「スクリーン」だけになってしまいました。

 なので、オードリーを全時代でカバー出来ているのは「スクリーン」だけ、ということになります。
 1971年の「エクスラン・ヴァリーエ」をリアルで載せているのは「スクリーン」だけになりますしね。

 ということで、「スクリーン」自体がオードリーに関する情報の宝庫であるのですが、全バックナンバーを手に入れるのは至難の業。
 過去の「スクリーン」を知らないオードリーのファン向けに、これらの過去の記事&グラビアをまとめた復刻写真集が欲しい!とずっと思っていましたし、何度か「スクリーン」編集部自体にも直接申し入れをしてたんですが、ずっと放置状態で、“なんだかな〜…”みたいなファンの求めるのとは違う、いまいち写真集を毎年連発してたんですが、内容が内容だけに売り上げも落ちてきてたんでしょうね、ここ数年は写真集の発売はありませんでした。

 昨年、以前出た“オードリー・ヘプバーン スタイル ”にちょっと追加しただけの“新版 オードリー・ヘプバーン スタイル ”という、またまたファンが“あっちゃ〜…。”と思ってしまう写真集を出してましたが(しかも売れてそうにない)、やっと今年念願の復刻本が出ました。

 ただし、本は本当の印刷ではないオンデマンド印刷(簡単に言えば、デッカいプリンターで出すような少部数向けのもの)だし、販売形態は近代映画社のHPのみ、ファンの望む全記事・全グラビアではなく、「ローマの休日」・「麗しのサブリナ」・「戦争と平和」だけの、その中でも思いっきり抜粋のわずか52ページ(表紙周りを入れて56ページ)。
 でも発売自体は画期的なことだし、これが売れて次に繋がればいいのにな〜と思ってます。

 ページ数が少ないのはわかってたし、届いたら表紙は綺麗に復刻してあるしで、なかなかいいんじゃない?と思いました。
 本文にカラーは無いし、紙も高級なコート紙ではなく、僕の嫌いな上質系なんですけど、グラビアページはともかく、本文ページは昔は今よりもずっと紙の質が悪いわら半紙スレスレのものだったし印刷も悪かったので、こういうのも仕方ないかなーと。
 逆にコート紙だと、本文ページの印刷の悪さが余計に際立ちそうだし。

 もとがわら半紙みたいなページだった物は、この本でみると印刷特有の網点で印刷されているページ。9〜13、22〜24、33〜35ページです。
 グラビアページだった物は、それ以外の網点の見えないページ。
 これをホントの印刷で行ってたら、わら半紙ページは網点がまた網点になって、モアレが起きて画像が劣化してしまうのですが、オンデマンド印刷にすることによってうまく回避出来ています。

 全部読み終わって思ったのは、ちょっと薄味ってこと。
 希望は全記事・全グラビアページの復刻写真集なので、正直こんな抜粋版ではあっという間に読み終わってしまいます。

 中身の流れは、

 オードリー・ヘプバーン現われる!海外で絶賛の嵐→「ローマの休日」→オスカー受賞!→人気投票でも1位!→「麗しのサブリナ」→結婚→「戦争と平和」

というもの。

 実際の当時の流れでは「ローマの休日」公開前の1953年年末あたりからオードリーの大ブームが起こって世間も雑誌もオードリー!オードリー!で埋め尽くされ、それが「麗しのサブリナ」公開後の1954年年末まで続き、1955年5月号(発売は3月末)の「スクリーン」人気投票でも最初でいきなり1位!

 その後1955年にはブームは急激に去ってオードリーの人気も急下降。翌年(1956年5月号)はベスト10にも入れないほどの落ち込みよう(17位)。

 「戦争と平和」で1955年年末発売の号で1年ぶりで出てきたときは、超大作だから取り上げてもらえたものの、わりと普通の女優扱いだったはずです。
 まあ超大作の効果はあって、1957年5月号では7位まで持ち直してますけど。

 そういう人気と時代の流れがこのページ数の抜粋では全然わからないんですよね。

 正直、ここまでだとオードリーは単なる1発屋で終わりそうな感じがプンプンしてたと思います。ファンも批評家も、もうオードリーはダメだろうと思っていたと思いますよ。
 それを救って再度ブームを起こした&人気を安定させたのは57年公開の「パリの恋人」と「昼下りの情事」の2大傑作なんですよね。ホント、この2作の意義は絶大だったと思います。これ以降1977年まで3位以内にずっと入ってますからね。

 これにはモノクロページしかない…という問題も、実はこの当時は本当にカラーページが少なかったんです!
 この頃の号を持っていますけど、カラーは表紙と中の本文では1〜2ページくらい。しかも当時の印刷品質が悪いので、本当のカラーなのか着色カラーなのかわからないくらいベタッとしたカラーでした。
 今じゃ日本の印刷は世界一だと言われるくらい凄いんですが、この当時はまだまだ印刷後進国だったんですよね。

 なので、もともとカラーは表紙と広告以外はなかったんじゃないかと思います。
 これが「パリの恋人」や「昼下りの情事」の1957年頃になってくると、印刷技術も目に見えて上がってくるし、本文でのカラーページも増えていくんですよね。

 これ、値段は1500円なんですが、税込みで1620円だし、送料500円を入れると2120円にもなる。
 オンデマンド印刷で少部数だから仕方ないんですけど、2000円も出せば、同じ「スクリーン」のなら、昔はスクリーン・ピクトリアル(これこれ)が買えた訳だし、他社のなら「カタログ オードリー・ヘプバーン」が1800円、「デラックスカラーシネアルバム」(改訂版はこちら)が2000円という今でも最高ランクの超優秀写真集が売られてた事を考えると、なんだか残念感はぬぐえないんですけどね。

 全体的にページ数が少ないので抜粋が過ぎて薄味だし、色々と不満は残るんですが、復刻版の第一歩ということで、これが売れて次の「パリの恋人」「昼下りの情事」へと繋がっていけばいいなあ〜と思ってます。その時はカラーページも欲しいですよね。

 本誌の「スクリーン」も最近はビックリするくらいページ数が少なくて(140ページくらい)、読む所もほとんどないんですけど、そして最新号を見ると過去にはずっと付録でついていたポスターすら無いんですよね。応援してるだけに、本当に不安。

 さっきも書いた少子化&出版不況で買う人自体が減ってて、近代映画社さんも苦しいんだろうなーってわかるんですけど、ここで復刻した1954年とかの頃って、毎年の人気投票の獲得票数を見ると、決して多くないんですよね。今と同じ位。

 70年代〜90年代にものすごく読者数も増えて、売り上げもきっと凄かったんでしょうけど、そういう時代は二度と来ないと思います。本という媒体からどんどん人はいなくなってるでしょうし。
 でも、そのバカスカ売れてた当時の体制のままでやってるんじゃないのかなー、とか思ったりして…。

 50年代〜70年代当時は今では考えられないくらいの凄い批評家の方たちがいっぱいいて、とても1日で読めないくらいのたくさんの文章を、しかも的確に書いてらっしゃるんですよね。ページ数も今の倍くらい。カラーやグラビアは全然少ないですけど、誌面の充実度は今の比じゃ全然ないですよね。もう読者は夢中になって読んでたと思うんですよね。

 でも今そういう風にはもう作れない。

 きっと今って、何かがズレちゃったんだろうなーって思うんですよね。
 たくさんのカラーページがあるのに、1ページに何人も何人も載ってて、スター1人で1ページすら取るのは難しい状況だし、ちょっと前にウケたゴシップ欄なんてもう今は読者を惹き付けられないでしょー!って思うけど、まだやってる。で、文章は読む価値のある所はほとんど無くって、立ち読みでも終われるくらい内容スカスカ。肝心の映画の紹介も昔は普通は1作品で見開き2ページ分あって解説もストーリーも充実してたのに、今じゃ1/4ページとか…映画雑誌なのに。

 今後どうしたいのかとか、これからどうするのかが全然見えないんですよね、今の「スクリーン」の誌面作りって。
 買ってあげたいのに、内容が希薄すぎて買えない…、これじゃ「ロードショー」の二の舞だよ!ってホント心配。

 今、部数が激減してて苦しいとは思うけど、人気投票を見ると、昔はきっとそれくらいでやってたはず!
 それに過去に比べると、今売れる部数が少ない!って思ってるかもだけど、来年よりも今年の方が売れる数は多いし、5年後10年後に見ると、2014年が羨ましい!と思われるほどに充分部数が多いと思いますよ。

 なので、今と同じくらいでも立派にやっていたこの1950年代に、紙面の構成も体制も併せて今一度立ち返ってみるのが必要なんじゃないのかなーと思います。

 辛口でごめんなさい。m(_ _;)m
 でもオードリーファンは「スクリーン」の味方です!「スクリーン」さん、応援してますよ!!(^-^

 (販売は近代映画社のこちらで)

オススメ度:★★★(次に続く事を期待して星ひとつおまけ。そしてできれば全記事&グラビア復刻の豪華版が欲しいです)


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この記事へのコメント
みつおさん、こんにちは!
先週、私はこの本を受け取ったが、私は少しがっかり感じる。
ほかに、新しい本が「To Audrey with Love」最近出版した。
ユベール·ド·ジバンシィが描いた多くのスケッチがあります。
私の意見では、この本は、ファッションとオードリー·ヘップバーンのファンのための絶対必要である。
http://imagineeditions.com/orders/
Posted by Meng at 2014年10月29日 11:48
Mengさん、こんばんは。

やはりこの本はがっかりしますよね。
(^^;
僕も覚悟してましたけど、それでも残念感は否定出来ません。

「To Audrey with Love」はとても値段が高い本ですね。
欲しいけど、ちょっとためらってしまいます。
アマゾンでも内容の一部を見る事ができましたが、この本はオードリーの画像はないのでしょうか?

Mengさんは「Audrey and Bill: A Romantic Biography of Audrey Hepburn and William Holden」は買いましたか?
もし買ってたら、内容はどうでしたか?
本文の内容は良いのか、珍しい画像もあるのかを教えていただけませんか?
Posted by みつおみつお at 2014年10月29日 18:57
「To Audrey with Love」本の中で, オードリー・ヘプバーンのいくつかの写真があります。
しかし、デザインスケッチは非常に美しいです!
私は本を注文した「Bill and Audrey」,
私は非常にそれを読むと期待しています!
しかし、もしも本の中に偽りのデマの内容があります、私は読みたくありません。
ほかに、(オードリーに関連する)多くの書籍は来年に公開される予定があります!
Posted by meng at 2014年10月31日 11:52
「To Audrey with Love」、良さそうな本ですね!
ただ、いまちょっと苦しいので、もうちょっと経ってからにします。(^^;

「Bill and Audrey」は、おそらく文章が主体なので、画像は少ないと思いますが、執筆者にオードリーとホールデンに愛情のあるものだったらいいですね。
逆にデマや中傷で構成された内容だったら、本当に読みたくありませんね。ケネディ大統領とオードリーのゴシップみたいな内容だったら、読む価値はないですよね。

それと、来年にも色々出版予定ですか?楽しみですね!
できれば写真は多く、珍しいものが欲しいです。

mengさん、ありがとうございます。
また新しい情報が出てきたら教えてください。(^-^
Posted by みつおみつお at 2014年11月01日 02:00
僕も薄味だな~って感じました。
それに昔古本屋で読んだり頑張って買った(高価でしたよね)記事がないので、
EIGANOTOMOの方だったのかもしれません。
何の何月号ってのを記録したり意識してなかったものですから。
唐突に57年のパリの恋人表紙が出てくるのもなんか興ざめ。

でも嬉しい企画であることには変わりありません。
後続の時期についてもぜひお願いしたいところですね。
スクリーンやEIGANOTOMOの表紙
昔のはシンプルでいいな~字がごちゃごちゃしてなくて。


あとキネ旬の表紙の歴史がムックで出版されていますので、
過去のオードリィ表紙を見ることができますよ。
Posted by まる at 2014年11月03日 02:06
ですよね。
発売予告でわかってた事といえ、もっとボリュームを付けて出して欲しかったです。
元がグラビアページのものは文字数が少ないので、これだけ抜粋にされるとあっという間に読み終わりますもんね。

その元グラビアが意外に多かったことによって、読むには少ない、見るには紙の質が悪い…とどっちつかずになってしまったような気がします。
グラビアを主にするならコート紙、文章を主にするならもっと内容を選ぶべきでしたよね。
始めの1歩だとは思うんですが、正直編集の姿勢としては不満があります。

それにまるさんの指摘で見直しましたが、確かに「パリの恋人」の画像である1957年2月号の表紙は編集の趣旨から逸脱していますよね。
1956年4月号に「戦争と平和」の表紙があるんだから、それを載せるべきですよね。
…でももしかすると、これスクリーンの編集者が「戦争と平和」と「パリの恋人」を見分けられなくて、この「パリの恋人」を「戦争と平和」だと思って載せたんじゃないかと思うんですよね。
復刻だから安心、と思っていたら、編集者のオードリーに対する知識のなさから間違いがまぎれ込んでしまったのではないか、という疑いが…。

スクリーン編集部や執筆者の人って、映画に携わってるプロだから、誰よりもそういうところは丁寧で詳しくあって欲しい!と思うんですが、写真集とかでもどうも下調べ不足な部分が目について仕方ないんですよね。とても残念です。

あと、後続が万が一出るとして、リバイバルの扱いはどうするんでしょうね。(^^;
63年の「ローマの休日」リバイバルを皮切りに、続々とリバイバルの記事も載るでしょうが、それは載せないのかな?
あ、そういう心配は次が出てからでいいか…。

キネマ旬報は、内容ではオードリーをあんまり優遇してなさそうなので、表紙がオードリーでも買う気がなかなか起きないんですが、表紙だけだったら興味深いですね。
「シャレード」「マイ・フェア・レディ」「暗くなるまで待って」の表紙は知ってるんですが、他にも色々あるんでしょうね。(^^
Posted by みつおみつお at 2014年11月03日 09:19
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