2016年08月09日

写真集「永遠のオードリー・ファッション」

写真集「永遠のオードリー・ファッション」 ロンドンで開かれたオードリー展の図録、“Audrey Hepburn: Portraits of an Icon” の日本語翻訳版が出ましたので、今回はその評価を。

 なんと偶然にも昨年のちょうど今日、原書の紹介をしていました。
 なので、時間も昨年と会わせて紹介することにしました。

 まず、皆さんに謝らなければ…と思うことがあります。
 というのは、原書で英語がわからないためにこの写真集の評価を高く付けすぎてしまったことです。

 この度翻訳版が出て内容が全て明らかになったので、評価を2つ下げさせていただきます。
 原書でも“なんか微妙だなー”とは思っていて、そう書いていましたが、全てが明らかになってその微妙さ加減がハッキリしました。

 ということで、この写真集の評価は

オススメ度:★★

 です。原書の紹介ページでも評価を2段階下げさせていただきました。
 この本の中の間違いで★1つ減点、さらにこれがロンドンのオードリー展で与えた影響でさらに★1つ減点です。
 また、昨年の“オードリー・ヘプバーン大賞”での第2位も取り消し、他を繰り上げとさせていただきます。

 本の装丁ですが、日本版はサイズが小さくなっています。
 原書が24cm×29.7cmであるのに対して、日本語版は22cm×25.5cm位です。
 きっとこれは日本の書棚事情に考慮した物かと思われます。
 さらに日本の書籍独特の帯が巻かれています。

 まずは日本語翻訳ですが、前半と後半で翻訳者が違うのか、2人の名前がクレジットされています。

 問題なのは前半の本文。
 「戦争と平和」の監督の名前ですが、日本では“キング・ヴィダー” と表記されるのが一般的ですが、ここでは“キング・ヴィドール”となってます。
 さらには「華麗なる相続人」の日本名が “ブラッドライン” のまま。

 これほどインターネットも普及している中で、このあまりにオリジナルな表記はなんでしょう?翻訳者がきちんと調べてないということですね。
 後半の“オードリーの生涯”のページではそれぞれ“キング・ヴィダー” “華麗なる相続人” になってるので、整合性がとれていません。
 これは最終でまとめる時の編集者にも問題があるかと。

 最近はパソコンで文章を打って、そのまま入稿ということが一般的だとは思うので、きちんと確認せずに本にしてしまったのかと。

 でもまあ、こういうのはご愛嬌で済ませることが出来ます。

 問題だと思ったのは、やはり原書に書いてある部分。

 まずこの本の協力者として4つの海外のオードリーサイトとその管理者が紹介されていましたが、そのうち2つのサイトは僕のサイトから無断で画像を掲載するようなサイトでした。主に日本独自のCM「エクスラン・ヴァリーエ」ですが。

 ほとんど文章も無しに画像や動画だけを載せるサイトというのは、だいたい他のサイトから無断でパクって来て許可も得ずに載せていることが多いのですが、それら2つもそういうサイト。

 1つは無断掲載を抗議してもどこ吹く風でいくつもの画像をその後も掲載し続けていました。後にはWOWOW放送の「エクスラン・ヴァリーエ」の映像を無断でアップロード。

 もうひとつは全然知らなかったのですが、やはり僕の「エクスラン・ヴァリーエ」のポスターの画像を無断転載していました。今では消されているようですが、それを元に他の人が拡散してしまってました。

 “オードリーが好き!” とは言っても、これではオードリーの精神とは程遠い所にいると思うので、僕の中ではそれらの人は “オードリーファン” であるとは思いません。
 オードリーが他人から許可無くパクるでしょうか?ちょっと考えればわかりますよね。
 まずここでそんな人達が関わっている本だと思うととてもイヤな気分になりました。
 
 それと原書でも“50年代は詳しいのに、60年代以降がおざなりだなー” と薄々は感じていましたが、翻訳されてそれがハッキリしました。
 60年代以降の内容の薄いこと薄いこと…。「噂の二人」「パリで一緒に」などはほぼ抹殺状態。

 日本では知ることが困難な、オードリーのオランダ時代やイギリス時代の詳しい逸話が載っているのはとてもありがたいことなのですが、これも他の部分で考えるとおそらく何かの丸写しなのだろうと…。

 というのも最後に参考文献が載っているのですが、ただ単にそれらの2次使用、3次使用に過ぎないと思われるものがそのまんま載っていました。しかも間違いのままで。

 わかりやすい完全なる間違いは、「麗しのサブリナ」への出演のくだり。
 これ、元々はオードリーの伝記の中でも信頼の置けるバリー・パリスのに書いていましたが、それでも誤りはあります。

 「麗しのサブリナ」は “オードリーがブロードウェイの舞台を見て、その原作を映画化してもらえるように自分でパラマウントに働きかけた。” と書いてますが、これが大きな間違い。

 「麗しのサブリナ」撮影開始は1953年9月からなのですが、この作品がブロードウェイの舞台にかけられたのは1953年の11月。
 明らかに映画が先行しています。オードリーはまだ上演されてもいない舞台をどこで見たと言うのでしょうか?
 だいたい9月に撮影だと、契約や準備はさらに半年〜1年くらい前になります。オードリーは「ジジ」の地方巡業真っ最中で、そんな余裕は無いと思います。

 このようなことはIBDb(インターネット・ブロードウェイ・データベース)などという英語で便利な物で簡単に確認出来るのに、それすらしないで間違いをそのまま丸写ししたんですね。

 「麗しのサブリナ」のことを書くなら、オードリーだけの伝記を調べればいいってものでもなく、ビリー・ワイルダー監督に関して書かれている物とかもやぱり調べるべきだよなーって思いました。

 こないだもワイルダー監督の作品に関する本を読みましたが、そこではきちんと「麗しのサブリナ」がブロードウェイ上演よりも先に上映権を獲得して、原作の内容を大きく変化させていったことが書かれていました。オードリーが働きかけたなどということも一切書かれていません。

 それと「マイヤーリング」が1957年当時にヨーロッパで上映されたなどというデマもそのまま掲載。
 これは今までいろんなオードリーの伝記に書かれていましたが、誰もどの国だったのかとか、上映されたなら当然あるはずのポスターの証拠の提示も無いただの都市伝説。

 実際日本で2014年に劇場で上映されてわかりましたが、1957年当時は “キネコ”と呼ばれるキネスコープ・レコーディング(当時の小さいブラウン管テレビで放送されている物を、そのままフィルムカメラで撮るもの。画質も落ちるし、モノクロでしか当時は撮れなかった)でしかテレビを保存する方法がなかったのに、その粗い画質での保存の物を、リマスター技術の無い当時で劇場の大スクリーンにかけることは不可能だとわかります。

 最初に伝記に書いた誰かの文章をそのまま他の著者が確認もせずに書き写していっただけで、ショーンが長らく伝記で1月生まれだと書かれていたことと同じ現象(本当は7月生まれ)。誰も何も調べていません。

写真集「永遠のオードリー・ファッション」 さらに、裏表紙にも載っている画像が本文87ページで “「戦争と平和」撮影の合間” で “1955年6月” というキャプション(原語:DURING THE FILMING WAR AND PEACE)が付いていますが、眉毛の描き方が「戦争と平和」の時期ではありません。

 調べれば簡単にわかるのですが、「戦争と平和」の撮影開始は1955年7月です。“合間(DURING)” ではありませんよね。

 これらで著者が独自で調べたりしていないのが露呈しています。
 全体的に、今までの伝記や雑誌で書いてあったことの中で、著者にとって都合のいいような部分のみを再掲しているような感じです。
 ロンドンでのオードリー展もこういう内容だったのかと、ガッカリしました。

 このような文章なので、おそらく他の部分も参考文献の丸写しが多いのでしょう。日本での「ローマの休日」人気も書いてありましたが、それも日本の雑誌に掲載されていたことそのままでした。

 というわけで、こんなオリジナリティーのない内容の写真集を★4つには出来ません。
 二見書房さんにはせっかく日本版も出していただきましたが、残念ながらあまり高く評価出来ませんでした。申し訳有りません。
 まあでもこの本の真価がわかっただけでも、この日本版の意義はあった、ということで。

 僕が「オードリー at Home」と共に勧めた出版社で出版されなくて、本当によかった!というところでしょうか。
 僕が勧めて確認して頂いた時には既に他の出版社が日本版の権利獲得に動いていたということでしたが、このような本を出してもらっていたら、もの凄い責任を感じてしまう所でした。

 何度も書きますが、最終オススメ度は ★★ です。写真はそこそこ良いのに、あ〜、ガッカリ。
 文章があまり良くないということを承知でお買い求めください。




タグ :★★写真集

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この記事へのコメント
「永遠のオードリー・ファッション」の文章が杜撰な内容だったようで少々残念ですね・・・
 私は、図書館に注文を出していますが、私の住んでいる市が書籍として買ってくれるのかどうかは不明(汗)
 90年代までのは比較的あったりするのですが、最近はどうにも購入しれくれないケースも多く・・・(汗)
 資金がないのもあるのかもしれませんが、置き場の問題もあると思います。図書館が作られて、書籍や新聞・雑誌がどんどん溜まっていく一方なのですから、近年の書籍の購入に慎重になるのは仕方のないことだと思います。

 しかし、書籍の内容が杜撰であるのも残念ですね・・・(汗)

 今は、図書館から「オードリーat Home」を借りています。(大体3章くらいまで読んだので約半分です)
 すごくしっかりした作りなのですが、個人的には「文庫本」になって欲しいと思っています。やはり、3600円+税は気軽に購入できる金額ではないですし・・・(汗)「写真集」として捉えるなら、多少高くても「しっかりした紙質」がいいのは勿論ですが、「伝記・レシピ」の観点で見れば「そこまでしっかりした紙質でなくても・・・」と思ってしまいます。
 「レシピ」を置いて書かれているのは新しい観点ですが、どうしても偏りがあるのが少々残念なように思います。

 個人的には「チャールズ ハイアム」の本を少しずつ読んでいますが(図書館の借りている本の都合が最優先なので)お値段として2800円(93年2刷)という、当時としては相当な高値で売られていたんだな・・・と思います。
(昔に作られていたので、読んでいる最中にしょっちゅうカバーがズレてしまうのが残念であったり、多少の誤字脱字があって少々読みにくい感じもします)

 約3分の1程読んだのですが、舞台「ジジ」のレッスンの前に「ダイエットを命じた」という記載があったのには驚きました。
 (「オードリーは太らない体質・太ったことはない」というのが定説という感じであったので・・・)

 何となく思ったのは、オードリーの場合「選ばれた」作品の場合(「ローマの休日」etc)は名作が多いのに、自らが「選ぶ」作品(60年代・70年代etc)はどうも、あまり名作に巡り逢えていない感じがします。
(「メリル・ストリープ」の場合は、出演作品の半分近くは何らかの形でアカデミー賞にノミネートされる程の映画に出演するほどの「鑑定眼」があるのに・・・)
 70年代はほとんど「主婦」を望んでいて、本人がそこまで「女優」を望んでいないとはいえ、せっかく出演するのに内容が微妙だとなんかね・・・と思います。「お金」とか「監督の知名度」とかで安易に選んでいたとするならば残念ですね・・・(「愛と哀しみの果て」はどう考えても名作・・・)
(「オールウェイズ」も「スピルバーグ」が監督でなければ出ていなかったと思いますし、同時期だと「ゴースト」の方が完全に有名ですし・・・)
Posted by FUMI at 2016年08月10日 23:39
そうですね。この本の場合、日本語に翻訳されてアラが目立ってしまった感じを受けました。

この著者も、過去の伝記本を読むことはいいのですが、自分で確認をせずに盲目的に100%信用してしまうとこういう出来になるのかなーと思いました。
やはり自分でも確認することが必要ですよね。それとオードリーだけではなく、もっと周辺の本も当たってみること、とか。

大きな都市なら別ですが、図書館もやはり規模の問題で全ての書籍を買い入れることは難しいでしょうから入るのを待つしかないですよね。
FUMIさんのお近くの図書館で入ることを願っています。

「オードリー at Home」は伝記・レシピ・写真集が一体化しているので、なかなかジャンル分けも難しいですよね。文庫本化…かつてオードリーの大判写真集でその後文庫になったのは1〜2冊しかないのではないでしょうか。
やはり大部数が捌ける見込みが無いと、判型を変えて再度出すのはまたお金がかかりますし…。売れると再刷になる可能性の方が大きいと思います。

チャールズ・ハイアムの伝記は、かつてここまで詳しいオードリーの伝記はなかったので、夢中になって何度も読み返しました。
今でも女優オードリーに関しては、一番真摯に調べてくれていると思います。また読了後の感想も聞かせてくださいねー。(^-^

「ジジ」前のダイエットは結構有名だと思っていましたが、FUMIさんは初耳でしたか?
といっても元がオードリーですから、そんなおデブになったわけではないですよ。なんか民放のオードリーのドキュメンタリーとかでオードリーを思い切りおデブに描いたりしてましたが、実際に上陸直後のオードリーをリチャード・アヴェドンが撮影していますが、どこが太ったの?レベルです。

オードリーの作品選びですが、オードリーが出演を望んだ物は立派に名作になっているように思います。
「パリの恋人」「尼僧物語」「マイ・フェア・レディ」「ロビンとマリアン」など。

オードリーの失敗作は、「選ばれた」でも「選んだ」でもなく、「押し切られて出た・義理で出た」ものに失敗が多い気がします。
「華麗なる相続人」「緑の館」「ニューヨークの恋人たち」などだと思いますが、どうですか?

晩年も出演を決めた動機が「おしゃれ泥棒2」はオードリーの友人のロバート・ワグナーが相手役だったので出た、とか「オールウェイズ」も監督がスピルバーグだったとかなので、オードリーが作品や脚本で本当に望んだ物とは違いますよね。

「愛と哀しみの果て」はオードリーのためにも本当に残念だったと思います。
「ゴースト」は、公開当時よく「オールウェイズ」と比較されていましたよね。そして「ゴースト」のほうが遥かに上出来だとも…。
なんか昔の雑誌で書かれてあったことを思い出しました。(^-^
Posted by みつおみつお at 2016年08月11日 01:55
 私の住んでいるところは政令指定都市なので「各区」に図書館はあるのですが、それでも、近年は新書は限られています。(同じ県内の図書館からも取り寄せはできますが、意外と他の市町村の方が充実していたり・・・)

 書籍は購入は勿論ですが、初心者に向けて「お試し」という感じで図書館に置いておくのは非常に重要な役割だと思います。年数が過ぎて絶版になっても図書館では置いてありますし・・・
(肝心の書籍の内容が誤植があったらそれを信じてしまう危険性がありますが・・・)


 オードリーのダイエットは初耳でした。

 作品選びですが、「パリの恋人」はかなり好きな作品の1つですし、「尼僧物語」「マイ・フェア・レディ」も素敵だと思います。
 しかし、「ロビンとマリアン」は個人的にはあまりピンときませんでした・・・

 「押し切り・義理」系は名作は少ないのかな?と思います。
「緑の館」「ニューヨークの恋人たち」「おしゃれ泥棒2」は観たことがありませんので何とも言えません(汗)
 「華麗なる相続人」や「オールウェイズ」はあまりピンと来ませんでした。
(個人的には「ゴースト」の方が好きです)
Posted by FUMI at 2016年08月11日 21:02
あー、FUMIさんも政令指定都市ですか。
僕も神戸なので、各区の図書館が有りますが、やはりうちの区の図書館は規模が小さいです。
やはり本気で見つけに行く時は、神戸市立中央図書館に行きます。
なかなか進みませんが、神戸でのオードリー作品の上映記録を調べに行くのも中央図書館です。

絶版や大昔の新聞などは図書館が重宝しますよね。
でも、あまりに昔の本はマイクロフィルムになっていて、とっても目が疲れます。
マイクロフィルム自体が過去の記録媒体ですよね。PDFとかにしてもらう方がいいのですが…。

「ロビンとマリアン」、いまいちでしたか?出番は少ないですが、オードリー最後の代表作だと思います。時代劇ですが、オードリー作品らしいコメディチックなところもありますし、オードリーの切ない気持ちも伝わってきます。最後の告白は圧巻です。
またチャンスが有れば見てみてください。(^-^

FUMIさんは未見の作品があるのですね!ある意味羨ましいです!これから新しいオードリー作品が見れるんですもんね。
「緑の館」はオードリーの美しさに集中すると(オードリーファンなら)大丈夫です。
「ニューヨークの恋人たち」は残念ながらオススメ部分が思いつかないですが…。
「おしゃれ泥棒2」はちょっと馬鹿馬鹿しいところが気になりますが、若い頃と違いすっかり強い女性として描かれているオードリーが新鮮です。
Posted by みつおみつお at 2016年08月12日 02:50
 「チャールズ ハイアム」の方はようやく半分位読みました。

 時代背景として、世界的なスターになると多少のワガママも美談となるんだな・・・と思いました。
 特に「戦争と平和」あたりは、関与の仕方が凄い・・・
 現代ならバッシングされても不思議ではないくらい細部にまで口を出している感じがしました。(まだ「ローマの休日」や「ジジ」辺りが世界的にヒットした辺り)
 もちろん、世界的なスターという地位を手に入れて、そのプレッシャーも相当なものだと思いますが・・・
 50年代の映画スターならこれくらいのことは当然なのかもしれませんが、逆に70年代80年代以降にはそんなスターの一方的な注文は次第に受け付けなくなりましたね・・・
(細かい注文をつけようものなら、それが「バッシング」の材料にもなってしまいますし・・・)

 「パリの恋人」では夫のスケジュールにも合わせてもらうというのも今なら考えられないだろうし、ほぼ、順番に撮影していくというのもお金が掛かって今ならできないだろうな・・・と思います。

 そして、主な荷物は全てホテルまで持ち込むという徹底ぶりも凄いですね・・・(そうしないとリラックスてできないのかもしれませんが・・・)

 飲み屋でオードリーが思わず汚い言葉を言って、夫が怒って連れて帰るエピソードも意外でした。
 確かに「オードリー」のイメージがずっと「綺麗」というイメージを保つには周囲の誰かが悪者になってでも止めないといけなかったのかな・・・とも思います。

 何となく、世界的なスターになったプレッシャーなどですごく不安定な感じになっているのが伝わりました。

 ようやく「永遠のオードリーファッション」と「婦人画報」の順番が図書館から回ってきそうです・・・(「婦人画報」は次第に古本でも安くなってきているので内容が良かったら購入しようかな・・・とも思います)
Posted by FUMI at 2016年08月18日 21:25
オードリーがわがままと捉えられましたか?
それはちょっと吉村英夫氏のような考え方かなーと思います。

オードリーは母から厳しく躾けられており、戦争で悲惨な状況を経験したことによって人に対する思いやりや謙虚さを持った人でした。
「尼僧物語」や「許されざる者」撮影中に倒れた時でも、周りに迷惑がかかると、自分より人のことを心配していたほどでした。
そのような人がいきなり傲慢なスターになるか、というとちょっと違うと考えるのが妥当かと思います。

それに、こういう文章は書き方や翻訳でも捉え方がかわりますよね。
さらには伝記作家というのは一切自分がその場所で見たわけじゃない、というのを念頭に置く必要が有ると思います。おそらく相当な又聞きでしょう。
そこに書かれているのは、100%の真実ではない、ということです。

オードリーは元々自分の演技も容姿にも自信がない人ですから、より良い作品を作るためには気心の知れたスタッフ、というのは必要だったと思うのです。
なので、メイクにはロッシチームを要請したのだと思っています。
ジバンシィも、自分でも時代劇の衣装は違うとわかっていたと別の伝記にも書かれていましたし、オードリーもそれくらいはわかると思うので、おそらく色がオードリーに似合うとか、オードリーに沿ったパターンやカッティングがなされているか、というごくわずかな関与だったと思うのです。
もしかしたらちょっとイタリアに来たジバンシィに、オードリーが衣装をみせただけ、というのが案外真実だったりするのかもしれません。

実際、真のオードリーが知れる文章も同時に載っていたと思います。
オードリーが衣装の仮縫いなどで文句も言わず何時間でも身動きせずに立っていた、という部分です。
もし傲慢でわがままなら、すぐにダレてしまって文句をいい、どこかで座ってタバコでも吹かしていたでしょう。
でもそれをしなかったというのは、オードリーがとても真剣にこの作品に取り組んでいる証拠であり、仮縫いをする衣装担当の人に仕事がしやすいようにという配慮なのだと思います。

順撮りはオードリー映画の基本だったようですが、これはまだオードリーがペーペーの「ローマの休日」「麗しのサブリナ」でもそうだったそうなので、バラバラで撮った「戦争と平和」と比較して、より良い演技が出来る順撮りをその後は選んだ、ということなのでしょう。
といっても、当然限界はあるわけで、「ティファニーで朝食を」などでもロケはまとめ撮りで、スタジオは全然違う日に撮っていると思いますよ。
さらに「いつも2人で」という、何が順撮りなのかわからない作品もありますし。

荷物の持ち込みの件は、過去に僕なりに検証して記事にしています。

http://audreykathleen.blog98.fc2.com/blog-entry-62.html

↑これを読んでいただければ、実際はどうだったのかが見えてくるかと思います。
ホテル・ラファエルは元々スイートでも部屋が大きくないので、そんな大袈裟なことは出来ないですしね。
Posted by みつおみつお at 2016年08月19日 17:37
 「わがまま」の定義は難しいですね・・・

 私も別にオードリーが他人に対して横柄だったり、態度が悪かったりとは思いません。

 「わがまま」というよりも「こだわりすぎ」という感じの印象がしました。
 もちろん、本人が書いたものではないので、どこまでが本当かはわかりませんが、例えば「役者」は「演じること」がメインの仕事であり、他の役割の人に必要以上に口出しすると、相手側からすれば「専門家でもないのに・・・」となってしまうと思います。
 もちろん、監督や演出家、衣装、照明etcとの打ち合わせをしたり、「役者」側からの意見を言うのは当然だと思いますが、それが、強すぎてしまうと、「こだわりすぎ」(そしてそれがさらに飛躍してしまうと「ワガママ」)となってしまうと思います。

 これは日本でも、人気の役者やアイドルが、度を超えてこだわりすぎるとよく言われてしまうことでもあると思います。(更に結果を出さなければなおさら)

 ホテルもたしか「スーツケース20個」と書かれていましたが、20個程度では荷物の量はたかが知れていると思います。(1つのスーツケースに入る量はたかが知れていますし・・・)長期滞在なら洋服だけでも大変だと思います。
Posted by FUMI at 2016年08月19日 21:03
そうですね、スーツケースで20個では大スターとしてはむしろ少ない方かもしれませんね。

映画1本を撮るのに、だいたい3ヶ月〜最大の「尼僧物語」で6ヶ月ですから、それに近い期間をホテルで過ごすとなると、衣装だけでも相当な数が必要でしょうし、家庭を大事にするオードリーならそれにキッチン用品などが必要になってきて(特に大好きなパスタとか)、それが“家財道具一式大移動”みたいに言われたのかもしれません。
「パリの恋人」の時はメル・ファーラーが一緒だったのかもしれませんし、「噂の二人」ではショーンを連れて来てたりしてたみたいですしね。

こだわりはオードリーには相当あったと思います。宣材写真の撮影でも左側からを厳命していたみたいですし、オードリーの性格上、きっちりきっちりしていたんでしょうね。
Posted by みつおみつお at 2016年08月22日 01:37
9月1日(木)BSプレミアム 午後1:00〜4:30 「戦争と平和」が放送されるようです。


 図書館で「婦人画報」を借りました。内容はすごくよかったです。
 「オードリーat home」の要点を纏めてあり、更に写真も、書籍からのよりすぐりのものという感じもしました。料理の写真もあったのはすごくわかりやすかったです。
(Amazonなどで中古は比較的安く売られているので、これでもかなり満足かも・・・)

 「永遠のオードリーファッション」も借りることができました。
 写真はすごくいいものばかりという印象でした。
 ただ、ここのサイトで詳しい情報を知らないと、思わず書いてあるものを全て信じてしまいそうですね・・・(汗)
(著者の肩書きなど読むとものすごく信ぴょう性がありそうだったので・・・)
 こういう写真集は、後世の方にも気軽に見てもらえるように、「図書館」というツールは非常に便利だと思いますが、気を付けないと、書いてある内容すべてを信じてしまいそうですね・・・(汗)
Posted by FUMI at 2016年08月27日 23:28
FUMIさん、こんばんは。

「婦人画報」はいいですよね!
「オードリー at Home」を読んで、“どんなんかなー”と思っていた料理を実際に作って見せてもらえると、やっぱりさらにオードリーに対して親近感が湧きますよね。
過去も「婦人画報」さんはオードリーに関して特集を組んでくれているので、オードリーファンとしては大感謝です。

「永遠のオードリーファッション」は、画像は確かによい物が多いですよね。ただし60年代のはダメですが…。
画像が良いだけに内容がダメなのが残念でした。むしろ内容を知らない方が良かったのかも(笑)。

こういうオードリー関連の伝記や評論は、過去にもオードリー本としては最低の部類の吉村英夫氏なんかの著作を信じて卒論を書いている人などもいて、本の威力というのは凄いなあ〜とある意味感心してました。
海外の伝記でもイアン・ウッドワードとチャールズ・ハイアムの伝記では、「尼僧物語」でモデルとなった女性に会った時の様子が180°違ってたり…。何を調べたか、どうやって調べたかで内容は変わるものみたいです。
なので、枝葉の部分は切り捨ててオードリーの本質を掴まなければ…と僕も常々思っています。
Posted by みつおみつお at 2016年08月28日 03:33
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