2016年09月05日

「AUDREY AND GIVENCHY : A FASHION LOVE AFFAIR」

 この本をひと言で表すなら、ハッキリ言ってってことです。

 今回紹介するのは、CINDY DE LA HOZ 著の「AUDREY AND GIVENCHY : A FASHION LOVE AFFAIR」という写真集。

 著者は「So Audrey(日本語版;「So Audrey オードリー・ヘプバーン 59のエレガンスルール」)を書いたシンディー・デ・ラ・ホズ。

 前回の「So Audrey」でも仕事がかなり雑で、「パリの恋人」の頃の1956年の画像が「モンテカルロ・ベイビー」と書いてたり、「シャレード」と「おしゃれ泥棒」の区別もついてないみたいでキャプションが間違ってたりと、相当数日本版では出版前に訂正を入れてもらいました。

 今回のこの本でも相当数の間違いがあります。今回は裏焼き。
 せっかく本の雰囲気は良かったのに、これで台無し。

 この著者にとって、オードリーってなんなの?と思います。オードリーを研究せずにオードリーのことを書いてるってこと?

 CINDY DE LA HOZ の本をアマゾンで調べると、他にもエリザベス・テイラーやマリリン・モンロー、グレース・ケリーなどの本がヒットしますので、まあおそらくクラシック女優が好きなのかなーとは思いますが、オードリーに関して到底本を出版出来るレベルでオードリーを知っているようには思えません。

 著者にとってオードリーは金儲けの道具でしかないのかなーと思ってしまいます。その程度のオードリー好き、という感じ。

 そしてこれはオードリーとジバンシィに関する本でしょ?そしたら服に関しては間違いがあるなんてもってのほか!
 でも著者は平気でタブーを犯します。よくもまあこれで服に関する本が書けるなーと呆れるばかり。

 だってですねえ、洋服の合わせが反対の裏焼きを堂々と載せてるんですよ!

 裏焼き、めっちゃいっぱいありますけど、見て行きましょうか。

 2枚目の写真は「パリの恋人」で風船を持つオードリーです。美しいですよね。
 でも右側の車のナンバープレートを見る(3枚めの画像)と文字が裏向き。ノーチェックでスルーですね。

 右の鉄兜型帽子の「おしゃれ泥棒」はネットでも写真集でも裏焼き(×)が溢れ返ってますけど、本当は○の方が正解。
 本来の向きだとオードリーの顔も自然になりますし、何より服の合わせを見れば一目瞭然。

 ←左の「パリで一緒に」もオードリーの顔が不自然だし、オードリーの衣装は右前なのに、ジャケットの合わせが左前になってしまってます。



 同じ衣装の別の画像を載せているのに(→)気付かないってのがこの著者のオードリーに対する姿勢を表していますよね。



 ←こちらは「シャレード」から。
 この作品はオードリーが唯一右分けのヘアスタイルを披露した映画。

 なのに逆の左分けで写っていても気付いてない。そして衣装はこれまた左前。おいおい。

 これも同じ衣装の正しい向きが載っています(→)。これを見ても変だと思わなかったのか…。



 ←こちらは数少ない「華麗なる相続人」の画像。これも裏焼き。
 胸の花の位置が左右逆です。

 ジバンシィのことを書いているのに、衣装の確認しないのか?映画を見れば一発でわかるのに。

 →右の「ティファニーで朝食を」は裏焼きの上に本来はカラー写真。ヒドい…。














 ↑全部裏焼き。(左から)
 「おしゃれ泥棒」のオードリーのヘアスタイルの分け方が逆、ジャケットの合わせが左前。
 「パリの恋人」髪型の分け目が逆。
 「ティファニーで朝食を」ジョージ・ペパード髪型の分け目が逆、ペパードのジャケットの合わせが逆で胸ポケットが右にあるぞ!

 どれもこれもオードリーのことを書いて金儲けするなら、せめて映画を見てくれ〜!












 
「ティファニーで朝食を」から3点、(左から)
 裏焼き&色が暗い、裏焼き&画質が汚い、正向きだけど画質が汚い。

 この辺はもうハウエル・コナンの遺族から本来のフィルムポジを借りたらいいのに…。
 特に最近は3枚めの画像が汚すぎます。
 こんなに画質の悪いのしかないなら、載せなきゃいいのに!と思います。

 さて、今までが裏焼きの画像がほとんどだったので、↓ここからの画像は気に入った物を入れています。買う場合の参考にしてください。

 どれもこれも、オードリーが左側からしかほとんど写真を撮らせない、という基本的なことを知っているだけで防げた物ばかり。

 他にもそれぞれの作品でのオードリーの髪型がわかっていれば、洋服を見ればわかったことだと思います。
 ちなみに、裏焼きはここに載せたのが全部ではありません。本にはまだあります。

 著者は画像のチェックすらしていないのでしょうし、オードリーのことなんてなーんにも知らないのでしょう。
 出来上がった物をみると、そう言われても仕方が無いと言わざるを得ません。

 内容はわかりませんが、まあこの著者のオードリーに関する知識からして、どうせたいしたことは書いてないだろうと思います。

 それに、中身は作品別になってるんですが、海外でのオードリー作品の人気に合わせてあるのか、「ティファニーで朝食を」とか「パリの恋人」とかはページ数が多く割かれてるんですけど、「昼下りの情事」とか「パリで一緒に」とか「おしゃれ泥棒」とか、薄い薄い!「華麗なる相続人」なんて、たった4ページですよ!

 映画での衣装の多さで差がつくのならともかく、こういう人気とか好き嫌いでページ数に差をつけるのは僕は大嫌い。
 せっかくオードリーとジバンシィに関する本なのに、映画でのオードリーとジバンシィの全衣装は見れません。

 だいたい、「パリの恋人」の暗室のシーンとか「ティファニーで朝食を」のギターを弾くシーンとかはジバンシィなのか?イディス・ヘッドじゃないの?
 他に載せるべき衣装があるんじゃないの?と思います。

 前回から引き続き海外の写真集の酷評になってしまいました…。本当はこんなことを書きたくないんですが、出来が悪いのに太鼓持ちみたいなことはしたくありません。オードリーのファン歴の浅い人や、あまりオードリーの本を持ってない人が買う時の指針となるように心がけています。

 オードリーの新しい写真集が発売されること自体は嬉しいのですが、付け焼き刃のような知識でオードリーのことを書いたり画像を載せられるとガッカリします。もっとファンをも唸らせる、ちゃんとした本の出版を望みたい所です。

オススメ度:★★(雰囲気はいいんだけど…)





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