2016年11月30日

写真集「audrey style」英語版

 今回は Pamela Clarke Keogh の写真集「audrey style」の英語版の紹介。

 と言っても、日本語版の紹介はだいぶ前(2007/05/02)に済んでいて、その時に英語版も一緒に紹介してるんですけど、今回は英語版として紹介したいと思います。

 講談社発行の日本語版が、なぜか原著からの大規模な画像のモノクロ化を行なっていて、なんでこんなことになってるの??という残念な出来なんですよね。

 今はだいたいにおいて、オードリーの写真集の邦訳版が発売されると日本語版の方が出来がいい!ってことになるんですけど(「AUDREY A ROMA」と「オードリーのローマ」など)、この本に限っては日本語版はダメダメ。

 まずはこの英語版「audrey style」、印刷されている紙がコート紙。表面がツルツルしている紙です。表面にツヤがあります。

(→ 左英語版、右日本語版)

 対する日本語版はマットコート紙。コート紙よりもマットな紙で、表面のテカリを無くしたもの。

 これ、モノクロなら関係ないんですけど、カラーに関してはコート紙の方が色の再現率がアップします。色域が広いんです。
 日本語版はカラー画像が少なくなっているので、2000年発売時に流行りだったマットコートを使ったんでしょうか?

 当時はまだPDFでの入稿は無かったでしょうから、写真を一旦日本に借りて、再レイアウト…みたいな運びになったのか、同じ画像なのにトリミングが違う、向きが違う、発色が違うなどいろんな違いがあります。

(→ 左英語版、右日本語版)

 たとえば向きが違うのなどは、日本で画像のポジの膜面を見て、裏表を決定したのかなーと思います。
 でも残念ながら、これは日本語版が間違ってると思いますよー、オードリーの髪型と鼻を見ると…。

 本を作る際にポジの膜面を見るのは鉄則ですから(膜面が裏)、日本人は律儀にそれで判断したんでしょうが、元々の預かったポジがデュープ(複製)である、というのを考えなかったんでしょうね。

 このブログでも何度も書いてますけど、デュープをすると、膜面が逆になるんです。
 なので、偶数回デュープされた物は元と同じ膜面ですけど、奇数回のものは膜面が逆。
 これもそういうポジだったのでしょうね。

(←苔寺にて 左英語語版、右日本語版)

 それと、日本語版は晩年の写真はほとんどモノクロ化されてますけど、この英語版は晩年はほとんどカラー。

 ってか日本語版やのに、せっかくオードリーが1990年に来日して京都の苔寺(西芳寺)に来てる画像をわざわざモノクロにするってなんでやねん!
 もったいないし、センス無いなーって思います。

 オードリー物だとよく売れたのか、1994年から2006年までは講談社はちょくちょくオードリーの本を出版していました。
 でも執筆者が吉村英夫氏の本とか、紙も画像のモノクロ化もダメなこの本とか、売り上げとは別に、内容がダメな本も混じってましたねー。

 講談社は2006年に「the audrey hepburn treasures 」という傑作を出版した後、オードリーの本は一切出版しなくなります。
 「the audrey hepburn treasures 」、よっぽど売れなかったんでしょうねー。内容はいいんですけど高かったし。

(← 左日本語版、右英語版)

 百貨店の本のコーナーで、「the audrey hepburn treasures 」が1/3ほどの値段で超安売りされていたのも見ましたし、アマゾンでもバーゲンブックになっていたこともありました。

 さらには予約者に発送する際に初回特典のクリアファイルを付け忘れて、再度別に発送することになってました。
 これも郵送料が無駄になったでしょうねー。

 宣伝は大々的にやってたので(本屋で大きなポスターを貼って予約を受け付けていた)、本当に大赤字だったんだろうなーと。

 なんか結局日本版の話になってしまいましたが、この本に関して言えば、英語版の方が圧倒的に上。
 ただし、掲載されている画像は英語版でも質が悪いです。どんだけデュープものやねん!みたいな。印刷も良くないし。

(→ 左英語版、右日本語版)

 そんな中、日本版は元が綺麗なポジの場合、印刷は綺麗です(花束を持つ晩年のオードリーとか。頭切れてるけど)。

 まあ英語版だと内容わからないし、日本語版は不出来。元のポジは汚いしで、どっちも★5つには到底出来ないのが残念です。

オススメ度:★★★★(日本版はとっくに絶版ですけど、英語版はまだ発売中です)





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この記事へのコメント
そうそう、これって随分がっかりしました。
ただ記事の内容が分かったのは助かるのですが、
頑張って翻訳してくれているので、画像のほうももちょっとこだわってほしかったですね。
致命的なのは、お気に入りで貴重だった苔寺画像がオリジナルを生かしてくれなかったことだなぁ~
で、花をいっぱいにかかえて満面の笑みを浮かべた、薄ピンクスーツ姿の90年代オードリィ
(説明下手ですみません、何のことか分かりますか?)
は、日本版のではどうなってましたっけ?
手元にもうないので確認できません。

これと似たような失望について
「シュプール」連載記事のの書籍版(ソフトカバー変形サイズ本)を思い出します。
Posted by まる at 2016年11月30日 14:28
まるさん、こんばんは!

この日本語版は、本当になぜ??ってかんじでしたよね。
わざわざ縦書きに直してあるのも不思議でした。

花を抱えている画像はわかりますよー。(^-^
日本版の方が綺麗なカラー印刷なんですけど、頭切れてました。
英語版は印刷がちょっと汚いんですけど、頭までちゃんと入ってました。
やっぱり一長一短でどちらももひとつですよねー。

雑誌「SPUR」→写真集の件は同感です。
あれもめちゃくちゃもったいない写真集でしたよね。
Posted by みつおみつお at 2016年11月30日 23:17
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