2007年05月05日

こどもの日!「噂の二人」原作「子供の時間」リリアン・ヘルマン

本日5月5日と明日6日に兵庫県のゆめタウン氷上店2Fのポップアップホールにて「ローマの休日」が上映されます。前売りはないそうなので、ご覧になる方は直接行ってください。
上映時間10:30/13:00/15:30/18:00(6日は4回目なし)

 今日はこどもの日なので、「噂の二人」の原作、リリアン・ヘルマンの「子供の時間」をご紹介!
(なんでやねん!これって子供が大人の人生を狂わせる作品やんけ!普通はユニセフ関連のこと紹介するやろ!って聞こえてきそう…(汗))

 さて、原作と映画で大きく違うのは、マーサはティルフォード夫人の「間違いでした…」っていうのを聞かずに自殺してしまうんですよね。しかもピストルで。

 マーサが、メアリーの嘘がバレました、っていうのがわかってから自殺する方がいいやんか!って思います?
 でもマーサからしたら、メアリーの言ったことは真実だったわけで、自分の内にあるものを見てしまった以上、何も変わらない。
 だから“せめてお詫びを聞いてから”って思うのは、この作品を読んだり観たりした人が“マーサがなんとなく浄化された気がして”、そして“気分よく終わりたい。”っていう、マーサではなく自分が救われたいがための言い分ですよね。

 もうひとつは、そんなマーサの自殺後にやってきたティルフォード夫人に対するカレンの態度。
 ラストでは微笑みさえ交わすんです!

 映画ではティルフォード夫人に一瞥もくれないカレンですけど、原作のカレンは一通りの憤怒がおさまった後に、はたと気づきます。なにもかも失った私にはもう済んでしまったこと…でも「あなたに終わりはないのですね」「あなたのほうが傷は深かったみたいですね」と。

 融通が利かなくて、メアリーと一緒の側に立っていたティルフォード夫人が、すべてが明るみに出た今、実はカレンと同じ側に立っている!

 マーサの叔母のような性格なら、臭い物にはフタをして普通に生きていけるでしょうが(実際、マーサが死んだ後も自分を正当化する言い訳ばかり言っている!)、ティルフォード夫人の場合は一生安息の日は来ない、ということがカレンにもわかるんですよね。

 最初読んだ時は、“なんや!この拍子抜けの結末!”って思いましたが、こういうのもあるんだな、ってわかるくらいに自分も年をとったということでしょうか(笑)。

 それと、これは新水社というところから1980年9月に第1刷が発行されているんですが、あとがきで同時進行で別の訳者さんによる訳で演劇の舞台が進んで、8月に上演された、とあります。
 神戸か大阪でも1983年か1984年に上演され、その演劇版「噂の二人」のポスターが街中に貼られていました。それを見て、“オードリーの「噂の二人」も上映してくれたらいいのになー…。でもあの作品は暗いしヒットしてないから、リバイバルなんて絶対せーへんやろなー。”って考えていました。

 ところがそれから間もなくヘラルドによるリバイバルがやってきてびっくりしました!まさか劇場のスクリーンで「噂の二人」が見れるなんて思ってなかった僕は大感激!(怒涛の80年代後半のオードリー映画リバイバルの、1番最初の公開が「噂の二人」!)
 もしかしたらあの上演のおかげで映画を見たいっていう人が増えたんかな~、なんて思っていたのでした。

オススメ度:★★★




タグ :噂の二人

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この記事へのコメント
書いてらっしゃること、うんうん頷きます。
当時同じ感想、同じ体験をされた方がいたとわかって、なんだか嬉しい!

原作読むと、何故“子供の時間”っていうのか理解できますしね~。
ティルフォード夫人を許す場面は、
そう描くことで原作のほうが、より深いと感じました。

あと、あとがきの解説で・・・・
映画化作品は、カレンとジョーはウィーンで結ばれるという混乱した結末に
なっているとかなんとか書かれていて、
当時映画のほうは未見だったけど、雄鶏社の作品解説を読んでいたから、
きっと違うだろうとは思ってました。
ちゃんと映画観て書いてよね~。
それは前作「この三人」のほうですよね。

チャールズ・ハイアム氏はオードリィ伝記のなかで、
この作品を完全な失敗作呼ばわりしてましたが、僕は大反対です。

それにしても、リバイバルブームの先陣をきったのが、
この「噂の二人」だとは、当時もそれに今更ながら驚きですね。
(このときモンローの「荒馬と女」リズの「熱いトタン屋根の猫」と
三本大女優特集として公開されました。
渋い~。結構重い心理ドラマの連打だったんだなぁ。)
Posted by まる at 2007年05月05日 02:21
まるさんと僕はほとんど精神構造が同じっぽいですね~(笑)。
でも僕は底が浅いので定評があるので、
これはホメ言葉にならないですね。(^^;A
僕個人はすんごい嬉しいんですけれども。

僕はまだ「子供の時間」の題名の意味がいまいちピンと来てないんです。
解説で書いてあるんですけれども、えっ!?そうなの?みたいな…。
まだまだ読み込みが足りませんね。(^^;

ハイアムの伝記に限らず、なんか海外では
「噂の二人」の評価が低いんでしょうか?
アカデミー賞ノミネートされてるのに、散々ですよね。
日本で低い評価をしているのは淀川長治さんくらいだと思うのですけど…。

当時の公開作品を教えていただいてありがとうございます!
ドロドロ家族の「熱いトタン屋根の猫」と一緒だったんですか!
なんで「噂の二人」が最初だったのかわかりませんでしたが、
公開順に納得~(笑)。
Posted by みつお at 2007年05月05日 08:58
おっ、みつおさん、こどもの日に相応しい本を取り上げましたね。
その通りで、1980年8月26日に、東京・日本橋・三越劇場で「噂の二人」を見ています。指定席3000円の、半券を日記に貼り付けてありました。当時は名画座なら300円で見られましたから、思い切った散財だったようです。
マーサ役の南風洋子の演技に感心しています。映画を見たのは、それよりずっと昔のことでした。その後1990年に銀座文化で映画を見た時は、マクレーンの演技に感動しています。オードリーより・・
Posted by Bianca at 2007年05月09日 13:03
Biancaさん、こんにちは!
Biancaさんの「噂の二人」へのトラックバックは、こっちのほうがふさわしいかな?と
こちらでさせていただきました。(^^

それと、80年に「噂の二人」の舞台をごらんでしたかーっ!
僕は舞台は見たことが無いので、なんとも言えないのですが、
舞台はどんな感じですか?やっぱり映画と同じ雰囲気なんでしょうか?

それと、マクレーンの演技は、よくオードリーよりも賞賛されますから
気にしてませんよ~。(^-^
静のカレンよりも動のマーサのほうが儲け役なんでしょうかね?
Posted by みつお at 2007年05月09日 15:18
みつおさん、こんばんわ。
舞台は、こういう緊迫した状況を表現するには、映画よりも
適していると感じます。リリアン・ヘルマンは元来、劇作家なので・・・
映画も、戸外(冒頭のサイクリングシーンや、葬式のシーン)では優れていますが。
Posted by Bianca at 2007年05月10日 19:11
あ~、そうなんですか!
舞台、見てみたいですね。
当時はまだまだ「噂の二人」がわかるほどの大人ではなかったので、
舞台で来ているのを、みすみす逃してしまいましたが…。
「暗くなるまで待って」と共に、舞台で見たい作品です!
(「マイ・フェア・レディ」と「ローマの休日」は微妙ですが…)
Posted by みつお at 2007年05月10日 23:23
「噂の二人」舞台版は、観るべきだったと後悔しています。
有馬稲子(カレン)と南風洋子(マーサ)でした。
クライマックスはどっちかというと舞台(原作)のほうがいいと思うんです。
でも映画版の墓地のシーンも捨てがたいですねどね。

「暗くなるまで待って」の舞台は、実は何度も(4回くらい)観ています。
南果歩が演じたとき、クライマックスをどうするのかなぁと思っていたら、
非常口ランプを黒子がモップのようなもので覆っていって、
本当に場内真っ暗にしていったので、結構迫力ありました。
映画の効果と違って、本当に冷蔵庫の明かりだけなんですから。
しかし、ロートが掴み掛かるシーンは、
僕が観た限りでは、どの舞台も映画には全然及びませんでした。
で、ラストもあっさりしてるんですよ。

スージーの手助けをしようとするサム。
それをグロリアが制止し、「大丈夫よ。スージーは自分一人でできるわ。」
冷蔵庫の陰から立ち上がり歩いてくるスージー。
グロリア「ね?一人でできるでしょ?」
暗幕。

幕切れとしては、TV版が気に入っています。(全体の出来ではなく)
サムと安堵の抱擁をするスージー。
スージー「ねぇ、キスして」
サム「皆(グロリアと警官たち)見てるよ、恥ずかしいな」
スージー「だって私には皆の顔なんて見えないんだもん。ねぇお願い」
二人の熱烈なキス。
ジ・エンド
このときのスージーは秋吉久美子でした。ちゃんちゃん♪。

「噂の二人」「暗くなるまで待って」
どちらの作品も舞台の枠から抜け出して映画映画してるんじゃないかと思います。とても好きですね、今でも。
「噂の二人」はワイラーにしてはちょっとTVっぽい大げさな演出もあるけど、
階段につまづくティルフォード夫人とか、
短い間に表情が激変していくカレンのアップのカットバックなんか興奮しました。

一方で、「マイ・フェア・レディ」は、もうちょっと映画ならではの飛躍も・・・
欲しかったかな?うーんどうだろう?
Posted by まる at 2007年05月12日 01:07
そうですね!
舞台だと「暗くなるまで待って」のあのシーンは
本当に冷蔵庫の明かりだけ…。うわ~、面白そうですね!
ただ、きっと誰がスージーを演じても、
オードリーに比べて…って見方をしてしまうだろうなーって思います。(^^;;;

それと舞台とテレビでそれぞれ結末が違うんですね!
たしかにテレビのは良さそうですね!
舞台のは、サムが優柔不断そうで、イケてませんね。

「マイ・フェア・レディ」公開当時は、批評家に
たしか舞台っぽく限定したのが高評価されていて、
むしろ「サウンド・オブ・ミュージック」がロケ中心だったため、
“散漫になった”と書かれていたのもありましたが、
その後は逆になってますね。

僕もアスコットの場面はロケだったら…とも思うのですが、
あの様式美のセシル・ビートンの衣装には
あれでよかったのかも…って思ってます。
もしロケだったら、ヴィヴィアン・リーの「アンナ・カレニナ」
みたいになるんでしょうね。
(同じく競馬場の場面があって、ビートンの衣装です。)
Posted by みつお at 2007年05月12日 12:25
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