2010年01月25日

「噂の二人」オリジナル・サウンド・トラック新盤

 これは「噂の二人」の新しいオリジナル・サウンドトラックのCDです。作曲はアレックス・ノース。他に「欲望という名の電車」や「クレオパトラ」なんかを作曲している人。

 年末発売されたばかりで、手元に届いたのも1月8日くらいです。
 で、早速聴きましたよ~、めっちゃ期待して!前回のでは入ってなかったメインタイトルも入っているようですしね!

 まずは旧盤に比べて、かなり音が良くなっています。旧盤は音がこもってたんですが、こちらはクリア。モノラル録音のようですけどね。

 最初にメインタイトルのオリジナル・バージョン(映画では使われなかった)が入っているのですが、全然映画と違うんです!

 映画はカレンとマーサの最初の心の状態を表しているように、穏やか~な音楽ですが、オリジナルは子供の状態を表しているようで、一見子供っぽい、明るい陽気な音楽が流れてきます。

 でもこれ、僕には、無邪気を装っていて、実はめっちゃ計算高い、子供特有のいやらしさというか狡猾さみたいなのが出てるように思います。

 自分が小学生の頃を考えると、大人にはどう見えていたか知りませんが、実はかなり色々考えてた、ってことを知っているので、特にわかるのかもしれませんね(笑)。

 で、こういう子供視点ってのがウィリアム・ワイラー監督のお気に召さなかったのか、大人目線のフィルム・バージョンのメインタイトルに変更されたんでしょうかね。
 確かにこの映画は(原作も)、子供がきっかけではあるものの、あくまでも主人公はカレンとマーサですしね。
 僕もオリジナルバージョンではなく、フィルムバージョンが採用されてよかったー!と思います。
 
 で、そのフィルムバージョンもこのCDに収録されているのですが、なぜかボーナス・トラックとして。しかもちょっと音がこもってます。

 それと!以前の「ロビンとマリアン」のサントラ新盤でもあったんですが、このサントラにも肝心の映画の曲が収録されてないという大きな欠陥があります!

 それは、子供の嘘がばれて、カレンが久々に外に歩いていった後、マーサの身を案じて駆け出すクライマックスのシーン!
 ここでの劇的な音楽(メインタイトルのアレンジ版)が入ってないじゃありませんかっっっ!!!

 これもきっとアレックス・ノースの最初に作曲したのがここに収録されているように重苦しいだけの音楽なので、ウィリアム・ワイラー監督がダメ出ししたんでしょうねー。

 うーん、しかしこれは痛い!誰がこのサントラを監修したのか知りませんが、映画を観ていたら、こんなヘマはしないと思うんですけど…。これ、旧盤でも入ってなかったし、期待してたんですけどね~。

 収録時間はわずか35分くらいだし、入れる余裕がなかった、ってことは全然ありませんよね。
 英語が出来るなら、ホンと「ロビンとマリアン」と「噂の二人」のサントラに関してはメーカーに抗議したいくらいです。

 というわけで、嬉しいながらも重大欠陥あり!ということで、未だ「噂の二人」は完全にはサントラ盤は出ていない!ということになりますかねー。

 ケースはCDを入れる部分にも画像があるという意匠をこらしたデザイン。ライナーノートは全8Pで、こちらにも画像があります。
 でも、ジャケット裏とライナーノートの裏表紙の、画像を飛ばし気味でマゼンタってのは、やりすぎかも…。(^^;
 そうそう、色使いが大阪映実版のパンフレットを思い出しました。

オススメ度:★★★



(CD)噂の二人/Alex North



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この記事へのコメント
映画におけるクライマックスシーンの音楽は
全く未収録というわけでもなくて似たような曲が入ってはいますね。
ただし基本的には同じとはいえ随分アレンジが違っていますよね。
驚きなのはこのアルバムでは、なんとエンドタイトルになっている!
これってどういうことなのでしょう。
しかもこのアルバムを聴くと、クライマックスは“マーサの決心”となっていて、随分差し迫った感じの曲になっています。
ということは…映画とは全く逆の視点、マーサが決断し実行する場面が想定されていたのでしょうか?
ならばラストシーンが映画版クライマックスになるの?
かなり興味深いです。でも映画の方でよかったな。
ただオリジナル版エンドタイトルを注意して聴いてると、なんだがエンドロールっぽい感じにも聞こえます。
カレンだけの(リリーは数に入れません)葬儀の後に、カメラがクレーンでパンして、そこへ出演者等のタイトルがささっとロールアップするようなラスト…かな?
あと未使用曲が多いですね。
映画では基本的に2つのテーマを様々なアレンジで流していましたね。

嬉しいサントラでもこの映画のファンとしては、ちょっと残念ではあります。
映画版クライマックスの音楽は、聴かせ所だし、
予告篇にも使われた、いわばこの映画の肝ともいうべき曲ですから。
映画版メインタイトルの見事な変容ですからね。
話それますが、「噂の二人」の予告篇って傑作だと思いません?

アレックス・ノースって地味だけど、重厚なドラマにうまく曲をつける方なので、ドラマの帝王ワイラーにも信頼されたのでしょう。
「スパルタカス」の愛のテーマというのがあって、めちゃ好きです。
ノースの絶対代表作、名曲だと思います。(一度聴いてみてください)

ところで久々にALL MOVIE GUIDEを見てみたら、
「噂の二人」は降格して★★★になっていました。(ToT)/~~~。
一方で「許されざる者」が★★★1/2と大幅UP。
「戦争と平和」もUPしたような気がしますが元のポイントを忘れました。
とはいえ大半が★★★以上、しかも★★★★以上でしかも高価値(HIGH-VALUE)のフラグが付いているのが多いっていうのは、
作品数があまり多くないのにスゴイですね。
グレースは少ないしヴィヴィアンもあまり多くないけど名作残しました。我らがオードリィも少数精鋭派ですな。
あと本名もちゃんと出生名に直っていました。
まぁ、事実上、本名=芸名なんですけどね。
Posted by まる at 2010年01月29日 23:18
あのクライマックスのシーンの音楽は、
やっと手に入れたと思っていた平和をあらわす音楽で始まり、
でもカレンがおばさんの言葉に異変を感じて、
徐々に不安な曲調が混じってきて、
最初の穏やかなテーマ曲が徐々に焦り出し、
その旋律とは無関係にかぶさって鳴り響く、ホルンの6連符!という構成。
(6連符のあとに7音目の伸ばしの音が続きますけど)
さらにその6連符は不安が大きくなってくるのを表すように
音階も上がっていきますよね。

このホルンの6連符が明らかにカレンの心に鳴り響く警告音を表しているので、
まさに映像と完璧にシンクロする音楽!!と思っているので、
この曲がないのは、やはり致命的ですよね。

このCDに入っている、ただ不安なだけの音楽じゃあダメですよね。
あの平和で穏やかだった日々の音楽が入っているからこそ
さらに際立つマーサの悲しい選択…。
これがいいのに、なんで入ってないんでしょうねー!
ホンとに僕も残念です。

それと、まるさんのおっしゃっているマーサの行動からの視点、
ってのは、おそらく始めから無いような気がします。(^^;;
ちょっと映画として、生々しすぎると思うんですよね。
映画制作のこの61年という時代では特に。

エンドタイトルは、作ったとしてもちょっとだけだったんでしょうね。
昔の映画って、今みたいに長々と黒バックでスタッフを写したりしませんもんね。
たぶん2画面くらいぱぱっとキャストが出て終わりか、
長くても「いつも2人で」くらいまででしょうねー。
予告編は、見直してみましたが…すみません、よくわかりません。(^^;;;
傑作なのかもしれないんですけど、字幕がないから?

アレックス・ノース、有名なアンチェインド・メロディーも作曲してるんですかね?
「スパルタカス」は知らないんですけど、機会があれば聞いてみます。

ALL MOVIE は頻繁に格付けが変わるんですかね?
それじゃあ絶対的な信用は無理ですよね。(^^;
それでも「いつも2人で」がほめられたのは嬉しい~!
でもやっぱり「噂の二人」と「おしゃれ泥棒」は
価値を低く見すぎですよね~。
Posted by みつおみつお at 2010年01月31日 03:11
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