2022年09月29日

「ロードショー」懐かしのビッグ・スター1 “ゲイリー・クーパー”

 来年のオードリー没後30年、初来日40周年、それと(だいぶ経ってますけど)アクセス100万突破として、読者登録をしていただいている方だけに1983年初来日時のジバンシィのショーと講演会でのオードリーの写真を公開しようと思っていたのですが、運営元に問い合わせたところ、読者登録している人だけに見せるような設定には出来ないそうで…。

 今、どうやってお世話になった方々に来日時のオードリーをお見せできるかを考え中です。これが自分の撮った画像ならここでおおっぴらにお見せできるのですが、これは頂き物なので勝手に載せることができません。

 完全未公開の、どこにも掲載されていない画像たちなので、レア度は超高いと思います。
 しかもオードリーに関して分かっている方が撮ったのか、来日時に雑誌に載っていた物よりはるかにオードリーが美しくて素敵に撮れています!
 ジバンシィとのショットもありますよー。

「ロードショー」懐かしのビッグ・スター1 “ゲイリー・クーパー”

 今日は雑誌「ロードショー」の切り抜きから。
 本体は分解して捨ててしまっているので、何年の何月号かはわかりません。

 まあ「カラー・フォト・ラブレター1 懐かしのビッグ・スター」となっているので、調べればわかるかとは思いますが。
 また今後わかればこの記事に追記しておきます。

 製作35周年の「おしゃれ泥棒2」をこないだやったので、製作65年の「昼下りの情事」もやらなくちゃね、というのが今回の趣旨。

 それに1965年にリバイバルされた「昼下りの情事」のフィルムの上映の権利が切れるのが1972年で、72年10月には名画座で最後の上映もされていますから、そこからだとちょうど50年にも当たるわけですよね。

 この「懐かしのビッグ・スター」では最初に選ばれているのがこのゲイリー・クーパーですね。
 後年は「今」のスターだけにフォーカスしすぎて、懐かしのスターなんかには(オードリーも含めて)鼻も引っ掛けなかった「ロードショー」ですけど、72年に創刊して初期の頃しばらくはこういう古いスターにもスポットを当てていて好感が持てます。

 ここで文章を書いているのはオードリー評論家の1人でもある南俊子さん!
 「カラー・フォト・ラブレター」と銘打っているように、ここではゲイリー・クーパーの人としての素晴らしさを書いていて、“理想の夫”としています。

 また文章中には南俊子さんの叔母も、そして愛読者支持率No.1の映画評論家、小森のおばちゃまもクーパーの虜だったことが書かれています。

 僕もゲイリー・クーパーって人の良さが顔に表れているよなーって思います。
 グレゴリー・ペックと並んで「アメリカの良心」と言われる2人ですよね。

 ここではクーパーのポートレートと、「昼下りの情事」のオードリーとの写真が載っていますね。
 ポートレートより、「昼下りの情事」の画像ではだいぶクーパーも老けていますけど、クーパーって1961年には亡くなっていますから、1956年秋撮影の「昼下りの情事」ではもう晩年。仕方ないですよね。

 でも「昼下りの情事」の撮影時、クーパーは55才ですけど、年齢よりも老けて見えますよね。
 今の人は若いので、今の55才だったらクーパーよりも若く見えると思います。未来の55才はもっと若いでしょうね。

 でもそういう時代を考慮しても、ちょっと老けてるかなーと思います。
 「昼下りの情事」の時のオードリーって、年齢よりも若く見えるし、役の上でも18才、19才の役なので、年の差が強調されますよね。
 バリー・パリスの伝記によると、「昼下りの情事」のクーパーって50才の設定だそうですよ。

 で、ここで世間で問題になるのはフラナガンとアリアーヌの年齢差。

 オードリーって20代の頃は特に年上のおじさまとの組み合わせが多かったですけど、僕は子供の頃からなんとも思ってなかったです。
 というのも小学生・中学生からしたらみんな「大人」ってくくりなんで、どうとも思わなかった、というのもありますし、本とかで読んでオードリーの映画ってそういうものなんだ、と思ってたので別になんとも感じない、というのが正直なところ。

 しかも今でも “本気で好きになったらしゃーないやん”という考えなので、別にフラナガンとアリアーヌの関係を “気持ち悪い”なんてちっとも思わないんですよね。特に「昼下りの情事」ではアリアーヌの方から迫ってる感じですしね。

 映画ではめっちゃ遊び人のフラナガンですけど、演じてるのが超善人なクーパーなもんで、全く危なげな感じがしなくって、僕なんかは安心して観ていられるんですけど、最近の一般の人のレビューだとこの年齢差を気持ち悪いと感じてる女性が多いですね。

 ところが年齢差だとクーパーよりもっと見た目老けてる「麗しのサブリナ」のハンフリー・ボガートのことはあまり言われてなくって、映画を「好き!」って言ってる女性が多いのが解せません。

 70年代〜80年代にはオードリーの絶対的代表作4本のうちの1本だった「昼下りの情事」なのに、海外での評価が入ってきた90年代以降になると、急激に日本での評価を落としているように思われる「昼下りの情事」。

 何事もそうですけど、ネットや本で見たり書いてあることを鵜呑みにする人が多くてビックリします。サム・レヴェンソンの詩をオードリーの名言とかいう人や、「ローマの休日」の街着のスカートを着色カラーを見て未だにブルーだと思ってる人など(本当はベージュ)。

 絶対的代表作の「昼下りの情事」が「麗しのサブリナ」よりも代表作として下に思われる日がくるとは思ってもみませんでした。

 ここでも南俊子さんが書いておられるように、ゲイリー・クーパーは1930年の映画「モロッコ」でアメリカよりも日本で先に人気スターになった人。
 1957年の公開当時でも、当時の女性は憧れの目線でクーパーを見ていたと思うのですよね。それでオードリーを自分に置き換えてうっとり、みたいな。

 他の作品での誠実なゲイリー・クーパーの役もあって、“クーパー様ってステキ!”というフィルターもかかってたのかもしれませんが、そういうのがない今の人たちは “気持ち悪い”。……。
 クーパーの顔を見ていただけると、実際のクーパーはものすごい善人さんですよーってのは滲み出てると思うんですけどね。

 僕がよく書いている、現在の日本の俳優さんに置き換えましょう!ってのだと、55才のクーパーは沢村一樹さんに、27才のオードリーは土屋太鳳さんや広瀬アリスさんに置き換えるとどうでしょう?年齢差も全然気にならないと思うんですけどね。

 とまあ、そういう年齢差を考えずに純粋に「昼下りの情事」の内容を見ていただくと、本当にステキな映画だと思うんですけどね。
 お父さんのモーリス・シュバリエもめっちゃイイ味出してますよね。

 クーパーは当時はアメリカでも珍しかったであろう191cmという長身で、170cmのオードリーと並んでも全然バランスが取れていますね。カッコイイと思います。

 ただ、そんなクーパーでもただ一度、オードリーの3才年上なだけのパトリシア・ニール(後に「ティファニーで朝食を」の2Eを演じた)との不倫があったみたいですけどね。

 こんなこと書くと、今の人たちからは “ほらやっぱり!”って思われそうですけど、別に浮気を肯定しているわけではないのです。
 でも当時スターの浮気など掃いて捨てるほどあった時代に、パトリシア・ニール1人きり、奥様も離婚は絶対にしないと言ったそうですし、妻子を思って戻ってきたクーパー、そして別れたパトリシア・ニールからも自伝で「自分の愛した男性はゲイリー・クーパーただ1人だった」と言われてるらしいので、やはりとても人間的に魅力のある人だったのでしょうね。

 オードリーも共演した中で特に印象に残っている人として、クーパーとケイリー・グラントを挙げているとシネアルバムに書いてましたね。

 まあ70年代初期でも既に懐かしのスターだったゲイリー・クーパー、そこからさらに50年経った今の人にとっては本当に大昔の人ですよね。
 僕がオードリーを好きになった時のサイレント映画のスターよりもさらに昔の感覚なんですもんね。

 ここでの「昼下りの情事」のオードリー、「ロードショー」にしちゃ印刷が良くないこともあって、えらく老けて見えます。眉毛が太すぎるのも原因かもしれません。

 きっとこのブログではそこまでわからないでしょうが、写りが良いとは言えない画像になってます。よく見る写真の別ショットなんですけど、これと同じものは写真集とかでは多分載ってないですね。
 「昼下りの情事」では貴重な本当のカラー写真の1枚です。



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この記事へのコメント
オードリーとの共演は実現していませんが、クーパーと同い年の大スターとしてはクラーク・ゲーブルがいましたね。(ゲーブルと1930年代生まれのソフィア・ローレンとの共演作としては1960年の『ナポリ湾』があります)
Posted by take at 2022年09月30日 16:52
あーっ、そうですよね!どうしてもクラーク・ゲーブルは「風と共に去りぬ」と「或る夜の出来事」のイメージが強くて、1世代前のスターだと思いがちですけど、「モガンボ」ではグレース・ケリーと共演してますし、遺作の「荒馬と女」ではマリリン・モンローと共演してるんですから、脚本だけ合えばオードリーと共演しててもおかしくなかったんですよね。

ゲーブル後期の作品では「先生のお気に入り」がコメディでしたっけ?見てないので内容は知らないのですが、オードリーと共演するならそれだったのかなーと思います。
Posted by みつおみつお at 2022年09月30日 18:51
戦前のクーパーは本国アメリカで今ひとつ人気がなく、ゲーブルに水を開けられていたのが日本での人気が後押しをしたというのが定説のようですね。戦後のフランスで似た関係だったのがドロンとベルモンドだとか。

ところで「先生のお気に入り」、秀作コメディですが、主題歌ともどもドリス・デイのヒロインは動かし難いかと。ゲーブルの叩き上げ社会部長とドリスのジャーナリズム教授、ギグ・ヤングの心理学者と皆うってつけでした。

ふと思ったのですが、ジェームズ・ステュアートとオードリーの共演が無かったのが残念です。身長差もクーパー同様ちょうどですし。ただヒッチコック作品のどれかだとウ〜ン…。「パリで一緒に」のリチャード・クワイン監督の「び薬」('58)でのキム・ノヴァクの代わりなら面白かったかも。脇にジャック・レモンもいましたし。ただしオードリーが魔女役を嫌がったかなぁ…。(「び薬」の「び」は入力不可とのことです)
Posted by Edipo Re at 2022年10月01日 04:09
アラン・ドロン、日本の人気が高かったのは有名ですけど、その後フランスでも高く評価されたのですか?
なんだか70年代終わりでの事情以降、僕の情報がアップデートされていません…。

「先生のお気に入り」、主題歌があって教授役ですか!
そしたら当時のオードリーにはムリですよね。58年作品ですし、撮影は57年でしょうから、オードリーは17歳の役の「マイヤーリング」の時期ですので、生徒役はできても、教授役には若すぎますよね。
逆にオードリー映画ならやっぱり「昼下りの情事」がゲーブルにも合ったかもしれませんよね。

ジェームズ・スチュワート!オードリーと親しかったようなのに、共演作は無かったですよね。失敗作しか作れなかったベン・ギャザラなどと2度も共演せずに、ジェームズ・スチュワートと1流の重厚な映画に出て欲しかったですね。
「び薬」は見たことないんですけど、オードリーにも合いそうですか?(こびって漢字ダメなんですね!初めて知りました!)
なんか昔の雑誌とか見てると、オードリーが出なかった作品にも想いを馳せてしまいますね。
Posted by みつおみつお at 2022年10月01日 10:19
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