2024年04月23日
「ティファニーで朝食を」86年リバイバル 梅田東映ホールチラシ
大変大変!
ちょっと更新をサボっていたら、4月21日の「ローマの休日」日本公開70周年の記念日に記事をアップ出来ませんでした。
まあそれは4月27日の東京公開日に回すとして、先に間もなく “午前十時の映画祭14”で4/26(金)〜5/09(木)にリバイバルされる「ティファニーで朝食を」の応援記事をやってしまいます。
今日は1986年の「ティファニーで朝食を」リバイバルでの梅田東映ホールのチラシの紹介。
「ティファニーで朝食を」というと、初公開時に日本では話題になったわりには中ヒットで終わってしまった作品。
映画評論家の批評も良かったのに何ででしょうね?
東京のメインのスカラ座では1961年11月4日から12月22日まで7週の上映。
もっとヒットしてたらそのままお正月映画、ということもあり得たのでしょうが、年越しは出来ないまま終わりました。
大阪の北野劇場や松竹座での興行成績はもっと悪くて、11月23日から12月6日というわずか2週間で上映を終えています。
ほとんど同じ時期である11月12日に上映が始まった1966年の「おしゃれ泥棒」は大ヒットだったため年越しをして、1967年2月3日まで上映が続いたのとはえらい違い。
当時はオードリー演じるホリーが高級売春婦、ということでなにかいかがわしさを感じてしまった良家の若い女性客が警戒してあまり出かけなかったのでしょうかね。
「ティファニーで朝食を」は今でこそオードリームード満点というイメージですけど、演じるオードリー的にはかなりの挑戦的な役柄だったし、“オードリーらしくない”と思われてしまったんじゃないかと思います。
結果的に50〜60年代のオードリー作品ではワースト4位の興行成績で終わり、61年の初公開の後のリバイバルは69年になりました。その69年リバイバルも成績はそこそこだったようなのですよね。
その間には63年公開の大ヒット「シャレード」が68年と73年にもリバイバル、と成績もリバイバル回数も抜かされてますし、「ティファニーで朝食を」は “代表作なんだけど…”ってイメージだったんですよね。
そんな中84年から始まった日本ヘラルドによる往年の名画の怒涛のリバイバルは、MGM/UAとの契約から始まって、85年にはパラマウントとも契約。
85年年末に「麗しのサブリナ」「ローマの休日」のリバイバルがあった後、86年6月にはこの「ティファニーで朝食を」リバイバルとなります。
大阪では1986年の6月21日〜7月4日の上映だったようですね。
この時はまだオードリー作品で揃えられるほどリバイバル作品の権利を獲得したわけではなく、当時契約されたパラマウント作品でまとめられています。
「泥棒成金」「ペーパー・ムーン」共々、2週間ずつの上映。
80年代の日本ヘラルドのリバイバルは、プレスシートが作られるわけでもなく、映画会社ごとにまとめて順番に公開されて、映画パンフレットも過去のパンフレットを原稿に復刻版をササっと作って発売、みたいな感じでしたから、映画雑誌の「スクリーン」でも紹介されないんですよね。紹介されてもまとめて、とかね。
なので80年代後半の「スクリーン」を買っても “リバイバル作品紹介”って出てこないんです。買ってガッカリですよね。今の“午前十時の映画祭”みたいな扱い。
このチラシはオモテ面赤黒2色、裏面茶色1色刷り。
メインの「ティファニーで朝食を」の画像も鮮明ではないし、あまり “嬉しい!”ってものでもないんですが、大阪地区でのチラシですからね。
裏面で「ウインドーをのぞきながらパンをかじるなんて、ちょっとクリスタルな気分じゃない?」って文章が書いてあって、あー、バブル前夜の80年代のニオイがプンプンするなーって思います。
この当時は何でもかんでもおシャレ “風”なんですよね。そういえば僕もバイトしてDCブランド着てた着てた!みたいな。
梅田東映ホールは、梅田コマシルバーとともに、80年代によくオードリーの作品を掛けてくれてましたよね。
87年に大阪に来た「パリの恋人」や「暗くなるまで待って」もここだったと思います。
さて、86年に、69年以来久々にリバイバルした「ティファニーで朝食を」ですけど、その後は80年代後半〜90年代前半のオードリーの大ブームに乗って、オードリー作品だけをまとめた上映でもよく取り上げられてましたし、95年にももう一度大々的にリバイバル。
徐々に作品の評価と興行成績が揃うようになってきて、その後は2013年「スクリーン ・ビューティーズ」でのリバイバルもありましたし、2016年の“午前十時の映画祭7”でのリバイバルでは大ヒット!当時の“午前十時の映画祭”では最もヒットした作品になりましたし(同年上映の「七人の侍」に抜かれましたが)、その後は2021年、そして今年と“午前十時の映画祭”で上映。
気づけば1961年、1969年、1986年、1995年、2013年、2016年、2021年、2024年と合計8回も日本で上映。「シャレード」の6回を抜かして、今や「ローマの休日」(14回)、「マイ・フェア・レディ」(10回)に次ぐオードリーの劇場公開数第3位を誇ります。
今年は初の4Kでのリバイバルになりますね。
「ティファニーで朝食を」のパラマウント公式の4Kリマスターブルーレイと同じ素材でしょうから、まあ「ティファニーで朝食を」に関しては綺麗にできている方だと思います。
昔の映画のリマスターだと、鮮明にするために粒子が荒れたり、最近の流行で地味な色目に合わせるために昔より却って色が褪せてたり、顔の色が紫になってたり、ってこともあるので…(「シャレード」とか「パリで一緒に」)。
それでは、26日からの“午前十時の映画祭14”をお楽しみください。
ちょっと更新をサボっていたら、4月21日の「ローマの休日」日本公開70周年の記念日に記事をアップ出来ませんでした。
まあそれは4月27日の東京公開日に回すとして、先に間もなく “午前十時の映画祭14”で4/26(金)〜5/09(木)にリバイバルされる「ティファニーで朝食を」の応援記事をやってしまいます。
今日は1986年の「ティファニーで朝食を」リバイバルでの梅田東映ホールのチラシの紹介。
「ティファニーで朝食を」というと、初公開時に日本では話題になったわりには中ヒットで終わってしまった作品。
映画評論家の批評も良かったのに何ででしょうね?
東京のメインのスカラ座では1961年11月4日から12月22日まで7週の上映。
もっとヒットしてたらそのままお正月映画、ということもあり得たのでしょうが、年越しは出来ないまま終わりました。
大阪の北野劇場や松竹座での興行成績はもっと悪くて、11月23日から12月6日というわずか2週間で上映を終えています。
ほとんど同じ時期である11月12日に上映が始まった1966年の「おしゃれ泥棒」は大ヒットだったため年越しをして、1967年2月3日まで上映が続いたのとはえらい違い。
当時はオードリー演じるホリーが高級売春婦、ということでなにかいかがわしさを感じてしまった良家の若い女性客が警戒してあまり出かけなかったのでしょうかね。
「ティファニーで朝食を」は今でこそオードリームード満点というイメージですけど、演じるオードリー的にはかなりの挑戦的な役柄だったし、“オードリーらしくない”と思われてしまったんじゃないかと思います。
結果的に50〜60年代のオードリー作品ではワースト4位の興行成績で終わり、61年の初公開の後のリバイバルは69年になりました。その69年リバイバルも成績はそこそこだったようなのですよね。
その間には63年公開の大ヒット「シャレード」が68年と73年にもリバイバル、と成績もリバイバル回数も抜かされてますし、「ティファニーで朝食を」は “代表作なんだけど…”ってイメージだったんですよね。
そんな中84年から始まった日本ヘラルドによる往年の名画の怒涛のリバイバルは、MGM/UAとの契約から始まって、85年にはパラマウントとも契約。
85年年末に「麗しのサブリナ」「ローマの休日」のリバイバルがあった後、86年6月にはこの「ティファニーで朝食を」リバイバルとなります。
大阪では1986年の6月21日〜7月4日の上映だったようですね。
この時はまだオードリー作品で揃えられるほどリバイバル作品の権利を獲得したわけではなく、当時契約されたパラマウント作品でまとめられています。
「泥棒成金」「ペーパー・ムーン」共々、2週間ずつの上映。
80年代の日本ヘラルドのリバイバルは、プレスシートが作られるわけでもなく、映画会社ごとにまとめて順番に公開されて、映画パンフレットも過去のパンフレットを原稿に復刻版をササっと作って発売、みたいな感じでしたから、映画雑誌の「スクリーン」でも紹介されないんですよね。紹介されてもまとめて、とかね。
なので80年代後半の「スクリーン」を買っても “リバイバル作品紹介”って出てこないんです。買ってガッカリですよね。今の“午前十時の映画祭”みたいな扱い。
このチラシはオモテ面赤黒2色、裏面茶色1色刷り。
メインの「ティファニーで朝食を」の画像も鮮明ではないし、あまり “嬉しい!”ってものでもないんですが、大阪地区でのチラシですからね。
裏面で「ウインドーをのぞきながらパンをかじるなんて、ちょっとクリスタルな気分じゃない?」って文章が書いてあって、あー、バブル前夜の80年代のニオイがプンプンするなーって思います。
この当時は何でもかんでもおシャレ “風”なんですよね。そういえば僕もバイトしてDCブランド着てた着てた!みたいな。
梅田東映ホールは、梅田コマシルバーとともに、80年代によくオードリーの作品を掛けてくれてましたよね。
87年に大阪に来た「パリの恋人」や「暗くなるまで待って」もここだったと思います。
さて、86年に、69年以来久々にリバイバルした「ティファニーで朝食を」ですけど、その後は80年代後半〜90年代前半のオードリーの大ブームに乗って、オードリー作品だけをまとめた上映でもよく取り上げられてましたし、95年にももう一度大々的にリバイバル。
徐々に作品の評価と興行成績が揃うようになってきて、その後は2013年「スクリーン ・ビューティーズ」でのリバイバルもありましたし、2016年の“午前十時の映画祭7”でのリバイバルでは大ヒット!当時の“午前十時の映画祭”では最もヒットした作品になりましたし(同年上映の「七人の侍」に抜かれましたが)、その後は2021年、そして今年と“午前十時の映画祭”で上映。
気づけば1961年、1969年、1986年、1995年、2013年、2016年、2021年、2024年と合計8回も日本で上映。「シャレード」の6回を抜かして、今や「ローマの休日」(14回)、「マイ・フェア・レディ」(10回)に次ぐオードリーの劇場公開数第3位を誇ります。
今年は初の4Kでのリバイバルになりますね。
「ティファニーで朝食を」のパラマウント公式の4Kリマスターブルーレイと同じ素材でしょうから、まあ「ティファニーで朝食を」に関しては綺麗にできている方だと思います。
昔の映画のリマスターだと、鮮明にするために粒子が荒れたり、最近の流行で地味な色目に合わせるために昔より却って色が褪せてたり、顔の色が紫になってたり、ってこともあるので…(「シャレード」とか「パリで一緒に」)。
それでは、26日からの“午前十時の映画祭14”をお楽しみください。
Posted by みつお at 18:00│Comments(0)
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