2025年05月23日
「おしゃれ泥棒」撮影60周年 明智常楽さんにいただいたロビーカード、ほか

以前の記事で書いたように、今年は1955年撮影の「戦争と平和」から70年、1965年撮影の「おしゃれ泥棒」から60年、1975年撮影の「ロビンとマリアン」から50年の年に当たります。
それぞれの作品はその翌年に公開されていますが、撮影されたのは書いた通り、公開の前年になります。
その3作品ともに7月に撮影が開始されています。
7月に撮影が多いのは、ヨーロッパではバカンスが始まって人がいなくなるから。
なのでロケがしやすくなるのでしょうね。

実は7月に紹介しようと思っているのが他にも数が多いので、ちょっとフライングで紹介していきます。
まずは60年前の1965年7月に撮影開始となった「おしゃれ泥棒」から。
最初に持ってきたのは、実はこちらにお越しいただいている明智常楽さんに「おしゃれ泥棒」のロビーカードを1枚いただいたので。
休日にピンポンが鳴って、インターフォンでお話しするとなんと70年代前半オードリーファンクラブ会長さんだった明智常楽さんの奥様!
家でゴロゴロしていた僕は、唐突の訪問にTシャツにスウェットで頭ボサボサという格好で出ていきました(恥ずっ!)。
さて、この時明智常楽さんのプレゼントでいただいた「おしゃれ泥棒」のロビーカードが最初の画像になります。
裏には原題が英語で書いてあるのと、印刷はどうやらローマで行われたというのが印刷されています。
ということは、これ英国か米国のロビーカードの1枚なんでしょうね。
そして実はこの公園の画像はレア!
公園での別のショットは見ますが、これと同じものは普段見ません。
初公開時だから有った、貴重なショットです。

ちょっと印刷の版がずれてるので、色滲み起こしてますけどね。昔の印刷ではよくあったことです。
画像はニコルとサイモンがヴィーナスを盗む計画を話していると、後ろのベンチに別のカップルが来るシーンですね。
そのリハーサルでしょうか。後ろに2人を見る一般の人らしき人たちがいます。
さて、今回はこの明智常楽さんにいただいた画像に因んで、僕の持っている他の公園シーンの切り抜きを載せました。

原題は “How To Steal A Million Dollars And Live Happily Ever After ”になってます。
直訳だと「100万ドルを盗んで幸福に暮らす方法」という長い名前。
撮影終盤でもまだこの長い名前でしたが、撮影後は “How To Steal A Million”と、後半がなくなりました。
でもこの撮影初期からこの記事で日本では「おしゃれ泥棒」と邦題が決まっていたのがわかります。
この邦題、オードリー作品ではNo.1の出来栄え!
20世紀フォックスの日本支社さん、この題名を思い付いた人はホント凄い!何か題名賞みたいなのを出しても良いくらいの出来です。
次の「いつも2人で」はいい題名が思いつかなくてかなり苦しんだ跡が見えるんですけど、「おしゃれ泥棒」は完璧!
ついでに公開時のキャッチコピー、「パリです! オードリーです! 世界の恋人です! 100万ドルをシックに盗みます!」も完璧でした!
日本で「おしゃれ泥棒」がオードリー作品では初公開時、リバイバルを入れないと「マイ・フェア・レディ」に次ぐ配給収入を挙げたのは題名とキャッチコピーも関係したのかもしれません。

オードリー、人に見られながら演技するのが苦手なので、これはツラかっただろうなー。
でも僕は見慣れてしまってますけど、実はここでの画像もレアなものばかり。
昔は今みたいにネットなんて全くありませんから、撮影中から広く知ってもらうという宣伝を兼ねて映画会社が撮影風景の画像をマスコミに流すことも多かったので、撮影中はこういうもう2度と出てこないようなレアな画像が多く見ることができたんですよね。
残りの3つのカラーは70年代の「スクリーン」からの切り抜き。
これらは中学〜高校時代古本屋で見つけて買った「スクリーン」から切り取ったもの。
どれもレアな画像ばかりで、その後の写真集などには掲載されていないもの。
ただし、ピーター・オトゥールとの画像は、買った時はレア画像でワクワクしましたが、その他の「スクリーン」には載ったと思います。
1973年5月号の1位のカラーピンナップは、僕の持っているパネルの別ショットですね。
でも中学〜高校時代の「スクリーン」や「ロードショー」はあまりオードリーを載せてくれなかったので、古本で1975年までのを見ると引退中にもかかわらずずっとオードリーが載っているので、見つけると嬉しくてドキドキしてました。

別に当時(1978年前後)のオードリーでなくても、こうやって昔のオードリーを載せてくれたら良かったんですけどね。
人気投票ではまだまだ上位だったわけですしね。
そして1970年代前半は「スクリーン」と「ロードショー」が競ってレア画像を発掘して載せてくれてましたね。
今見ても、これレア画像やん!ってもののなんと多いことか!
今みたいに “若い頃のオードリーでないと!”という呪縛に編集者もライトファンもかかってないので、いつも同じ平凡画像ばっかりってこともありませんでした。
さて、「おしゃれ泥棒」は来年は公開60周年。
今までどうにもこうにも紹介出来なかったものも、なんとか頑張って来年公開しようと思っているので、乞うご期待!です。