2015年11月30日

イマジカBSにて、市販品未収録の懐かしいテレビ吹替版を放送!

 ●「マイ・フェア・レディ」リバイバル上映情報
  特別上映のため、価格は1200円です。各種割引は使えません。

  恵比寿ガーデンシネマ 11/28(土)〜12/18(金)※上映期間が3週間に延びました!
   10:50〜14:05 / 14:25〜17:40
  宝塚シネピピア 11/28(土)〜12/11(金)
   10:10〜13:05 / 18:30〜21:25(11/28〜12/4)
   12:35〜15:30 / 15:45〜18:40(12/5〜12/11)




 ちょっと見過ごせない情報が入ってきました!

 イマジカBSにて、年末年始にオードリーの9作品を放送予定なのですが、特筆すべきは、そのうち5作品で現在発売中のDVDやブルーレイに収録されていない池田昌子さんによる日本語吹替バージョンでの放送になるそうです!

 放送予定ですが、吹替版と字幕版の2回放送。
 吹替版は全て朝の10:00からスタート、字幕版が19:00スタートになります。

 ★12/26(土)「ローマの休日」
 ★12/27(日)「戦争と平和」
 ★12/28(月)「許されざる者」
 ★12/29(火)「噂の二人」
 ★12/30(水)「華麗なる相続人」
 ★12/31(木)「昼下りの情事」
 ★1/1(金)「麗しのサブリナ」
 ★1/2(土)「パリの恋人」
 ★1/3(日)「シャレード」

 このうち、大文字にした「ローマの休日」「許されざる者」「噂の二人」「華麗なる相続人」「シャレード」の5本が現在発売中のDVD・ブルーレイには未収録の吹替になります。

 また、これら5作品の懐かし吹替版は、吹替に合わせて映画のカットがあります。新録音や吹替の無い部分の字幕対応は無いそうです。放送当時2時間枠だったので、実質80〜90分くらいになっていると思います。

 「ローマの休日」…1972年フジテレビ版。エディ・アルバートが山内雅人さん、美容師マリオが広川太一郎さんのもの。池田昌子さんにとって1回目の「ローマの休日」になります。初放送時、2時間枠へのカットが必要でしたが、オードリーファンがとても多いので、オードリーの出演シーンは一切削れなかった、という逸話が「スクリーン」か「ロードショー」に載っていました。

 「許されざる者」…何年録音のものかすぐに調べられないのですが、まだ洋画吹替黎明期の最初期(1968〜70年頃)のもの。古本の「スクリーン」に載っていたのを覚えています。池田昌子さんによるオードリー吹替の最初のもの、というかオードリー作品での初めての吹替放送作品だったはずです。懐かしの久松保夫さん(Mr.スポックの吹替でも有名)がバート・ランカスターです。オードリー(池田昌子さん)の第一声が “まあ、ピバゴ!(馬の名前)” だったと思います。

 「噂の二人」…マーサのシャーリー・マクレーンが武藤礼子さん。武藤礼子さんはジュリー・アンドリュースやメルモちゃんが有名で、池田昌子さんと並ぶ美しいお声の持ち主です。シャーリー・マクレーンはともかく、僕の中でのマーサは武藤礼子さんです!字幕版よりも吹替だと文字数が多く入れれるため、カレンやマーサの苦悩がさらに良くわかるようになっています。

 「華麗なる相続人」…オードリーにとっては後期の作品になりますが、年齢を重ねたオードリーに合わせて池田昌子さんも声を変えていたのが印象に残っています。ですが、ここまで声を老けた感じにしなくてもいいのになーって初放送を見て思ってました(35才くらいの設定だしね)。

 「シャレード」…正規盤のユニバーサル版DVDに収録のものとは違う版です。ケーリー・グラントが中村正さんの1972年フジテレビバージョン。ルパンの次元大介の小林清志さんがジェームス・コバーンをあてています。中村正さんは「おしゃれ泥棒」でピーター・オトゥールを、「マイ・フェア・レディ」でレックス・ハリスンを吹き替えていますが、演じているのは全然違う俳優さんなのに、どれもピッタリハマるのが不思議!この「シャレード」吹替版はフジテレビの放送でも大好評でリクエストが絶えず(再放送希望第5位)、何度かゴールデン洋画劇場でアンコール放送されました。

 僕も「噂の二人」はビデオで持っていますが、さすがに画質が…なので、こうして画質が綺麗な状態で懐かしの吹替を合わせてくれると嬉しいです!「許されざる者」などは、昼の再放送(サンテレビとか)で見ましたが、当時はまだビデオを持っていなかったので、こうして高画質で録画出来るチャンスがあるって嬉しいですね!

 今回ラインナップには入っていませんが、「ティファニーで朝食を」のフジテレビ版の、ホリーが警察に捕まって囲まれたとき、マスコミに向かって、“あらー、サリーは紳士よ。あなたたちみたいに不躾に質問しないし!”って“しないし”を強調した池田昌子さんの面白い言い方や、ポールの金内吉男さんのジョージ・ペパードの声質と喋り方に近い吹替もまた見てみたいです。

 それに、僕がビデオで持っている吹替版は、放送時から吹替音声と画面がズレてしまっているサンテレビ(?)での再放送の「パリで一緒に」、僕にとってのオードリー作品の1番の「いつも2人で」などもぜひ今度は放送して欲しいですね!

 それ以外では池田昌子さんが未だ吹き替えていないという「緑の館」や、放送当時SEだけの版を準備出来なかったため、音楽が全然違う安物スリラーに変更されている「暗くなるまで待って」などは池田昌子さんに新録音をお願いしたい所です。

 なお、イマジカBSの公式サイトでの紹介はこちら。池田昌子さんのインタビューも載っています。

 またイマジカBSでは12/7日からオードリー検定を出題。抽選でジバンシィのランテルディやエス・テー・デュポンのオードリーのボールペンなどが当たるようです。

 イマジカBSの視聴にはいくつか方法がありますが、スカパーからの視聴の場合は、初めての場合のみ2週間の無料お試しができますので、それを利用して見ることが可能です。



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この記事へのコメント
お久しぶりです。
今回の特集、池田昌子さんの名アテレコも堪能できるとあって楽しみなのですが、「ロビンとマリアン」がラインナップに入ってないのが不満ですね。逆に「華麗なる相続人」みたいな駄作は、放映しないでほしかったです(笑)。
「華麗なる・・」は、昔「日曜洋画劇場」で初めてテレビ放映された時は、オードリーの初登場シーン(博物館でベン・ギャザラ扮するリーズに、父親が亡くなった事をつげられる場面)がカットされてましたから、あの場面の日本語音声
(といっても、オードリーがギャザラに「リース!」「サム?」と呼びかけるふた言だけなんですけどね)は無いはずです。そこだけ原語のまま放映するのかなあ。
「噂の二人」を観ながら、10年ほど前に亡くなった武藤礼子さんを追悼したい
です。
Posted by ヴェロニカ・ハメル at 2015年12月04日 05:15
ヴェロニカ・ハメルさん、こんばんは。

池田昌子さんのアテレコ、楽しみですよね。(^-^
「華麗なる相続人」が駄作だなんて、言っちゃダメですよー(笑)。
あれは凡作です(ということで)。(^^;A

というか、僕はそんなに嫌いでもないんです。(^^;
出来に関してはまあいろいろと問題はありますが、少なくともオードリーはオードリーらしさを守って演じてますよね。
オードリーがオードリーらしくない言動なのは「ニューヨークの恋人たち」で、あれは僕もあまり好きではないです。
「ロビンとマリアン」はDVDにも吹替版が入っているので、今回は「華麗なる相続人」で良かったー!と思っています。

それと今回はカットがあるみたいなので、「日曜洋画劇場」になかったシーンはカットされるのではないでしょうか。
でもカットのあるテレビ放送って最近では珍しいですよね。

「噂の二人」は楽しみですよね!
もうお亡くなりになってるのが信じられない武藤礼子さんですね。いつまでもお若い声のままで、本当にステキでした。
でも以前ヴェロニカ・ハメルさんとも吹替の話をしていたら、このような好企画で嬉しい限りです。

僕はオードリーは「いつも2人で」をテレビで見たのが最初でしたけど、その吹替はもう覚えてないんですよ。また見てみたいなーと思っています。
今回の企画が当たって、今後も続いて行くといいなーと思います。
あ、今回イマジカBSでは池田昌子さんの吹替も特集(?)するみたいで、「青い体験」とかも放送するみたいですね。
オードリー作品とは全然違う内容と演技なので、見たいとは思いませんけど、キャスティングの人が品のある池田昌子さんに、って選んだ発想が不思議です。
Posted by みつおみつお at 2015年12月04日 19:52
またまた失礼します。
「駄作」も「凡作」も、大して違わないじゃないですか(笑)。
「華麗なる・・・」をこちらのブログでさんざん貶してきた私ですが、実はこの映画を、私劇場で20回くらい観てるんです(笑)。ミステリーが大好きでしたし、なによりオードリー映画に飢えてましたからね。
「二ユーヨークの恋人たち」・・・・・80年発行の「スクリーン」誌の新作情報コーナーで、オードリーの新作を、あのピーター・ボグダノビッチが監督すると知った時は、天にも昇る心地になりました。「華麗なる・・・」が、日本中の映画評論家たちからバッシングされていた時期でしたから、なおさらでしたね。あのボグダノビッチ監督なら、「ロビンとマリアン」に匹敵する感動作を生んでくれるだろうと、そこまで期待したんです。
それだけに、ついに日本で劇場公開されなかったこの作品を、86年ごろに
ビデオで観たときの失望感ときたら!何より、オードリーの登場シーンがあまりにも少ないのにがっかりしましたね。ボグダノビッチ監督が撮りたかったのはオードリーではなく、撮影当時恋愛関係にあったドロシー・ストラッテンである事がはっきりわかる作り方でしたね。
私はマリエル・へミングウエーがドロシーの悲劇的な生涯(「プレイボーイ」誌のプレイメイトから女優に転身した矢先に、ヒモ夫に惨殺されたんですよね)を演じた「スター80」という映画を観ていましたから、「ああ、この人が本物のドロシー・ストラッテンなのか」という、そういう興味で「ニューヨーク・・」を観る事ができましたので、この映画、みつおさんほどは退屈しなかったですね。オードリー映画として観るとワースト中のワーストだと思いましたが。
話は変わりますが、「青い体験」のラウラ・アントネリのアテレコは、ファンにとって池田昌子さんの「裏の」代表作になっているらしいですよ(笑)。池田さんがオードリーの声でエッチなせりふを言うのが、一部マニアにはたまらないようです(笑)。とり・みきさんが池田昌子さんとの対談で、そうおっしゃってました。
Posted by ヴェロニカ・ハメル at 2015年12月16日 08:43
ヴェロニカ・ハメルさん、こんにちは!
今回もめっちゃ興味深いコメントをありがとうございます!(^-^

まずは…駄作と凡作は違いませんか?

凡作…50〜60点くらいの出来
駄作…30点以下の出来

って感じで僕は思ってるんですが…。(^^;

で、僕が今回のヴェロニカ・ハメルさんに書いていただいたコメントを読んで興味深かったのが、76〜84年頃のオードリー暗黒期の過ごし方です。

この時期は、本当にオードリー映画が来ませんでしたよね。新作もそうですが、リバイバルもほとんどありませんでしたし。もちろんビデオソフトもまだほとんどない時期だし。

でも85年からの日本ヘラルドのリバイバルでは大ブームになってる。
ということは、暗黒期にもオードリーファンは確実に存在したわけで、その時期ってみなさんどうしてたのかなーと思っていました。
で、今回のコメントで「華麗なる相続人」を20回も見てらっしゃる!というので驚きましたし、すっごい感慨深かったです。
やっぱりオードリーファンってその時期はみんな苦しんでたのかなーと。
他の方のその時期の過ごし方とか伺ってみたいなーと思いました。

「ニューヨークの恋人たち」のヴェロニカ・ハメルさんの期待度の高さのことも、すっごい興味津々で読ませていただきました。
僕はその時期「スクリーン」などから離れていましたので、「ニューヨークの恋人たち」製作の開始なども知る由もありませんでした。
ある時、個人的に「いつも2人で」のフィルム上映が出来ないかと画策して、フィルム貸し出し業者にカタログを送ってもらったりしてましたが、その作品リストに“They All Laghed”という知らないオードリー作品があるのを見て、知ったのが最初だったと思います。
でも「華麗なる相続人」の劇場の惨状を見たのと、神戸の劇場館主の“オードリーは儲からない”というのを伺った後だったので、そうかーとうとうオードリーに未公開作品が出来てしまったのかーと思ってました。
それに未公開になったということは、作品の出来も…と思ったので、ちょっと悲しかったですね。

実際ビデオで見れた時(まだ高かった時に、レンタルビデオで借りました。後に安くなった時に自分でも買いましたが)、オードリーが主演じゃないわ、音楽が安っぽいわ、内容も全然無いわ、オードリーの役がヒドいわで相当ガッカリしましたね。

これに比べたら、さすがに「華麗なる相続人」はお金もかかってるだけあって、俳優さんの演技もしっかりしてるし音楽もロケも豪華でした。
「華麗なる相続人」は何度も見れる、「ニューヨークの恋人たち」は見れない!この差は決定的でしたね。
それまで見たオードリー作品の中で、「初恋」とどっこいどっこいのオードリーのワーストでした。さらに後年「おしゃれ泥棒2」と「オールウェイズ」でまたまたガッカリするのですが…。

「ニューヨークの恋人たち」に関しては、「マイヤーリング」のパンフレット執筆の話が来た時に、準備されてる解説で“オードリー主演で唯一の未公開作!”って書いてたので、“「ニューヨークの恋人たち」がありますが?”と問い合わせしました。そしたら“あれは群像劇なので、オードリー主演という観点からはずしました。”と言われ、まあそうかなーと無理矢理自分を納得させてました。
でもビリングはトップでも、やっぱり「ニューヨークの恋人たち」はオードリーは脇役ですよね。

何年も前に買ったのに、いまだにこのブログで記事に出来ていないボグダノヴィッチ監督の自伝があるんですけど、そこでオードリーにもう一度依頼した作品がこれまたオードリーじゃなくていいような役で…。
本当にボグダノヴィッチ監督はオードリーの使い方に関してはダメダメだったんだねーとわかる内容でした。
でもちょうど次の紹介はその監督の自伝にしようかと思ってたとこだったんですよー。(^^;;
ドロシーの死後、妹を姉そっくりに整形させて結婚したとか…それって人間としてどうなん?とか思います。

「青い体験」の池田昌子さんのお話も、めっちゃ興味深かったです!
裏の代表作ですかー!
でもラウラ・アントネッリはこの時は見た目おとなしそうなのに、こういう作品って…とむかーし思ってましたが、その後は作品に沿ったような残念な感じに変わっていくみたいですね。
でも池田昌子さんとかは全くそんな方向には行かなくて、ある意味よかったです。
Posted by みつおみつお at 2015年12月18日 15:30
またまた失礼します。
その、ボグダノビッチ監督の自伝て、日本で出版された翻訳本ですか。それとも、原書でお読みになったんですか。前者なら、ぜひ私も読んでみたいです。ぜひともこのブログで紹介してください。
「マスク」の宣伝の為に来日したシェールが、インタヴューで「撮影中、ボクダノビッチ監督とうまくやっていくのが大変だった」と言っていたのを覚えています。どうも相当気難しい人のようですね。
「ロビンとマリアン」でカムバックしてから、オードリーの元には様々な作品のオファーが来たらしいですね。その中の1つで、「スクリーン」誌の「海外製作ニュース」で紹介されていた「川を渡って木立の中へ」という作品は、原作があのへミングウェーとあって、どうしても実現してほしい作品でした。
あと、「ソーン・バーズ」というテレビシリーズで、レイチェル・ウォードの母親役
を演じる話も来たらしいですね。これがまた、ドラマチックで素敵な役(インディアンと不倫して、その子供を生んだ過去をもつ女性の役)だったんですよね。こちらも実現してほしかったです。
長々と失礼しました。この辺で止めときます。
Posted by ヴェロニカ・ハメル at 2015年12月21日 06:21
ヴェロニカ・ハメルさん、こんばんは。

そうですそうです、ボグダノヴィッチ監督の自伝の翻訳本です。
ただ、今年中に文章を書くヒマがあるかどうかが微妙です。
そろそろオードリー大賞の文章を書く時期にきてますので。(^^;

それと、オードリーにオファーが行った作品の紹介をありがとうございます!
結局実現しなかった作品っていうのは、当時の資料でしかわからなかったりしますもんね。
ヘミングウェーの方は僕も見てみたかったです。題名が綺麗ですよね。内容はどんなのですか?オードリーらしいのだったらいいのですけど…。

「ソーン・バーズ」の方は、なんとなく役の設定を見ると、あんまりオードリー向きでもないような…。(^^;
でもテレビシリーズというのはオードリーには全くなかったですよね。
スティーブ・マックイーンやクリント・イーストウッドは最初期にはテレビシリーズで名を馳せて映画スターになっていましたよね。
でも、なんとなくテレビのスターと映画のスターはあまり被らなくて、ハリウッドのスターというのは、テレビの俳優さんを一段下に見てるのかなーと思っています。
Posted by みつおみつお at 2015年12月23日 00:27
懐かし吹き替え版堪能しました~
やっぱオードリィは池田昌子さんでなくっちゃ
懐かしいのもあるし、色々と非常に興味深かったです。
作品によてはカットが多くて展開が速い(笑)
翻訳もさることながら、昔のって音楽だけでなくSEの追加演出を結構やっているんですね。
『ローマの休日』の記者会見
『華麗なる相続人』の重役会議
このあたりとか背景音が多い(笑)

ちょっと話がずれますが・・・
この重役会議シーンは二回ありますが、ありえない初歩的編集ミスで、
衣装が入り乱れています(イレーネ・パパスあたりに注目)
観るときは割と楽しく観てるし嫌いではないですが、
こういう杜撰でちょっと下品な作品が最後の主演映画作というのは残念ですね。
正直、なかったことにしてほしい・・・ような

『許されざる者』の池田さんの声が若いですね。やっぱ違います。

今回特に楽しみだったのは『噂の二人』『シャレード』
『噂の二人』結構翻訳がビミョーな箇所もあり意外でしたが、
ジュリーやリズでおなじみの武藤礼子さんのシャーリー、違和感ありませんでした。
池田さんがラストの葬式のシーンで泣きそうになるのを必死でこらえたって
ああここなんだ、痕跡を感じさせない立派だなと納得
全部撮り直しになるそうですもんね、当時は。
子役が昔のアニメのような感じに聞こえましたが、
子供つくりの声ってどうしても似たように聞こえるんでしょうね。
J・ガーナーの声がどっかで聞いたことあるなぁと思っていたら、
昔CMで“リンゴをかじると歯茎から血が出ませんか?”っていうハミガキのCM
覚えてませんか?ああ、あの声だって懐かし懐かし~
日曜洋画劇場、淀川さんどんな解説したのでしょうね。

『シャレード』 これこれ!僕がよぉく覚えている吹き替え版
声優さんはこれが一番優秀だと思います。
やっぱ中村正さんは合うし、
コバーンは小林“次元”清志さんでなきゃね。
僕は吹き替えver.を3,4種類知っていますが、一番洒落ていて楽しい。
また聴けるとは!しかもリマスターで!超嬉しい~

ただし・・・これ音楽すべて差し替えというダイナミックな詐欺が行われており、
ここまで豪快にやられるともうだまされてあげるしかありません。
これって初放映の72年ゴールデン洋画劇場版だそうですね。
僕は、1981年の秋昼間に放映されたときに、コードをTVにつないで録音したのですが、
これと全く同じ版で、繰り返し聴いていた頃を思い出しとにかくもう懐かしかったです。
みつおさんと過去に何度か書き合ったように、
『暗くなるまで待って』(これはVer.1パターンのみですよね?)は、
音楽差し替えがあまりにひどかったですが、オリジナルも残ってはいました。
メインタイトルとか電球ぶっ壊すとことか、クライマックス終盤あたりにはね。
この『シャレード』は全くなし、なぜここまでやってのけたのでしょう。
マンシーニの当時のサントラ(レコードver.)からの流用
似たような曲、ちょっとダッサイ曲(何なのだろう?)・・・
出典のひとつをたまたま知ったのは
62年の『リサの瞳のなかに』という映画からのサントラを聴いたとき
他には各種イージーリスニング版のシャレードとか
同時期の映画関連なんでしょうね。
観た当時から、マンシーニがこんな作曲するわけないと思っていましたが、
『暗くなるまで待って』と同じ曲が使われているのを知った時、確信しましたね。
例:『シャレード』空になったアパートで焦るレジーナ→グランピエールに会う
『暗くなるまで待って』スージーがロートを刺して玄関へ駆け込む
両者に使用される“テレレぇぇ~”って曲、思い切りダサくないですか?
あと『暗くなるまで待って』の掃除シーンでレジーナがかけるレコード曲は、
“メジェーヴ”に変えられていたし・・・
『シャレード』のオリジナルって、音楽のヴォリュームが控えめで全体に地味ですよね。
懐かし吹き替え版のはSEも音楽も音量デカめで演出が派手になっています。
当時の放映時に視聴者に配慮してあえて分かりやすくしたのでしょうか?

とかなんとか書きながら、ある意味珍版として好きだし、
おもいがけない再会が今回の大収穫でした。

ありがとうイマジカさん
教えてくれてありがとう、みつおさん
Posted by まる at 2016年01月03日 11:13
まるさん!僕はなんと「許されざる者」を録り損ねてしまいました〜っ!!!ガックリ…orz。
自動録画予約で入ってたから安心してたら、なぜか勝手に解除されてしまってて、「許されざる者」のみ録れなかったんですー。(T T
まるさんにいただこうにも、これってコピーアットワンスですよね…うわーん!!
またまたイマジカBSさんで再放送を願うばかりです。

で、まだ「ローマの休日」と「華麗なる相続人」しか見れてないんですが、なかなか面白かったですよね。

「ローマの休日」は最初のテレビ放送で、オードリーの出演シーンがカット出来なかったっていうのが、“なるほどー、こうしましたか!!” って面白く見れました。支局長のところはオールカットで、オードリーの主な部分では大使館に帰ってきたくだりのみカットでしたね。
話のつじつまを合わせつつ、オードリーをなるべくカットしないとなると、こういう編集になるのかーって思いました。
そして池田昌子さんの声が若いですね!

「華麗なる相続人」は昔見た時よりも池田昌子さん、老けた感じにはしてなかったですね。子供の頃の記憶違いというヤツでしょうか。
そして原作ではエリザベスのおじいさんの話が、映画ではひいおじいさん、という設定だったのですね!
で、やっぱり映画の内容はあんまり良くないなーと思いつつも、見ている間は楽しんでましたし、もう二度と吹替の新録音は望めなさそうですから見れて良かったです。
でもやっぱりサスペンスは盛り上がらないし、登場人物は全然機能してないですね。(^^;;;
イーボ(オマー・シャリフ)の愛人が公園まで追いかけてくる部分はカットされてましたね。あそこ好きなんですけども…。
あと、まるさんのおっしゃる重役会議でのイレーネ・パパスの衣装のおかしい点ってどんなのですか?全然気づきませんでした!
こういう作品はほぼスルーされるので、こうしてまるさんがそういうのを見つけてくださると嬉しくなります。
“なかったことにしたい作品”であるからこそ、こうしてファン同士で詳しく語れることが僕は嬉しかったりします。(^^

それと、2作品を見て、僕もやたら音楽や効果音の追加が多いなーと思って見ていました。そんなところに音楽無いやろー!って心の中で突っ込んでました。(^^;

「噂の二人」は微妙な箇所がありましたか?僕には思い出補正がかかってたのかなー…。まだ見てないので、また見てみますね。
武藤礼子さんは、素晴らしいですよね。シャーリー・マクレーンは普段は武藤礼子さんでは無いような気がしますが、マーサにはとても合っていると思いました。
それと、ラストシーンは結局池田昌子さん、葬式の前で一旦切ってもらったっておっしゃってませんでしたか?何度やってもどうしても涙声を引きずってしまうとのことで。
「噂の二人」は日曜洋画劇場だったのですね。そしたら淀川長治さんの解説が残っているかもしれませんね。ただ、この作品を淀川長治さんは確か嫌っていたはずなので、どういう褒め方(二枚舌)をしたのかが気になります。

そうそう「許されざる者」はオードリーの第一声は“まあ、ピバゴ!”で合ってましたか?あー、見たかったー…。

「シャレード」はまるさんオススメの吹替版ですもんね。これも見るのが楽しみです!
でもこの時期のフジテレビってオードリー作品率が凄く高いですよね。他にも「おしゃれ泥棒」や「いつも2人で」がフジテレビで初放送していますもんね。
「シャレード」では、最初の“あなたの隠してるとこ”の部分と、グランピエール警部との最初のやり取りとの日本語訳がいつも気になります。中村正さんのバージョンでもそこが楽しみですね。
でも音楽は「暗くなるまで待って」以上に差し替えですか…。そりゃその後そのままDVDなどで使えないのは仕方ないですよね。
まるさんに教えていただいた部分(「暗くなるまで待って」は音楽のせいでなかなか見るのに勇気も要りますし)、まだ見てないので何とも言えないのですが、また見たらここに書き込みますね。
でも「シャレード」、確かにマンシーニにしては出しゃばってませんよね、「ティファニーで朝食を」ほどには。
まあマンシーニとしての全体での完成度はこちらが高いとは思いますけど。

どの作品もやたらSEなどの音量がデカいのは、当時のテレビはステレオではなくモノラルで、スピーカーの音質も悪かったので、細かい音は拾えないためにこうするしかなかったのかもしれませんよね。
昔の僕もこれらの作品を何の違和感も無く(「暗くなるまで待って」は違和感バリバリでしたけど)見ていたので、“これでちょうど”だったんでしょうね。

こういう良企画をどんどんテレビでやって欲しいですよね。
もうビデオ画質なんかじゃ見れないですし、池田昌子さんの吹替を埋もれさすのはもったいないですもんね。
でも今度「いつも2人で」や「パリで一緒に」などをやる時はスカパー及びイマジカBSと正式な契約をしないといけないですけど…。(^^;;;

今回、まるさんのお役に立てて良かったです!
Posted by みつおみつお at 2016年01月04日 23:27
「許されざる者」(懐吹)は、再放送やるみたいですよ。
僕も時々意味不明な失敗(なのか?)をやらかします。
あとBSって天気にも弱いですよね~。
馬の名前は確かにピバゴのように聞こえます(笑)
ありゃ何なのですかね?原語の台本がなくて聞き取りで翻訳しているんですかね。
「シャレード」では、シルビーがセルビーになっているし・・・

「華麗なる相続人」の重役会議はですね・・・
一回目の最初のショット シモネッタ(すごい名前、下ネタ?)のドレスがオレンジ色
で、次に移るのはえんじ色に変わっています。
オレンジ色のは二回目のドレスなのだ。

僕は、「シャレード」「マイ・フェア・レディ」「暗くなるまで待って」あたりは吹き替えの印象は強いので、懐かし吹き替えは本当に懐かしいのですが、
殆どの作品が原語版から入っているので、今回のはなんか新鮮ですね。

「ティファニーで朝食を」吹き替え版はなんとなく覚えています。
“・・・しなぁいし”も確かそうだったような。
ポールが、二人が初対面のとき、ホリーの部屋に入ろうとして
“わぁ(いいお部屋ですねと言いかけて、あんまり整理せれてない状態を察知して)・・・とと、テキトーにちらかっていて、イイですね”って言う場面を鮮明に覚えています。
これって今の吹き替えではやってくれないんですよぉ。
ただし昔の吹き替えによくあるダメなところ(余計なおせっかい)もあって、
冒頭では、ホリーに“ティファニー・・・”ってつぶやかせてるし、そういうの要らないです。

「噂の二人」の葬儀場面は、一気録りではなかったのですね。
自殺したせいで、神父or牧師さんに来てもらえないから、
自分でやらなければならなかったんだろうなぁとか
マーサの作った最後のディナー、誰も食べなかった(それどころじゃなかった)んだろうなぁとか
いまさらですが、なんか切なくなりました。

で、「シャレード」観ました? 珍品でしょ?
僕はこれが最初だったんですよ。
本当に騙されてきたんです、見事に。
みつおさんによると、リクエスト5位ですか~
みんなみんな騙されてきたんだなぁ~(笑)
昔は、TVでしか旧作ってなかなか観ることができなかったのですが、
カットがあったり、色が悪かったり、音楽やセリフが違っていたり、
フォーマットも合わなかったりって、そういうのが多かったですよね。
オリジナルを観たとき(それでもビデオだから今とだいぶ違うけど)
びっくらこいていたのも懐かしいです。
そう考えると、今って結構恵まれていますね。

でも、吹き替えにはまた別の良さがあって、
会話のやり取りが多く、またリズミカルなときは絶大だと思います。
Posted by まる at 2016年01月12日 22:00
まるさん、こんばんは。

まるさんの情報で、スカパーに加入して、再度「許されざる者」を録る事にしました!ありがとうございます!
なので「許されざる者」はまた見た後にまるさんとお話ししたいですが、やっぱり“ピバゴ”でしたか(笑)?
初公開当時、台本というか対訳本みたいなのが発行されてましたよね。とすると台本はあったかと思うんですけどね。
まだ吹替文化自体も出始めだし、1970年前後ということは吹替台本の翻訳者及び制作者も戦前の方が多かったから不慣れだったのでしょうか。
「シャレード」も見ましたけど、確かにセルビーって言ってましたよね。セルビーって言う度にそこが気になってました(笑)。

「華麗なる相続人」、ホントだ!!
二回目の方の重役会議ばかり見ていて、1回目の最初にそんなミスがあるとは!!確かに親族が集まるシーン、シモネッタの服が全然違いますね!…ってよく見たらみんな違いますやん(笑)。
ロミー・シュナイダーも2回目の服&髪型だし、アレックも1回目はグレーのスーツなのにブルーのスーツで出てますね!
確かに出来はともかく、お金だけはめっちゃかけた作品なので、こういう凡ミスはやってほしくなかったですね。
というか、最初の集まる感じが欲しくて、これは2回目だとわかっていてもわざとやったのかもしれませんね。当時だと編集者もどうせ劇場で見て終わりだろ?みたいな軽い気持ちだったのかもしれませんし。
まあ皆さんエリザベスが来る前に着替えたのかもしれませんが(どこで?:笑)。

「ティファニーで朝食を」は僕はテレビからカセットで録音したものを持っていました。もちろん当時だからラジカセをテレビの前に置いて、直接音を録るやり方(笑)。
もう残ってませんけど、たぶん周りの音も拾いまくりだったと思います。それはそれで懐かしいので(母親の若い頃の声とか入っているだろうし)、残しておけばよかったなーと後悔。
それを何度も聞いてましたから、ジョージ・ペパードは金内吉男さんのイメージが強いです。後に原語で見たら結構ペパードの実際の声に近いし、落ち着いて演じてますよね。
なので、今の野沢那智さんはもちろんお上手なんでしょうが、ペパードがチャラ男に聞こえてしかたありません。軽すぎるよ〜って(笑)。

まるさんに書いていただいた初対面シーン、僕も覚えてます!でも冒頭の「ティファニー…」ってのは覚えてないですねー。たしかに小さな親切大きなお世話はいらないですけど、初放送当時の世代にはティファニーが何だかわからなくて、あった方が良かったのかも…なんて好意的に解釈しときます。(^^;

「噂の二人」も見ました!翻訳微妙な所ってどこでしたか?
確かに“私に触らないで!”というシーンでの翻訳が違ったりして、“あれ?”とは思いましたが、全体では結構のめり込んでました。
カレンとマーサがティルフォード夫人の家に乗り込むシーンでの“なzぜわからない!”というイライラ感、ジョーと別れるシーン前のカレンの苦悩、マーサの告白など、字幕を読まなくていいので、頭にすんなり入ってきました。
で、これは音楽もそのままでしたね。音楽の重要な「シャレード」や「暗くなるまで待って」では差し替えなのに、長い間サントラとは無縁だった「噂の二人」が正しいなんて、なんか皮肉ですね。

それにまるさんの書いていただいてた、自殺だから…っていうのは初めて気づきました!
日本なら自殺でもお坊さんが来てくれるけど、そうか、キリスト教では御法度なんだな!って改めてハッとしました。
それにマーサの作った夕食とケーキ…。まるさんの言う通り!ほんとに本当に悲しくなりました。
4人分は作っていたんですよね。きっと美味しく作ろうと頑張っていたと思います。だってマーサが聞いていたところまででは、翌日にはどこか新天地に3人で行く予定だったんですもんね。
あのあとマーサのために食べて欲しいけど、絶対それどころじゃないですよね。食欲も湧かないでしょうし。きっと翌日もそのままだったんでしょうね、冷たくなって。
でもマーサの為に、カレンはほんの少しだけでも口に入れていたと思いたいですね。あ、でも伯母さんは食べたかも…。(^^;

「噂の二人」のラストシーンの吹替に関しては、読売新聞社の“ヘプバーンへのレクイエム”で池田昌子さん自身が述べておられました。
何度やっても涙声を引きずっちゃって出来ないので、とうとう一旦切ってもらったとのことです。
そういえば、メリー(メアリー)の声って太田淑子さんですね。ひみつのアッコちゃんが有名ですけど、僕は子供の頃からこの方の声が生理的に苦手でして…(笑)。じゃあ小憎らしいこの役とピッタリ!かというとそうでもなくて、もっと図太い声の方が似合うんじゃないか、とか思ってました。

「シャレード」は上でも書きましたけど、見ましたよ!
まずはスキー場での“あなたで見えないところ”ってのがいいですねー!これですこれです!
「シャレード」の面白いところは会話のウィットに富んだところなので、こうでなくっちゃ!と思いました。
ユニバーサル版DVDの字幕の“ジャマなの”って訳では全然面白くもなんともないです。
このフジテレビ版は1972年・1973年・1976年とゴールデン洋画劇場で放送されているみたいなので、僕もこの訳がずっと心のどこかにあって、他と比較していたのかもしれません。(見たのはその後のお昼の放送か、サンテレビとかでしょうけど…。)
こちらを見て、ユニバーサル版DVDの吹替を見ると、ケーリー・グラントが渋過ぎるように感じますね。もうちょっと軽妙でもいいかも、とか。

それと、オードリーの切り抜きで確認しましたが、「シャレード」はゴールデン洋画劇場での放送2周年(1973年)でリクエスト第4位でした。なんで間違って覚えてたんでしょうね。
でもそのリクエスト4位での1973年5月18日の再放送後、1976年11月19日にも再々放送してるので、ずっとリクエストは絶えなかったのでしょうね。

こういう会話のやり取りが軽妙な作品って、吹替の方が文字数が多い分、活きてきますよね。「おしゃれ泥棒」もそんな感じです。
もちろん英語で二重の意味とか語呂合わせとかまで全部理解出来る場合は原語でいいのでしょうが、“英語がわかる”程度だと面白さは吹替の方がいいんじゃないか?って思います。もちろんオードリーの声も聞きたいですけどね。
なので、ブルーレイなどでどちらも聞ける環境で楽しみたいなーと思います。

ただ、音楽はやっぱり情けないですね。一体なぜこんな音楽になってしまったのか…。マンシーニのじゃない「シャレード」や、どこから持ってきたん?っていう安っぽいスリラー風の音楽まで、この作品の軽妙洒脱さを潰してしまってますよね。確かに詐欺。
まるさんも書いておられた、空になったアパートのところの音楽はひでえええ!って思ってました。「暗くなるまで待って」にも使われているとのこと、この当時のフジテレビのゴールデン洋画劇場でこういうシーンだと、みんなこれだったのかもしれないですね。きっと音響効果を付ける人の好み、あるいは苦肉の策だったんでしょうね。
「シャレード」も「暗くなるまで待って」も今でこそ本当のサントラが出てますけど、ちょっと前まではそんな物はなかったので、SEだけの版が無い場合、正確な再現は難しかったのかもしれませんよね。
他の「ティファニーで朝食を」と「いつも2人で」はどうだったのか気になります。(「いつも2人で」は最初は夜中に吹替版を見たはずなのに、全然覚えてないんですよ。まるさんは見てらっしゃいますか?)
Posted by みつおみつお at 2016年01月15日 17:23
マンシーニ4作のうち、『暗くなるまで待って』以外は、当時サントラアルバム(あくまでスコア盤)が出ていたせいもあってか、全編に必要以上に使われていましたね。
ただ全曲すげ替えの荒業をやってのけたのは、『シャレード』のみで、
他の3作はオリジナルは残してありました。
『シャレード』ってテレ朝の85年版もなんとなく覚えてるけど、
今回のとは違う音楽が使われていたのは確かです。
例えば、今回ではラストがコーラス版主題歌、テレ朝ではメインタイトル・スコア盤

『いつも2人で』の吹き替え版ですが、池田さんであるにもかかわらず
僕にはちょっと・・・・あんまりよくなかったという印象があります。
この作品って、オードリィの演技絶好調じゃないですか?
声の演技だけでもとってもいいですよね。声色・アクセント・テンポ・・・絶妙で。
Caroline Wallace,・・・YOUR DAUGHTER とか
Tell your daddy, AT ONCE!! とか
Mark, ・・・I'M BACK!!
このあたりのニュアンスなんて実に見事でオードリィ本人の原語を先に知っているせいもあって、
な~んかしっくりこないんです。
それに・・・倦怠期の妻のつまんなさそうな感じ・ダルさ・ジコチューな話っぷりは、
なまじ日本語で聞くとちょっとつらいものが・・・
あと声優さんは分からないけど、マークが平板でよくなかった。
でも、今聞いてみると全体としても違った感想を持つかもしれませんので、
特にジョアンナに関してあたりは決めつけるのは早計かもしれません。

この作品ってそもそもTV放映に向かないと思うんです。
カットされたら台無しだし、間にCMは入らないほうがいい。
とにかく劇場向きなんですね。
Posted by まる at 2016年01月17日 01:10
『許されざる者』懐かし吹き替え、どうでしたか?
あの馬の名前、役名は“グイバゴ”実名は“ディアブロ”でしたっけ?
落馬したシーン、復帰した矢先に撮り直ししたシーンってどこなんでしょうね?
乗馬のシーンは、遠景なんかだとボディダブルでしょうが、結構自分でも乗っているので、
見ていてちょっとハラハラします。気の荒そうな馬だし、ヤバイヤバイ。
割と長めの映画だし、結構カットされていましたね。
『噂の二人』は、割と被害が少ないようですが、
『シャレード』になると、今回あれれぇ・・・この場面バッサリ・・・となっていて、
テレ朝版ではあったバトウムーシュが今回カットされたせいで、
アダム・キャンフィールドも消えちゃいました。
色んな解説・評論に書かれていることが、当初は分からず共有できず、
オリジナルを初めて観たとき、ようやく確認できたときは超嬉しかったです。
確かにカットしても成立するのかもしれませんが、
セーヌ河畔散歩も合わせて、かなり魅力的なシーンなので勿体ないです。
それだけ、『シャレード』って無駄の無い、見どころの多い作品なんですね。

“あ・な・たで見えないところッ”は僕もすごく印象に残っていて、初見のときから気に入っています。
今回のは、スキー場のシーンから吹き替え絶好調ですね。
“今のところ先口がいっぱいで、その中の誰かがどうかならない限り割り込みは難しいわ”
なんてうまいし、
軽くナンパしようとしたピーターが、そんな気やすい女に見えて?って言われて、
すかさず“(んな)分かりませんよ”って言いかえす、中村正さんの軽妙な言い回しもイイ。
離婚するのはチャールズとか?って、セ(シ)ルビーに問われて、
He's only my hasband I have.
“他に亭主はいないわ”って言いかえす池田さんの口調のうまさ面白さ
テーシュの響きがおもしろいのかなぁ、ホカニテーシュハ・イナイワ
これ字幕だと“夫は彼一人よ”ってなっていたけど、
ここらへんは声優さんの言い方次第ですっごく面白くなる箇所ですね。
アナタ・デ・ミエナイトコロ
う~ん、書くと難しい、伝えにくい

僕が特に好きなのは・・・

家を遠く離れて会った者どうしはまた会えるっていったのは、シェークスピアじゃなかったかしら?
そりゃ、シェークスピアじゃない
あら、どうして?
なってないから、きっと貴女のでっちあげだ

・・・このあたりの掛け合い 呼吸がお見事
字幕だと・・・“出来が悪い、あなたの作だ”ってなそっけない訳になってるけど、字数制限で仕方がないですけどね。
『マイ・フェア・レディ』もそうだけど、テンポのいい会話の掛け合いシーンは、
吹き替えのほうが楽しいですね。
画面の底辺に合わせた字数より、口の動きに合わせるほうが情報量も多いだろうし。
ただし、あんまりよくない箇所もあって・・・
“あなたの欠点はね、欠点が無いことなのよ”というのが、
“あなたってアレね。・・・・なァ~んでも無い”ってな意味不明な訳になってました。

しっかし、前回もお散々書いたけど音楽はどうしたことでしょうね。
ピーターがレジーナの部屋の窓からベランダつたいに移動するシーンで、
窓から階下を覗くときに流れる曲が昔っからすっごくイヤ。
そのあとも何度か使われてるでしょ?
で、『暗くなるまで待って』吹き替え版でも使用されてるのです、よりにもよってこれが、・・・しかも何度も!
パレロワイヤルの追っかけシーンに使われた曲なんかも合わせて、
全体的に70年代アメリカのTVサスペンスドラマな音楽ですね。
『リサの瞳のなかに』以外では、出典はそのあたりと思われます。

今回はカットされていたユネスコ会議室での同時通訳シーンにおける、
最初にセ(シ)ルビーがいて、フランス語への翻訳のために抜け出すシーン
この後、レジーナとアレックス(本来ならアダム)が会議をすっぽかして
シャンゼリゼでレジーナはセ(シ)ルビーと会って、ジャンルイと切手市場のことを教えてもらうという重要なシーンが展開されていくわけですが・・・
セ(シ)ルビーのリアクションが変ですよね?
僕はかなり前から違和感がありましたが、これってミスですよね?
“ちょっとアンタ、さっきはどうしたの?あの後大騒ぎだったわよ”ってなことを言うはずなのに(普通の人なら)
別のセ(シ)ルビーか?もしかして双子?
Posted by まる at 2016年01月17日 01:57
第三弾です。
『噂の二人』の懐かし吹き替え版、好きですよ。
ただ、原語版から入っていてあまりに印象が強いので
今回の翻訳でちょっと違和感ありかな・・・って感じる箇所が散見されたわけですよ。
カレンがジョーに言う“Oh, I love you. ・・・love you, love you, love you”
“私、とっても幸せだわ・・・”っていうのはなんかパンチがないっていうか
“ああ、本当に大好きよ、好き好き好き・・・”ってな感じを勝手に想像していたんで
ここは“ああ、本当に愛してるわ”でもいいでしょうが、
この“アイシテル”っていうのは、普通会話ではあまり使わないって思うんです。
で、日本語には“好き”“大好き”っていう便利な言い回しがあって、
恋愛っていうように恋と愛を使い分けるくらいの日本語だから、
すべてがLOVEになってしまう表現を愛してるだけでなく、好きという表現でもいけますよね。
だからマーサのカミングアウト場面で・・・

何故、今そんなことを言うの?
だってあなたを愛してるから
私だってそうよ
もしかしたら私・・・皆が言うような意味であなたのことを愛してるのかもしれない

このあたりは、愛してる→大好きに代えるほうが僕的にはしっくりくるのかなぁと。
マーサの“Listen to me!!”も“ちゃんと聞いてよッ”のほうがいい。

マーサが初めてカレンに会ったとき
校庭を走ってくるあなたを見て好きになった、なんて素敵な人だろう
というエピソードのときも、カレンに“化学の先生から逃げてたのよ”ってちゃんと説明してほしかったし、
カレンがマーサを説得する“Your guilty is noting”もなんか違うよなぁ。
“何を言うの、どうかしてるわよ”じゃあ・・・
マーサの“クリスマスみたいな夕食”も意訳し過ぎだし・・・
とかなんとか細かいことなんで、全体としては臨場感もあってよかったですが。
メ(ア)リーは、ホントだ、アッコちゃん(笑)

逆にいいなと思うシーンもあります。
カレンの“Wicked very young...Wicked very old...”が、
“あの娘にしてこの人ありね”はなかなかうまいと思うし、
カレンが散歩に出ようとして玄関の門柱で躊躇してると、
モーターが遠くからカレンに問いかけますよね?
“マーサは一緒なの?”って
で、カレンは黙って首を横に振るわけですが、
今回このように話してくれて、思わずありがとうって思いました。
なぜかというと、これ劇場字幕だと“マーサはどこなの?”なんですよ、アホでしょ?
だったらカレンは“二階じゃない?”って言うだろって?
それなのにカレンがかぶりを振るだけなんておかしいじゃないですか?

こんな風にちょっとした言葉の違いでも印象って違ってきますよね?
ああ、それだけ僕がこの作品を大好きってことなんでしょう。
Posted by まる at 2016年01月17日 02:38
まるさんの大作3部作、ありがとうございます!
読み応えがあっていいなあ〜〜〜!嬉しいなあ〜〜〜!!(^-^

で、まるさんはやっぱり詳しく見ておられるんですよね!僕なんか明らかにスルーしてしまっているところも、しっかり見てらっしゃる!ホンと僕なんかまだまだだなーと思います。

まずは「許されざる者」ですけど、今日見れました!
本当に結構バッサリやっていて、あれ、もうこのシーンに飛ぶ?とかっって思ってました。特にキャッシュがレイチェルを追い出せ!の後にいきなり外にインディアンが立ってるとか。あとはチャールズが死んだ時に
最初の池田昌子さんの第一声は牛が屋根の上にいるのを追い払うのでしたね。
そして、今回聞いてみるとちゃんと“グィパゴ”って発音してるように聞こえました。思い違いってコワいですねー。(^^;A
復帰して最初に撮ったのは馬に乗って柵を越えるシーンだとずっと思ってたんですが、これも伝記を読んでの思い込みだし、今回画面に近づいて見てみましたが、オードリーなのかどうかわからない…。カットバックだし、違うかもしれないですよね。ボディダブルの可能性も高いと思います。
でもそれならもっと高度な馬術技術を見せるだろうし、わざと最上段の柵が外れるようにしてあるのはオードリーのため?とか思いました。
でもこれオードリー?って思ったら近寄ってきて本当にオードリーだったり、確かに自分でも乗馬をこなしてますよね。
むしろ「パリで一緒に」の方が明らかにボディダブルだったりして、「許されざる者」の精度が高い!(笑)

でも何度見ても見終わった後、気が重い映画ですね。昔はお母さんが亡くなる部分だけが悲しかったんですが、今は血のつながったお兄さんを殺してしまうシーンも、レイチェルや殺されたお兄さんの心境を考えるといたたまれない。「噂の二人」みたいに泣けてしまうわけじゃないけど、本当に重い。
この時期のオードリーの映画の選択ってなんでしょうね。全てハッピーエンドからは程遠い物ばかり。「マイヤーリング」〜「噂の二人」までって「ティファニーで朝食を」以外全部暗いですよね。

もちろん作り方は人種差別ではない、ということはわかるんですけど、どうにもこうにも救いが無い。どの面から見ても悲劇じゃないですか。
で、ネットで“人種差別の映画”などと決めつけられていると、見方が単純過ぎて、それの方がよっぽど脳内が人種差別ちゃう?とかって思います。過剰に“男尊女卑だー!とか言う人や、一時期の言葉狩りなどと同じ臭いを感じます。

リバイバルは望めない映画だとは思いますので、こうして自宅で見る事しか出来ないのでしょうね。今後吹き替えのチャンスも無さそうだし…。
そしてやっぱり池田昌子さんは声が若いですよね。「昼下りの情事」での新録音はやっぱりどこかお年を感じてしまってアリアーヌの年齢とは合わないなーと思ってしまう部分もあるんですけど、この20代前半のレイチェルは年齢とピッタリです。今ではあんまり叫ばない池田昌子さんも、初期の頃は映画に応じて(音が割れるくらい)叫んでらっしゃるんですね。そこが若々しいです。
でも池田昌子さんをオードリーに決めた人たちってほんと見る目(聞く耳?)がありますよね。

それと、まるさんは「いつも2人で」の吹替版も覚えてらっしゃるのですね!凄い!
僕は最初に深夜に見て以来、2回目を見ようにも深夜の放送とかは全て放送が終わった後に新聞を見て気づいてたんで、その後見る幸運に恵まれなかったんですよね。昼間にはなぜか全然やらなかったし。「許されざる者」とかの方がお昼のテレビで何度もやってました。
僕はもう全く覚えてないので、新鮮な気分で見れるでしょうが、これだけ原語版で見てしまうと“あれれ??”的なことが多いのでしょうね。
まるさんがおっしゃるように、オードリーの演技の「暗くなるまで待って」と並ぶ頂点だし、発声にもニュアンスが色々あって、確かに吹替で出せているかどうか…。
それと、最後の和解に向けての車内での夫婦の会話が上手く訳せているか気になります。これ、字幕でもほとんど意味が解らないのが多いので…。LD、DVD、NHKと全部見てやっとわかる複雑さですよね。確かに吹替向きなのかどうなのか…。でも上手く訳せると、文字数の多い吹替の方が活きる可能性がありますよね。

「シャレード」は、僕もアダムに変わる事がなかったのが“あれ?”と思いました。最後の画面分割でも“どれだかわかんないけど”って言うのが、その部分がアダムね、とか思ってました。画面では見せなかったけど、実際にはアダムはあったということで脳内変換。(^^;;;
で、「シャレード」の軽妙なやり取りは吹替の言い方ってホンと良いですよね。オードリーが言ってるニュアンスがきちんと伝わってくる。
字幕の打ち解けない堅い物言いとやり取りは、「シャレード」の良さが本当にブッ潰れる。
こういう会話の妙で笑わせる作品だと、字幕がダメだと面白さが激減しますよね。「ローマの休日」みたいに目で面白さを表現するのではなくて、会話のやり取りが面白い作品(「シャレード」「マイ・フェア・レディ」など)が今不利なのはその辺が問題じゃないの?って思ってます。「マイ・フェア・レディ」の今回のリバイバルも字幕が死んでました。
でも“あなたの欠点はね…”の部分は僕もずっこけました。これは原語通りに訳したほうがいいかと。

窓づたいの音楽はおっしゃる通り安っぽいですよねー。音楽が別物だから飛び移るシーンでも同じ雰囲気のままで、ハッとさせるわけでもないし。なんか60年代のテレビシリーズの安い音楽みたいで、「シャレード」の高級感とは全然別物。
もうね、この吹替では音楽を気にしてちゃ見てられないので(笑)、途中からは吹替だけを聞くようにしてました。

セシルビーのリアクションは、前から変ですよ(笑)。
だって一時期は息子のジャン=ルイが誘拐されてたのにもかかわらずケロっとしてますし。本当はそんな危ない友人、ごたごたが片付くまで距離置きますよね?
まあこれはレジーの方もスコビーに殺されかけてもその後ケロッとして会ってますし、スコビーもピーターと何度も対決してるのに、その後はケロリ。みなさんちょっとヘンです(笑)。

「噂の二人」は確かに愛してるって普通は日本語では使わないですよね。まあアメリカの話だしと思って見てるので大丈夫でしたけど、確かに大好きなの!って言う方が日本語的には自然です。
ジョーとカレンの“love”と後のマーサとカレンの“love”の意味合いを考えると、吹替でもここは統一しておいた方が良さげですよね。
吹替はやっぱりここでもちゃんと実際の会話になってるのがいいですよね。字幕は友人なのに堅苦しいです。
“マーサと一緒なの?”は気づきませんでした。こうして字幕よりも遥かに効果的な訳もあるんですよね。カレンの行動とも合ってる、というのはまるさん、凄い!

で、「噂の二人」って最近思うのは、これが一番本当のオードリーの性格に近いんじゃないか?という。
ホリーやレジーナは絶対違いますし、1期作品は子供過ぎる。2期の作品は特殊環境過ぎる。
優しけど芯も有って…というのとカレンが上手く一致するんですよね。環境は当然オードリーとは違いますけど。
オードリー作品としてはかなり特殊な方の「噂の二人」ですけど、オードリーの性格に一番近かったのがこれじゃないかと思ったりしてます。
Posted by みつおみつお at 2016年01月17日 19:42
僕も丁度似たようなことを考えていたんですよ。
『許されざる者』の重さ
『噂の二人』の演じた役と本人との類似性

『許されざる者』は公開当時でも異質な雰囲気の西部劇だと感じる人が多かったようですね。
先住民=悪:馬鹿げた価値観となる過渡期の作品で、
人種差別な映画ではありませんよね。確かにそこから抜けきれてはいませんが。
それにいつかみつおさんが原作を読んで書かれていた原作の設定基盤となった実情(先住民の中でも、開拓民に相当むごいことを行った民族も確かに存在した)もふまえると、
当時の人々の偏見や憎悪について簡単に愚劣とは決めつけられないですしね。
レイチェルの背負った宿命の重さ
ベンに“お前が殺すんじゃない、銃が殺すんだ”というようなことを言われても、
(吹き替えではそう言わなかったような・・・)
実の兄については決戦時に初めて会うのでピンとこなかったとしても、
自分がを殺害したという出来事はトラウマとなって本人を苛んでいきそうなのに、
レイチェルは生きていくしかないし、きっとたくましく生きていくんでしょうね。
おそらく演じたなかでももっとも強いヒロインなのではないかと思います。

強いといえば、『噂の二人』のカレンだってそうですね。
でもあの後どうやって生きていくんだろうって思いを馳せます。
最初の伝記作家であるチャールズ・ハイアムは“完全な失敗作”と呼び、
『ティファニーで朝食を』と共に、オードリィに似つかわしくない役としていましたし、
他の誰の伝記だったか忘れましたけど、
“オードリーに同性愛傾向のある役をやらせるなんて、マリリンに聖母マリアを演じさせるのと同じくらい、当時はとんでもないことだった”
なんて表現がなされていたのを覚えています。
しかし・・・それはどうかなぁと疑問に感じていました。
むしろ適役ではないかと思ってきましたね。
子供に接する学校の先生というのも、同性にあこがれられるっていうのもそうだし、
原作にあるカレンに関するト書きにある
“28歳の魅力的な女。その態度には威厳があるが温かみがある”っていうのも
全部ぴったりじゃないですか。
髪型やメイク、容姿からしても申し分ないしね。

 ただアップで見ると・・・レイチェルもカレンもナチュラルに見えて目元のメイク実は結構濃いですね。
勿論オードリィにしては穏やかな方ですけど、上側のラインとつけまつげは多い。
(ついでに書くとマーサはもっと濃いです。眉毛は完全に描いてるように見えるし)
ほとんどスッピンなのは、目元に関しては『マイ・フェア・レディ』の特訓中までが眉毛ともども、もっともナチュラルかなぁ。
『尼僧物語』は目元はスッピンでしょうが、なんか眉毛が気になるし、
『暗くなるまで待って』もラストショットでつけまつげバサバサなのが分かるし、
『ロビンとマリアン』は、アイシャドウが濃いよね~

・・・と話が脱線しましたが、カレンは現実のオードリィから容姿・性格ともに最も解離の少ない役だったように感じられます。
ただ同性愛騒動が主軸となるドラマなので、そっちの方へ話がいってしまうもんだから、
不適合云々となるんでしょうね、性質とか性向とかなんとかビミューな問題がありますもんね。
でも彼女が存在しているというだけで、この映画は話にすごぉく説得力が生まれいあると思うんですよ。
今回再見してみても、その点はすごいことだなと、それだけでも成功しているといえる。
そういう意味では、最高に“映画女優”している作品と言えます。
極端な話、演じなくても成立しているわけですから。

ただし僕は一箇所だけ残念に思うことがあって、
ティルフォード夫人が謝罪に来たとき、“許さない、帰ってくださいッ”って叫ぶところがありますが、
そこだけなんか力不足だな~って思うんです。
オードリィの個性からしたら、原作のように静かに非難して、それでも話しているうちに赦しの心境へと変わっていく・・・って方が似合っているし過不足なく表現できたんではないかぁと。
“私にとってはもう終わったことだけど・・・あなたにはこれからもずっと続いていくんですね。お気の毒に”
もっともそういう流れにするとなると、先にマーサは死んでいなければならないし、
そうしたらあの【ホルンの六連発×5】のジャンプカットはなくなるわけだから・・・
う~ん、あの躍動感も捨て難いので痛し痒しです。
Posted by まる at 2016年01月24日 18:17
まるさん、またまた読み応えのある文章をありがとうございます!

そうですよねー、「許されざる者」って時代とか実際の開拓時代を考えずにただ単に“人種差別!”って決めつけるのは違う…と。
映画を見ればわかるんですが、単に“白人偉い!”っていう内容じゃないと思うんですよね。
実際ザカリー家は周囲から孤立してしまうし、白人のイヤらしさもきちんと描いて、レイチェルのネイティブ・アメリカンの兄も気高い人物として描いている。
だからその間に立つザカリー家がどうするか、というのが描かれているわわけで。
ちゃんと歴史を知ってその上で言うのではなく、感じたままに「風と共に去りぬ」が黒人差別!「ティファニーで朝食を」が黄色人種差別!そして「許されざる者」がネイティブ・アメリカン差別!というのは違うと思うんです。それらの作品は別にその人種だけを差別的に描いているのではなく、白人もきちんと悪い奴は悪い、愚かなヤツは愚か、と描いてますよね。
そういう事を言い出したら、「パリの恋人」は共感主義者(実際は実存主義者)差別だとか、なんでも言えてしまうと思うんですよね。もうちょっと全体を見てよ!って言いたくなります。

そして今まで考えた事のない、“レイチェルのその後”。
うーん、確かに人を(特に兄を)殺したトラウマって絶対残るでしょうね。でもそれを考えると、リリアン・ギッシュの母を殺したカイオワに対して憎しみも出る、というふうに、相反する思いで心が引き裂かれそうになるでしょうね。確かに宿命というものではオードリー作品で一番重いものを背負ってしまってますよね。
でもそれでも生きていかなければならないし、当時は家族を殺された白人というのはたくさん周りにいたでしょうから、“自分だけじゃない!”と言い聞かせた事と思います。
そしてベンと結婚した後は子供も生まれて、子供を支えにリリアン・ギッシュの母のような肝っ玉母さんになったんでしょうね。

で、「噂の二人」がオードリーに適役だというのは、僕も大賛成です!
確かに以前は毛色の違うオードリー作品だし、もっと明るい映画をもう1本作ってくれてたら良かったのに…と思ってましたが、これはわりとオードリーが素でいける役だったんだと思います。
まさにまるさんのおっしゃる通り、“演じなくても成立している”と思います。
内容は同性愛とそれに不寛容な社会のことですが、そういうのをとっぱらうとそこにいるのはオードリーその人やん!みたいな。
最近、オードリーってカレンじゃないの?とずっと思っていたので、まるさんにもそう思っていただけて嬉しいです!(^-^
この騒動が起こる前のカレンって、きっとオードリーの考え方や行動に一番近いんじゃないかなーって思ってます。
そういうのを考えると、「噂の二人」も実はオードリー作品でもかなり重要なんじゃないか?と思います。

化粧は…まるさん言っちゃダメ(笑)。ジンネマン監督も言ってたように、メイク係は主演女優をどのような時でも美しく見せてしまうもんだし、「風と共に去りぬ」の本でも書いてましたが、映画で化粧は時代の事は一切考慮に入れられないそうですから。日本でもお歯黒とかあまりしませんし(悪役のみしてるけど)、口紅とかリップとか言語道断ですけど、やってますもんね。
ディカプリオの「華麗なるギャツビー」を見ましたけど、1920年代風ではあっても、やっぱり現代のメイクやなーと思って見てました。
そういう意味でも、メイクは時代を表す鏡じゃないかなーとも思いますが。
「暗くなるまで待って」のスージーは、事故で見えなくなったので、それ以前にしていたつけまつげが、昔取った杵柄で出来るのかもしれませんよ…苦しい?(^^;;;

それと、「噂の二人」のティルフォード夫人への怒り、確かに昔はこれでいいと思ってましたし、逆に原作で許してしまうのを“ええ〜〜〜っ!”なんて思ってましたが、今見るとオードリーの実際の性格からすると原作のパターンの方がしっくりきますよね。
でもその為にはマーサの死が先に…するとあのホルン六連発が無くなる…というところはまるさんと同じでそこが無くなったらイヤ!とは思いますよね。
あのカレンがだんだん慌てて走り出すシーンは「噂の二人」の中でも最も素晴らしいシーンだと思いますし、あれが無くなるのは考えられないです。マーサの死が先にくる事よりも僕にとっては重要です。

でも、あのカレンの対応は時代としてあれが妥当だったんじゃないかと思います。
シャーリー・マクレーンが後に“戦わなければならなかった!”などと言ってもそんな時代じゃないし、原作なんて戦前ですよね?だいたい同性愛はこの映画で別に肯定されているわけでもないし。
マーサが先にティルフォード夫人の謝罪を聞いてから死ぬのも、全てが当時の観客の理解を超えない程度に、観客がホッとして映画館を出ていけるように作られていますよね。
もしカレンがティルフォード夫人を許してしまったら、当時の観客はきっと納得しなかったんだと思うんです。
そういう60年代初頭の観客、という制約がある中で、あのホルンの部分などは素晴らしいシーンに仕上がっているし、やっぱりワイラー監督って凄いなーと思うんです。
今となっては、色々感じる事もあるんですけど、制作時の1961年という時代での映画としては、出来るだけの事はやっている、と思います。

でも、確かにそれまで外に出るのも臆病になっていたのに、あのティルフォード夫人への怒りの激しさは今となっては場違いな感じがしますよね。それじゃああの時のティルフォード夫人とおんなじだよ?みたいな。
Posted by みつおみつお at 2016年01月25日 00:04
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