2024年02月04日
MBSテレビ “知っとこ!”2012年5月5日放送「世界の朝ごはん〜スイス レマン湖地方」
(今回もゲッティイメージズ さんの、無料でブログに埋め込める画像を2点お借りしました。)
今から55年前の1969年1月18日、オードリーはアンドレア・ドッティと2度目の結婚をしました。
前夫メル・ファーラーと1967年8月に別居、68年12月に正式に離婚してからすぐのことでした。
別居中の1968年6月に傷心のオードリーを見かねた友人のお誘いの旅行でアンドレア・ドッティと知り合い、急速に接近。結婚に至ったようです。
前の夫のメル・ファーラーは、まるで初期のオードリー映画の相手役のようにずっと年上であったことから、父の愛に飢えていたオードリーは庇護される自分というものを求め、それが嬉しかったのだと思うのですが、だんだん独善的で高圧的なメル・ファーラーとのズレが生じて離婚に至ります。
メル・ファーラーの浮気も大きいと離婚当時は書かれていましたが、実は海外の伝記ではあまりメル・ファーラー側の浮気というのには触れられていないので、そこは本当かどうかはわかりません。
年上の夫に守ってもらって、一生愛し合って過ごす、という幻想が崩れたオードリーが次に選んだ夫は逆の年下の夫でした。
実は相手が年下というのはオードリーの年齢が上がるとともに映画でも増えており、第4期作品の「おしゃれ泥棒」「いつも2人で」「暗くなるまで待って」は設定こそオードリーが年下でしたけど、実際にはオードリーの方が年上でした。
特に「おしゃれ泥棒」と「いつも2人で」の相手役のピーター・オトゥールとアルバート・フィニーとはウマが合ったこともあり、年下に惹かれたのかもしれません。
でもオードリーの母エッラや、友人にはドッティとの結婚はめっちゃ反対されたそうですね。
せっかくメルと別れられたのに、また同じ間違いをしようとしている!と思われていたそうですが、オードリーは突っ走ってしまいます。
結婚してからもドッティは浮気三昧で、結婚の翌年にはもう浮気がバレています。その時には謝り倒してオードリーと和解しますが、1976年にはルカがモントリオールオリンピックを見ている時に、ドッティは “もしパパとママが別れたらどうする?”と訊いて、幼かったルカを泣かせていますし、すでに離婚の話し合いは始まっていたのでしょうね。
結局1982年に離婚していますが、実質1976年にはもう2人の関係は終わっていたのでしょう。
離婚後、メル・ファーラーとは極力会わなかったオードリーですけど、ドッティとは何度も会ってルカのことで話し合っていたそうですから、既に夫と結婚に対してオードリーが持っていた理想は崩れてしまっており、傷も深くなかったのでしょう。
さて、前置きが長くなりましたが、今回はそんなドッティと結婚当時の逸話が聞ける2012年5月5日放映と、もう12年も経った関西のMBSテレビの“知っとこ!”の紹介。
この番組は関西の製作ですけど、TBS系列で全国放送されていました。
このときのMCは柳原可奈子さん、松嶋尚美さん、富岡佳子さんでした。
オードリーが登場するのは「世界の朝ごはん」というコーナー。
毎週ロケで世界を回って朝ごはんを紹介するなんて、なんてお金がかかってるんだろう!とも思いますね。予算が潤沢だったのでしょうか?
普段は本当に各国の朝ごはんを紹介する内容だったらしいのですが、この週はスイスのレマン湖地方ということで、モルジュの町からオードリーのことが紹介されています。
なので、朝ごはんはあまり関係ありません。
まずはモルジュの朝市を歩いていると、2013年に没後20年を迎えるオードリーの展示を期間限定でやっている店に当たり、そこを取材。
80年代以降の日本みたいに、初期のオードリーばっかりの展示ではなく、60年代やユニセフでの写真も同等に展示してあるのが、いろんなオードリーを見れて嬉しい!
一番奥に大きく幕を張って展示してるのは「パリで一緒に」の撮影スナップではありませんか!
この年はモルジュではオードリー関連の行事が行われているとのことで、他の美術館でもオードリーの展示をやっているのを紹介。
こちらでは「ローマの休日」でのベスパ(映画で実際に使われたのとは違う)も展示していたみたいですね。
期間限定での展示会だったので、当時はめっちゃ行きたかったものです。
それと、街中では割と年齢の高めの人たちにインタビューをして、実際に生きていた当時のオードリーの様子を聞いています。
そこでは、「オードリーはよく散歩に来ていた」「愛想が良くてナチュラルだった」「歳をとってからも美しかった」と語られています。
さらにオードリーがよく行った食料品店としてドゥマという店が紹介されているのですが(ここはオードリーゆかりの店として他の番組でも頻繁に取り上げられる)、そこではオードリーの逸話を聞くことができます。
オードリーはトワイニングのアールグレイがお気に入りだった、息子(この段階ではおそらく長男ショーン)が好きだったのでクランベリーのジュースを取り寄せてもらっていた、そして結婚式の日、オードリーはパパラッチに追われており、助けを求めて来たから、裏口から逃がしてあげたこと、その2日後にはお礼を言いにわざわざ店にきてくれたこと。
パパラッチの件は、ゲッティイメージズ さんの画像を見ればわかるように、いっぱい芸能カメラマンみたいな人がいますが、まあ結婚式が終わっても追いかけてきてたら、オードリーとドッティも逃げたくなりますよね。
そしてオードリーが結婚式を挙げた市庁舎の外観と内部が紹介されるのですが、実はここは今は内部は公開していないと別の番組で紹介されていました。
内装は当時とは変わっているにしても、貴重な映像ですね。
さらにはモルジュのお土産として、オードリーの顔(2種類あって、どちらも見ると「パリの恋人」のもの)が印刷された箱に入った“Audrey”と金箔で名が入ったチョコレートが紹介されています。
ここではそのパティシエさんが、子供の頃にオードリーに頭を撫でてもらったという思い出も語ります。
さて、ここで思い出すのは以前オードリーツアーを考えていた知り合いの旅行社の方の話。
この方と2018年に喋っている時に、“僕も行けるならここでお土産にチョコレート欲しいんですよ!”って言ってたら、そのチョコレート店もう無いんちゃうかな?って言われてしまって、ええ〜〜〜!!って言ってたんですよね。
本当にお店は無くなってしまったんでしょうかね?
これは未だに未解決のままです。僕はまだあると思うんですけどね、どなたかご存知ですか?
それと、ここで今見ると愕然とするのがこのチョコレートの値段。
この放送当時は当然その時の物価なので、なんとも思わなかったんですが、この当時24個入りは17スイスフラン で約1500円、と紹介されています。
お土産には手頃な値段ですよね?会社や学校で配っても良さげな値段。
でも今の為替レートで考えるといくらやねん?と計算すると、いまは1スイスフラン≒171円。
171円×17フランで約3000円!うおおお、2012年の倍になってるやん!!
しかもスイスでは普通に物価に合わせて価格が上昇してたとすると、今やこのオードリーチョコレートは4000円〜5000円ほどするのではないかと…。
今や他の国から取り残されつつあり、超円安になってしまったのが悲しくなってしまいますね。
この番組放送当時は1スイスフラン は85円〜90円ほどだったということですよね。ショック!
そして次にはオードリーの友人だったクリスタ・ロットさんが紹介されます。
ユニセフで働いていた縁でオードリーと知り合った方ですね。オードリー担当の方でした。
そのロットさんからは、オードリーが笑顔を絶やさずいつも自然体だった、またオードリーはスイスで安らぎを求めていた、と語られます。
次にオードリーの愛した家、ラ・ペジブルが紹介され、トロシュナの共同墓地でのオードリーのお墓も紹介されます。
90分枠の中の25分ほどの単なるコーナーの間に、この内容の濃さ!
さすがオードリーを愛した日本ならではの番組!
海外だとなかなかこんな濃い内容は無くて、せっかくオードリーだけで番組を作ってもわりと上滑り気味なんですけど(「マジック・オブ・オードリー」とか2022年に劇場公開された映画「オードリー・ヘプバーン」など)、こんな時は日本人で良かったなーと思います。
2012年〜2013年はオードリーの没後20年でいろんな局でオードリーが多く取り上げられました。
他にもWOWOWの「ノンフィクションW ヘプバーンが本当に伝えたかったこと」、NHK「松下奈緒 永遠のオードリー前後編」、TBS「世界ふしぎ発見!」などと優秀なオードリーの番組がいくつも日本で放映されました。
オススメ度:★★★★(この短い時間でこの内容をありがとうございます!)
Posted by みつお at 18:00│Comments(0)
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