2009年03月23日

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2 さて、前回に引き続き、Christine Kidneyの写真集、「ICONS OF OUR TIME:Audrey Hepburn」のお話。

 今まで、オードリーの写真は山のように見てきてますし、写真集もいっぱい持ってます。
 でも、この写真集ほど、オードリー自身が気にしてた顔の造作が目に付くのは今までなかった!という、ある意味画期的な写真集(笑)。

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2 ←これは、見てすぐにわかるように、「ローマの休日」以前のオードリー。1951年にボンネットの宣伝でのオードリーだそうです。

 ファンデーションがうまく乗ってないのか、肌がえらく荒れているようなのも目に付くんですけど、この画像で一番目に付くのは歯並びの悪さ。しかもカメラマンが悪いのか、かなり黒く写ってます。

 めくった次のページは「ローマの休日」宣伝画像の、同じような大きさ・角度のもので、真っ白い歯で笑うオードリーなので、この画像の歯並びが目立ちます。こりゃオードリー気にするよね、って。

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2 あと、オードリーが亡くなってからだいぶ経ってしまったので、画像の管理が悪いのか、最近の雑誌や写真集でやたらと目立つようになってきた“裏焼き”(→ついこないだの「スクリーン」にカラーで載ってたこれも)。

 僕には裏焼きは違和感があるので、見たらだいたい判断できるんですけど、どこで違和感を感じていたのか…これもこの写真集で決定的な見分け方を教えていただきました(笑)。

 誰が言い出したのか、オードリーの顔は左右対称などというデマが巷にはびこってますけど、あのオードリーでもさすがにそんなことはないです。特に鼻が違います。

 オードリーって、自分でもそれを知っていたので、特に「パリの恋人」以降のポートレートでは、ほぼ正面か左側からかしか写真に撮らせてませんよね。

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2 ←これは正面から見たオードリーの鼻。見ていただくとわかるように、オードリーの鼻筋はいったん向かって右(オードリーからは左)に逆「く」の字のようにぐぐっと曲がってから小鼻にきてますよね。

 そして小鼻の先から鼻の下に向かって、なんと2つに割れかけてるんです!「シャレード」でケーリー・グラントの顎を見て、“ここはどうやって剃るの?”なんて言ってましたけど、オードリーの鼻も、ですよね。

 その2つに割れかけてる向かって右が、ちょいと左より下に下がってます。そして向かって右(オードリーには左)の鼻の穴に両方ともくるんって巻き込まれてオードリーの鼻は終了。

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2 なので、オードリーが右側から撮らせてる画像(←)では、オードリーは横を向いているのに、鼻はこっちを向こうとしてるように見えますよね。2つ割れの鼻の下も右が下がってるからバランス悪いし。

 逆の左側から撮った画像(→)は、きちんと鼻も横を向いてくれるので、キレイ!(いや、オードリーだから実はどっちでも綺麗なんですけど)
 2つ割れの鼻の下も気にならないように見えます。

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2 こういうことに、たくさんたくさん画像を撮られてきたオードリーは自分で気づいたんでしょうね。それで自分が主張を出来る「パリの恋人」くらいになると、左側からしか撮らせないようにした、と。

 でも別にこれってスターのわがままとかとは全く違いますよね。みなさんも自分が綺麗に写真に撮れてると嬉しくないですか?
 最近の若い人たちの間では、綺麗に撮れると“うまく盛れてる!”って言うんだそうです。

写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2写真集「ICONS OF OUR TIME:Audrey」2 ましてやオードリーはスター!ファンの手元にいくポートレートで、より綺麗な自分を見てもらうように努力するってのは当然の義務ですよね。
 オードリーは努力の人なのデス(僕の逆)。

 そんなこんなで、思わぬ裏焼きの完璧な見分け方まで伝授してもらった(?)写真集なのでした。
 みなさんもオードリーの写真を見て、“これって裏焼き!?”って思ったら鼻を見てください。

 ってわけで、鼻でオードリーの裏焼きを見分けるなんて、僕が世界で最初の提唱者だろうと自負しています。エッヘン!(笑)

オススメ度:★★★





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Posted by みつお at 16:00│Comments(8)海外の写真集
この記事へのコメント
オードリィって可能な場合は徹底してますよね~。
僕があれっと思ったのは、「いつも2人で」を何度か見返していた頃。
各シーンを思い返すと、スコープサイズのフレームの中にいる2人・・・・
画面の左側にジョアンナって構図が圧倒的に多いんですよ~。
二人が向かいあってる場面なんか、オードリィは左顔を見せるようになってますね。
二度目の来日の際、報道陣につけた数少ない注文のひとつが、
“写真をお撮りになるときは、左側からにしてください”でしたから、
その頃からなんでなんだろな~って思ってました。
Posted by まる at 2009年03月23日 23:06
まるさん!
まるさんは87年の来日時のオードリーの情報をご存知ですか!?
87年来日時の情報は清藤秀人さんのインタビューとかしか知らないんですよ!
当時の雑誌を買ったらわかりますか?
ぜひぜひ当時の詳しいお話を教えてくださいです!!

それと、「いつも2人で」もそうですか!?
さすがに映画の中ではどちらから撮られるかってことは
気にしていないと思ってたんですけど。
でもそう言われれば…。
今度見るときは気にして見てみます!
Posted by みつおみつお at 2009年03月24日 22:53
結構分析してますね~。
言われてみれば・・。
素敵な方です。
Posted by kokoko at 2009年03月25日 18:48
自己レスです。

>画面の左側 
 
→右側の間違いですッ!

最近、ボケボケですみません。春のせい?歳のせい?
でもホントに「いつも2人で」って、オードリィが右側(マークにとっては左側)
って構図が多いんですよ。
つまり映りでは、向い合うと左顔を見せるようになっているんですかね。
これって偶然?
フィニーを意識するより観客を意識したプロ根性ってとこでしょうかねぇ。

再来日の件、僕も真っ先に思い浮かべるのは、我らが清藤さんのインタヴューですが、
他にもいろんな記事を読んだ記憶があります。
で、僕のマズイ癖がですねぇ~、よほどのことがないと出典を忘れるんですよ。
まず論文なんか書けっこない能力ですよね。

ただ写真写りの件、確か映画専門誌ではなかった筈です。
あまり思い入れのない冷静かつ客観的な記事の中に書いてありましたから。
(でも載っている写真、真正面からのでしたけどね)
Posted by まる at 2009年03月25日 21:31
>kokokoさん

はじめまして。
そうですか~。
またおいでください。
Posted by みつおみつお at 2009年03月27日 12:18
>まるさん

あ~、右側ですか!
確かにMGとかに乗ってるシーンでは右側ですね。
左というと、あのエナメルのパンツルックで
歩くシーンを思い浮かべてました。
でもやはりベッドでのシーンや、海辺でもオードリーが右ですよね。

きっとこれって、オードリーの希望を先に察知した
スタンリー・ドーネン監督の指示じゃないでしょうか。
オードリーと組むのはもう3回目なので、
スタンリー・ドーネン監督も、どうすればオードリーが
安心して演技できるか、ってことを
知り尽くしていたでしょうしねー。

カメラマンのクリストファー・チャリスとは初顔合わせなので、
オードリーが左から、なんてことは知らなかったでしょうし、
先に絵コンテとか作った段階から、
オードリーが右!ってのは考慮にはいってたんじゃなですかねー。

87年の来日記事の出典、知りたいですねー(笑)。
オードリーの来日って、2度目や3度目(90年5月)って、
ほとんど話題に上らないので、
詳しい様子がわかったらいいな~って思います。
Posted by みつおみつお at 2009年03月27日 12:30
科学的に美を追求する番組がアメリカで放送されてまして、滞在中にたまたま見る機会を得ました。その番組では美という意識には左右対称性が決定的な違いを生み出していると結論付け、美男美女が跋扈するハリウッドの中でやはり左右対称性が抜きん出ているのは、オードリー・ヘップバーンとイングリッド・バーグマンだそうです。恐らく昔にもそんなデータが出て、オードリーは左右対称だという話が流れてきたのでは? 未だに上記の二人以上に左右が対称な顔を持った女優が現れていないと聞くと、まぁほぼ完璧に対称なんじゃねぇ?とか思ってしまいます。一般の人間と違い、顔を少しでもいじったりすればたちまちにその美が崩壊するだろうと研究者に言われた、二人の美しさがうらやましかったりしますw
Posted by ドラゴン橘 at 2009年11月11日 00:59
ドラゴン橘さん、初めまして。

どういうふうに科学的なのか、その番組を見ていない僕にはわかりませんが
(おそらく写真の左右半分ずつで反転してみた、とかでしょうが)、
残念ながらオードリーは左右対称の顔ではありません。
左右対称が美人の条件の1つであり、
オードリーがそれに近いのなら嬉しいことですが、
当の本人自身がいちばん左右非対称なのをわかっていたみたいです。

オードリーのファンなら知っていることなのですが、
オードリーは初期の頃を除くと
向かって右からはほとんど写真に撮らせませんでした。
本人も向かって右からはなんか写りが良くない!と思っていたのでしょうね。

このブログで取り上げた記事で「ロビンとマリアン」のノベライズ本
(2007年6月21日)の記事の表紙のオードリー、
これが最初に見た中学の時でも、いつもと違うオードリーの顔に
かなり違和感がありました。
おそらく左右のなにかのパーツが違うのでしょう。
この表紙も、裏から透かして見ると、いつものオードリーでした。

この記事では鼻の違いを書きましたが、
オードリーの顔、向かって左は元気いっぱいの顔なんですが、
向かって右はちょっと哀しみを湛えたような顔になっています。
この写真集は、ちょっと濃い目に刷られているみたいで、
陰影の濃さによってオードリーの顔の左右非対称が強調されることになってました。
今回僕もこの写真集でオードリーの左右の違いがハッキリわかったくらいです。

ただ、オードリーが美しいというのはなんの異論があろうはずもなく、
別にオードリーの顔が左右非対称であるからと書いても、
オードリーを貶めているのではありませんし、
かといって変に神聖化もしたくありません。
ありのままのオードリーが僕は大好きなんです。(^-^
Posted by みつおみつお at 2009年11月11日 15:40
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