2013年03月12日
JULIE & AUDREY 二人のチャーミング・レディー

その名のとおり、オードリーとジュリーでレコードを片面ずつ分け合っています。
1966年セブン・シーズ・レコード(キングレコード)の発売で、価格は1800円。
「アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンド」に次ぐ第2弾だったようです。
価格は当時としては高めだと思うんですけど…。なんせジャンボ宝くじの1等の基準が、東京の都心で一軒家を建てることができる、ということらしいんですけど、当時の1等は1000万円にも満たないんですからねー。
当時はステレオセットを持つのが庶民の憧れだった、というのも頷ける贅沢品ではないのかなー?と。
いまやお手軽に音楽を持ち歩ける時代となったので、若い人には考えられないかもなーなんて思います。
あ、ちなみに僕は家で、7.1chの大きな音で聴きたい派です。(^^;
めっちゃ脱線しましたけど、日本題名はオードリーが先に書いてありますけど、欧文のように、レコードではジュリー・アンドリュースがA面で、ジャケットもオードリーは裏面。
でも、このジャケットではめっちゃ珍しい「ティファニーで朝食を」のかわいいオードリーが使用されています。

1.魅惑のワルツ
2.ムーン・リヴァー
3.シャレード
4.一晩中踊れたら
5.教会に間に合うように行ってくれ
6.君住む街角
となってます。
いくらオードリーのその時点での最新作が「マイ・フェア・レディ」だと言っても、後半3曲とは多すぎですよね。しかも5曲目はオードリーの出番のないシーンの曲だし、同じ条件なら「運が良けりゃ」の方が有名。変なの。(^^;
ま、裏面のジュリーは「サウンド・オブ・ミュージック」と「メリー・ポピンズ」の2作だけからの選曲で、「卑怯者の勲章」はないので、こういうのもアリなんですかね?
僕の持ってるレコードだけの問題かもしれませんが、音はあんまり良くないです。
しかもこのオーケストラの音が薄いので、印象にもほぼ残らないです。
60年代には当たり前だった、ペラジャケと言われるもので、中に4pの解説つき。
ここで特記すべきことは何も書いてません(笑)。
1966年当時、最も人気のあった女優、ということになると、当然この2人になるのでしょうね。
ジュリーは「サウンド・オブ・ミュージック」で人気爆発しましたよね。それまで“スクリーン”で6年間、“映画の友”で7年間も人気投票で1位だったオードリーを蹴落として、「サウンド・オブ・ミュージック」公開の翌年の5月号、両誌で1位になっています。
もっとも、オードリーは1965年に新作はなかったので、ちょっとツライ戦いでしたよね。
でもオードリーはその後「おしゃれ泥棒」で67年の“映画の友”最後の人気投票で1位奪還、“スクリーン”でも「いつも2人で」で68年には1位奪還を成し遂げ、その後も1位の記録を伸ばし続けているのはご存知の通り。

この2人に共通するのは“清潔感”。
なのでこの時期、オードリーへ来た作品のオファーで、オードリーが断ったものは、相当ジュリーへ回っています。
「卑怯者の勲章」「ハワイ」もそうですし、「サウンド・オブ・ミュージック」も。
そしてジュリーの舞台で大成功を収めた「マイ・フェア・レディ」はオードリーに。
今でも「マイ・フェア・レディ」がジュリーで演じられたら…などと言う意見を聞きますが、僕はナンセンス!だと思っています。
大体、もう長い時間が経っているので、ジュリーの舞台で「マイ・フェア・レディ」を見た人が今もそう言っているとはとても思えませんしね。単に想像で述べているだけ。
それに、もしジュリーが「マイ・フェア・レディ」に出たら、ジュリーのもう1つの代表作「メリー・ポピンズ」は存在しなかったという重大な観点が抜け落ちていますね。
それに「サウンド・オブ・ミュージック」も「マイ・フェア・レディ」に出なかったオードリーが主演していたかもしれません。
「マイ・フェア・レディ」に出ることで、ジュリーは巨大な2大代表作「サウンド・オブ・ミュージック」と「メリー・ポピンズ」を失っていたかも、という事を考えたとき、「マイ・フェア・レディ」に出れなかったからこそ、ジュリーはチャンスを掴んだ!と思ってます。
なので、これも運命だったのだろうなーと僕は思ってます。
そしてオードリーには「マイ・フェア・レディ」という代表作を、ジュリーには「サウンド・オブ・ミュージック」と「メリー・ポピンズ」という代表作を、という感じで、結局はどちらも丸く収まってるや~ん!みたいな。
だからこそ、当時から続く「マイ・フェア・レディ」でのオードリーに関するバッシングは行き過ぎ!だと思ってます。

新しい脚本を書くエマ・トンプソンって女性が、“オードリーは歌も歌えないし、演技もヘタ!”と暴言を吐いてたそうです。
これで全世界の「マイ・フェア・レディ」のオードリーを愛しているファンから総スカンを食ったのは間違いないですね。
だいたい、こんな人を貶めるようなことを発言する人に、オリジナルを超えるような素晴らしい脚本が書けるんでしょうかね?
僕はおそらく心のこもってない脚本に仕上がる気がします。
それに「マイ・フェア・レディ」はオードリー最高作の1つ。ここでのオードリーの醸し出すエレガンスを超えるのは至難の業。
今までのオードリー作品の再映画化やテレビムービー化は、ことごとく酷評されていますよね。
それらはオードリーが絶対無比の存在であることを鮮明にしただけ、という結果で終わっています。
「プリティ・ウーマン」のようにアレンジしてしまうならともかく、オリジナルのままで行くのは僕には無謀としか言いようがありません。
僕がプロデューサーなら、今後の自分の評価も地に落ちるような、勝ち目のない賭けにお金を出す気はないですけどね。
もしかしたら、それで「マイ・フェア・レディ」の再映画化は滞っているのかもしれませんね。
「マイ・フェア・レディ」は今年撮影からちょうど50年。来年は製作50周年になりますので、リバイバルやオードリーの歌う“スペインの雨”も発見されて、新たな特典付きのブルーレイなんかが出ることを期待しています!
(でも今「マイ・フェア・レディ」はパラマウントに権利が移っているから、特典は難しいのかなぁ…ちょっと不安。)
オススメ度:★(聴くのはちょっと…)
Posted by みつお at 17:00│Comments(0)
│オードリー特集レコード・CD