2020年05月03日
テレビ番組「乾杯!ビリー・ワイルダー」

そしてなぜか以前から、もし紹介するならこれ!って決めていたのがこれです「乾杯!ビリー・ワイルダー」。
決してオードリーメインの番組ではないので、自分でもなんでこれ?と思っていましたが、その珍しさからもこれにしようとずっと何年も前から思っていました。


邦題が「乾杯!ビリー・ワイルダー」という名称に決められていますが、本来の題名は “The American Film Institute Salute to Billy Wilder”みたいですね。IMDbで調べるとアメリカでは1986年4月26日に放送されているようです。


なので今見るととっても画質は悪いんですが、その当時だとこれが当たり前ですね。
さてこの「乾杯!ビリー・ワイルダー」はその功績を称えられてAFI(American Film Institute)から第14回功労賞を贈られた時の映像です。


もし後数年オードリーが生きていたら、オードリーにも当然贈られた賞だったと思います。
さて、映像はまず「新春洋画劇場 乾杯!ビリー・ワイルダー」という題字が出て、ワイルダー監督の作品のシーンが「お熱いのがお好き」から少しずつ色々と出てきます。この時に出てくるオードリーは「麗しのサブリナ」が一瞬だけ。


そしてもちろんこの日の主役ですから、主賓席のような席に待っている夫人、オードリー・ワイルダーの元へ行くのですが、そこではオードリー・ヘプバーンも待っています。


さすがオードリーとビリー・ワイルダー夫妻は仲がいいだけありますね。ちなみにオードリーの隣はウォルター・マッソーです。
そしてその後原題 “The American Film Institute Salute to Billy Wilder”が出ます。そしてAFIの事が紹介されて、いろんな出席スターが映像で紹介されます。シルベスター・スタローン、ジーン・ハックマン、トニー・カーティスなどなど。


司会はジャック・レモン。ワイルダー作品には7本出演したそうです。最初に自分がワイルダー監督から出演依頼を受けた時のお話。「お熱いのがお好き」のことですね。笑いを交えた話ぶりで、それを聞いているオードリー(というか、本当はビリー・ワイルダーなんでしょうけど)が写ります。


“役者冥利に尽きる、一生の記念碑です”と語っていました。舞台側からの映像も挟まれます。
そして映画作品が流れます。まずは「ニノチカ」から何作品か。そしてどれかの出演者が出てきてビリー・ワイルダーへ賛辞。またいろんな作品の映像が流れて、「昼下りの情事」のリヨン駅での別れのシーンが長めに流れて、オードリーが舞台に登場。ほとんどの人がスタンディング・オベーション!


オードリーはスピーチ用の台の前へ行くと、一礼して話し始めます。ここに全文を掲載。
“今夜は禁句のアドバイスを山と受けました。褒めたりしたら、ビリーは退席すると。でもこんな素晴らしい機知に富んだ、優しくユニークな天才と仕事できれば感謝は当然。ビリー、「麗しのサブリナ」と「昼下りの情事」をありがとう”


“私に幸せと成功を運んでくれた事も。そして何より楽しい時と笑いと友情をありがとう”
“オードリーのような美しい奥様がいた事も。”(と言うと、ビリー・ワイルダー夫人のオードリーにカメラが移動。夫人はもう一人の「オードリー」にも手で指します)


と言って最後に投げキッス。ワイルダーも投げキッス。
ジャック・レモンの司会を挟みながら、ウォルター・マッソー、ジェシカ・ラング、ウーピー・ゴールドバーグなどが次々とスピーチします。
トニー・カーティスやジャック・レモンらは歌も披露。


最後にビリー・ワイルダー監督が功労賞の盾を受け取ってスピーチ。壇上に行く際にはオードリーもお見送り&拍手。
ここには居ない(亡くなった)エルンスト・ルビッチ、共同脚本家だったチャールズ・ブラケットらのスタッフ、ゲーリー・クーパー、ウィリアム・ホールデン、タイロン・パワー、グロリア・スワンソン、ハンフリー・ボガート、マリリン・モンロー、モーリス・シュバリエ、チャールズ・ロートンらの名前を次々挙げて、“天国で豪華版ができる”とジョークを。


そして映画が何度か揺らいだ事、最初はサウンド、その後はテレビにカセット。そして将来はマイクロチップ。
ここで面白いのはその将来の話で、いまに映画館もスタジオも必要なくなると予見されているという話。
車のハンドルに取り付ける小スクリーン(いまのカーナビ?)や、だれかがボタンを押し、衛星に信号を送るだけで観れる映画など、今の状況を既に予告していた人がいる事。まだ1986年で今から34年も前なんですけどねー。


最後に司会のジャック・レモンが締めてパーティーは終わります。
また最後に名場面(「昼下りの情事」含む)が流れて本編は終了。


今はこういう番組は地上波では流れませんね。やるならせいぜいスター・チャンネルかWOWOWという有料のところでしょうか。
バブル前の、日本がお金を湯水のように使える、物凄いパワーがあった頃の放送作品ですね。
そしてオードリーは相変わらず美しいなあ〜。
内容の優秀度:★★★
Posted by みつお at 21:00│Comments(6)
│テレビ番組
この記事へのコメント
1986~87年というとワイルダーゆかりの女優ではまだグレタ・ガルボ(『ニノチカ』)もマレーネ・ディートリヒ(『情婦』)もバーバラ・スタンウィック(『教授と美女』『深夜の告白』)も健在だったのですよね。そのころ出版された『20世紀全記録』(講談社)ではガルボとディートリヒが大きく取り上げられたコーナーもありました。初版から数年後に地元の図書館で読んだ記憶があります。こういう経験を通してリアルタイムで経験していないような古い時期の映画に関心を持つようになったのかもしれません。(当時小学校高学年でした)
突然思い出話で失礼しました。
突然思い出話で失礼しました。
Posted by take at 2020年05月16日 02:16
takeさん、こんにちは!
バーバラ・スタンウィックはあんまり知らないのですが、グレタ・ガルボとマレーネ・ディートリッヒ(僕はディートリッヒとして覚えてるんですけど、今はディートリヒが普通なんですか?)は僕も「スクリーン」などで自然に覚えていきましたよね。
ガルボとディートリッヒ2人で1つのシネアルバムも出てましたよね。買わなかったですけど、本屋で立ち読みしてました。知らない昔の映画の写真とかがとても興味深かったです。バーグマンの初期作品の写真を見るのと同じ感覚でした。
でも確かに昔はそうして自分より古い時代の俳優や作品にも触れる機会があったと思うのですが、最近は「SCREEN」もページ数が減ってるし、スマホで自分の興味のある所しか見ないでしょうから、往年の名作なども知らないままなんでしょうね。そんな状況でも生き残ってるオードリーは本当に凄いことですよね。
あ、でもtakeさんはかなりお若いんですね!
バーバラ・スタンウィックはあんまり知らないのですが、グレタ・ガルボとマレーネ・ディートリッヒ(僕はディートリッヒとして覚えてるんですけど、今はディートリヒが普通なんですか?)は僕も「スクリーン」などで自然に覚えていきましたよね。
ガルボとディートリッヒ2人で1つのシネアルバムも出てましたよね。買わなかったですけど、本屋で立ち読みしてました。知らない昔の映画の写真とかがとても興味深かったです。バーグマンの初期作品の写真を見るのと同じ感覚でした。
でも確かに昔はそうして自分より古い時代の俳優や作品にも触れる機会があったと思うのですが、最近は「SCREEN」もページ数が減ってるし、スマホで自分の興味のある所しか見ないでしょうから、往年の名作なども知らないままなんでしょうね。そんな状況でも生き残ってるオードリーは本当に凄いことですよね。
あ、でもtakeさんはかなりお若いんですね!
Posted by みつお
at 2020年05月16日 15:48

みつおさんへ
シネアルバム『ガルボ/ディートリッヒ』は私も持ってます。(改めて確認してみると1991年発行の第12刷でした)シネアルバムでは他にもヴィヴィアン・リー、イングリッド・バーグマン、グレース・ケリー、エリザベス・テイラーのを揃えてしまいました。90年代いっぱいまでは比較的大きな書店で並べられていたのは記憶にあります。
>自分より古い時代の俳優や作品にも触れる機会
母が読んでいた女性誌に淀川長治氏とおすぎさんの対談記事があり、当時は興味深く読んでいました。
>今はディートリヒが普通なんですか?
表記揺れについては自信がないのですが、ウィキペディアでは「ディートリヒ」表記が優先されていますね。
シネアルバム『ガルボ/ディートリッヒ』は私も持ってます。(改めて確認してみると1991年発行の第12刷でした)シネアルバムでは他にもヴィヴィアン・リー、イングリッド・バーグマン、グレース・ケリー、エリザベス・テイラーのを揃えてしまいました。90年代いっぱいまでは比較的大きな書店で並べられていたのは記憶にあります。
>自分より古い時代の俳優や作品にも触れる機会
母が読んでいた女性誌に淀川長治氏とおすぎさんの対談記事があり、当時は興味深く読んでいました。
>今はディートリヒが普通なんですか?
表記揺れについては自信がないのですが、ウィキペディアでは「ディートリヒ」表記が優先されていますね。
Posted by take at 2020年05月16日 18:52
横から失礼します。「シネアルバム」のオードリー編は、まさに「おしゃれ泥棒」のリヴァイヴァルに接した'71年の刊行でしたので即座に購入しました。
ところでこのシリーズの版元だった芳賀書店は'70年代の終わり頃にアダルト関係書籍(所謂ビニール本)で当たりを取り、神田神保町に新築の神田古書センター内に新店舗を構えたのでした。
小中高と比較的近くの九段の学校に通っていたので古本街はずっと馴染み深かったのですが大学後半の頃、神保町で「芳賀書店はどこでしょうか?」と同世代に尋ねられたことが複数回。また同じビルの上階に中古レコード店があり、そこを目指してエレベーターに乗っていたら芳賀書店のフロアで当方を除く全員がそそくさと降りたなんてことも。
「シネアルバム」以外にも意欲的な出版の多かった芳賀書店も今は昔のようで、栄枯盛衰は世の倣いですが。また同じビルには欧風カレーのボンディがあり「カレーの街神保町」誕生のきっかけの店の一つのようです。またまた脱線で失礼しました(--;)。
ところでこのシリーズの版元だった芳賀書店は'70年代の終わり頃にアダルト関係書籍(所謂ビニール本)で当たりを取り、神田神保町に新築の神田古書センター内に新店舗を構えたのでした。
小中高と比較的近くの九段の学校に通っていたので古本街はずっと馴染み深かったのですが大学後半の頃、神保町で「芳賀書店はどこでしょうか?」と同世代に尋ねられたことが複数回。また同じビルの上階に中古レコード店があり、そこを目指してエレベーターに乗っていたら芳賀書店のフロアで当方を除く全員がそそくさと降りたなんてことも。
「シネアルバム」以外にも意欲的な出版の多かった芳賀書店も今は昔のようで、栄枯盛衰は世の倣いですが。また同じビルには欧風カレーのボンディがあり「カレーの街神保町」誕生のきっかけの店の一つのようです。またまた脱線で失礼しました(--;)。
Posted by Edipo Re at 2020年05月17日 00:34
>takeさん
僕はシネアルバムはオードリーとヴィヴィアン・リーとバーグマンと、シネアルバム60「スクリーン 愛のテーマ10 世界文学の恋人たち」というのだけです。
最後のは文芸作品を映画化したものが特集されていて、オードリーの「戦争と平和」やヴィヴィアン・リーの「風と共に去りぬ」「アンナ・カレニナ」が載っていたので買いました。
ガルボやディートリッヒはあまりにも縁遠くて買いませんでしたね。実は「情婦」「パリで一緒に」以外は全く見てないので…。
このシネアルバムは90年代後半には一気に見なくなりましたよね。
それまで当たり前のように書店にあったので、倒産したのかと調べて見たら、実はアダルト書籍との2本立てでやってた会社だというのを知りました。映画の方はなんでやめてしまったんでしょうね…。
でも僕の虐げられている人・物ほど愛おしく思ってしまう、という癖のせいで、バーグマンなら「四人の息子」「天国の怒り」などが気になってしまいますし、グレース・ケリーなら「緑の火・エメラルド」とか「白鳥」などの今はほとんど顧みられない作品が知りたくなります。
それと、ネットで調べると「ディートリッヒ」表記の方が優勢ですよね。国内の映画サイトはほぼ「ディートリッヒ」ですし、本も自伝を含めて「ディートリッヒ」ですね。
なんでwikiでは「ディートリヒ」?と思って履歴を確認しましたが、最初は「ディートリッヒ」だったのに、ある1人の編集で、改名をノートで話し合われることもなく、理由も示さずに変更されていましたね。
ドイツ語の発音では「ディートリヒ」が近いのでしょうか…。
でも、「私」を意味するドイツ語の「ich」 は「イッヒ」と習ってるので、「ディートリッヒ」でいいのでは?と思いますね。
「ヘプバーン」「ヘップバーン」の揺れよりもなんか納得のいかない揺れですよね。
そういえば、バーグマンの「ジェキル博士とハイド氏」も公開時は「ジェキル」表記だったのに、ウィキでは「ジキル」というDVDの表記なのも気になって仕方ありません。こういうのは劇場公開時に合わせるべきですよね?
僕はシネアルバムはオードリーとヴィヴィアン・リーとバーグマンと、シネアルバム60「スクリーン 愛のテーマ10 世界文学の恋人たち」というのだけです。
最後のは文芸作品を映画化したものが特集されていて、オードリーの「戦争と平和」やヴィヴィアン・リーの「風と共に去りぬ」「アンナ・カレニナ」が載っていたので買いました。
ガルボやディートリッヒはあまりにも縁遠くて買いませんでしたね。実は「情婦」「パリで一緒に」以外は全く見てないので…。
このシネアルバムは90年代後半には一気に見なくなりましたよね。
それまで当たり前のように書店にあったので、倒産したのかと調べて見たら、実はアダルト書籍との2本立てでやってた会社だというのを知りました。映画の方はなんでやめてしまったんでしょうね…。
でも僕の虐げられている人・物ほど愛おしく思ってしまう、という癖のせいで、バーグマンなら「四人の息子」「天国の怒り」などが気になってしまいますし、グレース・ケリーなら「緑の火・エメラルド」とか「白鳥」などの今はほとんど顧みられない作品が知りたくなります。
それと、ネットで調べると「ディートリッヒ」表記の方が優勢ですよね。国内の映画サイトはほぼ「ディートリッヒ」ですし、本も自伝を含めて「ディートリッヒ」ですね。
なんでwikiでは「ディートリヒ」?と思って履歴を確認しましたが、最初は「ディートリッヒ」だったのに、ある1人の編集で、改名をノートで話し合われることもなく、理由も示さずに変更されていましたね。
ドイツ語の発音では「ディートリヒ」が近いのでしょうか…。
でも、「私」を意味するドイツ語の「ich」 は「イッヒ」と習ってるので、「ディートリッヒ」でいいのでは?と思いますね。
「ヘプバーン」「ヘップバーン」の揺れよりもなんか納得のいかない揺れですよね。
そういえば、バーグマンの「ジェキル博士とハイド氏」も公開時は「ジェキル」表記だったのに、ウィキでは「ジキル」というDVDの表記なのも気になって仕方ありません。こういうのは劇場公開時に合わせるべきですよね?
Posted by みつお at 2020年05月17日 16:11
>Edipo Reさん
シネアルバムは本格的なオードリー写真集としては全世界的に最初のものでしたよね。
今でこそオードリーの写真集というと玉石混淆で山のようにあって、それが普通だと思っていますが、71年に出た当時はきっと画期的な出来事だったんでしょうね!
これは本当にこんな革新的な本を出してくださった芳賀書店さんに感謝しかありません!デラックスカラーの方は今見てもレア写真でしかも印刷も美しいですよね。
なので余計に今やめてしまっているのが残念で…。
僕がオードリーのファンになった頃はシネアルバムとデラックスカラーシネアルバム以外に「カタログ オードリー・ヘプバーン」がありましたが、その当時でも海外ではまだ1冊も出ていなかったですよね。
この辺がずっとオードリーを愛してきた日本と、オードリーを忘れていた時代のあったそれ以外の国の差でしょうか。
そういえば、海外で最初に出たオードリーの写真集ってどれなんでしょうね。
シネアルバムは本格的なオードリー写真集としては全世界的に最初のものでしたよね。
今でこそオードリーの写真集というと玉石混淆で山のようにあって、それが普通だと思っていますが、71年に出た当時はきっと画期的な出来事だったんでしょうね!
これは本当にこんな革新的な本を出してくださった芳賀書店さんに感謝しかありません!デラックスカラーの方は今見てもレア写真でしかも印刷も美しいですよね。
なので余計に今やめてしまっているのが残念で…。
僕がオードリーのファンになった頃はシネアルバムとデラックスカラーシネアルバム以外に「カタログ オードリー・ヘプバーン」がありましたが、その当時でも海外ではまだ1冊も出ていなかったですよね。
この辺がずっとオードリーを愛してきた日本と、オードリーを忘れていた時代のあったそれ以外の国の差でしょうか。
そういえば、海外で最初に出たオードリーの写真集ってどれなんでしょうね。
Posted by みつお at 2020年05月17日 16:23