2007年01月19日

泉三樹夫編「オードリー・ヘップバーン物語」

泉三樹夫編「オードリー・ヘップバーン物語」 これは1954年11月20日に東京タイムズ社から発行された泉三樹夫編「オードリー・ヘップバーン物語」です。これを“伝記”扱いにしていいのか疑問は残る…(笑)。
(実際にはこのハードカバーの上に油紙が巻いてあります。)

 定価は250円になってます。安い?いえいえ、パンフが20円、名画座50円、日比谷映画劇場で自由席200円の時代だから、実は非常に高額なんじゃないかなー?サイズはB6。

 さて、1954年11月というと、「ローマの休日」の公開はそろそろ3番館での公開、「麗しのサブリナ」は2番館くらいでの上映中というところでしょうか。まだたった2作しか作られていません。でも世はオードリーブーム真っ只中の時代だろうし。街中ではヘップバーン・カットが大はやり。ヘップ履きにサブリナ・パンツ、サブリナ・シューズ!
 オードリー自身も9月20日にメル・ファラーと結婚したばかり。

 内容は最初の1/7くらいがオードリーのモノクログラビアのポートレート。あとは2/7ずつ伝記風小説、「ローマの休日」のモノクログラビア&ストーリー、「麗しのサブリナ」モノクログラビア&ストーリーになってます。伝記部分は、その当時知りうるわずかなオードリーの資料を基に、読みやすいようフィクションを加えたものらしいです。各章のあとには清水俊二さんの解説つき。

 ただ、ここではきちんとエッダという名前は敵国ドイツに英国風のオードリーという名前を知られないため、という記述があるんだけど、後の伝記でよく調べもしないでエッダが本名である、という記述が出回ったため、いまだにエッダを本名とするサイトや記述を見かけるんですよねー。
 息子ショーンによって、出生記録でオードリーが本名であること、エッダという仮の名前はオードリーの母のエラ(ELLA)のLに少し手を加えてDにしてエッダ(EDDA)としてドイツ軍をごまかしたこと、などが述べられて、結論出てます。
 だいたいキャサリン・ヘプバーンと混同するので“ヘプバーンを変えてくれ”という映画会社の要求を断るオードリーの性格上、芸名を名乗るなんて考えられなかったことなので、ショーンがエッダ本名説を完全に否定してサッパリ。(^-^
 この当時から、エッダは仮の名であったことが資料としてわかっていたのに、どこで本名だという誤った認識にすり替わっていったんでしょうねー。ま、どの伝記もオードリー自身にインタビューしてないそうなので、一人が書いたらあとは右にならえ状態?

泉三樹夫編「オードリー・ヘップバーン物語」 さて当時の印刷技術なので、あんまりグラビアも綺麗ではないです。昔の白黒グラビアって、ぼやっとしてしまうからか、鼻とかに輪郭線を描いてるのが変!だんごっ鼻になってたりとかね。
 ただ、後の写真集などで再録されたことのない貴重な画像があったので、1枚だけ載せておきます。

 なんとテレビ出演のオードリー!オードリーは1953年ごろに2・3度テレビ出演していることはわかってるんですが、ほとんどその画像は見たことないです。わずかにシンコー・ミュージックの「スクリーンの妖精 オードリー・ヘップバーン」にレックス・ハリスンと「1000日のアン」を演じている画像が載っているくらい。この画像もおそらくそのときのものなのでしょう。エリザベス1世時代のような、襟の大きな衣装を着て台本らしきものを渡されているオードリーです。

 なお、オードリーの第3回出演作品は54年8月に「霧の家」に決定した!という資料として面白い記述があります。(どういう理由で流れたんでしょうね~)

伝記としての価値:ほぼなし。貴重なグラビアや解説に価値あり。




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Posted by みつお at 00:00│Comments(6)伝記
この記事へのコメント
過去ログ掘り起こしですみません。

オードリーの本名がエッダ説は、ひょっとして最初に出た本格的伝記
チャールズ・ハイアム著作からかな~と思われます。
これが1985年頃日本発売。

それより以前発売された洋書でハリウッドスター名鑑
これはB4サイズのハードカバー豪華本でしたが、
(出版社等は忘れました。実家にあるので探せばわかります(^_^;))
RealNameが
Edda Van Heemstra Hepburn-Rustonになってました。
誤った出典は、このあたりからかなぁ?
Posted by まる at 2007年04月15日 01:20
まるさん、過去ログでも全然かまいませんよ。
他のにもどんどんコメントつけてください!
まるさんの文章、好きですよ!(^-^

1984年に海外でオードリーの伝記がバタバタ出たみたいですけど
(あちらで出た順はわからないのですが)、
ハイヤムとウッドワードのがエッダ本名説。
僕のカテゴリ別では写真集に入れてしまっているけど、
本当は伝記らしいキャロライン・ラザムのではエッダは
戦時中のドイツ軍の審問を避けて名乗った、となってます。

でもそれより前に洋書でエッダ本名説があるなら、
それが諸悪の根源かもしれませんね!

じつは伝記に関しては、なるべく発表順に僕も書こうと、
若槻さん、ウッドワード、ハイヤム、最低メイチックのまで
準備が終わってるんですよ。
次はバリー・パリスでしょうか。
Posted by みつお at 2007年04月15日 10:59
コメントありがとうございました!!☆楽天のWHO-KOです♪☆

みつおさんのこのサイトは、以前から時々拝見させて頂いてましたが、その知識と、オードリーに対する想いの凄さに、私のコメントなど・・・そんな感じで、ずっとコメントは控えておりましたw(^^;)☆

本当は全ての記事に、コメントしたいのですがw、今は特にバタバタしており、それが無理なのが、とても苦しいです。。。w(^^;)☆また時間を見つけて、チョコチョコ入れさせて頂きますね♪☆

さて、この書籍は私も持ってます♪☆何年か前に、某古本屋で購入いたしました!!☆価格一万円(^^;)を、なんとか7千円まで値引きしてもらってw☆

この書籍には、当時金属製のしおりが付いていたそうで、ソレも付けて貰いました♪☆(かなり年季は入ってましたがw(^^;))☆

他にも、コメント頂いた吉村某氏についてなど、アレコレ書きたいのですが、それは又これからと言うことで・・・♪☆

最近はオードリー情報も出尽くした(?)感もあり、オードリーの周りを彩った人達にも興味が♪☆キャプシーヌって女優さんも、オードリーの伝記を読むまで知らなかったのですが、ヒマな時など、チョコチョコ調べてますw☆

それではまた、遊びに来ますね~♪☆
Posted by WHO-KO at 2007年09月13日 21:38
WHO-KOさん、お越しいただいてありがとうございます!(^-^

しかも以前からご覧いただいてたようで…大変光栄です。
オードリーがお好きなら、コメント、遠慮せずに書き込んでくださったらいいのに!です。
他の人のコメントとかって結構読むのが好きなんですよ。
吉村英夫氏みたいなのは困り者ですけどね(笑)。
全記事にコメント!うっきゃー!嬉しいです!!
ぜひぜひ少しづつでもお願いしますです!m(_ _)m

で、WHO-KOさんもこの本をお持ちですか!1万円はちょっと高いですね。
でも値切られたそうで、それは凄い(笑)。

僕のは金属しおりなんてないですよ。どんなのですか?オードリーの写真つきとか。
栞ってもしかして現代の携帯ストラップみたいなもんでしょうか。
いろいろ凝ったのがありそうですよね。

キャプシーヌって、最後は悲しいですよね。友達思いのオードリーにはもの凄い痛手だったでしょうねー。
Posted by みつおみつお at 2007年09月14日 11:56
しおりは、小さな盾型(?)で、挟むと言うより、留めるって感じ・・・w(^^;☆

上手く説明出来ませんが、金色のしおりに、うすく「麗しのサブリナ」のオードリーの顔が印刷されてて、角度によってそれがハッキリ見える・・・そんな感じです♪☆

キャプシーヌとオードリーの間には、先ずジバンシー、そしてウィリアム・ホールデンの存在があることも、興味深いですね☆
Posted by WHO-KO at 2007年09月15日 21:32
ほうほう!そんな感じでしたかーっ!
当時の貨幣価値からすると異様に高い本やなーと思ってましたが、
そういうしおり付きだったんですね。ちょっと納得。(^^

ウイリアム・ホールデンとオードリーって、「パリで一緒に」以降
キャプシーヌ以外のつながりはないみたいですよね。
ホールデンからしたら本当に焦がれ死にかも…。
振られた相手に会いたいけど、でも相手の目にはもう愛情が無い…
って会っても逆につらいだけという感じはわかります、ホント。(←経験者)
Posted by みつおみつお at 2007年09月16日 02:02
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