2020年03月04日

1975年「スクリーン」オードリー・ヘプバーン、カムバック記事

 3/8、 NHK BS1で7:00〜8:50に「よみがえるオードリー・ヘプバーン」という番組が放送されるようです。

 特殊メイクアップアーティストのカズ・ヒロさんのお話なので、題名にオードリーと冠していても、ちょっと違うかもしれませんが…。

 公式サイトはこちらこちら

1975年「スクリーン」オードリー・ヘプバーン、カムバック記事 みなさま、しばらくお休みいただきまして、すみません。
 今後も通院は続きますが、一応復活しましたので、また記事を書いていこうと思っております。これからもよろしくお願いします。

 さて、今回は体調が悪くなる前から考えていた、この1975年の「スクリーン」の記事にします。
 これまた切り抜きで、本体はありません。なので正確には1975年の何月号かは不明です。

 まあでも文章の渡辺祥子さんが「ロビンとマリアン」のソース元としてバラエティ紙3月12日号を挙げてらっしゃるので、おそらく1975年5月号(3月21日発売)か6月号(4月21日発売)だろうと。

 これはオードリーが「ロビンとマリアン」でいよいよ復活する時の記事。

 リアルタイムでこの時期を歩んだ方などはよくご存知だと思いますが、オードリーには「暗くなるまで待って」以降8年と数ヶ月の空白期間があります。

 ファン的には1967年の「暗くなるまで待って」から1976年の「ロビンとマリアン」まで9年の空白に見えますが、実際のオードリー的には1967年の年始数ヶ月で「暗くなるまで待って」を撮ってから、1975年夏撮影の「ロビンとマリアン」まで、8年と数ヶ月ですね。

 さて、そんなオードリーですが、この時のカムバックは本当に大ニュース!
 オードリーは本気で引退したと思われていましたから。もうカムバックなんてしないとみんな思ってたんですね。

 ここでの渡辺祥子さんも冒頭で「このニュース、信じていいのやら無視したほうがいいのやら。まだ、ちょっと判断がつきかねるのだけど」と書いてあるように、100%は信じてない様子。

 「ましてや、何度となく再登場の噂が流れ、そのたびに企画倒れで実現しなかったオードリーのカムバックなんて…“さあ、この通り出演してますよ”と、証拠の写真でも見せてもらうまでは、わたくし、絶対に信じない。」とも書いてらっしゃいます。

 実はこの時、オードリーが復活する映画として流れていたのは、「ロビンとマリアン」だけじゃなかったんですね。
 もう一つここでは20世紀フォックスの「父の日」という作品もカムバック映画として名前が挙がっています。

 「父の日」は結局撮影されずに終わりましたから、こちらのことを詳しく書いておきますね。

 “今年のはじめ、20世紀フォックス社の代表はローマでオードリー・ヘプバーンと何回か接触。両者の会談はきわめてスムーズにおこなわれ、長らくスクリーンを遠ざかっていたオードリーは、20世紀フォックス社が映画化権を持っているオリバー・ヘイリーの戯曲「父の日」でカムバックの模様。共演にはエリザベス・テイラーとパティー・デュークが予定され、両者は出演を承諾している”
だそうです。

 エリザベス・テイラーと共演したオードリーってどんなだったんでしょうね。「父の日」は3人の未亡人の葛藤をドラマティックに描いたものだったそうです。
 結局これも“撮影されなかった幻のオードリー作品”の1本になってしまったわけですね。

 さて、ここでの渡辺祥子さんの文章ではこんなのもあります。
 「正直なところ、わたくしは、彼女のカムバックに絶対反対なのであります。なぜなら、齢をとったであろうかつての妖精を見るにしのびないから。46歳の元妖精と会うなんて、とても悲しいことだとは思いませんか?」

 コアなオードリーファンが渡辺祥子さんに違和感を感じるのは、この辺りの考え方なんでしょうかね。

1975年「スクリーン」オードリー・ヘプバーン、カムバック記事 以前他のコアなオードリーファンと話したときに、吉村英夫氏のオードリーの文章ががあまりにもヒドくて、これは全然オードリーファンではないという話をしていたときに、他のオードリー評論家の林冬子さん・小藤田千恵子さん・南俊子さん・小森のおばちゃま、清藤秀人さんと並んで渡辺祥子さんの名前を出したとき、“渡辺祥子さんもちょっと違う”と言われました。

 確かに渡辺祥子さんの文章だけ、他のオードリー評論家の方と違ってオードリーに対してあたりがキツイ感があったので、なるほどーと思いましたね。

 ここでも年をとったオードリーは見たくない、という論調は、確かに晩年のオードリーを “老醜”と書いていた吉村英夫氏などと同類のにおいがしますよね。

 ネットでも “オードリーは「麗しのサブリナ」までがカワイイ。それ以降はもうダメ” などと書いてる「自称:オードリーファン」がいますが、そんなのは全然オードリーのファンとは認めません。そりゃ単なる「ローマの休日」ファン、あるいはアン王女ファンですよね。
 僕は本当のオードリーの魅力は「パリの恋人」から始まると思っています。

 渡辺祥子さん、実は72年くらいのオードリーの特集号ではまだまだ若いオードリー、ってことを書いてたんです。もちろん「エクスラン・ヴァリーエ」が有ったからですよね。

 でもそれからも当たり前ですが歳月は流れるわけで、オードリーも年を取っていく。その時に“年を取ったオードリーは見たくない”と書いてしまうとやっぱりなんか違うんですよねー。

 僕なんかオードリーを知ったときにはもう実際のオードリーは「ロビンとマリアン」でしたから、年をとったオードリーを当たり前に受け入れてましたね。
 そしてそんな年を取ったオードリーでも子供心ながら “結婚したい!”と思ってました笑。

 でも最初から「ロビンとマリアン」の年齢だったので、ホント全部のオードリーが大好き!晩年、ひっつめにした髪型は改善して欲しかったけど、それでも結婚したかった!笑。83年に来日した時に実際に見たオードリーは本当に綺麗だった!!

 僕が最初に見るオードリー作品として「おしゃれ泥棒」をオススメするのはそこですよね。「ロビンとマリアン」ほどじゃないけど、最初に「おしゃれ泥棒」だと、全てのオードリーを違和感なく好きになってもらえるから。掴みはオッケー!という感じでしょうか。

 後年の「華麗なる相続人」「ニューヨークの恋人たち」「おしゃれ泥棒2」「オールウェイズ」なんかは作品的にはうーん…って感じですが、それでも僕はオードリーが全く出ないより、凡作でも出てくれてて良かったー!と思ってます。
 ファンって単純ですよね笑。



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この記事へのコメント
無事の復帰、おめでとうございます。
また楽しくて濃密な情報をお待ちしています。
Posted by wimpole at 2020年03月04日 22:12
御帰還おめでとうございます。しばらくはのんびり過ごされるのが一番かと。もっとも当方は気付いたら二年半ものんびりしてしまいましたが(--;)。

さて渡辺氏の記事、当時はスクリーンからキネ旬に鞍替えしてたのでリアルタイムで読んでないのですが、確かに?な内容ですね。思い出すのはやはりオードリーの主演が噂された「エーゲ海の旅情(40 carats)」の「40歳の女性は40カラットの値打ちがあるんだ」の台詞です。リヴ・ウルマンには申し訳ないですが、もしオードリーだったらと夢想してしまいます。もっともきちんと観てはいず、つまみ食いなのですが。舞台上演に出かけようかと思った記憶がおぼろげにありますが、さてどなたの主演だったか…。
Posted by Edipo Re at 2020年03月05日 04:54
祝㊗️、復帰
お元気そうでよかったです。
初情報ありがとうございます。
番組も、記事の内容も知りませんでした。
まだまだいろいろあるんですね。

しばらくはあまり無理なさらず
養生してくださいねよろしく
Posted by まる at 2020年03月05日 13:23
>wimpoleさん

ありがとうございます!
まだ体調は万全では無いのですが、ぼちぼちやっていきます(*´ω`*)
Posted by みつおみつお at 2020年03月05日 19:26
>Edipo Reさん

まだちょっとふらふらしたりしますので、ゆっくりしときますね。(ーー;)

渡辺さんの文章、Edipo Reさん的にも、あれ?って感じですか?

「エーゲ海の旅情」、確かにオードリーに最初オファーが行ってましたよね。もしオードリーが主演だったら、もっと残ってた作品になってたんでしょうかねー。なんかこれまた特に高い評価は受けてなかったような…。
そのとき行こうと思った舞台はどなたの主演だったんでしょうね。
Posted by みつおみつお at 2020年03月05日 19:32
>まるさん

ありがとうございます!養生しながらでないと、やっぱりまだしんどいですー。(^_^;)

まるさんがこの記事をご存知無いとはちょっと意外な感じです!
でもお役に立てた感じでそれも嬉しいですね。
僕もファンになった後で手に入れた記事ですよー。
Posted by みつおみつお at 2020年03月05日 19:42
舞台の本邦初演がいつ頃だったか正確な記憶は無いのですが、オードリーが主演するはずだった役と知っていて関心を持ったので'70~80年代かと。ただし配役は忘却の彼方です。

その後に浅野ゆう子、剣幸、大地真央の皆さんが演じられているようですが、大地サンは7年ほど前ですから50+カラットかと…。
Posted by Edipo Re at 2020年03月05日 20:12
>Edipo Reさん

おー!浅野ゆう子さん、剣幸さん、大地真央さんとはこれまた錚々たるメンバーですね。
なんか大地真央さんは本当にオードリー作品と縁がありますねー。
どんなのか「エーゲ海の旅情 大地真央」とかで検索してみましたが、出ないですねー、残念!
Posted by みつおみつお at 2020年03月06日 13:37
>takeさん

「エーゲ海の旅情」「遠すぎた橋」どちらもオードリーが断った作品として有名ですよね。
「遠すぎた橋」はやはり戦争の記憶が蘇るから断ってますが、「エーゲ海の旅情」はなんでですかね。時期が悪かった(引退中)のか、息子のような年齢の男性との恋愛だったからなんでしょうか。

英国でのマネー・メイキングスターの情報をありがとうございます!
なんか何度もベスト10に入ってますね。
60年は「許されざる者」61年は「ティファニーで朝食を」でしょうか。
66年は「おしゃれ泥棒」ということになりますよね。でも66年ですでにジュリー・アンドリュースより上なのは、日本ぽいですね。
59年「尼僧物語」64年「マイ・フェア・レディ」67年「いつも2人で」「暗くなるまで待って」の年が詳しくわからないのが残念ですね。

あと、マネー・メイキングスター、日本でも集計してたはずで、オードリーは1957年から68年までずっと1位だったはずですが、今全然ネットのどこにも出てないですね。日本のも詳しく知りたいなー。
Posted by みつおみつお at 2020年03月06日 13:54
1960年だと『尼僧物語』66年は『おしゃれ泥棒』に加えて『マイ・フェア・レディ』のロングラン上映の影響もあるかもしれません。年度を跨いで上映され続けたヒット作がランキングにも反映されるようなのです。
Posted by take at 2020年03月06日 14:58
みつお様。原題の「40カラット」で検索なさって下さいませ。ぞろぞろ出てきます!
Posted by Edipo Re at 2020年03月06日 15:31
>takeさん

60年は「許されざる者」じゃなくて「尼僧物語」なんですかね。
「許されざる者」が大ヒットしたのは日本だけなんですかねー(-_-;)

もし翌年に計上されてるとすると、60年が「尼僧物語」、61年が「許されざる者」、66年が「マイ・フェア・レディ」かもかも…( ̄~ ̄;)
Posted by みつおみつお at 2020年03月06日 19:45
>Edipo Reさん

ほんとだ!いっぱい出てきました!
が、舞台のは全然“エーゲ海”が無いんですね!ごくごく普通の舞台劇になってますね。

大地真央さんの舞台の脇役で松村雄基さんが出てるのが豪華ですね。
Posted by みつおみつお at 2020年03月06日 19:48
みつおさん、お帰りなさい^_^
復帰はうれしいけど、無理せず続けてくださいね!

40caratはぜひオードリーで観たかったですよね〜。
実はいろいろな女優(エリザベステイラーやソフィアローレン!)も候補だったみたい。
ジョアンウッドワード(ポールニューマンの奥さん)もこの役を演じられなかったことが悔しがったみたいな記事もありました。

ただ実はこの役は結構難しいと思います。
コメディだけどウーマンリブ時代の先駆け的なドラマやし、女性の自立と年齢や性差別なんかも取り上げているから、軽いタッチの中にもしっかりと登場人物の苦悩を表現しないと薄っぺらいものになってしまうし、、、。

当時ベルイマン作品で脚光浴びてたリブウルマンを持ってきたのも演技力に期待してだと思います。

でもやっぱり映画では華がないと^ ^;
オードリーならテーマを見失わせずに可愛いアラフォーの女性像を作れたかもしれませんね。

ちょっとテイストは違うかもしれないけどシェールの「月の輝く夜に」みたいな作品になったんじゃないかと思うと実に惜しいですねー(≧∇≦)
Posted by KG at 2020年03月08日 14:55
> KGさん

コメントありがとうございます。
荒らしがわいたので、KGさんのお目に触れてなければいいなあと思っております。

「エーゲ海の旅情」、いろんな女優さんが演じたがってたんですね。
ジョアン・ウッドワードまでとは!

でもその中でオードリーにオファーが行ったということは、それだけやっぱりオードリーに演じて欲しかったんでしょうね。
1973年作品らしいので、撮影は1972年ですね。となるとオードリーは「エクスラン・ヴァリーエ」の頃ですね。確かに魅力的ですよね。

でも映画はとんと聞かないですね。
映画としての出来はイマイチだったんでしょうかね。

舞台は再演が続いているので、原作はいいものなんですよね、きっと。
原作があれば読んでみたいかなー。もちろんオードリーをイメージして。(^-^
Posted by みつおみつお at 2020年03月09日 09:30
荒らしなんて珍ししいですねー^ ^;
残念ながら?見ておりません(笑)
これからもオードリーファン代表としてブログ続けてくださいね^ ^/
Posted by KG at 2020年03月09日 17:17
KGさんがご覧になってなくてよかったです。
僕になりすまして失礼なコメント書いてたんですよー。
Posted by みつおみつお at 2020年03月09日 22:09
みつおさん、
もう少しお休みください。
フラフラは危険です。
人生長い、寿命伸ばしてくださいね。
Posted by 明智常楽 at 2020年03月14日 04:48
明智常楽さん、大丈夫ですよ。
普通よりはまだまだですけど、退院直後よりはだいぶマシになりましたよー
ありがとうございますねー。(^-^)
Posted by みつおみつお at 2020年03月14日 15:28
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