2021年11月18日
DVD「ハリウッドスター列伝 Vol.1 オードリー、バルドー、モンロー」
はい、今回はこんな昔のDVDを引っ張り出してきました。
というのも、次回紹介する「AUDREY」ブルーレイの前座として、その落差の激しさにちょうどいいんではないかと。
日本ってだいぶ前から、番組での1挿話ですけど、オードリーのことを取り上げたドキュメンタリーって本当に多くて、特にオードリーが亡くなると「驚きももの木20世紀」「ドスペ!」「トホホ人物伝」「WOWOW ノンフィクションW」「松下奈緒 永遠のオードリー」「世界ふしぎ発見!」「アナザーストーリーズ」などなど、枚挙にいとまがないくらいオードリーに関する番組が作られてきました。
しかもそれらのほとんどが再現VTRなどを織り込みながら、世界のどこに出しても恥ずかしくないほど高レベルな番組に仕上がっています。
まあオードリーをスパイだと煽る番組みたいに、めっちゃ出来が悪いのもありましたけどね。当時のオードリーは子供ですよ??靴に受け渡しのメモを入れて運ぶのはスパイとは言いません!レジスタンスです!言葉を知らないんでしょうか。
そんなひどい番組を見て、オードリーをスパイだとさらにネットに書く人もちょっと…と思いますけどね。
でもそんな低俗な煽り系の番組を除いてはだいたいどれも出来がいいです。
「知っとこ!」とか「朝だ!生です旅サラダ」といった番組のごく一部で紹介しているものでも出来がいいんです!
対して、海外のオードリーを取り上げた番組っていうのが、「想い出のオードリー・ヘップバーン」を除いてはアレレ?っていうような番組ばかり。
「おしゃれ泥棒」と一緒のパックで出た「マジック・オブ・オードリー」とかでも、全然印象に残らないものだったので、今回見直してみましたが、やっぱりヒドイ。
せっかく欧米は日本が持ってないようなオードリーの生前の映像をいっぱい持っているのに、全然活かせていません。
この日本と海外の番組の違いってなんだろう?とよく考えると、日本の番組は加藤タキさんや息子のショーンやルカなど、実際にオードリーと過ごした人の思い出話やインタビューを交えたり、実際の場所にロケしたり、さらには再現ドラマなどをわざわざ作って構成しています。実際の映画もちゃんと権利をとって編集しています。
ところが、海外の番組は映像プラスナレーションってものばかりで、全然発見が無いんです。しかもそのナレーションがWikipediaを読めばだいたい同じようなことが書いてあるっていう程度。さらに映画の映像は権利金のかからない予告編がやたら多い。
「マジック・オブ・オードリー」もほぼそんな感じで、映像プラスオードリーの生涯を喋るだけのどうでもいい内容。
せっかく珍しいオードリーの映像も挟み込まれるのに、ただ流しているだけ。しかも「いつも2人で」のことをしゃべっているのに、「パリの恋人」や「ティファニーで朝食を」や「おしゃれ泥棒」の写真が入るという、オードリーのことを知らない・興味のない人がお仕事で作ってるんやなーというのが見えてしまっている編集。
だいぶ前に海外のオードリーのドキュメンタリーを集めた「オードリー・ヘプバーン・フィルムス」ってDVDを紹介しましたが、あれはもっと酷かったです。日本で編集した人も最悪で、“関係者のインタビューを一切排除して”ってなってて、結局残ったのは番組は違えども経年劣化でボロボロになったオードリーの予告編集を延々何度も何度も見せられるだけという、腹が立って投げつけたくなるようなゴミでした。
でもまあどれも同じように予告編ばかり使っているところをみると、元の状態に戻したとしても映像(権利金のいらない予告編のみ)プラスナレーションというようなあってもなくてもいいようなものだったんでしょう。
唯一「想い出のオードリー・ヘップバーン」だけが海外作品としては異色で、ロバート・ウォルダーズや息子ショーン、共演者のグレゴリー・ペックやジョージ・ペパードなど、監督のビリー・ワイルダー、スタンリー・ドーネンというオードリーをよく知る人物達からのインタビューを交えてる丁寧で秀抜な出来で、何度も見る価値があるものでした。
さて、この「ハリウッドスター列伝」はどうでしょう。
まず、DVDなのにケースがCDのようですよね?
これ、最近の若い方は知らないと思いますが、DVDが出てきた1990年代終わり頃って、今のようなケースのトールタイプっていうのと、このCDケースと同じサイズのジュエルタイプと呼ばれるケースが混在してたんですね。
僕はCDと間違うので、トールタイプの方が初めから好きだったんですけど、オードリー関連のものでもこれとか「昼下りの情事」「オールウェイズ」「庭園紀行」の初期版はジュエルタイプで発売されてたんですよね。
経緯は知りませんが、やがてトールタイプに統一されていくんですけどね。
やっぱりCDプレーヤーにDVDを入れたりという誤操作を避けるためだったんじゃないですかね。当時はカーCDなんてのもありましたしね。
「ハリウッドスター列伝」はライナーノートによると、1996年〜97年にアメリカで製作、世界数カ国で放送された「HOLLYWOOD HALL OF FAME」という30分のテレビ番組であったこと、日本では1998年12月に27本がBS?CS?の衛星放送の今は無きディレクTVというところで放送されたそうです。
そのうちの15人が1999年6月にVHSとDVDで発売されたみたいですね。
発売されなかった残りの12人って誰だったんでしょうねー。日本では人気のないベティ・デイヴィスとかだったんでしょうか。資料がないので気になります。
さて、今回この記事のためにめっちゃ久々に(おそらく10年以上見てない)引っ張り出して見てみましたが、「オードリー・ヘプバーン・フィルムス」とどっこいどっこいだという昔からの印象通りでした。
やっぱり案の定映像プラスオードリーの生涯についての誰でも知ってるようなことのナレーションが入るだけ。
しかも昔のテレビ番組なので、サイズは4:3。ブラウン管時代のテレビなので、粗くて走査線見えまくり。
紹介される映画の映像はどっから持ってきたん?って言いたくなるような色あせしまくっててほとんどモノクロになっているような映像や、もっとひどいのは映像消えかけの白っぽいとろけそうな映像。
よくこれでお金取って見せるよなーってものでした。
さらに開始早々の日本語ナレーションでびっくりしたのは、オードリーの生まれたのが3月4日って言ってること。ええっ!!??って思いました。
翻訳が間違えたのかとあとで英語のオリジナルも聞いてみましたが、しっかりMarchって言ってました。
1:15から始まったナレーションは、2:05には「ローマの休日」まで進んでいるという超ハイスピードのオードリーの人生。
しかも「ローマの休日」がビリー・ワイルダーが監督したとか、とんでもないことを平気で喋ってて、これまたアメリカ制作のオリジナル通り。
ここは日本のライナーノートでも突っ込まれてて “ご愛嬌”などと書いてますが、全然ご愛嬌じゃないです。
そしてなぜか「パリの恋人」の“ボンジュール・パリ!”の歌はオードリーの写ってないところも含めて延々流しています。もちろんその間、ナレーションはお休み。え?一体いつまで続くの???と思いました。
次の「昼下りの情事」は当時の海外のオードリーの伝記本そのままで喋っているのか、“熟年のゲーリー・クーパーとの共演は成功とは言えませんでした。”と喋っており、これは非常に不快。
「ティファニーで朝食を」では “オードリーの子供基金に賛同したティファニーは広く一般に公開したのでした”とナレーターが喋っており、日本語的にも意味不明なのに加えて、映画のためにロケを許可したってことなのか、子供基金ってユニセフの晩年のことを喋ってるのか、オードリーの没後に作られたオードリー子供基金のことなのか、わけ分からなくて時系列もとんでもないものになっています。
「暗くなるまで待って」が終わると、その後の人生はたった35秒で片付けられており、最後は「ティファニーで朝食を」のラストシーンを延々と流して終わりです。
いや、そんなとってつけたように持ってきたって感動しないって!
全体にやっぱり予告編が多用されており、努力の跡も見えない内容。
まあやっぱり見る価値は1ミリも無いですねー。
「想い出のオードリー・ヘプバーン」とは雲泥の差。てか、93年製作の「想い出のオードリー・ヘプバーン」より3〜4年も後に制作してて、この内容にこの画質??
製作中、誰もトンデモな間違いを指摘する人もいないという、オードリーなんかどうでもいい人が集まって最も安易で安価に作ったのが丸わかりです。
この辺は、オードリーをずっと大事にしてきた日本と、87年くらいにやっとオードリーが再評価されたアメリカとの大きな違いでしょうか。
当時のアメリカの人、オードリーのこと知らなさすぎです。
30分番組だったそうですけど、このシリーズのDVD(全5巻)は各3人分ずつしか収録されてません。90分にも満たない内容。
各巻あと2人〜3人分は余裕で入れれそうなので、そしたら27人全員を収録してあげられたのにね。
あるいは全員分は権利金が高いのなら、もっとまとめて3巻くらいで済みそうですけどね。
発売から20年以上経っても未だにAmazonで定価で載っているのもすごいことです(実際にはVol.4以外は商品はもう無いみたいですけど)。
オススメ度:なし。マイナス50点。(お金をドブに捨てたい人向け)
というのも、次回紹介する「AUDREY」ブルーレイの前座として、その落差の激しさにちょうどいいんではないかと。
日本ってだいぶ前から、番組での1挿話ですけど、オードリーのことを取り上げたドキュメンタリーって本当に多くて、特にオードリーが亡くなると「驚きももの木20世紀」「ドスペ!」「トホホ人物伝」「WOWOW ノンフィクションW」「松下奈緒 永遠のオードリー」「世界ふしぎ発見!」「アナザーストーリーズ」などなど、枚挙にいとまがないくらいオードリーに関する番組が作られてきました。
しかもそれらのほとんどが再現VTRなどを織り込みながら、世界のどこに出しても恥ずかしくないほど高レベルな番組に仕上がっています。
まあオードリーをスパイだと煽る番組みたいに、めっちゃ出来が悪いのもありましたけどね。当時のオードリーは子供ですよ??靴に受け渡しのメモを入れて運ぶのはスパイとは言いません!レジスタンスです!言葉を知らないんでしょうか。
そんなひどい番組を見て、オードリーをスパイだとさらにネットに書く人もちょっと…と思いますけどね。
でもそんな低俗な煽り系の番組を除いてはだいたいどれも出来がいいです。
「知っとこ!」とか「朝だ!生です旅サラダ」といった番組のごく一部で紹介しているものでも出来がいいんです!
対して、海外のオードリーを取り上げた番組っていうのが、「想い出のオードリー・ヘップバーン」を除いてはアレレ?っていうような番組ばかり。
「おしゃれ泥棒」と一緒のパックで出た「マジック・オブ・オードリー」とかでも、全然印象に残らないものだったので、今回見直してみましたが、やっぱりヒドイ。
せっかく欧米は日本が持ってないようなオードリーの生前の映像をいっぱい持っているのに、全然活かせていません。
この日本と海外の番組の違いってなんだろう?とよく考えると、日本の番組は加藤タキさんや息子のショーンやルカなど、実際にオードリーと過ごした人の思い出話やインタビューを交えたり、実際の場所にロケしたり、さらには再現ドラマなどをわざわざ作って構成しています。実際の映画もちゃんと権利をとって編集しています。
ところが、海外の番組は映像プラスナレーションってものばかりで、全然発見が無いんです。しかもそのナレーションがWikipediaを読めばだいたい同じようなことが書いてあるっていう程度。さらに映画の映像は権利金のかからない予告編がやたら多い。
「マジック・オブ・オードリー」もほぼそんな感じで、映像プラスオードリーの生涯を喋るだけのどうでもいい内容。
せっかく珍しいオードリーの映像も挟み込まれるのに、ただ流しているだけ。しかも「いつも2人で」のことをしゃべっているのに、「パリの恋人」や「ティファニーで朝食を」や「おしゃれ泥棒」の写真が入るという、オードリーのことを知らない・興味のない人がお仕事で作ってるんやなーというのが見えてしまっている編集。
だいぶ前に海外のオードリーのドキュメンタリーを集めた「オードリー・ヘプバーン・フィルムス」ってDVDを紹介しましたが、あれはもっと酷かったです。日本で編集した人も最悪で、“関係者のインタビューを一切排除して”ってなってて、結局残ったのは番組は違えども経年劣化でボロボロになったオードリーの予告編集を延々何度も何度も見せられるだけという、腹が立って投げつけたくなるようなゴミでした。
でもまあどれも同じように予告編ばかり使っているところをみると、元の状態に戻したとしても映像(権利金のいらない予告編のみ)プラスナレーションというようなあってもなくてもいいようなものだったんでしょう。
唯一「想い出のオードリー・ヘップバーン」だけが海外作品としては異色で、ロバート・ウォルダーズや息子ショーン、共演者のグレゴリー・ペックやジョージ・ペパードなど、監督のビリー・ワイルダー、スタンリー・ドーネンというオードリーをよく知る人物達からのインタビューを交えてる丁寧で秀抜な出来で、何度も見る価値があるものでした。
さて、この「ハリウッドスター列伝」はどうでしょう。
まず、DVDなのにケースがCDのようですよね?
これ、最近の若い方は知らないと思いますが、DVDが出てきた1990年代終わり頃って、今のようなケースのトールタイプっていうのと、このCDケースと同じサイズのジュエルタイプと呼ばれるケースが混在してたんですね。
僕はCDと間違うので、トールタイプの方が初めから好きだったんですけど、オードリー関連のものでもこれとか「昼下りの情事」「オールウェイズ」「庭園紀行」の初期版はジュエルタイプで発売されてたんですよね。
経緯は知りませんが、やがてトールタイプに統一されていくんですけどね。
やっぱりCDプレーヤーにDVDを入れたりという誤操作を避けるためだったんじゃないですかね。当時はカーCDなんてのもありましたしね。
「ハリウッドスター列伝」はライナーノートによると、1996年〜97年にアメリカで製作、世界数カ国で放送された「HOLLYWOOD HALL OF FAME」という30分のテレビ番組であったこと、日本では1998年12月に27本がBS?CS?の衛星放送の今は無きディレクTVというところで放送されたそうです。
そのうちの15人が1999年6月にVHSとDVDで発売されたみたいですね。
発売されなかった残りの12人って誰だったんでしょうねー。日本では人気のないベティ・デイヴィスとかだったんでしょうか。資料がないので気になります。
さて、今回この記事のためにめっちゃ久々に(おそらく10年以上見てない)引っ張り出して見てみましたが、「オードリー・ヘプバーン・フィルムス」とどっこいどっこいだという昔からの印象通りでした。
やっぱり案の定映像プラスオードリーの生涯についての誰でも知ってるようなことのナレーションが入るだけ。
しかも昔のテレビ番組なので、サイズは4:3。ブラウン管時代のテレビなので、粗くて走査線見えまくり。
紹介される映画の映像はどっから持ってきたん?って言いたくなるような色あせしまくっててほとんどモノクロになっているような映像や、もっとひどいのは映像消えかけの白っぽいとろけそうな映像。
よくこれでお金取って見せるよなーってものでした。
さらに開始早々の日本語ナレーションでびっくりしたのは、オードリーの生まれたのが3月4日って言ってること。ええっ!!??って思いました。
翻訳が間違えたのかとあとで英語のオリジナルも聞いてみましたが、しっかりMarchって言ってました。
1:15から始まったナレーションは、2:05には「ローマの休日」まで進んでいるという超ハイスピードのオードリーの人生。
しかも「ローマの休日」がビリー・ワイルダーが監督したとか、とんでもないことを平気で喋ってて、これまたアメリカ制作のオリジナル通り。
ここは日本のライナーノートでも突っ込まれてて “ご愛嬌”などと書いてますが、全然ご愛嬌じゃないです。
そしてなぜか「パリの恋人」の“ボンジュール・パリ!”の歌はオードリーの写ってないところも含めて延々流しています。もちろんその間、ナレーションはお休み。え?一体いつまで続くの???と思いました。
次の「昼下りの情事」は当時の海外のオードリーの伝記本そのままで喋っているのか、“熟年のゲーリー・クーパーとの共演は成功とは言えませんでした。”と喋っており、これは非常に不快。
「ティファニーで朝食を」では “オードリーの子供基金に賛同したティファニーは広く一般に公開したのでした”とナレーターが喋っており、日本語的にも意味不明なのに加えて、映画のためにロケを許可したってことなのか、子供基金ってユニセフの晩年のことを喋ってるのか、オードリーの没後に作られたオードリー子供基金のことなのか、わけ分からなくて時系列もとんでもないものになっています。
「暗くなるまで待って」が終わると、その後の人生はたった35秒で片付けられており、最後は「ティファニーで朝食を」のラストシーンを延々と流して終わりです。
いや、そんなとってつけたように持ってきたって感動しないって!
全体にやっぱり予告編が多用されており、努力の跡も見えない内容。
まあやっぱり見る価値は1ミリも無いですねー。
「想い出のオードリー・ヘプバーン」とは雲泥の差。てか、93年製作の「想い出のオードリー・ヘプバーン」より3〜4年も後に制作してて、この内容にこの画質??
製作中、誰もトンデモな間違いを指摘する人もいないという、オードリーなんかどうでもいい人が集まって最も安易で安価に作ったのが丸わかりです。
この辺は、オードリーをずっと大事にしてきた日本と、87年くらいにやっとオードリーが再評価されたアメリカとの大きな違いでしょうか。
当時のアメリカの人、オードリーのこと知らなさすぎです。
30分番組だったそうですけど、このシリーズのDVD(全5巻)は各3人分ずつしか収録されてません。90分にも満たない内容。
各巻あと2人〜3人分は余裕で入れれそうなので、そしたら27人全員を収録してあげられたのにね。
あるいは全員分は権利金が高いのなら、もっとまとめて3巻くらいで済みそうですけどね。
発売から20年以上経っても未だにAmazonで定価で載っているのもすごいことです(実際にはVol.4以外は商品はもう無いみたいですけど)。
オススメ度:なし。マイナス50点。(お金をドブに捨てたい人向け)
Posted by みつお at 21:00│Comments(0)
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