2023年06月25日
「スクリーン」1963年8月号
今回は引き続き「ローマの休日」関連で。
前にも書きましたが、「ローマの休日」は1963年に初めてのリバイバル公開をしており、今年はそれから60年後になります。
日本で最も格が高いと言われている東京の銀座・有楽町地区の劇場では日比谷スカラ座にて1963年5月18日〜7月16日に上映されています。
ちょうど60年前の今頃、スカラ座で上映していたわけですね。
そしてこの「スクリーン」1963年8月号は6月21日発売ですから、本当に60年前に出たばっかり!ということになります。
表紙はサンドラ・ディー。
まずオードリーが登場するのは、カラーページよりも先に登場するモノクログラビアで。
ここでは「パリで一緒に」の寝姿が載っています。
「パリで一緒に」は1962年夏の撮影ですから、もうとっくに撮影は済んでるんです。日本の題名も「パリで一緒に」ともう決まっている。
でもこれがなかなかアメリカでは公開されないんですよね。もうまもなく公開されるだろうと、日本では1963年夏〜秋公開の予定まで立てていた。
「スクリーン」でも1963年春には「ローマの休日」と組んで特集号まで発売したのに、本国で公開されない。
結局「パリで一緒に」は公開までもう1年待たないといけなくなったんですよね。
「パリで一緒に」はオードリーが最も美しかった作品ですけど、この写真はやつれ気味。目の下のクマが目立ちます。
これの別テイクの写真で、もっと美しく写っているものがあるんですけどねー。こちら。
でもこの映画をご覧になるとわかるんですが、オードリーは映画史上最も美しいナイトガウン&ネグリジェを着て登場しますよね。
このネグリジェはジバンシィ作のブルーのサテン。それに同色のレースのナイトガウンが付いていて、えーーーっ!て目も醒めるくらいの美しさ!
「パリで一緒に」はグリーン・オレンジ・ピンクと、目にも鮮やかなシャーベットカラーの衣装で登場しますけど、このブルーのナイトガウンが最高に美しいです!
リアルでオードリーに恋い焦がれていたウィリアム・ホールデンならずとも、このオードリーを見たら頑張らざるをえませんね。
この写真はその美しいレースのガウンを脱いでベッドに入るガブリエルのシーン(の宣伝用ポートレート)。
2番めのオードリーはグリーンのグラビアページ。
オードリーの一家が「マイ・フェア・レディ」の撮影のためにハリウッドに来たという写真。
オードリーって、1963年5月16日にハリウッドに到着しているということですから、その日のものですね。
次が「ローマの休日」関連の本文ページになります。
「ローマの休日」自体の紹介は以前の号で済んでいたでしょうが、ここでは6ページも使って、「●スクリーン生き方の知恵 肩のこらない男一匹」という題名で文章が綴られます。
前に「映画の友」で紹介しましたが、60年から始まったリバイバルブームの中で、「ローマの休日」はリバイバルして欲しい作品第1位を獲得しています。
63年にやっとリバイバルが叶うんですよね。
なので「スクリーン」でもまだまだ大ヒット上映中の「ローマの休日」をリバイバル作品紹介だけでは済ませずに、こうやって記事で載せてるんですよね。
ここではよくありがちなアン王女から見た見方や、アン王女を分析するのではなく、ジョーを分析するという観点から文章が載っています。
これ、意外とこういう見方は無い文章なので、ちょっと新鮮。
まあ文章的にはそうだよねってことなんですが、なぜアン王女はジョーに惹かれたのか、ということが書かれていて、それが女性に好感を持たれる最大公約数の普通の男であり一般民間人の中にいる好青年の典型である、ということです。
ではなぜアン王女がそんな平凡な男に惹かれたのかというと、まさにそういう男だから、ということだそうで。
アン王女は毎日不自由な生活を強いられていて、また周りにいる人間も王女の前で礼を失してはいけないため、常に緊張して取り澄ました顔をしている。
でもジョーは街で知り合った女性が王女だと知っても恐れ入った気持ちにならない。美男子であることを鼻にかけたり、頭が良いのをひけらかすようなイヤミなタイプでは無い。
全く気取りのない態度でアン王女に接するし、健全で平凡な男だったからアン王女を愛したし、アン王女からも愛された、ということが書かれています。
全くその通りですよね。王女に対してのように接するとすぐにバレちゃいそうですもんね。
普通の女性に接するように接したからこそお互いに惹かれあったということですよね。
まあそれでも映画なんで、演ずるグレゴリー・ペックは本当は美男子で高身長だし頭も良いと思いますし、オードリーは全く新しいタイプの美人なわけですから、結局美男美女やからじゃないんかーい!と思いますけどもね。
リバイバルなので、あんまり珍しい画像は無いのですが、4ページ目の大きなオードリーの画像がちょっと珍しめで嬉しい。
この号では他に「アラバマ物語」の鑑賞手引きも載っていて、グレゴリー・ペックの記事が多めです。
「スクリーン海外ニュース」というページでは、ブレイク・エドワーズ監督の「大レース」(のちの「グレートレース」)に、オードリー、シャーリー・マクレーン、ナタリー・ウッドが出演交渉を受けている、と書かれていて、オードリーとマクレーンの画像も載っています。
そして同じページには、「トヴァリッチ」でヴィヴィアン・リーがトニー賞を受けたことも乗っています。
最後は本文最終ページに載っているポートレート写真の頒布のページで、「シャレード」のものが載っています。
この時期の映画雑誌って、「パリで一緒に」(パラマウント)・「シャレード」(ユニバーサル)は撮影が終了して公開待ち、「マイ・フェア・レディ」(ワーナー)は撮影開始で、いろんなオードリーを載せないといけないのが大変ですね。オードリーが大渋滞中。
各映画会社は自分の所の作品をいっぱい載せてもらって宣伝したいだろうし、でも出版社側としてはそんなにオードリーの事ばっかりは載せられないだろうしでページの取り合いみたいになってただろうなーと思うんです。だから載せられない写真とかもあっただろうし、もったいないなーと思います。
さて、次は28日午前8時に記事がアップになります。お楽しみに!
前にも書きましたが、「ローマの休日」は1963年に初めてのリバイバル公開をしており、今年はそれから60年後になります。
日本で最も格が高いと言われている東京の銀座・有楽町地区の劇場では日比谷スカラ座にて1963年5月18日〜7月16日に上映されています。
ちょうど60年前の今頃、スカラ座で上映していたわけですね。
そしてこの「スクリーン」1963年8月号は6月21日発売ですから、本当に60年前に出たばっかり!ということになります。
表紙はサンドラ・ディー。
まずオードリーが登場するのは、カラーページよりも先に登場するモノクログラビアで。
ここでは「パリで一緒に」の寝姿が載っています。
「パリで一緒に」は1962年夏の撮影ですから、もうとっくに撮影は済んでるんです。日本の題名も「パリで一緒に」ともう決まっている。
でもこれがなかなかアメリカでは公開されないんですよね。もうまもなく公開されるだろうと、日本では1963年夏〜秋公開の予定まで立てていた。
「スクリーン」でも1963年春には「ローマの休日」と組んで特集号まで発売したのに、本国で公開されない。
結局「パリで一緒に」は公開までもう1年待たないといけなくなったんですよね。
「パリで一緒に」はオードリーが最も美しかった作品ですけど、この写真はやつれ気味。目の下のクマが目立ちます。
これの別テイクの写真で、もっと美しく写っているものがあるんですけどねー。こちら。
でもこの映画をご覧になるとわかるんですが、オードリーは映画史上最も美しいナイトガウン&ネグリジェを着て登場しますよね。
このネグリジェはジバンシィ作のブルーのサテン。それに同色のレースのナイトガウンが付いていて、えーーーっ!て目も醒めるくらいの美しさ!
「パリで一緒に」はグリーン・オレンジ・ピンクと、目にも鮮やかなシャーベットカラーの衣装で登場しますけど、このブルーのナイトガウンが最高に美しいです!
リアルでオードリーに恋い焦がれていたウィリアム・ホールデンならずとも、このオードリーを見たら頑張らざるをえませんね。
この写真はその美しいレースのガウンを脱いでベッドに入るガブリエルのシーン(の宣伝用ポートレート)。
2番めのオードリーはグリーンのグラビアページ。
オードリーの一家が「マイ・フェア・レディ」の撮影のためにハリウッドに来たという写真。
オードリーって、1963年5月16日にハリウッドに到着しているということですから、その日のものですね。
次が「ローマの休日」関連の本文ページになります。
「ローマの休日」自体の紹介は以前の号で済んでいたでしょうが、ここでは6ページも使って、「●スクリーン生き方の知恵 肩のこらない男一匹」という題名で文章が綴られます。
前に「映画の友」で紹介しましたが、60年から始まったリバイバルブームの中で、「ローマの休日」はリバイバルして欲しい作品第1位を獲得しています。
63年にやっとリバイバルが叶うんですよね。
なので「スクリーン」でもまだまだ大ヒット上映中の「ローマの休日」をリバイバル作品紹介だけでは済ませずに、こうやって記事で載せてるんですよね。
ここではよくありがちなアン王女から見た見方や、アン王女を分析するのではなく、ジョーを分析するという観点から文章が載っています。
これ、意外とこういう見方は無い文章なので、ちょっと新鮮。
まあ文章的にはそうだよねってことなんですが、なぜアン王女はジョーに惹かれたのか、ということが書かれていて、それが女性に好感を持たれる最大公約数の普通の男であり一般民間人の中にいる好青年の典型である、ということです。
ではなぜアン王女がそんな平凡な男に惹かれたのかというと、まさにそういう男だから、ということだそうで。
アン王女は毎日不自由な生活を強いられていて、また周りにいる人間も王女の前で礼を失してはいけないため、常に緊張して取り澄ました顔をしている。
でもジョーは街で知り合った女性が王女だと知っても恐れ入った気持ちにならない。美男子であることを鼻にかけたり、頭が良いのをひけらかすようなイヤミなタイプでは無い。
全く気取りのない態度でアン王女に接するし、健全で平凡な男だったからアン王女を愛したし、アン王女からも愛された、ということが書かれています。
全くその通りですよね。王女に対してのように接するとすぐにバレちゃいそうですもんね。
普通の女性に接するように接したからこそお互いに惹かれあったということですよね。
まあそれでも映画なんで、演ずるグレゴリー・ペックは本当は美男子で高身長だし頭も良いと思いますし、オードリーは全く新しいタイプの美人なわけですから、結局美男美女やからじゃないんかーい!と思いますけどもね。
リバイバルなので、あんまり珍しい画像は無いのですが、4ページ目の大きなオードリーの画像がちょっと珍しめで嬉しい。
この号では他に「アラバマ物語」の鑑賞手引きも載っていて、グレゴリー・ペックの記事が多めです。
「スクリーン海外ニュース」というページでは、ブレイク・エドワーズ監督の「大レース」(のちの「グレートレース」)に、オードリー、シャーリー・マクレーン、ナタリー・ウッドが出演交渉を受けている、と書かれていて、オードリーとマクレーンの画像も載っています。
そして同じページには、「トヴァリッチ」でヴィヴィアン・リーがトニー賞を受けたことも乗っています。
最後は本文最終ページに載っているポートレート写真の頒布のページで、「シャレード」のものが載っています。
この時期の映画雑誌って、「パリで一緒に」(パラマウント)・「シャレード」(ユニバーサル)は撮影が終了して公開待ち、「マイ・フェア・レディ」(ワーナー)は撮影開始で、いろんなオードリーを載せないといけないのが大変ですね。オードリーが大渋滞中。
各映画会社は自分の所の作品をいっぱい載せてもらって宣伝したいだろうし、でも出版社側としてはそんなにオードリーの事ばっかりは載せられないだろうしでページの取り合いみたいになってただろうなーと思うんです。だから載せられない写真とかもあっただろうし、もったいないなーと思います。
さて、次は28日午前8時に記事がアップになります。お楽しみに!