2008年01月05日
近代映画社「オードリーを愛した名監督たち」…玉石混交!?
これは昨年“スクリーン”の近代映画社から出たばっかりの「オードリーを愛した名監督たち」という本です。
オードリーの作品は巨匠と言われる監督がメガホンを取っていることが多く、それがあれだけの質の高い作品群を生み出している要因の1つにもなっていると思います。
多くのオードリーファンにも、オードリーを通じてこれらの大監督の他の作品にも目を向けたり、功績を知ってもらおうという意図なんですかね。それをこうして1冊の本にしたもの。
意地の悪い見方をすれば、それは建前で、オードリーの本として同じようなのばっかりじゃ出しにくいから目先を変えてみた、っていうのかもしれませんが…。(^^;;;
で、監督の経歴も興味深いし、画像は撮影中のオードリーの今まで収録されてなかった画像も多く、それはファンとしては嬉しいです。
本当は“批評・評論など”のカテゴリに入れるべきかもしれませんが、画像もそれなりに多いので“写真集”カテゴリにしてみました。
でも玉石混交だと思ったというのは「石」だと思う部分があったと思ったということで、これは監督の解説もしている伊上 冽さんによる作品解説!
全作品観た人が買うとは限らないのに、なんと全作品のストーリーを結末まで書いてしまっているっ!
「シャレード」「暗くなるまで待って」「華麗なる相続人」などの、結末まで書いたらマズイんじゃないの?と思われる作品まで書かれており、これらをまだ観てない人への配慮がなさすぎ!!
これらは結末を伏せるのが当たり前でしょ!?
僕は伊上 冽さんという人を知らないのですが、最近近代映画社の発行する本によく文章を書いているようですが、映画に関する文章を生業とする人間としてはあまりにも思慮が足りないようです。
“いや、この本を買う人ならオードリー作品を全部観てるでしょ?”っていう言い訳をされるかもしれませんが、観てる人にはストーリーは要りません!
しかも「いつも2人で」なんかは最後に載っている公開当時の鑑賞手引きでちゃんと書いてあるのに、2回目と3回目の旅の順番を間違えてる!(正しい順番はコチラ)
他にも「おしゃれ泥棒」のストーリーでは例によってヴィーナスを“買いとられ”たことになってるし、「パリで一緒に」ではオードリーが“絶えず神経をいら立たせていた”だのという各種伝記で誤って書かれていることそのままだし。
恐ろしいことに、清藤秀人さんの「オードリー・ヘプバーン 98の真実」に続いて、またまたこの伊上 冽さんもメイチックの伝記に基づいて“オードリーが言った”っていう嘘を引用していること。
「ティファニーで朝食を」のホリーの演技に関して、死の数ヶ月前に語ったという“自信が持てない”云々はメイチックの作り話。
もっと信頼の置けるパリスの伝記では、むしろオードリーはホリーの演技を気に入っていたらしく、テレビで放送したのを見ながらロバート・ウォルダーズに“なかなかいいじゃない?”と笑って言ったことになっています。
はー…SCREEN編集部もタレ流しみたいに出版するんじゃなくって、校正をする際にちゃんとチェックしないとダメでしょ?って思いますけどねー。
なのでこの本を読む際は、嘘が混じっている、と割り切って読むべきですね。
最近オードリー関連でつくづく思うのは、本になっている=本当のこと、ではないと疑ってかからなければならないという悲しい現実。
僕なんかはいいですが、若いファンの方がここに書かれていることを信じてしまいそうでコワイですねー。
…ってことで、残念ながら大きな欠陥のある本になってしまってます。
後半は公開当時にSCREEN本誌に掲載したそのままの文章で載せたという素晴らしい鑑賞手引きがあり、そこの価値は非常に高いです!(コチラが「玉」の部分)
当時のこれらの文章が載っている号を探すのって至難のワザですし、やっとSCREENも自社の素晴らしい過去の財産に目を向けるようになりましたか?っていう感じ。
日本未公開作品や初期作品は省いた感じで、ピーター・ボクダノビッチ監督の「ニューヨークの恋人たち」などがないのはまあ仕方ないとして、日本公開作品では「緑の館」だけ収録されていません。
まあメル・ファラーをこの作品で見る限り“名監督”とは呼べないし当然なんですが…。
まるでオードリーの出演作品を“「ローマの休日」「麗しのサブリナ」…「華麗なる相続人」「オールウェイズ」”と「緑の館」以外は全部書いたのに、“他1作品”と書くようなものですよね。、これだけ削られてるってのが現在発売のDVDと同じ状況で可哀想な気もします。(^^;
オススメ度:★★★(伊上 冽さんの作品解説と余計な引用がなければもっといいのにね~…)
オードリーの作品は巨匠と言われる監督がメガホンを取っていることが多く、それがあれだけの質の高い作品群を生み出している要因の1つにもなっていると思います。
多くのオードリーファンにも、オードリーを通じてこれらの大監督の他の作品にも目を向けたり、功績を知ってもらおうという意図なんですかね。それをこうして1冊の本にしたもの。
意地の悪い見方をすれば、それは建前で、オードリーの本として同じようなのばっかりじゃ出しにくいから目先を変えてみた、っていうのかもしれませんが…。(^^;;;
で、監督の経歴も興味深いし、画像は撮影中のオードリーの今まで収録されてなかった画像も多く、それはファンとしては嬉しいです。
本当は“批評・評論など”のカテゴリに入れるべきかもしれませんが、画像もそれなりに多いので“写真集”カテゴリにしてみました。
でも玉石混交だと思ったというのは「石」だと思う部分があったと思ったということで、これは監督の解説もしている伊上 冽さんによる作品解説!
全作品観た人が買うとは限らないのに、なんと全作品のストーリーを結末まで書いてしまっているっ!
「シャレード」「暗くなるまで待って」「華麗なる相続人」などの、結末まで書いたらマズイんじゃないの?と思われる作品まで書かれており、これらをまだ観てない人への配慮がなさすぎ!!
これらは結末を伏せるのが当たり前でしょ!?
僕は伊上 冽さんという人を知らないのですが、最近近代映画社の発行する本によく文章を書いているようですが、映画に関する文章を生業とする人間としてはあまりにも思慮が足りないようです。
“いや、この本を買う人ならオードリー作品を全部観てるでしょ?”っていう言い訳をされるかもしれませんが、観てる人にはストーリーは要りません!
しかも「いつも2人で」なんかは最後に載っている公開当時の鑑賞手引きでちゃんと書いてあるのに、2回目と3回目の旅の順番を間違えてる!(正しい順番はコチラ)
他にも「おしゃれ泥棒」のストーリーでは例によってヴィーナスを“買いとられ”たことになってるし、「パリで一緒に」ではオードリーが“絶えず神経をいら立たせていた”だのという各種伝記で誤って書かれていることそのままだし。
恐ろしいことに、清藤秀人さんの「オードリー・ヘプバーン 98の真実」に続いて、またまたこの伊上 冽さんもメイチックの伝記に基づいて“オードリーが言った”っていう嘘を引用していること。
「ティファニーで朝食を」のホリーの演技に関して、死の数ヶ月前に語ったという“自信が持てない”云々はメイチックの作り話。
もっと信頼の置けるパリスの伝記では、むしろオードリーはホリーの演技を気に入っていたらしく、テレビで放送したのを見ながらロバート・ウォルダーズに“なかなかいいじゃない?”と笑って言ったことになっています。
はー…SCREEN編集部もタレ流しみたいに出版するんじゃなくって、校正をする際にちゃんとチェックしないとダメでしょ?って思いますけどねー。
なのでこの本を読む際は、嘘が混じっている、と割り切って読むべきですね。
最近オードリー関連でつくづく思うのは、本になっている=本当のこと、ではないと疑ってかからなければならないという悲しい現実。
僕なんかはいいですが、若いファンの方がここに書かれていることを信じてしまいそうでコワイですねー。
…ってことで、残念ながら大きな欠陥のある本になってしまってます。
後半は公開当時にSCREEN本誌に掲載したそのままの文章で載せたという素晴らしい鑑賞手引きがあり、そこの価値は非常に高いです!(コチラが「玉」の部分)
当時のこれらの文章が載っている号を探すのって至難のワザですし、やっとSCREENも自社の素晴らしい過去の財産に目を向けるようになりましたか?っていう感じ。
日本未公開作品や初期作品は省いた感じで、ピーター・ボクダノビッチ監督の「ニューヨークの恋人たち」などがないのはまあ仕方ないとして、日本公開作品では「緑の館」だけ収録されていません。
まあメル・ファラーをこの作品で見る限り“名監督”とは呼べないし当然なんですが…。
まるでオードリーの出演作品を“「ローマの休日」「麗しのサブリナ」…「華麗なる相続人」「オールウェイズ」”と「緑の館」以外は全部書いたのに、“他1作品”と書くようなものですよね。、これだけ削られてるってのが現在発売のDVDと同じ状況で可哀想な気もします。(^^;
オススメ度:★★★(伊上 冽さんの作品解説と余計な引用がなければもっといいのにね~…)