2015年01月10日

「マイヤーリング」読売新聞広告

★イオンシネマ “シネパス”での「いつも2人で」が間もなく始まります。
 グループ2 守谷(茨城)、大井・大宮・熊谷・浦和美園・羽生・越谷レイクタウン・春日部(以上埼玉)、板橋・むさし村山・日の出・多摩センター(以上東京) 2015/1/19(月)~23(金)
 今回は関東圏での上映です。(次回、ラストは3月の石川・岐阜・三重・滋賀・奈良・京都になります)

 (「いつも2人で」を初めてご覧になる方は、僕のもう1つのブログで先に“「いつも2人で」オードリーの髪型による旅の順番の見分け方”を読んでいただくと、時系列が混乱しないかと思います。)


 さて今日は「マイヤーリング」公開1周年という事で、ちょうど1年前に新聞広告が打たれた日に紹介します。

 前回紹介したのは公開前の新聞でしたが、これは公開後に再度東京地区の読売新聞で打たれた広告です。2014年1月10日夕刊。
 この日に載る事は担当者の方に伺ってたので、東京にいる友人に頼んで、買っておいてもらったものです。

 劇場名、右上は既に上映が始まっているTOHOシネマズ六本木ヒルズですが、今回のメインの劇場は翌11日から始まる新宿シネマカリテ。
 もともとシネマカリテさんは1/30までの上映予定だったようなんですが、大好評で2/20までロングランになりました。
 東京での「マイヤーリング」上映のメインだった映画館ですね。

 同時に11日から公開のTOHOシネマズららぽーと横浜とTOHOシネマズ川崎が掲載されています。
 でもTOHOシネマズの系列は、17日で全国一斉に公開を終了するんですよねー。
 みなさん、ムビチケはきちんと使えましたか?

「マイヤーリング」読売新聞広告


 前回のは3種とも同じメインのモノクロの画像を大きく扱ったものでしたが、この公開後の新聞広告ではショーンから届いたカラーのオードリーをメインに据えています。

 正直、こちらの方がずっとオードリーらしいし、遥かに美しいので、こちらに変更になってよかった!という感じです。
 このショーンから提供されたオードリーのカラー画像がもっと早く届いていれば、メインの画像もこれに変更になったろうと思われます。
 実際、担当者の方も「マイヤーリング」のオードリーの画像がいいのが無くて困ってらっしゃいましたし。

 この作品は相手役がメル・ファーラーだし、なんといってもオードリーありきの企画だろうと思うので、やはりこういう宣伝写真はオードリーが必ず左から写されるように配慮されていますね。
 オードリーが自分の顔は左からの方が綺麗だと気づいた「パリの恋人」より後の作品ですもんね。

 さて「マイヤーリング」ですが、2インチVTRのカラーの実用化が57年後半からだとウィキに書いてありました。
 ウィキはオードリーでは間違いが多いので、これも信用していいのかどうかわかりませんが、そうだとすると「マイヤーリング」がカラーで残っている可能性は残念ながら0%になってしまいますね。

 ということで、「マイヤーリング」のカラーを見れるのは現存するカラー写真のみ、ということになります。
 これはもともとカラーの作品なので、カラーライズするのは断然アリだと思うんですけどねー。

 それにオードリーとメル・ファーラー自身はこの作品をカラーは絶対に見れなかったことになりますね。
 というか、モノクロでさえも見たのかどうか…。
 撮り終わった自分の作品はほぼ見ないオードリーはともかく、ナルシストじゃないかと思うメル・ファーラーはきっと口惜しかったでしょうねー。

 それに生放送だった「マイヤーリング」ではテレビに映ってない所ではおそらく相当ドタバタしたでしょうし、少しも失敗しちゃいけないというプレッシャーにオードリーは懲りたんじゃないでしょうか。
 オードリーって「ロビンとマリアン」でもそうでしたが、バタバタして撮るのはあんまり好きじゃないみたいですしね。
 その後オードリーのテレビ映画出演が「おしゃれ泥棒2」まで途絶えるのは、そんなとこにも原因があるのかな?と。

 そういえば、ネットでは「マイヤーリング」が“お蔵になっていた”とか、“マニアがテレビでの放送を撮っていたのを上映”などと、全然調べないで聞きかじっただけで想像で感想書いている人が多々いますね。
 うーん、こういう調べてない推論での文章を見ると本当に残念ですー…。

 「マイヤーリング」はお蔵入りだったんじゃなくて、テレビの放送を保存する方法が確立されていなかったからですよね。
 テレビを撮る、というキネスコープも別にマニアさんが撮ってたんじゃないですよね。そんな簡単にテレビが録れる時代じゃないぞ、と。
 昔ブラウン管テレビをバックに撮影したら、黒い帯が画面に入ってて見れたもんじゃなかったでしょ?

 だからテレビは同期させる専用の機械で撮るしかなかったんですよね。だから今考えるとちょっと“ええっ!?”って思うけど、そのキネコがものすごい高価だった。
 「マイヤーリング」がモノクロで残っていること自体も、よく考えるとめちゃめちゃ幸運なことだったんですよね。

 そうそう “本来はカラーなんでしょ?そしたらちゃんとカラーで公開して!” 的論調のもありました。
 いや、だからカラーは残念ですけど現存してないんですって!(^^;A
 僕もカラーで残ってたらどんなにいいかと思いますけど、技術的に当時はテレビ放送をカラーで残すのが不可能だったんですよぉ〜…。
 今回劇場で観れたのが今の所最善の状態なんです。

 でもやっぱりキネコってテレビ(30コマ/秒)→フィルム(24コマ/秒)だから劣化は起こるし、カラーがモノクロに…って、再放送にすら使えませんよね。
 なので「マイヤーリング」がずっと眠ってたのは内容ではなく、技術的な問題だったということ。

 やっと最近はデジタル・リマスターが安価になって当たり前に出来るようになったから、かろうじて上映に掛けられるくらいには修復出来たんですよね。

 だから、過去の海外の伝記で“ヨーロッパで劇場上映された国がある”というのは事情がわかってみると、もう完全なガセネタだとわかりますよね。
 デジタル・リマスターしてもあれくらいなのに、そんな技術も無かった時代に劇場でなんて到底ムリ!絶対ムリ!!
 だいたい、そう書いてある伝記ではどれひとつとして証拠も国名も示せていないですからね。

 複数の伝記でそう書いてあるってことは、自分で調べないで既存の伝記を基に書いただけ、っていうのが丸わかりですよね。
 同じような感じでオードリーの本名がエッダだの、ショーンの誕生日が1月だの、「ローマの休日」での別れはタクシーだっただの、「エクスラン・ヴァリーエ」が2日で撮影しただのという嘘が次々と伝記で書かれていったんでしょうね。

 でもつくづく思うのは、「マイヤーリング」を生放送じゃなくて、フィルム収録してそれをテレビ放送して欲しかったなーということ。
 「マイヤーリング」でも戸外の風景なんかは、フィルムで撮った映像がインサートされているので、撮影済みのフィルムをテレビで流すのは技術的にも可能だったよう。

 なので、カラーフィルムで撮った映像を放送したんだったら再放送も出来たでしょうし、現存するのも色は褪せてただろうけど、きちんとカラーだったはず。
 フィルム録画するならオードリーもゆったりと演技出来たでしょうし、僕らもカラーでリマスターされた鮮やかな「マイヤーリング」を見れただろうなーということで、本当にもの凄いもったいないなーと思うのです。

 (でも、今と違って当時のテレビと映画って敵対関係にあったから、映画のようなフィルム撮影ではなく、テレビマンは意地でもテレビカメラでオードリーを撮ったと思うんですよね〜。だからやっぱりフィルムで撮影なんて、そうはいかないんだろうな〜と…)





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この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。
「マイヤーリング」が、オードリーがまだアラサーだったこの時代に、テレビドラマではなく映画として製作されていたらと、想像する事がありますね。間違いなく大ヒットし、オードリーの代表作の1つになっていたのではと思います。
みつおさんが文中で指摘してらっしゃるガセネタなんて、まだいい方ですよ。
「白鳥は永遠に気高く」か、昔雄鶏社から出たシネアルバムで「オードリーは『マイヤーリング』と『製作者の飾り棚』という2本のテレビドラマに主演した事がある」などという酷すぎる文章を読んだ事がありましたもの。
池田昌子さんに、オードリーの全主演作を吹き替えて頂きたいですね。昔アテた作品を吹き込み直しつつ、まだ池田さんがアテてらっしゃらない「緑の館」「ニューヨークの恋人たち」「新おしゃれ泥棒」「世界の庭園」のアテレコをやって頂きたいと切に思います。
数年前にルテアトル銀座で観た「ラブ・レターズ」は、故野沢那智さんと池田さんが恋人同士を演じる朗読劇でした。アラン・ドロンとオードリー・ヘプバーン
の豪華共演舞台です。観といてよかった、とつくどく思ってます。
Posted by ヴェロニカ・ハメル at 2015年01月11日 00:34
ヴェロニカ・ハメルさん、あけましておめでとうございます。

「マイヤーリング」がもし映画で制作されていたら…。
もう少し情緒面でしっとりしたものを出せていたかもしれませんね。
やはり生放送で時間の制限もあるものだと、
どうしても慌ただしくなってしまいますもんね。

それに、MGMの企画だった「パリの恋人」をパラマウントに移す代わりに
MGMにオードリーを貸し出すという契約での「緑の館」でしたけど、
それが「マイヤーリング」でもよかったような気もします。

昔の資料での「マイヤーリング」と「制作者の飾り棚」の件は、
昔の情報量では仕方なかったかなーと思ってます。
おそらく「マイヤーリング」での海外の情報も、
「マイヤーリング」と書いてあるものと
番組名の「制作者の飾り棚」で書いてあるものと
両方あったんじゃないかと思います。
確か「カタログ オードリー・ヘプバーン」でも2作品と書いていたような…。

現代のデマは、調べれば簡単にわかるのに
調べずに書いているのが、僕的にはよりいっそうダメなように感じます。
オードリーが胸が大きいとか信じてる人がいるっていう
馬鹿らしいデマでも、ネットで書けば広がるんだ…と
ちょっと恐ろしいなぁ〜と思ってます。

そして池田さんの吹替の話は、本当に僕も切実に思います!
「パリで一緒に」とか池田昌子さんの吹替で全編見てみたいですし、
「暗くなるまで待って」も過去の吹替ではSEや伴奏音だけの素材が無かったのか、
全然違う曲や効果音が流される中での池田昌子さんの吹替だったので、
これはなんとしても録り直して欲しいと思ってます。
「マイヤーリング」も配給会社の担当者の方に伺ったのですが、
SEだけの素材が無いので、吹替版を作れないとおっしゃってました。
ヴェロニカ・ハメルさんはDVDでは池田昌子さんの吹替が付いてない作品の吹替版ビデオとかお持ちですか?

でも、吹替を収録するためには、200万円ほど余分に経費がかかると
聞いたことがあります。
なので、どうしても売れると思われた作品しか収録されていませんよね。
でも池田昌子さんのオードリーは本当に全作品残して欲しいと思ってます。

野沢那智さんは、ネットでアラン・ドロンの吹替を見ましたが、
年代と共に大きく声が変わってらっしゃるんですね。
若い頃は本当に声が甘くて、アラン・ドロンにピッタリ!だと思いました。
Posted by みつおみつお at 2015年01月11日 15:38
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