2016年03月30日
「華麗なる相続人」オリジナル・サントラ全曲版CD
4月に入るとすぐに全国で “午前十時の映画祭7”が始まります。
★「ティファニーで朝食を」
2016/04/02(土)~2016/04/15(金):GROUP A
2016/04/16(土)~2016/04/29(金):GROUP B
★「マイ・フェア・レディ」
2016/05/14(土)~2016/05/27(金):GROUP A
2016/05/28(土)~2016/06/10(金):GROUP B
グループ分けなど詳しくはこちらの記事で。
また、今回の映画祭ではオードリーに出演依頼がなされながらも諸事情で断った「ロシュフォールの恋人たち」「愛と哀しみの果て」もリバイバルされます。
今回、ちょうど今週末に姪っこが遊びに来るのですけど、「ティファニーで朝食を」って小学5年生に見せるにはまだ早いですかね?
ちょっと迷っています。「マイ・フェア・レディ」ならOKだと思うんですけども…。
以前紹介していました、「華麗なる相続人」の全曲版オリジナル・サウンドトラックCDが届きました!
世界で限定2000枚のリリース。
作曲はエンニオ・モリコーネ。
多作家なのにどれも高いレベルで曲を書くので、世界でとても人気の高い映画音楽家の巨匠です。
50年代から活動を開始しているのですが、まだ現役で作曲しておられます。
そして今年「ヘイトフル・エイト」という作品でアカデミー賞とゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞(BAFTA)と3つの賞で作曲賞を受賞しています。さらに音楽賞の無いニューヨーク批評家協会賞でも特別賞を受賞、と賞を総なめにしています。
今まで全曲で入ってたのはLPレコード(米盤のみ。日本盤は無し)のみで、CDで2度発売されたものはどちらも約半分しか曲が入ってない抜粋版でした。
今回のこのVARESE CLUBからの発売で、やっと全曲入っているCDが発売されました。
レコードの発売が「華麗なる相続人」公開終了後の1980年でしたから、36年も全曲版CDの発売まで待たされたことになります。
今までの抜粋版CDはモリコーネとしての曲集だったので、 “薬のパレード” のオリジナル・バージョンばかりが収録されていて、映画で差し替えになったクレイグ・ハンドリーという人が作曲したフィルム・バージョンはレコードでのみ聴ける、という状態でした。
それに抜粋版はなぜか暗い系の音楽ばかりを収録していて、メインタイトルのバリエーションの美しい曲たちは収録されずじまいだったので、それがとても残念でした。
でも今回やっとレコードと同じ完全版で聴ける!
しかも音質が抜粋版からも改善されています。奥行きというか、とっても深みのある音になっています。
“薬のパレード”のオリジナル・バージョンなどは出だしからして違う。素晴らしい!
PCで聴いてもわかるくらいなので、ステレオシステムで聴けばさぞや…!
…と思って嬉しく聴いていたのですが、ちょっと待てよ。
“薬のパレード” のフィルム・バージョンを聴いていたら、えっ!レコードと違う部分があるぞ!なんか聴いたことのない音が入ってる!
思わず“itunesに落とすのを失敗した!?”と思って、LP版(これも itunes に入れていた)と比べると、今回のCDの方がタイムが長い!
レコード版の方は、レコード→カセットテープに録音→CD-Rに焼く→itunes に落とす という過程を経てきてるので、テープを何度も何度も聴いていて伸びている分3秒ほど多くなっています。
それを考慮してもレコード版は2:56、今回のCDは4:50で全然違う!
なんと!今回のCDはレコードではフェイドアウトした後も続く完全版になっていました!(最終的にはCDのもフェイドアウトだけど)
こういうのがあるから今の時代にCDを出す価値があるんだよな〜って嬉しくなりました。
でもこれに気づくのはレコードを持っている人だけ。こちらに来ていただいてるまるさんとヴェロニカ・ハメルさんならわかっていただけると思いますが…。
で、じゃあ他にもこういうのが?と思って期待してタイムを見比べたんですが…んん?これは!!
もう1曲、この「華麗なる相続人」では好きな曲の1つなんですが、オマー・シャリフが階段を急いで上がって愛人から逃げる時に流れる音楽に “An Almost Perfect Indiscretion” (「ほぼ完全なる無分別」?という訳でいいでしょうか…?)という曲もレコードとCDでタイムが違う!
でも今回は逆で、CDよりもレコードの方が長い!
レコードが4:21に対して、CDが3:24。これは誤差の範囲を大きく超えていますよね。
で、どこが違うのかよーく聴いてみました。
この曲の今回のCDでの構成は
序奏→メインの旋律Aパターン→旋律に弦楽器が加わったBパターン→序奏のバリエーションCパターン→Aパターン→Bパターン→短い後奏
になっているのですが、レコードでは
序奏→メインの旋律Aパターン→旋律に弦楽器が加わったBパターン→序奏のバリエーションCパターン→Aパターン→Aパターン→Bパターン→Bパターン→短い後奏
になっていました!
いやいやいや、CDというレコードよりも収録時間を取れる媒体で “薬のパレード” みたいに増えるのはいいですけど、レコードよりも収録時間を減らしちゃアカンでしょ!VARESE CLUBさーん、めっちゃ残念やー! 。゚・o(>ω<)o・゚。
なので、今回本当は “完全版CD” と銘打ちたかったんですけど、この曲のせいでそうは出来なかったので、“全曲版” と表示させていただきました。
抜粋盤も確認しましたが、そちらも短いバージョンでした。
でもこんなの、レコード持ってないと誰も気付かないですよね。このCDの制作者もレコードバージョンと違うのに気付かなかったのかもしれないです。
このCDの聴き所は、まずはやっぱり“メインタイトル”とそのバリエーション。“過去の回想” “別荘への到着(CD初収録)” “パリへの旅(CD初収録)” “和解(CD初収録)” “エンドタイトル” と、どれも美しすぎます!
そして “薬のパレード”のフィルム・バージョン(CD初収録)、短いながらも印象に残る “Bobsled(CD初収録)”、“マキシムでのディナー”、“An Almost Perfect Indiscretion” も素晴らしい曲たちです。
でも映画はサスペンスなので、残り半分は不安な音楽です。
ジャケットは「華麗なる相続人」のメインイメージを踏襲したもの。レコードよりちょっと画像が大きくなっています。
そして裏ジャケは、レコードは面積が大きい分画像が色々載っていて珍しい画像も多かったのですが、今回はベン・ギャザラとパリを歩くもので、よく見る画像。
ライナーノート(12p)とケースのCDの下に載っている画像も、残念ながらわりと良く見るものばかり。
かろうじて表紙をめくった最初のページのオードリーの宣伝写真が、普通は初めて見る画像だし大きいのが嬉しいところ。
CD自体は VARESE CLUB のロゴイラストでした。
あとは最終ページ(裏表紙)の親族一同(+秘書)勢揃い写真を見ると、アレックスの遊び人の奥さん役のミシェル・フィリップスとオードリーはここしか共演してないよな〜って思います。
もともとほとんどの共演者が親族会議でしかオードリーと共演しないのですが(なんちゅう映画や!)、ミシェル・フィリップスはさらに親族会議にすらいないので…。
さてこのあいだまるさんに教えていただきましたが、この映画の1回目の重役会議の前に親族が会議室に集まるシーンでは、なんと2回目の重役会議の衣装でみんなが登場してしまってます。
編集者が誤って2回目のシーンのフィルムを繋ぎあわせてしまったのか、それとも1回目の集まるシーンの撮影フィルムが存在しなくて、どうせ劇場で1回くらい見るにはわからないだろうと苦肉の策で2回目のシーンをくっつけたのかはわかりませんが、お金のかかってる映画としては残念ですね。
それと、やっぱりこの映画でのオードリーって薹が立ってる気がします。同じ髪型の「ロビンとマリアン」と比べても顔がキツい。
僕にはどう見ても眉の描き方に問題があるように見えてしかたないんですよね。
眉間側は “︶” と描いてあって、そこへ “へ” の形の眉が続くんで、どうみてもキツい顔になりますよね。
ものすごい財閥を受け継いだ一人娘で社長だから、こういう意志の強いようなメイクにしたのかなーと思いますが、この怒り眉はちょっと…。
オードリーが普通にしてても怒ってるみたいだし、そのせいで薹が立ってるみたいに見えてしまう。
オードリーのメイクさんは長年ずっと一緒の方なんでしょうが、このメイクはいただけないですよ〜。
なのでベン・ギャザラに結婚を申し込むシーンみたいに真横をオードリーが向いているシーンだと眉が目立たなくなるので充分綺麗で若々しく見えます。
音楽のオススメ度:★★★★★(何度でも聴いてしまう、美しい旋律が素晴らしい!僕にとってのオードリー映画音楽ベスト5に入る傑作!)
★「ティファニーで朝食を」
2016/04/02(土)~2016/04/15(金):GROUP A
2016/04/16(土)~2016/04/29(金):GROUP B
★「マイ・フェア・レディ」
2016/05/14(土)~2016/05/27(金):GROUP A
2016/05/28(土)~2016/06/10(金):GROUP B
グループ分けなど詳しくはこちらの記事で。
また、今回の映画祭ではオードリーに出演依頼がなされながらも諸事情で断った「ロシュフォールの恋人たち」「愛と哀しみの果て」もリバイバルされます。
今回、ちょうど今週末に姪っこが遊びに来るのですけど、「ティファニーで朝食を」って小学5年生に見せるにはまだ早いですかね?
ちょっと迷っています。「マイ・フェア・レディ」ならOKだと思うんですけども…。
以前紹介していました、「華麗なる相続人」の全曲版オリジナル・サウンドトラックCDが届きました!
世界で限定2000枚のリリース。
作曲はエンニオ・モリコーネ。
多作家なのにどれも高いレベルで曲を書くので、世界でとても人気の高い映画音楽家の巨匠です。
50年代から活動を開始しているのですが、まだ現役で作曲しておられます。
そして今年「ヘイトフル・エイト」という作品でアカデミー賞とゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞(BAFTA)と3つの賞で作曲賞を受賞しています。さらに音楽賞の無いニューヨーク批評家協会賞でも特別賞を受賞、と賞を総なめにしています。
今まで全曲で入ってたのはLPレコード(米盤のみ。日本盤は無し)のみで、CDで2度発売されたものはどちらも約半分しか曲が入ってない抜粋版でした。
今回のこのVARESE CLUBからの発売で、やっと全曲入っているCDが発売されました。
レコードの発売が「華麗なる相続人」公開終了後の1980年でしたから、36年も全曲版CDの発売まで待たされたことになります。
今までの抜粋版CDはモリコーネとしての曲集だったので、 “薬のパレード” のオリジナル・バージョンばかりが収録されていて、映画で差し替えになったクレイグ・ハンドリーという人が作曲したフィルム・バージョンはレコードでのみ聴ける、という状態でした。
それに抜粋版はなぜか暗い系の音楽ばかりを収録していて、メインタイトルのバリエーションの美しい曲たちは収録されずじまいだったので、それがとても残念でした。
でも今回やっとレコードと同じ完全版で聴ける!
しかも音質が抜粋版からも改善されています。奥行きというか、とっても深みのある音になっています。
“薬のパレード”のオリジナル・バージョンなどは出だしからして違う。素晴らしい!
PCで聴いてもわかるくらいなので、ステレオシステムで聴けばさぞや…!
…と思って嬉しく聴いていたのですが、ちょっと待てよ。
“薬のパレード” のフィルム・バージョンを聴いていたら、えっ!レコードと違う部分があるぞ!なんか聴いたことのない音が入ってる!
思わず“itunesに落とすのを失敗した!?”と思って、LP版(これも itunes に入れていた)と比べると、今回のCDの方がタイムが長い!
レコード版の方は、レコード→カセットテープに録音→CD-Rに焼く→itunes に落とす という過程を経てきてるので、テープを何度も何度も聴いていて伸びている分3秒ほど多くなっています。
それを考慮してもレコード版は2:56、今回のCDは4:50で全然違う!
なんと!今回のCDはレコードではフェイドアウトした後も続く完全版になっていました!(最終的にはCDのもフェイドアウトだけど)
こういうのがあるから今の時代にCDを出す価値があるんだよな〜って嬉しくなりました。
でもこれに気づくのはレコードを持っている人だけ。こちらに来ていただいてるまるさんとヴェロニカ・ハメルさんならわかっていただけると思いますが…。
で、じゃあ他にもこういうのが?と思って期待してタイムを見比べたんですが…んん?これは!!
もう1曲、この「華麗なる相続人」では好きな曲の1つなんですが、オマー・シャリフが階段を急いで上がって愛人から逃げる時に流れる音楽に “An Almost Perfect Indiscretion” (「ほぼ完全なる無分別」?という訳でいいでしょうか…?)という曲もレコードとCDでタイムが違う!
でも今回は逆で、CDよりもレコードの方が長い!
レコードが4:21に対して、CDが3:24。これは誤差の範囲を大きく超えていますよね。
で、どこが違うのかよーく聴いてみました。
この曲の今回のCDでの構成は
序奏→メインの旋律Aパターン→旋律に弦楽器が加わったBパターン→序奏のバリエーションCパターン→Aパターン→Bパターン→短い後奏
になっているのですが、レコードでは
序奏→メインの旋律Aパターン→旋律に弦楽器が加わったBパターン→序奏のバリエーションCパターン→Aパターン→Aパターン→Bパターン→Bパターン→短い後奏
になっていました!
いやいやいや、CDというレコードよりも収録時間を取れる媒体で “薬のパレード” みたいに増えるのはいいですけど、レコードよりも収録時間を減らしちゃアカンでしょ!VARESE CLUBさーん、めっちゃ残念やー! 。゚・o(>ω<)o・゚。
なので、今回本当は “完全版CD” と銘打ちたかったんですけど、この曲のせいでそうは出来なかったので、“全曲版” と表示させていただきました。
抜粋盤も確認しましたが、そちらも短いバージョンでした。
でもこんなの、レコード持ってないと誰も気付かないですよね。このCDの制作者もレコードバージョンと違うのに気付かなかったのかもしれないです。
このCDの聴き所は、まずはやっぱり“メインタイトル”とそのバリエーション。“過去の回想” “別荘への到着(CD初収録)” “パリへの旅(CD初収録)” “和解(CD初収録)” “エンドタイトル” と、どれも美しすぎます!
そして “薬のパレード”のフィルム・バージョン(CD初収録)、短いながらも印象に残る “Bobsled(CD初収録)”、“マキシムでのディナー”、“An Almost Perfect Indiscretion” も素晴らしい曲たちです。
でも映画はサスペンスなので、残り半分は不安な音楽です。
ジャケットは「華麗なる相続人」のメインイメージを踏襲したもの。レコードよりちょっと画像が大きくなっています。
そして裏ジャケは、レコードは面積が大きい分画像が色々載っていて珍しい画像も多かったのですが、今回はベン・ギャザラとパリを歩くもので、よく見る画像。
ライナーノート(12p)とケースのCDの下に載っている画像も、残念ながらわりと良く見るものばかり。
かろうじて表紙をめくった最初のページのオードリーの宣伝写真が、普通は初めて見る画像だし大きいのが嬉しいところ。
CD自体は VARESE CLUB のロゴイラストでした。
あとは最終ページ(裏表紙)の親族一同(+秘書)勢揃い写真を見ると、アレックスの遊び人の奥さん役のミシェル・フィリップスとオードリーはここしか共演してないよな〜って思います。
もともとほとんどの共演者が親族会議でしかオードリーと共演しないのですが(なんちゅう映画や!)、ミシェル・フィリップスはさらに親族会議にすらいないので…。
さてこのあいだまるさんに教えていただきましたが、この映画の1回目の重役会議の前に親族が会議室に集まるシーンでは、なんと2回目の重役会議の衣装でみんなが登場してしまってます。
編集者が誤って2回目のシーンのフィルムを繋ぎあわせてしまったのか、それとも1回目の集まるシーンの撮影フィルムが存在しなくて、どうせ劇場で1回くらい見るにはわからないだろうと苦肉の策で2回目のシーンをくっつけたのかはわかりませんが、お金のかかってる映画としては残念ですね。
それと、やっぱりこの映画でのオードリーって薹が立ってる気がします。同じ髪型の「ロビンとマリアン」と比べても顔がキツい。
僕にはどう見ても眉の描き方に問題があるように見えてしかたないんですよね。
眉間側は “︶” と描いてあって、そこへ “へ” の形の眉が続くんで、どうみてもキツい顔になりますよね。
ものすごい財閥を受け継いだ一人娘で社長だから、こういう意志の強いようなメイクにしたのかなーと思いますが、この怒り眉はちょっと…。
オードリーが普通にしてても怒ってるみたいだし、そのせいで薹が立ってるみたいに見えてしまう。
オードリーのメイクさんは長年ずっと一緒の方なんでしょうが、このメイクはいただけないですよ〜。
なのでベン・ギャザラに結婚を申し込むシーンみたいに真横をオードリーが向いているシーンだと眉が目立たなくなるので充分綺麗で若々しく見えます。
音楽のオススメ度:★★★★★(何度でも聴いてしまう、美しい旋律が素晴らしい!僕にとってのオードリー映画音楽ベスト5に入る傑作!)