2007年01月29日
映画よりも傑作!?アラン・ルメイ著「許されざる者」
こちらはオードリーの「許されざる者」の原作です。作者はアラン・ルメイ、訳者は「緑の館」も訳出してる蕗沢忠枝。新書サイズ、奥付は1960年7月20日発行になってて、発行元は新潮社。現在は絶版。
「許されざる者」は原作を読んだオードリーが演じたがった、という記述をよく見るのですが、映画を観てもレイチェルのどこにそんなに惹かれたのかがわからない…。あんまり演じ甲斐があったようにも思えないし。設定がドラマティックな役だから?なんて思ってましたが…。
この原作を読んで思ったのは、レイチェルの重要さが全然違うということ!他のキャラもかな~り映画と違います。長男ベンは出番は少ないながら、もっともっと家族のことを考えて慎重だし、次男キャッシュはめっちゃカッコいい!!(←おそらく映画と原作で性格が一番違うのがこのキャッシュ) 三男アンディもめっちゃ頼もしい。母マティルダはもっと優しい。
隣のジョージアもザカリー家と共に戦う、そのお母さんのヘイガーのカイオワを憎む理由もきちんと説明される、ケルシーはもっと卑怯。そしてカイオワはもっともっと残忍。
テキサスで生きていくことの難しさは、映画で描かれている様子の比ではないです。もし映画のように暮らしていたら、ザカリー家はおそらく1年ももたないうちに全滅間違いなし!
たまに映画「許されざる者」は人種差別してる云々…っていう記述をみかけるんですけど、僕はむしろかなりネイティブアメリカンに対して配慮していると思います。だいたいザカリー家を差別するのは白人だし。少なくとも白人に対してと同じ扱いである、と僕は思ってます。
原作も人種差別とかじゃなく、“カイオワ族とはこういうものである”って正確な当時のカイオワ族を淡々と述べてるだけなような気がするんです。
頭の皮を剥ぐ、というのも当時現実にあったことだし、だからって作者はそれを否定も肯定もしてない、“そんなことがあった”というだけなんですよね。
原作はそういったかなり残酷な描写があり、文章であってもそういうのが苦手な人にはオススメしません。
ただ、読んでいると途中からは読むのを止められなくなります!それだけ惹き付ける力がすごい作品なんでしょう。
友人のMさんが先に手に入れて、僕は貸してもらってたんですが、合言葉は“リンダは来ましたか?”(笑)。これ、「どうにもとまらない」とかけてあるんですけどね。(^^;;;
あまりの面白さに、後に自分でも入手。
そしてカイオワとの戦いは、ベンは留守中、キャッシュはジョージアを送っていった帰りに殺され、母マティルダは戦いではなく病気で死亡。結局家で戦っているのはアンディとレイチェルだけ。しかもアンディは映画のように途中で怪我をして戦線離脱…ということはレイチェルはたった一人で最後戦うんですよ!ベンが戻ってくるのは何もかも終わった後…。
まさにレイチェルのための「許されざる者」なんです!オードリーがなぜ演じたがったのか、よ~くわかります。イメージもレイチェル=オードリーで読み進められます。キャッシュはもっとハンサム・マンが浮かんでくるけど(笑)。
もしこの原作のままで映画になっていたらどうなっていたか…そんなことを考えながら読むととても感慨深いです。原作の読ませる力も凄い作品で、とても気に入ってます。(^^
オススメ度:★★★★★(めっちゃ面白いです!)
「許されざる者」は原作を読んだオードリーが演じたがった、という記述をよく見るのですが、映画を観てもレイチェルのどこにそんなに惹かれたのかがわからない…。あんまり演じ甲斐があったようにも思えないし。設定がドラマティックな役だから?なんて思ってましたが…。
この原作を読んで思ったのは、レイチェルの重要さが全然違うということ!他のキャラもかな~り映画と違います。長男ベンは出番は少ないながら、もっともっと家族のことを考えて慎重だし、次男キャッシュはめっちゃカッコいい!!(←おそらく映画と原作で性格が一番違うのがこのキャッシュ) 三男アンディもめっちゃ頼もしい。母マティルダはもっと優しい。
隣のジョージアもザカリー家と共に戦う、そのお母さんのヘイガーのカイオワを憎む理由もきちんと説明される、ケルシーはもっと卑怯。そしてカイオワはもっともっと残忍。
テキサスで生きていくことの難しさは、映画で描かれている様子の比ではないです。もし映画のように暮らしていたら、ザカリー家はおそらく1年ももたないうちに全滅間違いなし!
たまに映画「許されざる者」は人種差別してる云々…っていう記述をみかけるんですけど、僕はむしろかなりネイティブアメリカンに対して配慮していると思います。だいたいザカリー家を差別するのは白人だし。少なくとも白人に対してと同じ扱いである、と僕は思ってます。
原作も人種差別とかじゃなく、“カイオワ族とはこういうものである”って正確な当時のカイオワ族を淡々と述べてるだけなような気がするんです。
頭の皮を剥ぐ、というのも当時現実にあったことだし、だからって作者はそれを否定も肯定もしてない、“そんなことがあった”というだけなんですよね。
原作はそういったかなり残酷な描写があり、文章であってもそういうのが苦手な人にはオススメしません。
ただ、読んでいると途中からは読むのを止められなくなります!それだけ惹き付ける力がすごい作品なんでしょう。
友人のMさんが先に手に入れて、僕は貸してもらってたんですが、合言葉は“リンダは来ましたか?”(笑)。これ、「どうにもとまらない」とかけてあるんですけどね。(^^;;;
あまりの面白さに、後に自分でも入手。
そしてカイオワとの戦いは、ベンは留守中、キャッシュはジョージアを送っていった帰りに殺され、母マティルダは戦いではなく病気で死亡。結局家で戦っているのはアンディとレイチェルだけ。しかもアンディは映画のように途中で怪我をして戦線離脱…ということはレイチェルはたった一人で最後戦うんですよ!ベンが戻ってくるのは何もかも終わった後…。
まさにレイチェルのための「許されざる者」なんです!オードリーがなぜ演じたがったのか、よ~くわかります。イメージもレイチェル=オードリーで読み進められます。キャッシュはもっとハンサム・マンが浮かんでくるけど(笑)。
もしこの原作のままで映画になっていたらどうなっていたか…そんなことを考えながら読むととても感慨深いです。原作の読ませる力も凄い作品で、とても気に入ってます。(^^
オススメ度:★★★★★(めっちゃ面白いです!)