2014年10月09日
「いつも2人で」レーザーディスク 初期版
いよいよ来週17日から西日本のイオンシネマで「いつも2人で」のリバイバルが始まります!
★「いつも2人で」イオンシネマ“シネパス”
10/17(金)、10/20(月)〜24(金) 平日のみ
グループ5(西日本):茨木・りんくう泉南・三田ウッディタウン・加古川・和歌山・広島・綾川・大野城・戸畑・福岡・筑紫野・熊本の各イオンモールにて上映
今回は来週から始まる「いつも2人で」にちなんで、過去のレーザーディスクの紹介。
レーザーディスク(LD)って、80年頃に市販のプレーヤーが出て、90年頃に最盛期を迎えましたが、90年代後半に出て来たDVDに脅かされ始め、2000年に登場したソニーのPlayStation 2によってDVDの普及が決定的になり、急速に終焉を迎えました。
おそらくLDについて知ってるのは、2014年現在で30代以上の方だろうと。
なので、最初にLDについて書いておきます。(色の違う所はLDに関しての説明なので、ご存知の方は飛ばしてもらってかまいません)
再生専用で、大きさはLPレコードと同じサイズで30cmが主。ですので、現在12cmのDVDやブルーレイプレーヤーなどでは再生不可です。
表裏両面使って収録時間はピッタリ2時間。融通が利かないので、2時間5分の「おしゃれ泥棒」なんかは2枚3面が必要でした。
でも、同じレーザーによるピックアップのため互換性が取りやすく、LDプレーヤーでCDの再生は普通に出来ましたし、最後期の機種などではDVDの再生が出来る物もありました。
両面再生は、最初期は自分で裏返して入れ直してましたけど、後にディスクはそのままで、自動で読み取り部が裏に回って再生できるようになりました。
僕は2回買い直して、全部で3台買いましたけど、最初に買ったのはワイヤードリモコンで、コード付きのリモコンでした。(^^;
出た当時、ソフトは圧倒的にビデオより安かったのですが(ビデオが1本15000円くらいの時代に、LDは7800円)、LDのプレーヤーが高かったのと録画が出来ないので、普及はいまいち進みませんでした。
最初期は当時人気のあったオリビア・ニュートン・ジョンを宣伝に使って、電車の車内の中吊りなんかで“絵の出るレコード!”って宣伝していましたね。
それとVHSとベータの戦争のように、このLDにもVHD(26cmのディスクがカセットケースに入っている)というライバルがいました。なので、どちらが規格争いに勝つか!?みたいな感じだったんですよね。
最初は会社の数も圧倒的にVHDが多くて、パイオニア1社だけのLDはめっちゃ不利そうだったんですが、結果的にはLDが勝ちました。
あれよあれよと言う間に各社LDに流れて行くのは、最近のブルーレイ(BD)とHD DVDの規格争いのようでしたね。
最後はビクターだけがVHDで出してましたが、なんか子供が我を張ってる感じで、虚しい感じでした。
最初はごっつい有利だったVHDは、以下の3つの点で負けたように思います。
まず画質。昔画質についての指標で“水平解像度”っていうのがあったのですが、これが多いほど高精細。
ブラウン管でのテレビが525本、アナログ放送は336本。そしてビデオやVHDは240本。そんな時代に、LDは400本以上。これが高画質を求めるマニアさんには受け入れられました。なのでLDはちょっと高級品的イメージがあったものです。
それと、光ディスクなのにピックアップがVHDは接触型。CDやLDの非接触型のディスクに比べて、ディスクが摩耗する、という前世代的な欠点を抱えていました。
それに、カセットケースに入っているという点も大きなマイナス。分厚くてかさばっていましたし、パブなどでカラオケに使われている場合はいちいちガチャンとプレーヤーにカセットごとディスクを入口に入れてカセットだけを取り出し、入れ替えるときはまた空のカセットを入れてディスクを収納しないといけなくて、店員さんも面倒くさそうでしたし、それでディスクもよく違うカセットに入ったりして、本当に手間でした。
そんなこんなで、劣化もしにくいし、高画質、カラオケではジュークボックスのようにまとめて入れておけるLDが圧倒的に勝ってしまいましたね。
でもビデオテープであるVHSは録画が出来ることで急速に普及して行き、最初はビデオよりも圧倒的にLDの方がソフトが安かったのですが、やがてビデオの普及に伴いビデオソフトが3800円とかで売られるようになり、値段は逆転。
LDもやがて4800円とかで出るようにはなりましたが、普及率はやっぱり低かったですね。
それにそれまでの水平解像度って、インターレースという“水平解像度240本”って書いてあっても、実は120本ずつ奇数番と偶数番を交互に出して人間の目に240本に見せる、みたいな感じだったんですが、DVDが出ることで水平解像度525本で、しかもプログレッシブという同時に525本とも出すことが出来る、ってことになると、LDの優位性なんか一挙に吹き飛んでしまったわけですね。
ちなみに今のフルハイビジョンは1920本で、テレビ放送はインターレース、ブルーレイはプログレッシブ方式なんで、今の画質に比べるとLDなんかは比べ物にならないくらい低かったことになるんですけどね。
次世代の4Kなんかは3840本以上、その先の8Kなどは7680本以上になってしまいます。ハイビジョンでも“耳の穴まで化粧しなければいけない”とかって言われてるのに、4Kや8Kだと顔の毛穴はもちろん、爪のシワまで見えそうですね。俳優さんや歌手やアナウンサーの方もこれから大変ですね。
めっちゃ前置きが長くなりましたが、ここからが「いつも2人で」のレーザーディスクのお話。
この「いつも2人で」のLDはまだ上記のVHDとの決着がついていない1982年発売の、黎明期に出たLDソフトの1つ。もちろんオードリー・ヘプバーンの映画では一番早かったです。
この最初期のLDソフトは、みんな銀の縁取りの同じデザインでした。
まだまだLDプレーヤーも30万円ほどしたので、僕は全く買えませんでしたが、お金持ちの友人の家がプレーヤーを買ったので、この「いつも2人で」のLDをおすすめ。
そこで、僕も念願の「いつも2人で」を見ることが出来たんですよねー(人生で3度目)。
で、パンフレットに書いてあって、このLDの帯にも書いてある「いつも2人で」での“衣装89着を着て登場”っていうのをそこで確認したんですが(詳しい話は“おしゃれ泥棒 オードリー・ヘップバーン!”の“65.「いつも2人で」その2 衣装89着!?”で)、全くのデマでした。35着くらい、せいぜい39着くらいですね。
あ、元々39着と書いてあったのが、数字を誤って89着と伝えられたのかも…。
なので今でも「いつも2人で」の衣装が89着とか書いてあるサイトがありますけど、映画を見ずに資料だけで書きましたね!と言っておきましょう。
後にまたその友人の家に遊びに行った時に、そのお母さんから“私のお友達にも「いつも2人で」を見せたの。”と伺いましたけど、その時に“この映画、3回の旅のお話なのよね。”と言われた時はどうしようかと思いました。(^^;;;
僕:えっと、6回なんですけど…(モゴモゴ)。
友人の母:(声を大にして)でも大きく分けたら3回よね?
僕:あ…そう、かも…しれませんね(汗)。
その母さんは仲間の間でも、気のキツいお母さんだと言われていたので(女の子たちが、最もお姑さんにしたくないお母さんだと言っていた)、僕は言葉を濁してしまったのでありました。
後にアルバイトでお金を貯めて、自分で買えるようになった時、まだVHDとの規格争いは終わってませんでしたが、「ローマの休日」など数作品を持っているVHDと、「いつも2人で」1作品だけを持っているLDを考えた時、やはりその映画への愛情度と、映画館での見難さを考えるとLDに軍配が上がってしまったのでありました。
すぐ後でLDが勝ってしまったので、ホッとしましたが。(^^;A
今の若い方には考えられないでしょうが、昔は自分が個人で映画を持てて、好きな時に何度でも見れるっていうのは凄いことだったんですよ!!
それまでは、自分でフィルムと機材を借りて、上映会でも開かない限り、自分の好きな作品は見れなかったんですから!
個人上映向けのそういうフィルムと機材(と人材)の貸し出しもあって、ぼくもそういう資料を取り寄せて「いつも2人で」をなんとか上映できないか検討した事も何度も何度もあります。
でも一番安い所でも、全部で10万円以上もするお金を捻出できなくて、断念しました。
なのでオードリー映画の、それも一番大好きな「いつも2人で」を手に入れた事は、僕にとって本当に天にも昇るくらい素晴らしい事でした。
今ではいろんなBDを買っても、最初のそんな気分はもう起きないんですけどね…。
それと、今ではDVDやBDケースの裏側にちょこちょこっと数行のあらすじと解説があるだけですが、さすが映画パンフレットの文化のある日本!LDでもVHSでも当時は解説が別に挟み込まれてました。
この「いつも2人で」にも片面だけとはいえ解説があるのですが、素晴らしいことにきちんと12年間の旅で6回の旅と書いてあるし、“最初の2回の旅は車も持って無くて、その次はオンボロの中古車”と書いてあって、旅の順番も間違えてないです。執筆者名が書いてないのですが、どなたなのでしょうかね?
それと、これも若い人には考えられないでしょうが、画面サイズの問題もありまして、本来「いつも2人で」のアスペクト比はシネマスコープサイズ(2.35:1)でパナビジョンなのですが、当時のテレビは4:3で20インチくらいが主流。
そんな小さいテレビに横長の画面を映そうとすると上下が黒帯のものすごい小さな画面になるため、当時はどんな映画も4:3に左右をぶった切るのが当たり前。
なので、この「いつも2人で」でも半分くらいの量の画面が切られる事となり、かなりの情報が無くなってました。
しかも、オードリーとアルバート・フィニーが左右の端に分かれて写っている場面は、なぜか常にフィニー側に寄るので、オードリーの表情が見れずじまい。
91年に「いつも2人で」がリバイバルされたときは、もちろん左右のカット無しだったので、その情報量の多さにビックリしてました!
“赤ちゃんが出来たの!”と言った後のジョアンナの表情、中古のMGが普通に運転すると坂を上れないのを、ジョアンナがバックで運転して成功し“やった!”って言うと不機嫌になるマークの横で見せるジョアンナのめっちゃイタズラっぽい顔、荒っぽいマークの運転に怒ったジョアンナが、車を飛び出して歩いている時のビックリするくらい美しい緑の葉っぱと釣りをする人(このシーンのバックに見えるのが「パリの恋人」の教会として使われた Château de la Reine Blanche)。
それと、このディスクは元になったフィルムが傷んでたんでしょうが、一部映像がフリーズする場面があります。最初のモーリス・ビンダーのタイトルバックや、ジョアンナが“あなたなんか嫌い!”というシーンなどなど。タイムは問題なく動いているので、ディスクが悪い訳ではありません。
それにこれも元のフィルムの問題で、発色が悪いです。このディスクを何度も何度も見ましたが、「いつも2人で」のイメージは《いつも曇り空》でした。
1996年にリマスターされたワイド版のLDが出るんですが、その時には色にもビックリ!なんとほとんどが爽やかな晴れの青空だったのです!
あと、この翻訳は 森みさ さん。今でも映画の字幕翻訳をなさっている凄い方なのですが、この「いつも2人で」には致命的な誤訳があって、一番最初に出てくるセリフ、教会で結婚式を挙げる若いカップルを見て、
ジョアンナ:あんまり幸せそうじゃないわね
マーク:結婚したからな
っていうこの映画全体を表すキーワード的な所が、
ジョアンナ:幸せかしら
マーク:新婚だぞ
って字幕になってて、こりゃ意味反対だよー!って見る度にずっとずーーーっと思ってました。
DVDでは太田直子さんに翻訳が代わってて、
ジョアンナ:暗いわね
マーク:新婚なら幸せさ
になってます。今の訳もちょっと微妙…。(^^;;;
ちなみに、NHK BSでの放送時は
ジョアンナ:浮かない顔
マーク:結婚したからさ
になってて、一番良いと思います。
LDって再プレスはほぼしなかったんで、「いつも2人で」のLDはこの後とっても長い間カタログから落ちてて入手困難。リマスター版がオードリーの死後の1996年に出るまで、「いつも2人で」は10年くらいずっとこのLDにお世話になりました。字幕も覚えてるくらいです。
そういえば、今持ってるDVDも出てから10年経つと思いますが、このLDほどは見てませんね。それに10年の重みも、当時の10年と今の10年じゃ全然違いますね。これも年をとったからなんだろうな〜…。
★「いつも2人で」イオンシネマ“シネパス”
10/17(金)、10/20(月)〜24(金) 平日のみ
グループ5(西日本):茨木・りんくう泉南・三田ウッディタウン・加古川・和歌山・広島・綾川・大野城・戸畑・福岡・筑紫野・熊本の各イオンモールにて上映
今回は来週から始まる「いつも2人で」にちなんで、過去のレーザーディスクの紹介。
レーザーディスク(LD)って、80年頃に市販のプレーヤーが出て、90年頃に最盛期を迎えましたが、90年代後半に出て来たDVDに脅かされ始め、2000年に登場したソニーのPlayStation 2によってDVDの普及が決定的になり、急速に終焉を迎えました。
おそらくLDについて知ってるのは、2014年現在で30代以上の方だろうと。
なので、最初にLDについて書いておきます。(色の違う所はLDに関しての説明なので、ご存知の方は飛ばしてもらってかまいません)
再生専用で、大きさはLPレコードと同じサイズで30cmが主。ですので、現在12cmのDVDやブルーレイプレーヤーなどでは再生不可です。
表裏両面使って収録時間はピッタリ2時間。融通が利かないので、2時間5分の「おしゃれ泥棒」なんかは2枚3面が必要でした。
でも、同じレーザーによるピックアップのため互換性が取りやすく、LDプレーヤーでCDの再生は普通に出来ましたし、最後期の機種などではDVDの再生が出来る物もありました。
両面再生は、最初期は自分で裏返して入れ直してましたけど、後にディスクはそのままで、自動で読み取り部が裏に回って再生できるようになりました。
僕は2回買い直して、全部で3台買いましたけど、最初に買ったのはワイヤードリモコンで、コード付きのリモコンでした。(^^;
出た当時、ソフトは圧倒的にビデオより安かったのですが(ビデオが1本15000円くらいの時代に、LDは7800円)、LDのプレーヤーが高かったのと録画が出来ないので、普及はいまいち進みませんでした。
最初期は当時人気のあったオリビア・ニュートン・ジョンを宣伝に使って、電車の車内の中吊りなんかで“絵の出るレコード!”って宣伝していましたね。
それとVHSとベータの戦争のように、このLDにもVHD(26cmのディスクがカセットケースに入っている)というライバルがいました。なので、どちらが規格争いに勝つか!?みたいな感じだったんですよね。
最初は会社の数も圧倒的にVHDが多くて、パイオニア1社だけのLDはめっちゃ不利そうだったんですが、結果的にはLDが勝ちました。
あれよあれよと言う間に各社LDに流れて行くのは、最近のブルーレイ(BD)とHD DVDの規格争いのようでしたね。
最後はビクターだけがVHDで出してましたが、なんか子供が我を張ってる感じで、虚しい感じでした。
最初はごっつい有利だったVHDは、以下の3つの点で負けたように思います。
まず画質。昔画質についての指標で“水平解像度”っていうのがあったのですが、これが多いほど高精細。
ブラウン管でのテレビが525本、アナログ放送は336本。そしてビデオやVHDは240本。そんな時代に、LDは400本以上。これが高画質を求めるマニアさんには受け入れられました。なのでLDはちょっと高級品的イメージがあったものです。
それと、光ディスクなのにピックアップがVHDは接触型。CDやLDの非接触型のディスクに比べて、ディスクが摩耗する、という前世代的な欠点を抱えていました。
それに、カセットケースに入っているという点も大きなマイナス。分厚くてかさばっていましたし、パブなどでカラオケに使われている場合はいちいちガチャンとプレーヤーにカセットごとディスクを入口に入れてカセットだけを取り出し、入れ替えるときはまた空のカセットを入れてディスクを収納しないといけなくて、店員さんも面倒くさそうでしたし、それでディスクもよく違うカセットに入ったりして、本当に手間でした。
そんなこんなで、劣化もしにくいし、高画質、カラオケではジュークボックスのようにまとめて入れておけるLDが圧倒的に勝ってしまいましたね。
でもビデオテープであるVHSは録画が出来ることで急速に普及して行き、最初はビデオよりも圧倒的にLDの方がソフトが安かったのですが、やがてビデオの普及に伴いビデオソフトが3800円とかで売られるようになり、値段は逆転。
LDもやがて4800円とかで出るようにはなりましたが、普及率はやっぱり低かったですね。
それにそれまでの水平解像度って、インターレースという“水平解像度240本”って書いてあっても、実は120本ずつ奇数番と偶数番を交互に出して人間の目に240本に見せる、みたいな感じだったんですが、DVDが出ることで水平解像度525本で、しかもプログレッシブという同時に525本とも出すことが出来る、ってことになると、LDの優位性なんか一挙に吹き飛んでしまったわけですね。
ちなみに今のフルハイビジョンは1920本で、テレビ放送はインターレース、ブルーレイはプログレッシブ方式なんで、今の画質に比べるとLDなんかは比べ物にならないくらい低かったことになるんですけどね。
次世代の4Kなんかは3840本以上、その先の8Kなどは7680本以上になってしまいます。ハイビジョンでも“耳の穴まで化粧しなければいけない”とかって言われてるのに、4Kや8Kだと顔の毛穴はもちろん、爪のシワまで見えそうですね。俳優さんや歌手やアナウンサーの方もこれから大変ですね。
めっちゃ前置きが長くなりましたが、ここからが「いつも2人で」のレーザーディスクのお話。
この「いつも2人で」のLDはまだ上記のVHDとの決着がついていない1982年発売の、黎明期に出たLDソフトの1つ。もちろんオードリー・ヘプバーンの映画では一番早かったです。
この最初期のLDソフトは、みんな銀の縁取りの同じデザインでした。
まだまだLDプレーヤーも30万円ほどしたので、僕は全く買えませんでしたが、お金持ちの友人の家がプレーヤーを買ったので、この「いつも2人で」のLDをおすすめ。
そこで、僕も念願の「いつも2人で」を見ることが出来たんですよねー(人生で3度目)。
で、パンフレットに書いてあって、このLDの帯にも書いてある「いつも2人で」での“衣装89着を着て登場”っていうのをそこで確認したんですが(詳しい話は“おしゃれ泥棒 オードリー・ヘップバーン!”の“65.「いつも2人で」その2 衣装89着!?”で)、全くのデマでした。35着くらい、せいぜい39着くらいですね。
あ、元々39着と書いてあったのが、数字を誤って89着と伝えられたのかも…。
なので今でも「いつも2人で」の衣装が89着とか書いてあるサイトがありますけど、映画を見ずに資料だけで書きましたね!と言っておきましょう。
後にまたその友人の家に遊びに行った時に、そのお母さんから“私のお友達にも「いつも2人で」を見せたの。”と伺いましたけど、その時に“この映画、3回の旅のお話なのよね。”と言われた時はどうしようかと思いました。(^^;;;
僕:えっと、6回なんですけど…(モゴモゴ)。
友人の母:(声を大にして)でも大きく分けたら3回よね?
僕:あ…そう、かも…しれませんね(汗)。
その母さんは仲間の間でも、気のキツいお母さんだと言われていたので(女の子たちが、最もお姑さんにしたくないお母さんだと言っていた)、僕は言葉を濁してしまったのでありました。
後にアルバイトでお金を貯めて、自分で買えるようになった時、まだVHDとの規格争いは終わってませんでしたが、「ローマの休日」など数作品を持っているVHDと、「いつも2人で」1作品だけを持っているLDを考えた時、やはりその映画への愛情度と、映画館での見難さを考えるとLDに軍配が上がってしまったのでありました。
すぐ後でLDが勝ってしまったので、ホッとしましたが。(^^;A
今の若い方には考えられないでしょうが、昔は自分が個人で映画を持てて、好きな時に何度でも見れるっていうのは凄いことだったんですよ!!
それまでは、自分でフィルムと機材を借りて、上映会でも開かない限り、自分の好きな作品は見れなかったんですから!
個人上映向けのそういうフィルムと機材(と人材)の貸し出しもあって、ぼくもそういう資料を取り寄せて「いつも2人で」をなんとか上映できないか検討した事も何度も何度もあります。
でも一番安い所でも、全部で10万円以上もするお金を捻出できなくて、断念しました。
なのでオードリー映画の、それも一番大好きな「いつも2人で」を手に入れた事は、僕にとって本当に天にも昇るくらい素晴らしい事でした。
今ではいろんなBDを買っても、最初のそんな気分はもう起きないんですけどね…。
それと、今ではDVDやBDケースの裏側にちょこちょこっと数行のあらすじと解説があるだけですが、さすが映画パンフレットの文化のある日本!LDでもVHSでも当時は解説が別に挟み込まれてました。
この「いつも2人で」にも片面だけとはいえ解説があるのですが、素晴らしいことにきちんと12年間の旅で6回の旅と書いてあるし、“最初の2回の旅は車も持って無くて、その次はオンボロの中古車”と書いてあって、旅の順番も間違えてないです。執筆者名が書いてないのですが、どなたなのでしょうかね?
それと、これも若い人には考えられないでしょうが、画面サイズの問題もありまして、本来「いつも2人で」のアスペクト比はシネマスコープサイズ(2.35:1)でパナビジョンなのですが、当時のテレビは4:3で20インチくらいが主流。
そんな小さいテレビに横長の画面を映そうとすると上下が黒帯のものすごい小さな画面になるため、当時はどんな映画も4:3に左右をぶった切るのが当たり前。
なので、この「いつも2人で」でも半分くらいの量の画面が切られる事となり、かなりの情報が無くなってました。
しかも、オードリーとアルバート・フィニーが左右の端に分かれて写っている場面は、なぜか常にフィニー側に寄るので、オードリーの表情が見れずじまい。
91年に「いつも2人で」がリバイバルされたときは、もちろん左右のカット無しだったので、その情報量の多さにビックリしてました!
“赤ちゃんが出来たの!”と言った後のジョアンナの表情、中古のMGが普通に運転すると坂を上れないのを、ジョアンナがバックで運転して成功し“やった!”って言うと不機嫌になるマークの横で見せるジョアンナのめっちゃイタズラっぽい顔、荒っぽいマークの運転に怒ったジョアンナが、車を飛び出して歩いている時のビックリするくらい美しい緑の葉っぱと釣りをする人(このシーンのバックに見えるのが「パリの恋人」の教会として使われた Château de la Reine Blanche)。
それと、このディスクは元になったフィルムが傷んでたんでしょうが、一部映像がフリーズする場面があります。最初のモーリス・ビンダーのタイトルバックや、ジョアンナが“あなたなんか嫌い!”というシーンなどなど。タイムは問題なく動いているので、ディスクが悪い訳ではありません。
それにこれも元のフィルムの問題で、発色が悪いです。このディスクを何度も何度も見ましたが、「いつも2人で」のイメージは《いつも曇り空》でした。
1996年にリマスターされたワイド版のLDが出るんですが、その時には色にもビックリ!なんとほとんどが爽やかな晴れの青空だったのです!
あと、この翻訳は 森みさ さん。今でも映画の字幕翻訳をなさっている凄い方なのですが、この「いつも2人で」には致命的な誤訳があって、一番最初に出てくるセリフ、教会で結婚式を挙げる若いカップルを見て、
ジョアンナ:あんまり幸せそうじゃないわね
マーク:結婚したからな
っていうこの映画全体を表すキーワード的な所が、
ジョアンナ:幸せかしら
マーク:新婚だぞ
って字幕になってて、こりゃ意味反対だよー!って見る度にずっとずーーーっと思ってました。
DVDでは太田直子さんに翻訳が代わってて、
ジョアンナ:暗いわね
マーク:新婚なら幸せさ
になってます。今の訳もちょっと微妙…。(^^;;;
ちなみに、NHK BSでの放送時は
ジョアンナ:浮かない顔
マーク:結婚したからさ
になってて、一番良いと思います。
LDって再プレスはほぼしなかったんで、「いつも2人で」のLDはこの後とっても長い間カタログから落ちてて入手困難。リマスター版がオードリーの死後の1996年に出るまで、「いつも2人で」は10年くらいずっとこのLDにお世話になりました。字幕も覚えてるくらいです。
そういえば、今持ってるDVDも出てから10年経つと思いますが、このLDほどは見てませんね。それに10年の重みも、当時の10年と今の10年じゃ全然違いますね。これも年をとったからなんだろうな〜…。
この記事へのコメント
12月24日に「マイ・フェア・レディ<4Kデジタル・リマスター版/日本語吹替音声付き>が発売になりますね・・・
amazon・TSUTAYAで予約開始されています。
(TSUTAYAオンラインでは「ティファニーで朝食を スチール仕様」と「マイ・フェア・レディ スチール仕様」が約半額になっています)
amazon・TSUTAYAで予約開始されています。
(TSUTAYAオンラインでは「ティファニーで朝食を スチール仕様」と「マイ・フェア・レディ スチール仕様」が約半額になっています)
Posted by FUMI at 2014年10月11日 23:16
すごぉ~く懐かしく拝読しました。
そうそう!LDでタイトルがまだまだ少なかったときに
「いつも2人で」って渋いなぁってすごく印象に残っています!
うん、確かに82年頃だったね。
その2年後くらいには、「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」が出ていて、
書店や電器屋さんでLD推薦作品集をエンドレスで流していたときに、
プッシュ作品として紹介されていたけど、
実はそれより前に「いつも2人で」があるんだもんね~って内心ドヤ顔でした。
あ、でも「マイ・フェア」・レディ」が先でしたっけ?
VHSでさえタイトルがそう多くないときに(オードリィ作品も少なかったですよね)
「いつも2人で」がLDであるなんて・・・
どんな作品だろうと俄然興味がわいたのを覚えています。
一部のコアなファンがいることもこのころ知りました。
ほどなく名画座で出会うわけですが・・・ああ青春時代!
そうそう!LDでタイトルがまだまだ少なかったときに
「いつも2人で」って渋いなぁってすごく印象に残っています!
うん、確かに82年頃だったね。
その2年後くらいには、「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」が出ていて、
書店や電器屋さんでLD推薦作品集をエンドレスで流していたときに、
プッシュ作品として紹介されていたけど、
実はそれより前に「いつも2人で」があるんだもんね~って内心ドヤ顔でした。
あ、でも「マイ・フェア」・レディ」が先でしたっけ?
VHSでさえタイトルがそう多くないときに(オードリィ作品も少なかったですよね)
「いつも2人で」がLDであるなんて・・・
どんな作品だろうと俄然興味がわいたのを覚えています。
一部のコアなファンがいることもこのころ知りました。
ほどなく名画座で出会うわけですが・・・ああ青春時代!
Posted by まる at 2014年10月11日 23:56
みつおさん、こんにちは!
私が年を取るにつれて、私はますますこの映画を好きにしています。
私は望みます、この映画は、できるだけ早くブルーレイを公開することができます。
ところで、最近では、私はドイツからのプレスブックやパンフレットを買った(「いつも2人で」初版)。
私が年を取るにつれて、私はますますこの映画を好きにしています。
私は望みます、この映画は、できるだけ早くブルーレイを公開することができます。
ところで、最近では、私はドイツからのプレスブックやパンフレットを買った(「いつも2人で」初版)。
Posted by meng at 2014年10月13日 12:11
>FUMIさん
おー!ついに予告が出ましたね!…って、でもこれデジパック仕様じゃないですね。
ええええっ、日本は通常仕様の物しか出ないのかなぁ〜!めっちゃ残念!!
おー!ついに予告が出ましたね!…って、でもこれデジパック仕様じゃないですね。
ええええっ、日本は通常仕様の物しか出ないのかなぁ〜!めっちゃ残念!!
Posted by みつお at 2014年10月14日 07:50
>まるさん
懐かしく読んでいただいて、ありがとうございます!
やっぱりまるさんはわかってくださるんですね!(^-^
発売は「いつも2人で」(82年)→「マイ・フェア・レディ」→「ティファニーで朝食を」「ローマの休日」(共に86年)の順でしたよ。
「マイ・フェア・レディ」の初回盤と2回目の盤は既に手放して持ってないんですが、「マイ・フェア・レディ」の初回盤はこの「いつも2人で」と同じ銀色ふち取りのデザインだったので、83〜84年頃に出たのではないかと思います。
でも同じFOXの「おしゃれ泥棒」とかは結構発売が遅かったですし、なぜこの「いつも2人で」が一番先に出て来たのかは不思議ですよね。
それに、なぜか廃盤時期が長くて、オードリーがブームになったり、亡くなった時のLDの宣伝でもカタログから落ちている「いつも2人で」が載らなかったのが残念で仕方ありませんでした。
まあ今の「いつも2人で」のレターボックス収録という超初期DVD仕様も、その時のLDの状況と変わらない気もしますが…。
いつも「いつも2人で」は虐げられていますよね。
懐かしく読んでいただいて、ありがとうございます!
やっぱりまるさんはわかってくださるんですね!(^-^
発売は「いつも2人で」(82年)→「マイ・フェア・レディ」→「ティファニーで朝食を」「ローマの休日」(共に86年)の順でしたよ。
「マイ・フェア・レディ」の初回盤と2回目の盤は既に手放して持ってないんですが、「マイ・フェア・レディ」の初回盤はこの「いつも2人で」と同じ銀色ふち取りのデザインだったので、83〜84年頃に出たのではないかと思います。
でも同じFOXの「おしゃれ泥棒」とかは結構発売が遅かったですし、なぜこの「いつも2人で」が一番先に出て来たのかは不思議ですよね。
それに、なぜか廃盤時期が長くて、オードリーがブームになったり、亡くなった時のLDの宣伝でもカタログから落ちている「いつも2人で」が載らなかったのが残念で仕方ありませんでした。
まあ今の「いつも2人で」のレターボックス収録という超初期DVD仕様も、その時のLDの状況と変わらない気もしますが…。
いつも「いつも2人で」は虐げられていますよね。
Posted by みつお at 2014年10月14日 08:03
>mengさん
おお〜、着々と「いつも2人で」のグッズが増えてますね! v(^_-)☆
「いつも2人で」はファン歴の長いオードリー好きな人には、本当に受けがいいですよね。
それにmengさんはまだまだお若いじゃないですかー!(^-^
「いつも2人で」もいつかBDは出ると思います。
が、今の「戦争と平和」BDのように、先に出す事を焦って、DVDと画質もあんまり変わらない、特典もない、というのはイヤですよね。
画質も音声もオリジナルに忠実にリマスターして、できれば特典映像を付けてもらいたいなぁ…と思います。
おお〜、着々と「いつも2人で」のグッズが増えてますね! v(^_-)☆
「いつも2人で」はファン歴の長いオードリー好きな人には、本当に受けがいいですよね。
それにmengさんはまだまだお若いじゃないですかー!(^-^
「いつも2人で」もいつかBDは出ると思います。
が、今の「戦争と平和」BDのように、先に出す事を焦って、DVDと画質もあんまり変わらない、特典もない、というのはイヤですよね。
画質も音声もオリジナルに忠実にリマスターして、できれば特典映像を付けてもらいたいなぁ…と思います。
Posted by みつお at 2014年10月14日 08:15