2024年07月19日
1974年「マイ・フェア・レディ」リバイバル50周年「スクリーン」74年8月号
1974年7月27日、「マイ・フェア・レディ」がリバイバル公開されました。
今に至るまで10回日本で公開している「マイ・フェア・レディ」の、64年、69年に次いで3回目の日本での公開となります。今年はそれから50周年ということになります。
ということで、今回はそのリバイバル映画紹介が載っている雑誌「スクリーン」1974年8月号(6月21日発売)を紹介。
表紙からいきなりオードリー。これは時期的には「ティファニーで朝食を」のころの宣伝写真ですね。
これを古本で手に入れた中学時代から、このオードリーは「ティファニーで朝食を」と見抜いて、「ティファニーで朝食を」の切り抜きのところに入れていました。
「ティファニーで朝食を」ってショーンを産んだ後だからか、オードリーが前後の作品に比べてちょっと細いんですよね。
ちょっとオードリーがブレている画像なので、表紙に使うにはどうだろ?って思う写真だし、僕自身はあまり好きではない画像ですけど、実はめっちゃレアな写真。
「スクリーン」の過去の表紙集以外の写真集などでは一切収録されていません。
「スクリーン」としては、1973年の12月号以来の、わずか8ヶ月での表紙の登板。
それだけまだまだオードリーは人気があったころ。
実際、74年の5月号でもオードリーは「スクリーン」の人気投票では第1位でした。
72年〜74年は3年連続でオードリーがトップだったんですよね。
なぜそんな引退状態の時に1位?と後年不思議がってる論調の文章がありましたが、もちろんこれは71年に出演した、オードリーとしては「暗くなるまで待って」以来の新作「エクスラン・ヴァリーエ」CMがあったからですよね。
そして旧作の数々のリバイバルとテレビ放映があったので、作品が優れているオードリーは安泰だったというわけ。
74年の人気投票の対象となる1973年には「ローマの休日」「戦争と平和」「シャレード」がリバイバルしてますし、74年も1位が獲れたんですよね。
さて、この号は夏前ということで、当時のスターや昔のスターの水着写真が多く載っています。
オードリーも“なつかしのスター水着集”ってカラーページで登場。
これがまた極レア画像。水着のオードリーといえば「いつも2人で」ですが、これもこれ以降の写真集未収録。
日焼けシーン撮影中のスナップのようですね。憧れの「いつも2人で」なので、僕は昔からずっとお気に入りの写真。
キャプションでは、“水着になるとボディーのペンシル型はますますハッキリする。でもそこが魅力。思春期の少女のように赤が愛らしかったオードリー・ヘプバーンの海浜ルック。”と書かれています。
「いつも2人で」の水着は、オードリーのコンプレックスをカバーするために、胸やヒップにパットが入れられていたそうです。
この号では、映画音楽のレコードの宣伝も載っているのですが、当時はジャケットでオードリーがよく使われていました。
最初に載っている宣伝はソニーのもの。「ティファニーで朝食を」が使われています。
ソニーがオードリーの映画のサントラの権利を持っているのは「マイ・フェア・レディ」だけなので、ここでの収録は “ムーン・リバー”だけなので、イージー・リスニング用のものですね。
次に出てくるのは「おしゃれ泥棒」のペンダント写真を使ったRCAビクターのもの。これは僕だったらジャケ買いしそう〜。
ここでは “魅惑のワルツ(昼下りの情事)”“シャレード”“ムーン・リバー”が収録されています。
RCAビクターなら“シャレード”と“ムーン・リバー”はサントラの権利を持っているので、その2曲はサントラで収録されたと思います。
あと、そのすぐ下に「ハンフリー・ボガートの世界」というレコードが載っているんですが、それはもちろん「麗しのサブリナ」のサントラがない時代に、オリジナルのスコアを使ってメインタイルを録音してたものですね。
当時はかなり貴重なレコードだったと思います。
3つ目のレコードが、“3本立てロードショー”というフィリップスのEP盤レコードの宣伝。
僕もこのレコードと同内容のレコードを持っていますが、それはリニューアルした後のもの。
ここでは初期盤が見れるのですが、ジャケットが「暗くなるまで待って」のものですよね。
「暗くなるまで待って」も大好きな僕としては、こちらのジャケットタイプのもいつか欲しいですよね。
その3本立てロードショーのレコードの次のページが「マイ・フェア・レディ」のリバイバル作品紹介になります。
文章では“映画化に当たって巨費が投じられ、キャスティングにも舞台と映画との微妙な相違に細かい配慮がなされている”と書かれています。
画像では1番小さく載っているカゴを蹴っ飛ばすオードリーの写真が実は一番レア物だったりなんかして…。
ここでの上映時間は171分になっています。
そういえば、昨年“午前十時の映画祭13”で「マイ・フェア・レディ」が上映されましたが、僕も休憩が10分くらいかなー?と思っていたら、休憩は5分しかなくて、友人が大急ぎで戻ってきてました。
あと、映画グッズのお店のクリエイト鷹さんの広告で、オードリーのパネルの宣伝が載っていました。
カラーの「マイ・フェア・レディ」のポスターを加工したものとモノクロの「昼下りの情事」のものを加工したもの。
それと映画ポスターをそのままパネルに加工した「シャレード」と「ローマの休日」。
「昼下りの情事」のモノクロポスターも昔持ってましたが、、今は手離してしまって手元にありません。
これは僕が買った時、ポスターだけで500円でしたから、パネル加工を入れて当時で2200円というのはちょっと高いイメージがあります。
あと、映画ポスターを簡単に売れるなんて、権利のうるさくなった今では考えられないですね。
今は一般のお客さんには劇場用のポスターは売ってくれませんが、70年代は映画館や映画グッズ店で200円くらいで普通に売られていました。
編集後記で表紙のモノクロ写真が載っているのが本文での最後ですが、嬉しいことに、この号は裏表紙も「マイ・フェア・レディ」の宣伝です!
この広告を改めて見て、どこにもワーナー映画という記述がないことにビックリ。
もちろん74年リバイバルは東宝と組んだ東和配給であるのは知っていましたが、ワーナーのワの字も無いとはね〜。
小さく“アメリカ映画”と書いてあるだけです。
というのも、70年だか71年だったかで、「マイ・フェア・レディ」の権利はワーナー・ブラザーズからCBSに移ってしまったから。
もともと「マイ・フェア・レディ」の権利はCBSが持っているので、製作時から1970年になったらCBSに戻すという契約だったのかもしれませんが、それでもなんだかなーと。
CBSはもともとテレビの会社なので、権利が移った時にワーナーから運ばれてきた映像や音声の素材の価値がわからず、全部捨ててしまったそうですからね。
94年のリマスターの際に、オープニングの花だけの映像が残ってなくて、修正が大変だったとリマスターのメイキングで語られてましたし、その際に完成版のオードリーの歌声も捨てられたことと思います。
今、ブルーレイなどで聞くことの出来るオードリー本人の“素敵じゃない?”とか“証拠を見せて”などの「マイ・フェア・レディ」の歌声は、全部練習中のものですしね。
オードリーが一生懸命練習して録音した最終版が残ってないのは本当に残念です。
せっかくワーナーが納入した完全版はCBSに捨てられてしまいましたが、“練習版だから”とワーナーの倉庫に残ったオードリーの声だけでも聞けるのはファンにとってはありがたいことだと思わないと仕方ないですよね。
でも残った練習版を聞いて “オードリーの声が…”とネットで書かれてるのをみると、それは練習版なんですよーって教えてあげたいです。
映画に残った「今に見てらっしゃい」のオードリーの歌声を聞けば、練習版と完成版では音質やノイズが違うのがわかるんですけどね。
今に至るまで10回日本で公開している「マイ・フェア・レディ」の、64年、69年に次いで3回目の日本での公開となります。今年はそれから50周年ということになります。
ということで、今回はそのリバイバル映画紹介が載っている雑誌「スクリーン」1974年8月号(6月21日発売)を紹介。
表紙からいきなりオードリー。これは時期的には「ティファニーで朝食を」のころの宣伝写真ですね。
これを古本で手に入れた中学時代から、このオードリーは「ティファニーで朝食を」と見抜いて、「ティファニーで朝食を」の切り抜きのところに入れていました。
「ティファニーで朝食を」ってショーンを産んだ後だからか、オードリーが前後の作品に比べてちょっと細いんですよね。
ちょっとオードリーがブレている画像なので、表紙に使うにはどうだろ?って思う写真だし、僕自身はあまり好きではない画像ですけど、実はめっちゃレアな写真。
「スクリーン」の過去の表紙集以外の写真集などでは一切収録されていません。
「スクリーン」としては、1973年の12月号以来の、わずか8ヶ月での表紙の登板。
それだけまだまだオードリーは人気があったころ。
実際、74年の5月号でもオードリーは「スクリーン」の人気投票では第1位でした。
72年〜74年は3年連続でオードリーがトップだったんですよね。
なぜそんな引退状態の時に1位?と後年不思議がってる論調の文章がありましたが、もちろんこれは71年に出演した、オードリーとしては「暗くなるまで待って」以来の新作「エクスラン・ヴァリーエ」CMがあったからですよね。
そして旧作の数々のリバイバルとテレビ放映があったので、作品が優れているオードリーは安泰だったというわけ。
74年の人気投票の対象となる1973年には「ローマの休日」「戦争と平和」「シャレード」がリバイバルしてますし、74年も1位が獲れたんですよね。
さて、この号は夏前ということで、当時のスターや昔のスターの水着写真が多く載っています。
オードリーも“なつかしのスター水着集”ってカラーページで登場。
これがまた極レア画像。水着のオードリーといえば「いつも2人で」ですが、これもこれ以降の写真集未収録。
日焼けシーン撮影中のスナップのようですね。憧れの「いつも2人で」なので、僕は昔からずっとお気に入りの写真。
キャプションでは、“水着になるとボディーのペンシル型はますますハッキリする。でもそこが魅力。思春期の少女のように赤が愛らしかったオードリー・ヘプバーンの海浜ルック。”と書かれています。
「いつも2人で」の水着は、オードリーのコンプレックスをカバーするために、胸やヒップにパットが入れられていたそうです。
この号では、映画音楽のレコードの宣伝も載っているのですが、当時はジャケットでオードリーがよく使われていました。
最初に載っている宣伝はソニーのもの。「ティファニーで朝食を」が使われています。
ソニーがオードリーの映画のサントラの権利を持っているのは「マイ・フェア・レディ」だけなので、ここでの収録は “ムーン・リバー”だけなので、イージー・リスニング用のものですね。
次に出てくるのは「おしゃれ泥棒」のペンダント写真を使ったRCAビクターのもの。これは僕だったらジャケ買いしそう〜。
ここでは “魅惑のワルツ(昼下りの情事)”“シャレード”“ムーン・リバー”が収録されています。
RCAビクターなら“シャレード”と“ムーン・リバー”はサントラの権利を持っているので、その2曲はサントラで収録されたと思います。
あと、そのすぐ下に「ハンフリー・ボガートの世界」というレコードが載っているんですが、それはもちろん「麗しのサブリナ」のサントラがない時代に、オリジナルのスコアを使ってメインタイルを録音してたものですね。
当時はかなり貴重なレコードだったと思います。
3つ目のレコードが、“3本立てロードショー”というフィリップスのEP盤レコードの宣伝。
僕もこのレコードと同内容のレコードを持っていますが、それはリニューアルした後のもの。
ここでは初期盤が見れるのですが、ジャケットが「暗くなるまで待って」のものですよね。
「暗くなるまで待って」も大好きな僕としては、こちらのジャケットタイプのもいつか欲しいですよね。
その3本立てロードショーのレコードの次のページが「マイ・フェア・レディ」のリバイバル作品紹介になります。
文章では“映画化に当たって巨費が投じられ、キャスティングにも舞台と映画との微妙な相違に細かい配慮がなされている”と書かれています。
画像では1番小さく載っているカゴを蹴っ飛ばすオードリーの写真が実は一番レア物だったりなんかして…。
ここでの上映時間は171分になっています。
そういえば、昨年“午前十時の映画祭13”で「マイ・フェア・レディ」が上映されましたが、僕も休憩が10分くらいかなー?と思っていたら、休憩は5分しかなくて、友人が大急ぎで戻ってきてました。
あと、映画グッズのお店のクリエイト鷹さんの広告で、オードリーのパネルの宣伝が載っていました。
カラーの「マイ・フェア・レディ」のポスターを加工したものとモノクロの「昼下りの情事」のものを加工したもの。
それと映画ポスターをそのままパネルに加工した「シャレード」と「ローマの休日」。
「昼下りの情事」のモノクロポスターも昔持ってましたが、、今は手離してしまって手元にありません。
これは僕が買った時、ポスターだけで500円でしたから、パネル加工を入れて当時で2200円というのはちょっと高いイメージがあります。
あと、映画ポスターを簡単に売れるなんて、権利のうるさくなった今では考えられないですね。
今は一般のお客さんには劇場用のポスターは売ってくれませんが、70年代は映画館や映画グッズ店で200円くらいで普通に売られていました。
編集後記で表紙のモノクロ写真が載っているのが本文での最後ですが、嬉しいことに、この号は裏表紙も「マイ・フェア・レディ」の宣伝です!
この広告を改めて見て、どこにもワーナー映画という記述がないことにビックリ。
もちろん74年リバイバルは東宝と組んだ東和配給であるのは知っていましたが、ワーナーのワの字も無いとはね〜。
小さく“アメリカ映画”と書いてあるだけです。
というのも、70年だか71年だったかで、「マイ・フェア・レディ」の権利はワーナー・ブラザーズからCBSに移ってしまったから。
もともと「マイ・フェア・レディ」の権利はCBSが持っているので、製作時から1970年になったらCBSに戻すという契約だったのかもしれませんが、それでもなんだかなーと。
CBSはもともとテレビの会社なので、権利が移った時にワーナーから運ばれてきた映像や音声の素材の価値がわからず、全部捨ててしまったそうですからね。
94年のリマスターの際に、オープニングの花だけの映像が残ってなくて、修正が大変だったとリマスターのメイキングで語られてましたし、その際に完成版のオードリーの歌声も捨てられたことと思います。
今、ブルーレイなどで聞くことの出来るオードリー本人の“素敵じゃない?”とか“証拠を見せて”などの「マイ・フェア・レディ」の歌声は、全部練習中のものですしね。
オードリーが一生懸命練習して録音した最終版が残ってないのは本当に残念です。
せっかくワーナーが納入した完全版はCBSに捨てられてしまいましたが、“練習版だから”とワーナーの倉庫に残ったオードリーの声だけでも聞けるのはファンにとってはありがたいことだと思わないと仕方ないですよね。
でも残った練習版を聞いて “オードリーの声が…”とネットで書かれてるのをみると、それは練習版なんですよーって教えてあげたいです。
映画に残った「今に見てらっしゃい」のオードリーの歌声を聞けば、練習版と完成版では音質やノイズが違うのがわかるんですけどね。