2007年02月21日
「戦争と平和」57年初版 松竹横浜ピカデリー版パンフレット

今回は、やはりちょうど50年前の1957年2月21日公開の松竹横浜ピカデリー版パンフレットです。あなたも初日の横浜ピカデリーに入ってパンフを見た気分で見てくださいねー。(^^
表紙、宝塚の男役みたいですけど…ちゃいますよ。
オードリーの生まれた年は、小森のおばちゃまの文章で説明されているので、1929年になっててセーフ(笑)。
中には、出ました!というかなんというか、“「戦争と平和」に批評の批評”という峰雅人って人が書いた文章があるんですけど…読んでいると戦慄が走ります(笑)。
“この映画の俗悪なストーリーの運び”
“人物の性格を描く余裕がなくなってしまった演出”
“胸に迫る何物もない”
“オードリィ・ヘップバーンはこの複雑な心理を表現するのに一寸無理”
“アンドレイとピエールは巧く融け合っていない”
…すごいです(爆)。最後に、“トルストイのエスプリを俗化して伝えたにせよ映画史上に燦然と輝く一頁をこの「戦争と平和」は凡ゆる意味において記したのである。”と書いてますけど、これでフォローになってるのかどうか…。(^^;A
「戦争と平和」は欠点はあるにせよ、原作をうまくまとめてることでは定評があるんですけど、原作とここまで比べられちゃったらねー(笑)。でも「戦争と平和」の規模で驚いている当時の人を尻目に、こういう意見もこれまた貴重。どっちかっていうと今の評価はこれだし。
「戦争と平和」を見る前に買った人が読んだら、ひっくり返りそうな解説なんですけど、このパンフだけで読める文章だし、こういうのがあるから独自パンフって面白いんですよねー。(^^
横浜有数の劇場のはずなんですが、パンフの入手は難しいです。
レア度:★★★★★(独自パンフ=激レアの鉄則どおり)
横浜ピカデリーは横浜でも最大級の劇場だったようですが、1998年8月いっぱいで閉館したそうです。
ここのパンフは独自の物が多く、ある作品で、普通の松竹版で使われている大人気の主演男優を使わずに、主演女優を表紙にしたりと、かなり異色。全く独自の発想でパンフを作っていたようです。
この「戦争と平和」も同じ松竹でありながら、松竹セントラル劇場とは違う表紙、違う内容。こういうの好きです。(^^
ただ、「昼下りの情事」になると表紙も内容もセントラル劇場と全く同じになってしまうんですよね~。なんかたった数年で独自パンフの時代が終わっていくのが目に見えるよう。
でも同じ松竹系統なら、「許されざる者」や「噂の二人」は上映してなかったんでしょうかね?