2007年08月21日
「オードリー リアル・ストーリー」アレグザンダー・ウォーカー

通して読んで思うのは、今までのオードリーの伝記に比べて、ややオードリーを突き放して醒めた目で見ている、ということ。
たとえ最初に載っている日本の読者へのメッセージで
“オードリーほど、その良心に感銘を受けた女優はいません”
と書かれていたにしても、です。
これはフレッド・ジンネマン監督の自伝でわかりましたが、著者が映画評論家であること、それと20冊以上も映画スターの伝記を書いてきた人であることが原因じゃないかな?って思ってます。
きっと何人もの伝記を書いていたら、あんまり誰も彼もに感情移入できない、ちょっと離れて冷静にその人を見ないといけないんだろうなーって思いますし。
確かにユニセフ以降の文章は敬意をもって書かれているのですが、チャールズ・ハイアムやイアン・ウッドワードの伝記に比べ、映画女優時代のオードリーにはちょっと冷たい。
これは「昼下りの情事」や「マイ・フェア・レディ」の部分を読めば特にわかります。愛情を感じないんですよねー。
オードリーが絶対に他人に喋りそうもない“モーリス・シュバリエと二度と共演したくなかったのだ”とか書いてあったりするし、それが映画版「ジジ」である「恋の手ほどき」出演辞退の原因にされてる…。
また、「パリで一緒に」の出演を決める際、クワイン監督の「逢う時はいつも他人」を観てカメラマンのチャールズ・ラング・ジュニアの仕事に感銘を受けた、となってるんですが、チャールズ・ラング・ジュニアとオードリーは既に「麗しのサブリナ」で顔合わせ済み。
「逢う時はいつも他人」は関係ないと思うんですけど…。
なお、チャールズ・ラング・ジュニアは「パリで一緒に」で非常に綺麗にオードリーを撮り、フランツ・プラナーの後を継いでオードリーのお気に入りカメラマンになり、その後も「シャレード」「おしゃれ泥棒」「暗くなるまで待って」でオードリーと組んでいます。
いずれもオードリーが美しく撮れているのはみなさんご存知のとおり。
また、“本当にオードリーの映画観て書いてる?”って思いたくなるような記述も多々あり。
たとえば、「ローマの休日」で、楽しい1日が終わって大使館に戻るアン王女は、ジョーとタクシーの後部座席に乗っていたそうです。(^^;
全体にちょっと淀川長治さん風の勝手な思い込みが入った伝記のよう。
特徴はオードリーの伝記の中ではオードリーの親戚のお話が幅を取っていること。ヘップバーンの姓の由来や、オードリーの父親の話が(継母の話も含めて)一番多く書き記されています。
ただし、オードリーとは直接関係ないような気も…。
オードリーの本名は相変わらず“エッダ”扱いだし、ショーンは1月生まれ。
エクスラン「ヴァリーエ」の仕事は1日半で済んだそうで(実際は約20日)、最初で最後のCM出演扱い(実際は「銀座リザ」で1982年にもCM出演)。
息子のショーンに、“推して知るべし”といわれても仕方ない出来、というところでしょうか。
合間合間に挟まれる画像はたまに珍しいものもあります。
表紙の晩年のオードリーが嬉しいですね!
伝記としての価値:★

Posted by みつお at 15:00│Comments(2)
│伝記
この記事へのコメント
とにかく、表紙の写真がすごくイイ。
内容に関しては・・・
最初のハイアム氏のを除けば、いろんな著者のがごっちゃになっていて、
もうどれがどれだかわからなくなっているのです。
ただ、ハイアム氏の伝記では軽視されていた部分が
他の人の伝記で補完されていったような印象があるにはあります。
ただそれがパリス版なのかウッドワード版なのかこのウォーカー版なのか・・・
この本、確かに間違いや調査不足も目立ちますが、
裏話として結構興味深い記事もあったような気もしますね。
内容に関しては・・・
最初のハイアム氏のを除けば、いろんな著者のがごっちゃになっていて、
もうどれがどれだかわからなくなっているのです。
ただ、ハイアム氏の伝記では軽視されていた部分が
他の人の伝記で補完されていったような印象があるにはあります。
ただそれがパリス版なのかウッドワード版なのかこのウォーカー版なのか・・・
この本、確かに間違いや調査不足も目立ちますが、
裏話として結構興味深い記事もあったような気もしますね。
Posted by まる at 2007年08月27日 23:41
まるさん!僕も正直ごっちゃになってましたよー。
どれもこれも大差なし!って思ってましたし。
でもここでの記事のために短期間で全部のオードリーの伝記を読んだら、
それぞれ違う、っていうのがよーくわかりました。
メイチックのはデタラメ、とわかって読んだら腹立たしいだけですし、
それから引用のあるスタブレのも結構ヒドイ出来でした。
このウォーカーのはオードリーの先祖・父親に関しては
一番調べているようです。
おかげで父親と何度か会って、連絡も取り合っていたのが
わかりましたし。
これがメイチックのだと、1度会ったきり二度と会わなかったとなってます…。
一見似たり寄ったりでしたが出来に大きな違いがあって、
やっぱりハイアム・パリス・ショーンのが3大伝記だなーって思いました。
どれもこれも大差なし!って思ってましたし。
でもここでの記事のために短期間で全部のオードリーの伝記を読んだら、
それぞれ違う、っていうのがよーくわかりました。
メイチックのはデタラメ、とわかって読んだら腹立たしいだけですし、
それから引用のあるスタブレのも結構ヒドイ出来でした。
このウォーカーのはオードリーの先祖・父親に関しては
一番調べているようです。
おかげで父親と何度か会って、連絡も取り合っていたのが
わかりましたし。
これがメイチックのだと、1度会ったきり二度と会わなかったとなってます…。
一見似たり寄ったりでしたが出来に大きな違いがあって、
やっぱりハイアム・パリス・ショーンのが3大伝記だなーって思いました。
Posted by みつお at 2007年08月28日 17:27