2015年08月09日
写真集「Audrey Hepburn: Portraits of an Icon」
この写真集の翻訳版が2016年に出ました。
そこで内容までわかったのですが、残念ながら評価を下げさせていただきます。
その理由は、
1.画像を他人のサイトから許可無く無断使用するような海外のオードリーサイトの協力で作られていること
2.文章も新たに調べて書いたものではなく、ほぼ全編何かから持ってきた2次使用、3次使用的な物であること
3.しかもその持って来た物が間違いがそのままであること
4.60年代以降に関して載っていることなどが大変浅いこと
5.結果的にロンドンの展示会で間違った文章そのままで、与えた影響が大きいこと
です。ご了承ください。
最初からなんとなく微妙だなーとは思っていましたが、そういうことでしたか〜と思いました。
以下の文章はぞれらがわからずに評価したものであり、書いた文章です。最終の評価は★2つ分下げて★★です。
さて、ことし一番の期待の写真集だったTerence Pepper著の「Audrey Hepburn: Portraits of an Icon」を紹介します!
これは以前の記事でも書いたように、現在英国で開かれているオードリー展「Portraits of an Icon」で販売されている図録です。
公式サイトはこちら。
こちらに来ていただいてるmengさんに教えていただきましたが、展示会で販売しているのはソフトカバー、こうして出版されているのはハードカバーです。
2000年のフェラガモ主催のオードリー展も同じで、展示会で販売された物はソフトカバー、後に一般販売だった物はハードカバーでしたね。
また、この写真集には一部mengさんも雑誌の画像を提供しているとのこと。
今までの大規模オードリー展の図録は全て★5つの最高ランクの写真集ばかりだったので、“これもきっと!”とものすごーく期待していました!
で、届いて中身を見た感想ですが…
…うーん、こんなものですか。
いや、悪くない出来なんです。写真集初収録の画像も多いし、買う価値はとてもあります。
でも、半分以上は別の写真集でみた画像だし、文章は英語なので考慮に入れないとして、画像だけだと評価も半分って感じ。
その上で初収録画像で評価を上げてるって感じですかね。
一番嬉しかったのは双子のメガネっ娘オードリーの写真が初収録だったこと!
これ、ずっと気になってたんですよねー。
1959年のリチャード・アヴェドン撮影のものなんですけど、当時海外の雑誌「Harper's BAZAAR」で収録されただけで、その後ずっと放置されつづけてきたもの。
リチャード・アヴェドンの指示だったんでしょうが、コスプレオードリーというのは後にも先にもこの時だけなんですよねー。
他にも今回は未収録ですけれども、こういうコスプレが色々とあったんですよねー。
でもこういう貴重な物が半ページで、どこでもここでも見かけるような画像(ボブ・ウィロビーのもの)とかが1ページ丸々とかってレイアウトも減点。
あと、「デラックスカラー シネアルバム」(初版と改訂版)にあった鳩小屋の前で振り返るオードリー(ショーンの伝記本の表紙)とかはホンと使っちゃダメ!
せっかく印刷技術は進歩してるのに、現存するレンタルポジがおそらくデュープ(複製)の連続で劣化しまくったものだろうなーと思うんですけど、どうやっても70年代の「デラックスカラー シネアルバム」の綺麗さを超えられない。色も粒子も劣化してます。
「デラックスカラー シネアルバム」って、当時まだまだそんなに過去でもなかったオードリーの、状態のいいオリジナルに近いポジを当時の最高の技術で印刷してるんで、超えるのはほぼ不可能。
「デラックスカラー シネアルバム」と同じ画像を使うなら、Photoshopで色も粒子も奥行き感ももっと完璧にして、現代の最高の印刷で刷らないと勝てない。
正直、なぜこの画像をそんなに大事がって何度も使うのかよくわからない。
もっと貴重な画像いっぱいあるだろうに、画像の選択が半分以上良くない。ホンと残念。
60年代の章なんて見るべき画像は全然ない。今までどこかで見たものばかり。
著者って、中途半端なオードリーファンなのかな?
もし熱心なファンなら、こんな画像の選択にはならないと思う。そんな感じがわかっちゃう出来。
60年代のオードリーに対する愛情も薄そう…。
それと、背表紙や見返しのブルーは “ティファニーブルー” を意識しているのかな?と思いますが、これも “?” 。
オードリーの海外での一番の代表作が「ティファニーで朝食を」であるのはいいのですけど、だからティファニーカラーってのは “オードリー” という観点からは違うんじゃないの?って思います。
最近のオードリーの写真集はモノクロ画像多めにしてるからとかで黒メインとかが多かったりするんですけども、それってオードリーのイメージとはかけ離れてるやーん!みたいな。
今回みたいにティファニーブルーを意識した写真集もちらほらあります。
でもオードリーって、全盛期のイメージはモノクロの黒でもティファニーブルーでもなく、綺麗でカラフルな白とピンクメインじゃないかなーと。
オードリーを使った企業とかが商売上の高級感アップの戦略のために黒とか使いたがるんですけど、実際のオードリーを見てくれたら(映画でもプライベートでも)イメージカラーは黒じゃないよね?って思います。
最近の黒メイン推しは、こういう本来のオードリーのカラーを見過ごしてるんじゃないか〜い?って思います。
でもまあ、オードリーってイギリス時代に初めて雑誌の表紙になったと思われてたんですけど、実はオランダ時代の1948年に「オランダの7つの教訓(オランダに関する7章)」で既に雑誌表紙を飾っていたのがわかるのは嬉しい!
オードリーって、最初の作品から際立つ存在だったんですね。
それと、この写真集の一番のスゴいところはこれか?っていうのがあるんですが、それは画像の撮影年。
今まで「ティファニーで朝食を」だったら、製作年が1961年なもんで、その写真を紹介する時には1961年とかって紹介されるのが普通。
でも実際には映画館で上映されたのが1961年なだけで、実際の撮影は1960年。
なので、そこで見れるオードリーは、1961年32才のオードリーではなく、1960年31才のオードリーなんですよね。
で、この写真集ではキャプションに “1960年” ってちゃんと書いてある!
その上で、“リリースは1961年” ってなってる。おお〜っ!こんな写真集はこれまでなかった!
大体 “製作年” って日本語の言い方もおかしいですよね。だからオードリーの年齢と時系列がおかしなことになることが多いんですよね。
「ローマの休日」が24才だとか(実際は23才)、
「マイヤーリング」と同年に「パリの恋人」と「昼下りの情事」を撮ったとか(実際は「パリの恋人」と「昼下りの情事」は「マイヤーリング」の前年)、
「パリで一緒に」が35才だとか(実際は33才)、
「いつも2人で」が38才だとか(実際は36〜37才)。
実際にはこれって “発売年” って感じが正しいかと。
本当の撮影は製作年の1年前ってことがほとんどです。
まあ、こんな感じで、いいとこと悪いとこが同居しているこの新しい写真集でした。
あと、この写真集、日本語版が出るかもしれません。まだ確定ではないですが。
オススメ度:★★★★(いろんな意味で微妙な写真集)
↑と思っていましたが、この写真集は★★が妥当な評価です。
と、行けないと思っていた韓国での「AUDREY HEPBURN:BEAUTY beyond BEAUTY」展(英国のとは全然違う展示会)、親切な友人のおかげで突如行けることになりました!
これ、mengさんにソウルでの写真を見せていただいてたのですが、かなり大掛かりな展示会。
日本の2000年の「私のスタイル」展や2004年「timeless audrey」展を思わせる感じで、オードリーの衣装などが余裕を持ってずらっと展示してありました。
英国や韓国やローマの展示会みたいな大規模なのを久々に日本でもやって欲しいのになあ…。
ソウルでの展示は3月で終了して、現在は9/6まで釜山でやってます。
公式サイトはこちら。
でも大丈夫かなー、韓国語とか全くできませんけど…。
また行ってきたら、レポートします。
そこで内容までわかったのですが、残念ながら評価を下げさせていただきます。
その理由は、
1.画像を他人のサイトから許可無く無断使用するような海外のオードリーサイトの協力で作られていること
2.文章も新たに調べて書いたものではなく、ほぼ全編何かから持ってきた2次使用、3次使用的な物であること
3.しかもその持って来た物が間違いがそのままであること
4.60年代以降に関して載っていることなどが大変浅いこと
5.結果的にロンドンの展示会で間違った文章そのままで、与えた影響が大きいこと
です。ご了承ください。
最初からなんとなく微妙だなーとは思っていましたが、そういうことでしたか〜と思いました。
以下の文章はぞれらがわからずに評価したものであり、書いた文章です。最終の評価は★2つ分下げて★★です。

これは以前の記事でも書いたように、現在英国で開かれているオードリー展「Portraits of an Icon」で販売されている図録です。
公式サイトはこちら。
こちらに来ていただいてるmengさんに教えていただきましたが、展示会で販売しているのはソフトカバー、こうして出版されているのはハードカバーです。
2000年のフェラガモ主催のオードリー展も同じで、展示会で販売された物はソフトカバー、後に一般販売だった物はハードカバーでしたね。
また、この写真集には一部mengさんも雑誌の画像を提供しているとのこと。
今までの大規模オードリー展の図録は全て★5つの最高ランクの写真集ばかりだったので、“これもきっと!”とものすごーく期待していました!
で、届いて中身を見た感想ですが…
…うーん、こんなものですか。
いや、悪くない出来なんです。写真集初収録の画像も多いし、買う価値はとてもあります。
でも、半分以上は別の写真集でみた画像だし、文章は英語なので考慮に入れないとして、画像だけだと評価も半分って感じ。
その上で初収録画像で評価を上げてるって感じですかね。

これ、ずっと気になってたんですよねー。
1959年のリチャード・アヴェドン撮影のものなんですけど、当時海外の雑誌「Harper's BAZAAR」で収録されただけで、その後ずっと放置されつづけてきたもの。
リチャード・アヴェドンの指示だったんでしょうが、コスプレオードリーというのは後にも先にもこの時だけなんですよねー。
他にも今回は未収録ですけれども、こういうコスプレが色々とあったんですよねー。
でもこういう貴重な物が半ページで、どこでもここでも見かけるような画像(ボブ・ウィロビーのもの)とかが1ページ丸々とかってレイアウトも減点。

せっかく印刷技術は進歩してるのに、現存するレンタルポジがおそらくデュープ(複製)の連続で劣化しまくったものだろうなーと思うんですけど、どうやっても70年代の「デラックスカラー シネアルバム」の綺麗さを超えられない。色も粒子も劣化してます。
「デラックスカラー シネアルバム」って、当時まだまだそんなに過去でもなかったオードリーの、状態のいいオリジナルに近いポジを当時の最高の技術で印刷してるんで、超えるのはほぼ不可能。
「デラックスカラー シネアルバム」と同じ画像を使うなら、Photoshopで色も粒子も奥行き感ももっと完璧にして、現代の最高の印刷で刷らないと勝てない。

もっと貴重な画像いっぱいあるだろうに、画像の選択が半分以上良くない。ホンと残念。
60年代の章なんて見るべき画像は全然ない。今までどこかで見たものばかり。
著者って、中途半端なオードリーファンなのかな?
もし熱心なファンなら、こんな画像の選択にはならないと思う。そんな感じがわかっちゃう出来。
60年代のオードリーに対する愛情も薄そう…。
それと、背表紙や見返しのブルーは “ティファニーブルー” を意識しているのかな?と思いますが、これも “?” 。
オードリーの海外での一番の代表作が「ティファニーで朝食を」であるのはいいのですけど、だからティファニーカラーってのは “オードリー” という観点からは違うんじゃないの?って思います。

今回みたいにティファニーブルーを意識した写真集もちらほらあります。
でもオードリーって、全盛期のイメージはモノクロの黒でもティファニーブルーでもなく、綺麗でカラフルな白とピンクメインじゃないかなーと。
オードリーを使った企業とかが商売上の高級感アップの戦略のために黒とか使いたがるんですけど、実際のオードリーを見てくれたら(映画でもプライベートでも)イメージカラーは黒じゃないよね?って思います。
最近の黒メイン推しは、こういう本来のオードリーのカラーを見過ごしてるんじゃないか〜い?って思います。

オードリーって、最初の作品から際立つ存在だったんですね。
それと、この写真集の一番のスゴいところはこれか?っていうのがあるんですが、それは画像の撮影年。
今まで「ティファニーで朝食を」だったら、製作年が1961年なもんで、その写真を紹介する時には1961年とかって紹介されるのが普通。
でも実際には映画館で上映されたのが1961年なだけで、実際の撮影は1960年。
なので、そこで見れるオードリーは、1961年32才のオードリーではなく、1960年31才のオードリーなんですよね。

その上で、“リリースは1961年” ってなってる。おお〜っ!こんな写真集はこれまでなかった!
大体 “製作年” って日本語の言い方もおかしいですよね。だからオードリーの年齢と時系列がおかしなことになることが多いんですよね。
「ローマの休日」が24才だとか(実際は23才)、
「マイヤーリング」と同年に「パリの恋人」と「昼下りの情事」を撮ったとか(実際は「パリの恋人」と「昼下りの情事」は「マイヤーリング」の前年)、
「パリで一緒に」が35才だとか(実際は33才)、
「いつも2人で」が38才だとか(実際は36〜37才)。

本当の撮影は製作年の1年前ってことがほとんどです。
まあ、こんな感じで、いいとこと悪いとこが同居しているこの新しい写真集でした。
あと、この写真集、日本語版が出るかもしれません。まだ確定ではないですが。
オススメ度:★★★★(いろんな意味で微妙な写真集)
↑と思っていましたが、この写真集は★★が妥当な評価です。
と、行けないと思っていた韓国での「AUDREY HEPBURN:BEAUTY beyond BEAUTY」展(英国のとは全然違う展示会)、親切な友人のおかげで突如行けることになりました!
これ、mengさんにソウルでの写真を見せていただいてたのですが、かなり大掛かりな展示会。
日本の2000年の「私のスタイル」展や2004年「timeless audrey」展を思わせる感じで、オードリーの衣装などが余裕を持ってずらっと展示してありました。
英国や韓国やローマの展示会みたいな大規模なのを久々に日本でもやって欲しいのになあ…。
ソウルでの展示は3月で終了して、現在は9/6まで釜山でやってます。
公式サイトはこちら。
でも大丈夫かなー、韓国語とか全くできませんけど…。
また行ってきたら、レポートします。
Posted by みつお at 12:00│Comments(4)
│海外の写真集
この記事へのコメント
「マイ・フェア・レディ<4Kデジタル・リマスター版日本語吹替音声付>」が11月11日に発売予定
ようやく発売ですね・・・
ようやく発売ですね・・・
Posted by FUMI at 2015年08月16日 21:53
おお〜!
FUMIさん、嬉しい情報をありがとうございます!(^-^
FUMIさん、嬉しい情報をありがとうございます!(^-^
Posted by みつお
at 2015年08月18日 12:00

釜山の展示、みつおさん行ってきたのですね。
羨ましいです。
日本上陸待ちくたびれいます。
神戸、名古屋、八百津!
人道の丘のある岐阜県!
羽島には、映画資料館。
轆轤首になるようです。
羨ましいです。
日本上陸待ちくたびれいます。
神戸、名古屋、八百津!
人道の丘のある岐阜県!
羽島には、映画資料館。
轆轤首になるようです。
Posted by 明智常楽 at 2015年08月18日 14:16
明智常楽さん、お久しぶりです!
釜山の展示会、行ってきましたが、ソウルと比べて色々と問題が…。
また記事にしますね。
ということで、日本での展示会はもしやるなら、英国かローマのバージョンでやってもらいたいです。
神戸って観光都市的イメージが強いですけど、でも特になにがあるわけでもないので、外国人観光客には素通りされますよね。
住むにはすっごい良いところなんですけど、大阪の地盤沈下と共に神戸・京都とも人口が減少に転じたみたいですしね。
神戸に何か大きなイベントが欲しいです。
明智常楽さんのヴァリーエフィルムがあれば、日本独自のオードリー展とかもできそうですよね。
釜山の展示会、行ってきましたが、ソウルと比べて色々と問題が…。
また記事にしますね。
ということで、日本での展示会はもしやるなら、英国かローマのバージョンでやってもらいたいです。
神戸って観光都市的イメージが強いですけど、でも特になにがあるわけでもないので、外国人観光客には素通りされますよね。
住むにはすっごい良いところなんですけど、大阪の地盤沈下と共に神戸・京都とも人口が減少に転じたみたいですしね。
神戸に何か大きなイベントが欲しいです。
明智常楽さんのヴァリーエフィルムがあれば、日本独自のオードリー展とかもできそうですよね。
Posted by みつお
at 2015年08月19日 17:54
