2016年12月10日
写真集「オードリーに魅せられて 〜サブリナの日々〜」

内容的には英語版も日本語版も同じなので今までほったらかしにしてきましたが、ここできちんと日本語版の紹介を。
まず「Charmed by Audrey」は今までのオードリー写真集でもトップクラスの出来。2009年のオードリー・ヘプバーン大賞の大賞受賞でもあります。
この日本語版も同じ2009年には発行されています。10月13日発行になっていますので、9月くらいの発売?
発行はAC Booksさん。
後にこの「オードリーに魅せられて」と同じ判型で他社の「So Audrey」も訳出しています。

もともともうこれ以上触りようのない完璧さだったので、日本語版でも大方同じ。
違いはごく一部に限られています。
日本の本というのは帯を巻くのが普通なので、原書では裏表紙の下部にあるバーコードが、裏表紙の本の上部に変更になっています。
その代わり原書ではあったこの本のオススメ文みたいなのが無くなっています。

でもこの写真は本文にも収録されているので、日本語版での写真の上部が見れない!ってことはないです。
あと、原書では表紙カバーは墨とパール・パーブルとパール・ブルーグレーの3色で刷られています。

カバーの折り返しの画像部分もニス引きがなされています。
これ、パール色も高いし、ニス引きも別に加工料がかかります。経費かかってます。
対して日本版はお金のかかるパール色はやめて、原書のパール・パープル色に似た紫の特色、そしてブルーの特色と墨の3色で刷られています。
ニス引きも表紙のパープル部分のみ。
ブルーは原書とは似てない色になってます。

原書は厚みが有り、本当の銀色です。日本版の方が少し薄く、色が青っぽく、ちょっと紙目が目立つ紙質。
あと、本文は同じコート紙ですが、日本版の方が少しツルツル度が高いです。厚みは同じくらい。
まあでも問題になるような違いはありません。カバーのパール色以外は、よーく比べると…という範囲内です。
日本版でも中身はパール色2色(+墨)で刷られており、豪華。原書と同等です。
写真のページはもうこの時代はPDF入稿だと思うので、寸分の狂い無し。
写真に付いている英語の文章を日本語に翻訳されているだけです。
この写真の文章はオードリー自身の言葉や、オードリーを讃える他の人の言葉が載っています。
本の最初には、この写真を撮ったマーク・ショウの一人息子の奥さんと、「麗しのサブリナ」の原作者の息子さんの前書きが載っていて興味深いです。

それ以上に興味深いのは、「麗しのサブリナ」の原作戯曲を書いたサミュエル・テイラーの息子、デヴィッド・テイラーの文章。
当時ハリウッドは、舞台の製作前からスカウトマンが映画化権を買い付けに来ていた事、原作の「麗しのサブリナ」もそういう経緯を辿って、舞台前からパラマウントが買った事が述べられていました。
やはりバリー・パリスの伝記や、「永遠のオードリー・ファッション」で書かれてた事(オードリーが舞台を見てパラマウントに買ってもらった)は誤りだとわかりますね。

その段階でサブリナはオードリーが演じる事が決まっており、サミュエル・テイラーはオードリーをイメージして脚本を進めていった事も書かれていました。
舞台の稽古が始まるのは53年8月から。大幅に映画が先行しています。
この段階では舞台はまだ影も形もないですね。
サブリナの後、「オンディーヌ」の舞台でオードリーがニューヨークに来た際は、頻繁にサミュエル・テイラーの家に来ていたそうで、奥さんとも仲が良く、幼い息子のデヴィッド・テイラーと弟もオードリーとよく話したとか。
別の仕事でサミュエル・テイラーがハリウッドに行った際に、母とデヴィッドと弟は春休みにロサンゼルスへ行くと、なんとサミュエル・テイラーはオードリーのアパートを貸してもらっていたそうです。

住所はウィルシャー大通り10368番。今でも現存しているのでしょうか?
部屋はチリ一つなく、清潔だったそうです。
日本語版でももちろんトップクラスの写真集であることは間違いなく、自信を持ってお勧め出来る1冊となっています。
帯には復活したランテルディを抽選で5名にプレゼント!というのが載っています。もちろん、とっくに期限は過ぎていて、2010年2月15日消印までです。
オススメ度:★★★★★(珍しく、美しい画像がいっぱい!オリジナルネガフィルムからの印刷なので、裏焼きは一切無し!)