2020年07月20日

ムック本「僕らを育てた声 池田昌子編」

 前回の「ゴールデン洋画劇場」の切り抜きの記事で、もう一つ見つけましたので、写真と文章を追加しています。

ムック本「僕らを育てた声 池田昌子編」 これはムック本「僕らを育てた声」の “声のオードリー” 池田昌子さんバージョンのものです。
 他には中村正さん、増山江威子さん、小林清志さんなどがある(あった)ようです。
 アンド・ナウの会と言うところが発行しているようです。

 人によってページ数が全然違うようで、それによって値段も全然違います。
 池田昌子さんはかなり少ない方で、表紙周りを入れて64ページしかありません。
 内容は、各声優さんへのインタビューとその注釈のようです。

 以前から気になっていたので、思い切って買ってみましたが、買って良かったかと言うと残念ながら…。

 でもこれは池田昌子さんが悪いんじゃないです。インタビューの内容が悪すぎます!

 まずムック本を買おうという池田昌子さん、あるいは声優さんのファンという方なら、池田昌子さんのある程度の略歴とかはご存知のはずだと思うんです。

 例えば池田昌子さんの最初のオードリー作品が何で、「ローマの休日」とか「噂の二人」のエピソードとかは僕でも知ってました。
 それを僕の知っている事よりもさらに薄いことしか載ってないムック本って…。

 あと、オードリーに対してのインタビューでも、昔からオードリーに関して調べていない雑誌社とかテレビ局の質問で、「自分の出た作品で一番お好きな映画はなんですか?」という愚かな質問があるんですけど、それとおんなじことをやってしまってるんですよね。

 オードリーとか池田昌子さんとかはとてもお優しい方なので、一緒に作品を作り上げてきた他のスタッフやキャストのことを考えてどれが1番、という言い方は決してしないんですよね。

 なのでオードリーは「印象深いのは」って答え方だし、池田昌子さんはここで「一番と言われると困っちゃうんですけど…」とおっしゃってる。

ムック本「僕らを育てた声 池田昌子編」 なので結局今までどこかで読んできたような内容になってしまってるんですよね。
 僕なら「各作品の思い出をお話ししてください」という訊き方で、全作品のことを聞いちゃうかなー。

 2役や時代の変わる「パリで一緒に」や「いつも2人で」のこと、歳をとってからの「ロビンとマリアン」「華麗なる相続人」のこと、テレビでは別の人がオードリーを当てている「パリの恋人」がやっとDVDの時代で回ってきたときのこと、未だ吹替していない「緑の館」「初恋」などをやりたいかどうかなど、そういうことを掘り下げて聞いてみたいです。

 もちろん詳しくない他の池田昌子さんの代表作、メーテルやお蝶夫人のことを読めるのは新鮮でしたが、オードリーのことでこれくらいのことしかないなら、他の部分も池田昌子さんに詳しい方なら不完全燃焼じゃないかと思ってしまいます。

 まあお蝶夫人では洋画の吹替の池田昌子さんがアニメはむしろ苦手で教えてもらっていたというのは意外でしたが。
 ちなみに、オードリーのことは6ページ(実質4ページ分無いくらい)しかないです。

 わざわざペラッペラなムック本まで買おうという人はどういう人なのかをしっかり掴まず、話も練らずにインタビューしたらこんな安易な出来になってしまった、という感じの本。
 一体これは誰に訴求するつもりで作っているんでしょうか。

 もし内容を知った状態で買う前に戻れたら、決して買わなかっただろうなーというものでした。他の人のバージョンもこんな内容なのでしょうか。

オススメ度:なし(これを誰に勧めていいのかわかりません。でも池田昌子さんは悪くないです!インタビュアーが悪いだけ。)




同じカテゴリー(批評・評論など)の記事
 えーーーーっ!って僕なら買わない洋書。 (2021-04-02 19:00)
 ベスト・オブ・キネマ旬報 下巻 1967-1993 (2018-02-21 21:00)
 ベスト・オブ・キネマ旬報 上巻 1950-1966 (2018-02-17 21:00)
 オールタイム・ベスト映画遺産 外国映画男優・女優100 (2016-04-08 18:00)
 ピーター・ボグダノヴィッチ著「私のハリウッド交友録」 (2016-02-16 09:00)
 買って失敗した!と思ったもの その2 (2014-08-20 12:00)

この記事へのコメント
お久しぶりです。
もう大昔の話ですが、池田さんが顔出しの仕事と声の仕事を両方やってらしたころ、あるオヤジが「おまえさん、なんでアテレコなんてやってるんだ。あんなの、裏街道の仕事だろ。役者だったら表街道いけ、表街道を」と池田さんに
失礼千万な事をいったそうですね。そういう酷い事を言われて、むっとした池田さんは、「裏街道?結構じゃないの。私は裏街道に命かける」と思われたそうです。
「裏街道に命をかける」・・・・究極のカッコイイ台詞ですね。このエピソードを聞いた時、私池田昌子という女性に惚れ直してしまいました。
、これはある新劇のベテランの女優さんがおっしゃっていたのですが、ノーギャラでもいいから声の仕事がしたいみたいな若い声優志願者が増えすぎた為に、あの業界もギャラのダンピング合戦が凄い事になっており、池田さんみたいなギャラの高いベテランはなかなか起用してもらえなくなっているらしいんです。残念な事です。
 「緑の館」「ニュウヨークの恋人たち」「おしゃれ泥棒2」の日本語版が一日も早く制作されてほしいと、願わずに入られません。
Posted by ヴェロニカ・ハメル at 2020年08月07日 10:45
ヴェロニカ・ハメルさん、こんにちは!

最近おいでいただけないので、心配していました!
来ていただけて嬉しいです!

池田昌子さんのそのエピソード、この本でも述べられてましたよ。
それだからこそヴェロニカ・ハメルさんのように池田昌子さんにお詳しい方には特にオススメできないかなーと思います。
多分過去のインタビューで書かれてた以上のことは何もないんじゃないかと思います。
もっとムック本ならではのレアなお話が欲しかったです。

でも若い声優さんってノーギャラでも仕事がしたいんですね。
確かにまだ売れてない声優さんが実績を作るためにそうするのはわかるんですが、結局業界全体を困ったことに陥らせてしまってるんですね。
それでも流石に池田昌子さんはテレビやCMでお声を聞かせていただけるチャンスがまだ多いので、ありがたいことですね。

ニコニコ動画で「ローマの休日」の吹き替えを比べているのがありましたが、やっぱり池田昌子さんの品と可愛さを兼ね備えている声には誰も敵わないなーと思ってました。
他の人が正直若いだけに聞こえるのに(失礼!)、池田さんだけ声に王女の品があるんですよねー。
こんな声が出せるのはやっぱり池田昌子さんだけなんだー!と唯一無二の池田さんの声に感動しました。
そして池田昌子さんの声をオードリーに、と最初に選んだ人の炯眼に凄い!と思ってしまいます。大感謝です!

「緑の館」「ニューヨークの恋人たち」「おしゃれ泥棒2」それに「初恋」「マイヤーリング」など、本当に池田昌子さんに早く吹き替えてもらいたいです!
でも「マイヤーリング」なんかは音楽や効果音だけのテープが無いでしょうから、作れないのかもしれませんね。
Posted by みつおみつお at 2020年08月08日 11:49
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。