2021年04月03日

「ローマの休日」を使った創味食品 ハコネーゼCM

 「ローマの休日」を使ったCMが新しくできました。
 僕もテレビを見ていたら出てきたので、“おっ!”と思いました。

 詳しくはこちらこちら(創味食品さんのサイト)。

 真実の口のシーンを使ったパスタソース「ハコネーゼ」のCM。
 グレゴリー・ペックがCGで明石家さんまさんの顔とすげ替えられています。

 僕はこういうの全然大丈夫。“あ、「ローマの休日」使ってくれてる!うれしー!”としか思わないんですよね。
 わー!と思って見ちゃう。うまくくっつけてるなーとか。パロディだしね。

 でもここで心配なのは2006年に「ローマの休日」を使った三井住友銀行のCMの時のこと…。
 あの時も同じ「ローマの休日」で、同じ真実の口のシーンを使ってました。

 あの時は映像はそのままで声を池田昌子さんの声で吹き替えて、出たばかりの生体認証のCMをやったんですが、その時オードリー・ファンではない、「ローマの休日」ファン (この2つは別物だと思っています)がネットで騒いだんですよね。

 僕は“えーーっ!どこが気に入らんの?面白いやん。”って思いましたが「ローマの休日」ファンはそうじゃ無かったようで…。

 やれ、 “「ローマの休日」に対して冒とくだ!”とか、“2003年で著作権が切れたからって無断でこんな使い方して!”とか。
 うーん「ローマの休日」ファンって寛容じゃないんだねーと僕は当時思っていました。

 三井住友銀行みたいな大手が、パラマウントに許可を取らずにするわけないやん!そういうのすら確認せずにネットに書き込む人って本当に無責任!だと思いました。実際三井住友銀行には当時直接問い合わせしてしっかりパラマウントとオードリー・ヘプバーン財団にお金を払って許可を取ってるって教えてもらいましたしね。

 えっと、ここでいう「ローマの休日」ファンって、「ローマの休日」だけのオードリー映画のファンってことですね。他の作品のオードリーにはあんまり興味ない人びと。「麗しのサブリナ」以降はもうダメとか、60年代の全盛期のオードリーですら“老けてる”とかって言う人たちですね。他の作品は見てすらいない人も多くいたみたいで。

 なので他作品も色々見て、それでオードリー映画では「ローマの休日」が1番好き!って人はもちろん違いますよ。あくまでも「ローマの休日」にしか興味がない・見てない人が「ローマの休日」ファン。
 晩年のオードリーまで含めて好きな人は「ローマの休日」を1番でももちろんオードリー・ファン。

 この僕のいう「ローマの休日」ファンに対して “えっ!?”て思ったのはその先。「ローマの休日」ではあれほどヤイヤイ言ってたのに、三井住友銀行が「パリで一緒に」編を流し始めたら、なーんにも言わないの。ネットで批判とか1つも見つけられなかったんですよね。 

 だから、あー「ローマの休日」だけはちょっとパロディになったら怒って騒ぐけど、「パリで一緒に」じゃあだんまりなんだねーと思った次第。
 今回ももし「パリで一緒に」とか他の作品使ってたら、何も言われないんですよね、きっと。

 なので、今回もまた「ローマの休日」ファンが騒ぎ出して、明石家さんまさんや創味食品さんが何か言われるかなー、短命で終わっちゃうのかなーと思ってしまいます。僕は全然オッケーなんですけどね。まあ、ただ面白いかと言われると、さんまさんなのにうーんって感じですけど。

 ただ、オードリーをCMで使ってくれたっていうのは嬉しいですね。もちろんここでオードリー・ヘプバーンを使ったら、おそらく世界の恵まれない子供達にも何かしら回ると思いますし。
 なので僕はむしろ何か買ってあげなきゃ!と思いますけど、「ローマの休日」ファンは“絶対買わない!”とかって不買運動でも始めそうですよね。

 僕からしたら、「ローマの休日」本編をネットで流してる人の方がえーって思っちゃいます。そっちは実は叩いてる人が全然いなかったり…。
 パラマウントに許可も取らずに「ローマの休日」のデジタル・ニューマスター版をネットに流してる人の方がもっとダメでしょー!それこそが「ローマの休日」に対する冒とくですよね。

 「ローマの休日」って、オリジナル版は著作権切れましたけど、メイン・タイトルに“ダルトン・トランボ”の名義が入っているデジタル・ニューマスター版は切れてませんからね、多分。

 それにネットを見ると、オードリーの画像使ったスマホケースとかTシャツとか缶バッチとか売ってますけど、それこそどこにも著作権マークがなくって、誰の許可も取っていない無断使用で金儲けしている輩。
 そんなのの方がよっぽど冒涜ですよね!世界の恵まれない子供達に1円も行かない。僕が怒りを覚えるのはそっちの方。

 許可を取ってる創味食品さんを叩くなら、そっちを叩くのが本当の「ローマの休日」ファンじゃない?って思います。
 (オリジナルとデジタル・ニューマスター版の違いについてはこちら



同じカテゴリー(ローマの休日)の記事
 1982年〜84年 神戸名画サロン (2024-07-28 18:00)
 「ローマの休日」日本公開70周年記念、「映画の友」1954年5月号の紹介 (2024-04-26 18:00)
 「ローマの休日」上映直前 月刊「パラマウント」1954年4月号 (2024-04-04 21:00)
 今年はTCエンタテインメントさんの吹替版「ローマの休日」上映! (2024-03-01 18:00)
 「ローマの休日」公開前夜 月刊「パラマウント」1954年3月号 (2024-02-09 18:00)
 日本で最初のオードリーの表紙!「パラマウント」1953年12月号 (2023-11-02 20:00)

この記事へのコメント
創味食品さんの新しいCM面白いですね
ほんと良くできてますよね
今度「ローマの休日」を見る時、このシーンで明石家さんまさんの顔が浮かんで笑ってしまうかも。

オードリーの映画を使ったCMって久しぶりですか?

三井住友銀行のCMの時、ネットででそんな騒動があったなんて知りませんでした
「パリで一緒に」の時何も言わなかったのなら
「ローマの休日」って熱烈なファンが多いって事なのかなー
何となくですが特別な映画って思っている人が多いのかもしれないですね。

創味食品さんにクレームがいかないといいけど
CMでオードリーが見れるってやっぱり嬉しいですからね。
Posted by りりあ at 2021年04月04日 20:24
りりあさん、こんばんは!

合成っぽい変な動きも無く、始めからさんまさんだったように作られていますよね。

はっ!でもこのシーンでさんまさんが浮かぶ、と聞いて、もしかしたら「ローマの休日」ファンが嫌がるのはそういう雑念が入ってしまうからなのかもしれませんね!
僕なんかはケロッと忘れてしまうので大丈夫なのですが…。

それと、オードリーを使ったCMとしてはアインズ&トルペ以来でしょうか。
「ローマの休日」だと髪の毛を切るシーンか真実の口のシーンばかりですね。

三井住友銀行の時は時代的にブログだったので、検索するとまだ残っているかもしれませんが、今はSNSで書き込んでるんでしょうね。そうするとやがて検索出来なくなりますね。

今日は母親がこの創味食品の「さんまの休日」を見て笑っていました。
できればみんなおおらかな気持ちで見ていただけると嬉しいですよね。
僕もテレビでいっぱいオードリーを見たいです。
Posted by みつおみつお at 2021年04月05日 20:20
このCM、いいですね!僕も気に入ってます。
不自然さが全くなくて上出来
こういうのがアプリになって、自分でもできるようになったらいいな。
オードリィの映画、かたっぱしから”共演”したいです。
・・・え?寒いですか?

「ローマの休日」は勿論最高の映画ですが、
クレームつけるほどがんじがらめに不寛容なファンは苦手です。
ふざけて下品で失礼な盗用なら分かりますが、
そういう引用ではないですからね。
コメディ要素が気に入らないのかなぁ、もっとアートっぽくないといけないのでしょうかね?

ところで昔も今も変わらず思うことですが、
「ローマの休日」のオードリィは、
なんかオードリィ以前って感じがぬぐえないんですよね。
顔にしろスタイルにしろ、まだオードリィになっていない。
ま、そこが清新でそれはそれでいい感じです。
最高作だという意見に異論はないですが、
僕にとって実は「ローマの休日」ってそれほど特別ではないんです。
だから不寛容なファンがいると余計に理解不能になりますねぇ。
Posted by まる at 2021年04月07日 00:03
確かに僕もさんまさんの顔が不自然に動くのではないかと気をつけて見てましたが、全く無く、まるで初めからさんまさんだったかのようですよね。CGの発達を実感します。

それと、オードリーと共演ですか?それはすごい発想ですね!
僕は全く考えもしませんでしたが、確かに「パリで一緒に」とか楽しそうですね!
単に共演者の部分と入れ替わるだけだと「ティファニーで朝食を」みたいに振り回されたり、「噂の二人」みたいに振られるのはイヤだー笑。
基本、オードリーに恋してるのはこっちなので、「マイ・フェア・レディ」みたいにオードリーを乱暴には扱えないし、「麗しのサブリナ」でもホールデンの役は出来ても、抑制されたボガートの役はできなかったり。あと「シャレード」みたいに守ってあげるのも無理そう…。
そういうのを色々考えるのも楽しいですね!

そうそう、「ローマの休日」に対してちょっとの変更も許さない!というのは僕はめっちゃ苦手です。多分、僕とは話が合わないと思います。
今回のCMも、オードリーを知らなかった若い世代が、“これ誰?”“面白い!”とかって知るきっかけになってくれるかもって思います。そこから「ローマの休日」の本編や、その他のオードリー作品に広がっていってオードリーを好きになってくれると、またオードリーが生きてくれますよね。
不寛容よりもオードリーを広げてくれる方が、僕はしっくりきます。

それと、僕も「ローマの休日」はまだオードリーのプロトタイプでしかないと思っています。メイクも主演になってからではちょっと違いますもんね。
確かにウィリアム・ワイラーに監督されたことはすっごい幸運で、それがその後のオードリーの気品を纏う役柄に繋がっていったとは思っていますが、まだオードリーはワイラー監督の枠内で演じていますよね。オードリーの魅力はその後の諸作品で開花していくと。
確かに作品の出来はオードリー映画では最高作なのでしょうが、オードリーそのものが最高作ではないと思っています。
Posted by みつおみつお at 2021年04月07日 20:35
名作に対する冒涜としか言いようがない不快なCMです。
Posted by としChan at 2021年04月25日 00:08
オードリー・ヘプバーンもグレゴリー・ペックも、監督のウィリアム・ワイラーも人道的な人たちでした。オードリーは子供たちのためならば、とそれまで決して話さなかった自分の過去やプライベートまで晩年はインタビューで話して、それで世界中の子供たちに目を向けさせました。
きっと生きていたらこうして使ってもらえることに、そして世界の恵まれない子供たちにお金が少しでも回ることに大喜びしていたことと思います。

また映像の最後には息子ショーンとルカの権利を取っているのもわかります。
つまり、オードリーの意思を息子たちが尊重したのだと思いますよ。

それに、「ローマの休日」が忘れ去られるより、「この作品はなに?」と興味を持ってもらって新しいファンを生産してくれる方が僕はいいです。

本文でも書きましたが、冒涜だと思う人がいるのは構いませんが、僕は全く思いません。
オードリーを使ってくれてありがとう!と思っています。
Posted by みつおみつお at 2021年04月25日 09:28
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。