2023年03月04日
「TV cosmos」1993年5月号“銀幕の妖精・オードリーを偲ぶ感動の7作品!”
さて、もう追悼記事の紹介もそろそろ終わりですが、今回は1993年5月号の「月刊 TV cosmos」です。
「TV cosmos」って、角川書店の販売で1987年10・1-31号から創刊(月刊化は1988年1月号から)したそうなのですが、1995年3月発売の5月号には「月刊ザテレビジョン」として生まれ変わったようです。
「TV cosmos」としては短命でしたが、「月刊ザテレビジョン」としては現在も続いてますので、息が長いですよね。
さてここでのオードリーは4月にNHKのアナログBS、衛星第2の追悼特集の紹介です。
衛星第2って現在のBSプレミアムが担っていますよね。
実はBSプレミアムって、映画を独自で買い付けているのか、バージョンが違ったり(「ローマの休日」。オリジナル版で放送)、独自で市販の4Kよりも凄い8K化したり(「マイ・フェア・レディ」)、もちろん字幕も市販のものとは翻訳が違うので、「いつも2人で」のように市販のものは誤訳があるものもきっちり翻訳されている上に市販のDVDより高画質だったりするので、録画が必須です。
「パリの恋人」の字幕もパラマウント発売のものより翻訳が上手です。
ちょっと脱線しましたが、オードリーの追悼では地上波が「パリで一緒に」「ティファニーで朝食を」「初恋」を放映したり、2月にはWOWOWが「ローマの休日」「麗しのサブリナ」「ティファニーで朝食を」「暗くなるまで待って」の4作品を放映したりしましたが、やはりNHKはかなり力入れてきましたねーって感じですね。
地上波やWOWOWのように権利の残っているものを大慌てで放映するのではなく、WOWOWと地上波で放映されなかった7作品と、さらに2夜連続で特番を組み、4月11日の1夜目は「音楽&トーク、名場面集」、12日の2夜目はまだ日本では未放映の、公にオードリーが登場した最後のステージだという「ダニー・ケイ・メモリアルコンサート」なども権利を取って放映しています。
その「ダニー・ケイ・メモリアルコンサート」の画像まで載っているのが嬉しい!
最初のオードリーは、7pで登場。つい最近認知症であることが報じられたブルース・ウィリスの「ハドソン・ホーク」が放映されるのに合わせて組まれたページでの、“映画の世界には大怪盗がいっぱい”ってところで「おしゃれ泥棒」のオードリーの画像が掲載。ちょうど「おしゃれ泥棒」が追悼で放映されますしね。
さてオードリーのページとしては見開きで1ページ半しかありません。
これは前号までにもオードリー追悼の特集はしていたからじゃないかと思います。3月号も持っていますが、そこでは2月放映だったWOWOWの追悼特集のために3ページ使われています。
ここではどーんと「マイ・フェア・レディ」の有名な画像を載せてくれているのが嬉しい。
この画像、有名なのに最近はなんでも50年代の画像ばかりにされてしまって、ここのところ見かけないんですよね。
でも「マイ・フェア・レディ」と言えばこの画像!ってくらい「マイ・フェア・レディ」を代表する画像の1つです。
ここではオードリーの年齢順に作品が紹介されていますが、放映順としては4月11日「緑の館」、12日「おしゃれ泥棒」、13日「ロビンとマリアン」、14日「許されざる者」、15日「いつも2人で」、16日「昼下りの情事」、17日「マイ・フェア・レディ」となっています。
ここでの“銀幕の妖精・オードリーを偲ぶ感動の7作品!”という見出しのある文章は書いた人の署名がないので単に編集者の方なのかもしれないのですが、内容が嬉しい!
“アメリカの女優がどんなにしても演じられなかったアン王女役を、オードリーがものの見事に演じられたのも持ち前の天使のような魅力のせいなのである。”
“彼女の出現はグラマー女優全盛のハリウッドに大きな変化をもたらした。豊満な胸がなくても、痩せっぽちでもスターになれるということだ。”
“「ティファニーで朝食を」で無邪気な汚れを知らない天使の魅力が最高に輝いた。”
と書かれています。
僕が特に嬉しかったのは次の一文。
“年齢を重ねるごとにレディとしての気品が加わり「マイ・フェア・レディ」はまさに適役だった。”
うーん、吹替うんぬんを書かずに「マイ・フェア・レディ」を正当に評価してくれているっ!
ページの左側に載っている作品紹介も、ストーリーではなくこぼれ話が載っているのが、ストーリーだけが載っているようなものより、よっぽどありがたいです。
「昼下りの情事」ではスカーフの巻き方、「緑の館」では子鹿のイップと愛犬フェイマスのこと、「許されざる者」では流産のこと、「マイ・フェア・レディ」ではマーニ・ニクソンの吹替のこと、「おしゃれ泥棒」ではシュミーズ姿のこと(画像がさっきと同じ)、「いつも2人で」ではアルバート・フィニーとの熱愛、そしてメル・ファーラーもカトリーヌ・ドヌーブと噂になったこと、「ロビンとマリアン」ではジェームズ・ゴールドマンがオードリーを復帰させたことが書かれています。
…こんなに書けるなんて、これって署名ないけど日野康一さん?って思います。
左側のページでは「パリの恋人」の大きな画像の下には「緑の館」のオードリー、そしてその横には「ダニー・ケイ・メモリアルコンサート」の画像まで!
下側には文章はパッとしませんが、「マイ・フェア・レディ」の見慣れぬ写真があるのも嬉しいところ。
画像はこれで全部ですが、ビデオのタイトルシールでは放映される7作品に加えて、「わが心のスター オードリー・ヘップバーン」というのもあるのが嬉しいところ(「いつも2人で」が「いつも二人で」って漢数字にしちゃうっていうよくありがちな間違いしてるけどね)。
僕は当時レーザー・ディスクしか持ってなくて、ビデオデッキは持っていなかったので使うことはなかったですけどね。結局ビデオデッキを手に入れたのは阪神大震災のあった1995年が最初。もうビデオ時代としては末期も末期ですよね。
他に新作映画としてはクリント・イーストウッドの「許されざる者」が4月中旬公開ってのが載ってます。「天使にラブ・ソングを…」が4月17日公開ってのもあります。時代を感じます。
裏面とかにはテレビの案内も載っていますが、もっこり大きいブラウン管で、まだちょっと前面は曲面になっています。4:3の画角でこれまた時代を感じます。
Posted by みつお at 21:00│Comments(0)
│その他日本の雑誌